付随性

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付随性 - (2011/09/08 (木) 00:30:53) の編集履歴(バックアップ)



付随性(ふずいせい、英: Supervenience スーパーヴィーニエンス)とは、ある現象の存在が、それと異なる現象に依存している性質である。

現象Aが現象Bに付随しているということは、A固有の性質のどんな変化も、B固有の性質に生じる特定の変化に対応しているということであり、Aが完全にBに依存しているということである。

心の哲学における付随性とは、クオリア現象的意識など心的な性質は、ニューロンの活動など脳の物理的な状態に完全に付随している(スーパーヴィーンしている)という仮説である。言い換えれば心的な性質は脳の物理的な状態に依存して生起しているという事であり、これには「心的な性質が異なる両者の脳の物理状態が同一だ、というようなことはない」という主張が含意されている。この付随性の概念を中核とした心身関係論が随伴現象説である。

近年の神経科学の急速な発達により、「心的」とされる性質のほとんどがニューロンの活動など脳の物理状態に付随するものだと一般に考えられるようになった。これは脳状態の変化に対応することなく心的状態が自律的に変化することは無いという考えでもある。

著名な哲学者でこの見解を支持する人物にはジェグォン・キムがいる。このような見解は「非還元的唯物論」ともいわれる。付随説をとればクオリアなど心的現象を消去することなく、人間心理について完全に唯物論的な説明が可能となる。付随説は心身問題を解決した、また解決への第一歩を提供したとと考える学者もいる。

しかし心的な性質の全てについて脳の物理的な状態への付随性が成立しているのかについてはまだよくわかっていない。哲学的ゾンビ逆転クオリアなど、付随性が成り立っていないような状況についての思考実験もなされている。


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