1048式固定


※指の名前
    ・右手の親指から順に R1 R2 R3 R4 R5
    ・左手の親指から順に L1 L2 L3 L4 L5


1P側
L3 R2 R3
L1 L2 R1 R4

2P側
L3 L2 R3
L4 L1 R2 R1




 1048式では上図のような固定をします。名前の由来はこの運指を広めた超上級プレイヤーのDJ 1048(としや)。


 皿側の手の配置が特徴的で、対称固定や北斗運指に比べて皿がとても近くなるのが最大の長所です。日常生活ではまずありえない指の使い方をするので最初は戸惑うかと思いますが慣れれば指が覚えてくれるのでまずは慣れるまで頑張りましょう。

 (以下簡略のため1P側で解説します。適宜左右反転してください。)






1048式の概要



1048式の代表的なメリット


    ①皿が近い

    ②12トリルが取りやすい

  の2点が挙げられます。


 ①については、実際に1048式の指の配置をしてみればわかると思います。小指を少し開くことで簡単に皿の方向へと伸ばすことができます。これによって皿がある時とないときの鍵盤の運指の差が極限まで抑えられ、皿が取りやすくなると同時に皿が来た時の鍵盤も不安定になりにくいです。
 もちろんこれは鍵盤にすべての指を置いたまま皿が取れる(完全固定ができる)というわけではありません。皿が来た時には人差し指を3鍵から離して左手を皿側に寄せる必要があります。この構造は後で説明するデメリットともつながっています。

 ②については、1048式が1鍵を親指、2鍵を中指で取っていることに起因します。右手で56トリルが取りやすいのと同じように中指と親指は指の構造的に交互押しがしやすいです。12トリルは皿に最も近いトリルで両手で交互押しすることも難しいので特に安定させにくいですが、1048式は常にそれが安定させられる唯一の運指といっていいでしょう。




1048式全般のデメリット


   ① 皿が簡単に取れてしまうために固定運指がとても硬くなり、運指が崩しにくくなる

   ② 3+皿の同時押しにとても弱くなる

  の2点があげられます。


 ①については、対称固定やドルチェ式、言うまでもなく北斗運指では皿側の手が皿を取る時と取らない時で指の配置が異なるのに対して、1048式では皿の有無にかかわらず手の形がほとんど変わらないということに起因してます。1048式では皿側の手が皿のほうにばっかり向いているため、特に4鍵や5鍵が左手で取れなくて苦しみます。例えば24、57の2重トリルなどが出てきた時には右手で57、左手で24を取るのが理想的ですがこういうことができなくなります。

 ②は、左手親指が1鍵に固定されることが原因です。1048式では親指を軸にして人差し指を3鍵から2鍵に移動させることにより3:5半固定に移行することができます。この時に左手の親指は自然には3鍵に移動することはなく、このため1048式の固定をしていると3+皿の同時押しを片手で取ることは自然に習得できません。(対して、対称固定やドルチェ式では左手親指が最初から3鍵に乗っていて、さらに皿側に手を引き寄せる動作ででごく自然に1鍵に移動することができます。)1048式を使う際は3+皿を左手だけで取るか右手の3鍵補助を入れるかのどちらかを覚えなくてはなりません。



 ※以上は主に皿側の手についての考察でしたが、非皿側の手については全運指共通の話題として対称固定のページの「もう少し詳細な非皿側の話」にて記述してあります。




1048式のタイプ


 1048式の皿側の手には2つのタイプが考えられます。まずは画像を添えてこの2つのタイプを説明します。


○タイプA




 ・親指を人差し指の下に潜り込ませる
 ・手は鍵盤に対してやや正面から突き出す


長所

 ・左手の突き出す角度が比較的自然→筐体に対して自然な角度で構えられる
 ・小指を開いた時に皿が近くなる
 ・人差し指を2鍵に持って行きやすい
 ・親指を3鍵に持って行きやすい

短所

 ・1・3トリルがとても取りづらい



○タイプB




 ・親指は人差し指からやや離れて構える
 ・手の向きは体に対してかなり横向きにして、皿の方から突き出す


長所

 ・1・3トリルが取りやすい(1・2トリルと大差がないくらい)
 ・人差し指の下に親指がないため、人差し指の可動域が広がる
 ・手首が皿に近くなる

短所

 ・左右の手の突き出す角度が大きく異なる
 ・完全な固定運指になりやすい / 他の運指への移行が難しい



両タイプの考察


 上記からわかるように、両タイプの長所と短所は表裏一体となっています。結論として言えることは、

 タイプAは1048式固定としてはやや不安が残るものの、その他の打鍵方法へのアクセスが広く開かれていることによってこれをカバーする、応用力の必要な運指

 タイプBは他の運指へのアクセスがかなり限定されるものの、1048式タイプB自体として相当程度の完成度を誇り、さらに手首皿を可能とする一元的な運指

だということです。


 また、

 タイプAタイプBは1048式の使用者ごとに異なる流派のようなものではなく、譜面によって使い分けが出来るべきものとして理解します。例えば1・3トリルが高速で来たときにはタイプBを使い、そのあとに複雑な皿複合がきた場合にはタイプAに切り替えるなど、臨機応変に使い分けられるのがベストだと考えられます。



 以下は実際に使用する際の注意や雑感です。

 ・対称固定や北斗などの他の運指を主に使用している状態から1048式の導入を試みる場合、やはり手を置く角度の特殊性から言ってタイプBはやや壁があります(タイプAの使用者にとってすら違和感があるほどです)。1048式の導入にはタイプAをおすすめしておきます。

 ・タイプBの固定度について、かなり高いと前述しましたが、これは皿と全鍵盤をフル稼働させているという前提のもとの見解です。運指を切り替えられるような時間的猶予がある場合には、もちろんながらこのデメリットは克服されます。

 ・タイプAは他の運指へのアクセスのしやすさが比較的高いと記述しましたが、やはり1048式全般のデメリットとしての運指の崩しにくさというものは覆りにくいです(1048式全般の運指の崩しにくさが皿の近さに起因しているため)。特に親指を3鍵に持っていくということやベチャ押しへの移行は特別の練習が必要となります。

 ・タイプBの長所に挙げた"人差し指の可動域が広い”という項目ですが、これは実際にタイプAを用いて1,3鍵を叩いてみるとわかりやすいです。タイプAを用いて1鍵→3鍵の順番に押すときには、人差し指は親指の上を飛び越えるような起動を描きます。この動作によって、人差し指の軌道に少しばかりの無駄が生じてしまうほか、手首や小指の方面にも僅かに影響が生じてしまいます。また、タイプAを用いて3鍵→1鍵と押す場合には、3鍵を取るために親指の本来の軌道の上に跨った人差し指を、親指で1鍵を叩く際に退けなければいけません(というより自然にこのような指の動きになってしまいます)。この動きにより人差し指は不要な浮き上がりを簡単に強いられ、無駄が生じてしまいやすいです。
 このような事態に対して、タイプBでは人差し指の親指の軌道が互いに干渉していないので、上記の問題とは無縁であるということができます。

 ・タイプA鍵盤に対して正面から構えられるために、1048式の中でもベチャ押しへの接続がしやすいタイプであると言えます。タイプBのベチャおしとの相性の悪さはベチャ押しスライド











1048式完全固定




完全固定とは皿と7つの鍵盤の8箇所を同時に押せる(回せる)指の配置のことです。
1048式では左手が皿に近いため、人によってはこの完全固定が可能となります。



完全固定の習得



 まず手が大きくないとできません。理論上は3鍵に人差し指をおいた時に小指が皿に届く、という大きさが必要ですが、本当にギリギリだと力が入らないし皿を回せません。できれば3鍵に人差し指をおいた時に小指の第2関節が皿の上に乗る、3鍵を押したまま小指で皿の押し引きができるくらいの余裕が必要です。手の大きさ、指の長さは足りてるのに指が開けなくて届かない、という場合はストレッチをして指が開く角度を広げることができます。

 人差し指と小指を目一杯広げて両方の先端に力を込める、という動作を最初から余裕を持って出来る人はまずいないでしょう。余裕を持って皿と鍵盤を完全に同時に支配下に置くには巨人レベルの手の大きさが必要なので、完全固定を習得するにあたっては多少の苦痛は甘受しましょう。

 また、鍵盤の押し方はほとんどの場合1048式となるので普段から1048式固定運指を使っていると入りやすいです。完全固定を覚えようと思っている人は皿に困っている場合がほとんどだと思いますが、もしすでに1048式を使っていなければ、まずは普通の1048式を使うところから始めることをおすすめします。1048式運指では自然と皿が近くなるのでこれだけでも少し楽になると思います。(というかむしろ完全固定は1048式固定における皿複合を取る運指の漸進的進化系なのではないかと思っています)




完全固定の実用性について



 完全固定を始めて分かることは、意外と使いどころは少ないということです。すなわち S+13S+23S+123が来ていてなおかつ右手も3鍵に補助を出せるような状態にない、という状況は☆12の上位譜面や発狂BMSなどでこそ多く出てくるものの、本家☆11以下の譜面ではほとんど出てきません。

 またその無理のある指の配置から言って、なかなか100%成功するとも言いにくいです。例えばS+123に対して完全固定を使ったところでその4つが取れる確率はどれほどでしょうか?熟練度や手の大きさにもよりますが、100%どんな時でも取れるという人は少ないと思います。ましてや完全固定が必要な場面とは概ね両手ともフル稼働で認識力も強く働かせている場合が多く、完全固定をする時の左手の細かい動かし方などには気を配っていられないかもしれません。

 何が言いたいかというと完全固定には使いどころがあるということです。無理のある手指の配置なので普段から使うとスコアが出にくく、負担がかかるので手を痛める原因にもなります。完全固定は長時間維持することが難しく、必要のないときに使っていてメリットが得られるものではないので、密度が高い譜面に皿が加わった時にここぞといって使うのに適した運指です。




完全固定の使い方


 完全固定を使おうと思ったときに、具体的にどうやって手を動かせば4つのノーツを拾うことができるでしょうか。2つの場合に大別して説明します。

 まずは何もノーツを叩いていない状態、もしくは前のノーツから8分休符以上空けてS+123、S+23などの同時押しが来た時に完全固定を使おうと思った場合です。この場合は左手を少し前に押し出すようにして123鍵に対しては斜めから叩き、皿は小指で抑えつつ手自体の運動量を使って回します。引き皿の場合は逆に左手を手前に引くように動かします。この時に123鍵に対しては指押しはできないのですべて腕押しになります。意識するのは3鍵と皿をしっかり取りに行く事です。小指はあまりピンと張らずに、少し曲げ気味に構えて進行方向(手前↔奥)と平行になるようにすると、皿との接面が増えて回しやすいです。

 2つめは乱打中に来た皿を鍵盤の固定を崩さずに取る場合です。両手は固定を崩して皿を取りに行けないほど忙しい乱打中なので、あたかもなかったかのように皿を取りに行きます。小指を広げて皿の上までもっていき、手の小指側の側面を奥に突き出すように手を回転させ、その動きで皿を回します(文字では非常に伝わりにくいですが、要は最小限の指の動きで皿を回します)。実際は乱打中の出来事なので皿か鍵盤を逆あんみつ気味に取ることで確実性を上げることができます(スコアは下がりますが前述のとおり完全固定はスコア狙いには向いていません)。












手首皿





 手首皿とは、指ではなく手首に近い部位を使って皿を回す完全固定運指のことです。この運指の長所は、通常の完全固定と同じく皿と全てのボタンに指(手首)を乗せていられるという点に加えて、皿を指先ではなく手首で取ることによってより独立した動きが可能となるというところです。短所としては、連皿曲で使うような皿と鍵盤を片手ずつで分担する運指への移行が困難という点が挙げられます。


 単に手首皿という言葉を使った場合、鍵盤側の運指が限定されるということはありませんが、現状手首を皿の上に置いた時に安定して鍵盤を取ることができるような運指は1048式固定しか存在しないので、以降は手首皿といった時には1048式固定の手首皿を意味するということにします。また、この項目ではこのページ内の1048式に関する用語などを適宜引用します。



指と手首の配置


 まずは皿側の手をどのように使うかを説明します。指先は1048式固定なので親指で1鍵、中指で2鍵、人差し指で3鍵にそれぞれ置きます。問題の手首ですが、手のひらで手首に最も近い部分の右と左に骨がやや出っ張っているところが2箇所あると思います。その2つの出っ張りの内、小指に近い方を皿に当てることによって皿を回します。(以下、手首で皿を回すと言ったときにはこの部位で皿をこするという動作を示します。)



 まずはこの手首付近の出っ張りを皿の上に置いた状態で、1048式固定の形で指先が鍵盤の上にしっかりと乗るかどうかを見てみてください。3鍵と皿の距離は15~16cmはあるので、手首の出っ張りから人差し指の先までの長さが16~17cm以上はないと手首皿をすることは簡単ではないと思われます。



手指の動かし方


 鍵盤の運指を動かすこと無く皿を取ることができる、という手首皿のメリットを最大限活かすために、鍵盤の1048式運指に与える影響が最も少ないような手首の動かし方をします。この動かし方は、慣れ親しんでいる1048式のタイプ(タイプA、タイプB)によって若干異なります。まずは以下の図を見てください。



 タイプBの1048式を普段から使っている人は、そのまま皿に乗せるように手首の位置を微調整することによって②もしくは③の状態が完成します。あとは腕と手首のスナップを使って、手首で皿をこすります。

 タイプAの1048式に慣れている人は、皿があるときと無いときでタイプAとタイプBを使い分けることになります。皿がない状態では①、皿が来たらまずは押し皿で②へ移行し、皿が来なくなるまで②と③を往復、あとは任意のタイミングで①に戻ります。

 一見すると前者のタイプBメインの方法のほうが有利と思われるかもしれませんが、タイプBでは腕をより横向きの角度で突き出さなければいけないのでわきが開いてしまいます。わきを開くことによって手を十分に安定させることができなくなり、通常の打鍵の安定性に支障をきたす可能性があるかもしれないということを覚えておく必要があります。


 また、注意したいのは手首と皿の距離です。特にタイプBメインの人に起こりうることですが、皿のあるときも無いときもずっと手首と皿を接させているということは大変危険です。打鍵において手首や肘、肩といった手首より手前の力が使えないために打鍵を指の力だけに頼ることとなり、過負荷による腱鞘炎を引き起こす可能性があります。そうではなく、普段は手首も自然な状態まで浮かせておいて腕押しや手首押しをしながら、皿が来たら手首で皿を押さえつけるようにして皿をこする、というような動きが理想的だと思います。その意味では、上記のタイプAメインとタイプBメインの運指の間には、1048式自体の運指と腕の突き出す角度以外に大きな差異は無いのではないかと思います。


※ 以上は全てAC規格での説明でしたが、專コンのように少しコンパクトな規格の場合は殆どの人に手首皿が可能となるでしょう。また專コン規格では皿の位置が少し手前になるので手首皿がより簡単にできると思います。
最終更新:2014年06月10日 23:50
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