ライプニッツ

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ライプニッツ - (2009/10/02 (金) 16:40:04) の編集履歴(バックアップ)



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ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(Gottfried Wilhelm Leibniz, 1646年7月1日(グレゴリオ暦)/6月21日(ユリウス暦) - 1716年11月14日)はドイツ・ライプツィヒ生まれの哲学者・数学者。

哲学における業績

「モナドロジー(単子論)」「予定調和説」を提唱した。その思想は、単なる哲学、形而上学の範囲にとどまらず、論理学、記号学、心理学、数学、自然科学などの極めて広い領域に広がる。また同時に、それらを個々の学問として研究するだけでなく、「普遍学」として体系づけることを構想していた。学の傾向としては、通常、デカルトにはじまる大陸合理論の流れのなかに位置づけられるが、ジョン・ロックの経験論にも深く学び、ロックのデカルト批判を受けて、精神と物質を二元的にとらえる存在論およびそれから生じる認識論とはまったく異なる、世界を、世界全体を表象するモナドの集まりとみる存在論から、合理論、経験論の対立を回収しようとしたといえる。

モナドロジーの立場に立つライプニッツからすれば、認識は主体と客体の間に生じる作用ではなく、したがって直観でも経験でもない。自己の思想をロックの思想と比較しながら明確にする試みとして、大著「人間知性新論」を執筆したが、脱稿直後にロックが亡くなったため公刊しなかった。ライプニッツの認識論には、無意識思想の先取りもみられる。

心身並行説

ライプニッツはこの宇宙には唯一の種類の実体、すなわちモナドだけが存在すると考える形而上学的一元論者であり、すべてはモナドに還元できると考えていたけれども、それにもかかわらず彼は「心的なもの」と「物的なもの」の間には因果に関して重要な区別が存在すると考えていた。彼によると、心と体はお互いと調和するように神が事前に調整してくれているのである。これは予定調和 (pre-established harmony)の原理として知られている。

オプティミズム(最善観)


可能性と現実性
http://homepage1.nifty.com/kurubushi/card8055.html
ライプニッツが、我々のこの世界を最善の世界であるとした(楽天主義、最善観=オプティミスム)のは、神がそうなるように選択したからという根拠に基づくものだった。この点だけを取り上げると、それはまさしく楽天的な考えである。しかし、神の「選択」という点を取り上げてみるなら、ライプニッツの思想の組み立てには興味深いものがある。なぜなら、「現実」に神が創造したのは我々のこの現在の世界ではあったが、「可能性」においてなら、神は別な世界、今のこの世界とは違った世界を作ることもできたはずだということが前提されているからである。実際、ライプニッツと言えば可能的世界というのは、哲学史にあって一つのセットになっている。こうした神による選択という考えは、直接的には、スピノザの考えに反論するものであった(→スピノザ対ライプニッツ)。なぜなら、スピノザはそうした可能性を認めず、この世界は神の必然的な決定によって出てきたのであり、これ以外の仕方は考えられないとするからである(『エチカ』第一部定理28)。