野丸太郎は『普通』に過ごしたい ◆IvIoGk3xD6
「待てって言ってんだろ!」
野丸太郎は逃げていた。
この地に飛ばされてからまもなくのことだった、人相の良いとは言えない男、塚本甚八に追い回されたのは。
「何でこんなことするんですか!?」
野丸は当然の疑問を口に出す。
殺し合いを強要されたからといって、まさか本当に自分が殺されそうになるとは思わなかったからだ。
「決まってんだろ、生き残るためだよ!
生き残れるのはたった一人、だったら自分が生き残ろうとするのが普通の人間ってもんだよ!」
「えっ、普通……?」
野丸はその言葉に一瞬気を引かれたが、足を止めてなどはいられず全力で走り続ける。
この地に飛ばされてからまもなくのことだった、人相の良いとは言えない男、塚本甚八に追い回されたのは。
「何でこんなことするんですか!?」
野丸は当然の疑問を口に出す。
殺し合いを強要されたからといって、まさか本当に自分が殺されそうになるとは思わなかったからだ。
「決まってんだろ、生き残るためだよ!
生き残れるのはたった一人、だったら自分が生き残ろうとするのが普通の人間ってもんだよ!」
「えっ、普通……?」
野丸はその言葉に一瞬気を引かれたが、足を止めてなどはいられず全力で走り続ける。
塚本はなおも野丸を追いかけるが、一向に距離は縮まらない。
それもそのはず、足が速い方ではないとはいえ野丸は現役の高校球児なのである、繁華街でゴロついてるだけの塚本が追いつけるわけがない。
業を煮やしたのか、塚本は腰に差していた拳銃を取り出し、野丸に向け引き金を引くが、素人が走ったままで目標に当てられるはずもなく弾は明後日の方向に消えていく。
続けて二発目を放つが、こちらも野丸に当たることはなかった。
命中する可能性が低いと踏んだのか、塚本は銃を再び腰に差し直す。
それもそのはず、足が速い方ではないとはいえ野丸は現役の高校球児なのである、繁華街でゴロついてるだけの塚本が追いつけるわけがない。
業を煮やしたのか、塚本は腰に差していた拳銃を取り出し、野丸に向け引き金を引くが、素人が走ったままで目標に当てられるはずもなく弾は明後日の方向に消えていく。
続けて二発目を放つが、こちらも野丸に当たることはなかった。
命中する可能性が低いと踏んだのか、塚本は銃を再び腰に差し直す。
そうこうしている内に野丸との距離が徐々に開いていき、そして完全にその姿を見失った。
「ちっ、幸先悪いな。次からはもう少し慎重にいくか。よっぽどじゃない限り銃は当てになんねぇことも分かったしな。」
そう呟きながら塚本は夜の街に消えていった。
「ちっ、幸先悪いな。次からはもう少し慎重にいくか。よっぽどじゃない限り銃は当てになんねぇことも分かったしな。」
そう呟きながら塚本は夜の街に消えていった。
□
「ハァハァ……、もう追って来ないみたいだな」
後ろを見て塚本が追ってこないことを確認すると、野丸はその場にしゃがみ込んだ。
そして、改めて自分の置かれている状況を考える。
自分はどうすればいいのか?
人を殺す?
それ以外の方法を探す?
しかし、答えは見つからない。
普通に考えれば人殺しは許されることではない。
だが、野丸の頭の中には先ほどの塚本の言葉が響いていた。
「僕はどうすればいいんだ……」
「ハァハァ……、もう追って来ないみたいだな」
後ろを見て塚本が追ってこないことを確認すると、野丸はその場にしゃがみ込んだ。
そして、改めて自分の置かれている状況を考える。
自分はどうすればいいのか?
人を殺す?
それ以外の方法を探す?
しかし、答えは見つからない。
普通に考えれば人殺しは許されることではない。
だが、野丸の頭の中には先ほどの塚本の言葉が響いていた。
「僕はどうすればいいんだ……」
明確な答えも見つからないまま、野丸は当てもなく彷徨った。
そして、気付けばいつの間にか塚本に追われていた場所の近くに戻って来ていた。
「あの人に見つかったらどうしよう。早くどこかに行かなくちゃ」
慌てて元来た道を引き返そうとするが、野丸の目はあることに釘付けになっていた。
記憶が正しければ、それは確かに自分を追いかけ回していた塚本の姿だ。
だが、彼はゴミの様に道ばたに倒れており、ピクリともしない。
頭部はグチャグチャに潰されており、その周りのアスファルトをどす黒い赤で染めている。
さらに、頭の中までもが少し観察できる程であった。
そして、気付けばいつの間にか塚本に追われていた場所の近くに戻って来ていた。
「あの人に見つかったらどうしよう。早くどこかに行かなくちゃ」
慌てて元来た道を引き返そうとするが、野丸の目はあることに釘付けになっていた。
記憶が正しければ、それは確かに自分を追いかけ回していた塚本の姿だ。
だが、彼はゴミの様に道ばたに倒れており、ピクリともしない。
頭部はグチャグチャに潰されており、その周りのアスファルトをどす黒い赤で染めている。
さらに、頭の中までもが少し観察できる程であった。
「ウゲェ……、オェェェェ!!!」
その凄惨の光景に野丸は吐き出さずにはいられなかった。
胃の中の物を出し切ってもその衝動は収まらない。
だが、このことで野丸の心は決まった。
その凄惨の光景に野丸は吐き出さずにはいられなかった。
胃の中の物を出し切ってもその衝動は収まらない。
だが、このことで野丸の心は決まった。
(そうだ、ここではこれが『普通』なんだ。殺らなきゃ殺られる、これがここの原則。
それにこの人も言ってたじゃないか、人を殺してでも生き残るのは普通だって。
だったら、僕が人を殺すのも普通なんだ!それに、僕は普通に過ごさなきゃいけないんだ!)
それにこの人も言ってたじゃないか、人を殺してでも生き残るのは普通だって。
だったら、僕が人を殺すのも普通なんだ!それに、僕は普通に過ごさなきゃいけないんだ!)
野丸の手にはサブマシンガンが握られていた。
普通ではない場で普通を求めることの意味も気付かずに。
普通ではない場で普通を求めることの意味も気付かずに。
【E-2/一日目/深夜】
【野丸太郎@パワプロクンポケット7】
[状態]健康
[装備]ウージー
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×3
[思考]
基本:普通に過ごす
1:生き残るために人を殺す
【野丸太郎@パワプロクンポケット7】
[状態]健康
[装備]ウージー
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×3
[思考]
基本:普通に過ごす
1:生き残るために人を殺す
野丸を見失って幾許か。
塚本はもまた、あるものに目を奪われていた。
それは遠目には人間の足の様に見えるのだが、月明かりだけではそれが何なのかまでは分からない。
さらに、その人?からは何か赤い液体を出しながら横になっているのである。
普段ならば気味悪がるだけだが、今回は状況が状況だ。
塚本は気にせずにはいられなかった。
意を決してバッグからランタンを取り出し、念のため銃を構えながら確認しにいく。
塚本はもまた、あるものに目を奪われていた。
それは遠目には人間の足の様に見えるのだが、月明かりだけではそれが何なのかまでは分からない。
さらに、その人?からは何か赤い液体を出しながら横になっているのである。
普段ならば気味悪がるだけだが、今回は状況が状況だ。
塚本は気にせずにはいられなかった。
意を決してバッグからランタンを取り出し、念のため銃を構えながら確認しにいく。
そして、塚本が目にしたものは----
「何だ人形かよ」
ただの人形であった。
「けどまてよ、何で人形ガッ!?」
ただの人形であった。
「けどまてよ、何で人形ガッ!?」
何かに気付いた矢先、突然塚本の後頭部に鈍い衝撃が走り、意識が一気に遠のいた。
そして、一瞬の間もなく襲来した二発目の衝撃により意識は完全に刈り取られる。
その後も頭部への執拗な攻撃が続き、塚本はその生涯を終えることとなった。
そして、一瞬の間もなく襲来した二発目の衝撃により意識は完全に刈り取られる。
その後も頭部への執拗な攻撃が続き、塚本はその生涯を終えることとなった。
塚本が完全に死んだのを確認すると、下手人ムム白瀬芙喜子は何事もなかったかの様に囮に使ったさおりちゃん人形と塚本の手から落ちた銃、そして彼のデイパックを回収した。
□
白瀬がこの地に降りたって初めにしたのが持ち物の確認だった。
自分が生き残るためには自身が何を所持しているのか知るのは必須だと考えたからだ。
そして、基本的な物以外に入っていたのは二つ。
人間大の人形とフライパンであった。
「人形にフライパンって、なめてるのかしら、あいつ……」
思わず亀田への不満が口からこぼれるが、運が悪かったとすぐに頭を切り換える。
今自分が所持しているのは人形にフライパン。これでは生き残るのは無理だろう。
ではどうするか。諦めるのか?
……否。武器が無いのならば、奪えばいいだけである。
その点で白瀬には確信めいた自信があった。
「あの場にいたのは多く見積もっても60人。そのうちあたしが勝てそうなのは30人はいたわね。
まさか、あのお遊びがこんな形で役立つとはね」
白瀬は日頃から、目に付いた他人をどれくらいの時間で制圧できるかをシミュレートする癖があった。
そのための自信である。
白瀬がこの地に降りたって初めにしたのが持ち物の確認だった。
自分が生き残るためには自身が何を所持しているのか知るのは必須だと考えたからだ。
そして、基本的な物以外に入っていたのは二つ。
人間大の人形とフライパンであった。
「人形にフライパンって、なめてるのかしら、あいつ……」
思わず亀田への不満が口からこぼれるが、運が悪かったとすぐに頭を切り換える。
今自分が所持しているのは人形にフライパン。これでは生き残るのは無理だろう。
ではどうするか。諦めるのか?
……否。武器が無いのならば、奪えばいいだけである。
その点で白瀬には確信めいた自信があった。
「あの場にいたのは多く見積もっても60人。そのうちあたしが勝てそうなのは30人はいたわね。
まさか、あのお遊びがこんな形で役立つとはね」
白瀬は日頃から、目に付いた他人をどれくらいの時間で制圧できるかをシミュレートする癖があった。
そのための自信である。
だが、自分と同等かそれ以上の者がいたのもまた事実である。
「そのためにも早く戦力を補充しないとね。折角の武器をそいつらに取られたらたまんないし。
まずは弱いヤツから武器を奪って強いヤツは後回しってとこかしら」
そう目的を定め、白瀬は行動を開始した。
「そのためにも早く戦力を補充しないとね。折角の武器をそいつらに取られたらたまんないし。
まずは弱いヤツから武器を奪って強いヤツは後回しってとこかしら」
そう目的を定め、白瀬は行動を開始した。
□
白瀬が商店街で物色をしていると、銃声が立て続けに二発耳に入った。
目当てであったケチャップをバックにしまうと、現場であると思しき地へと直行したが、すでに誰の姿もなかった。
「遅かったか」
そう嘆きつつも白瀬に落胆の色はなかった。
この広い土地である、下手したら誰にも遭遇しないまま強者に駆逐されてしまう可能性だってあった。
だが、この近くには少なくても発砲者とその被害者の二人はいることが分かったのである。
さらに残っていた弾痕のバラバラさから、発砲者の射撃の腕はあまりよろしくないようだ。
自分は案外ツイている、白瀬はそう感じていた。
白瀬が商店街で物色をしていると、銃声が立て続けに二発耳に入った。
目当てであったケチャップをバックにしまうと、現場であると思しき地へと直行したが、すでに誰の姿もなかった。
「遅かったか」
そう嘆きつつも白瀬に落胆の色はなかった。
この広い土地である、下手したら誰にも遭遇しないまま強者に駆逐されてしまう可能性だってあった。
だが、この近くには少なくても発砲者とその被害者の二人はいることが分かったのである。
さらに残っていた弾痕のバラバラさから、発砲者の射撃の腕はあまりよろしくないようだ。
自分は案外ツイている、白瀬はそう感じていた。
その二人を逃さないためにも、白瀬は即座に辺りを捜索した。
そして、思いの外すぐに二人の内の片割れ、塚本を発見したのである。
そこからの行動は早かった。
塚本の進路を予測して、先回りをし、準備をしていた罠を施す。
罠といっても、さおりちゃん人形の足にケチャップを掛けただけの罠とも呼べない代物だ。
だが、幾つかの要因が重なった事によって、これの効果は高まった
一つは今が深夜だということ。
明かりは月明かりぐらいのものである、多少怪しいところがあっても闇によってカモフラージュされる。
そして、二つ目はこの殺し合いという状況。
このような場で人間らしき物が赤く染まっていたらどう思うだろうか?目を惹き付けない訳がない。
これらの要因の上にさらに足だけ見せるということにより、より興味を惹き付けるようにする。
対象が人形に目を移している間に不意打ちを掛ける、これが白瀬の計画だった。
穴も多々あるが、無策で突っ込むよりはマシと考えたのだ。
だが、塚本はこれ以上ない程この作戦に嵌った。
そして、思いの外すぐに二人の内の片割れ、塚本を発見したのである。
そこからの行動は早かった。
塚本の進路を予測して、先回りをし、準備をしていた罠を施す。
罠といっても、さおりちゃん人形の足にケチャップを掛けただけの罠とも呼べない代物だ。
だが、幾つかの要因が重なった事によって、これの効果は高まった
一つは今が深夜だということ。
明かりは月明かりぐらいのものである、多少怪しいところがあっても闇によってカモフラージュされる。
そして、二つ目はこの殺し合いという状況。
このような場で人間らしき物が赤く染まっていたらどう思うだろうか?目を惹き付けない訳がない。
これらの要因の上にさらに足だけ見せるということにより、より興味を惹き付けるようにする。
対象が人形に目を移している間に不意打ちを掛ける、これが白瀬の計画だった。
穴も多々あるが、無策で突っ込むよりはマシと考えたのだ。
だが、塚本はこれ以上ない程この作戦に嵌った。
事切れた塚本の死骸を見下ろしながら、白瀬は呟く。
「許しを請うつもりはないわ。けど、あたしは生き残りたいの」
「許しを請うつもりはないわ。けど、あたしは生き残りたいの」
生き残るために殺し合う、その先に何があるのかは誰にも分からない。
【塚本甚八@パワプロクンポケット5 死亡】
【残り51名】
【残り51名】
【E-3/一日目/深夜】
【白瀬芙喜子@パワプロクンポケット8表】
[状態]健康
[装備]ベレッタM92(13/15)
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×5、さおりちゃん人形@パワポケ6裏、フライパン、ケチャップ(残り1/4程度)
[思考]
基本:優勝する
1:戦力増強のため弱者から倒す、強者は後回し
2:二人の片割れを探す
【白瀬芙喜子@パワプロクンポケット8表】
[状態]健康
[装備]ベレッタM92(13/15)
[道具]支給品一式(不明支給品0~2)、予備弾倉×5、さおりちゃん人形@パワポケ6裏、フライパン、ケチャップ(残り1/4程度)
[思考]
基本:優勝する
1:戦力増強のため弱者から倒す、強者は後回し
2:二人の片割れを探す
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