サラ・ファー・ソラン
作者:Rime (smorker8752) /user_id=11484
名前:サラ・ファー・ソラン
年齢:11歳ぐらい
種族:人間
出身:辺境の山岳地帯
年齢:11歳ぐらい
種族:人間
出身:辺境の山岳地帯
昔の話。
サラ・ファー・ソラン(Sala=far=Sorran)という少女がいた。
好奇心旺盛な少女はある日、家畜の牛と家出をした。
すぐに帰るつもりだったのか、それとも二度と帰るつもりは無かったのか。
景色の良い高台に上り、少女は花を摘み髪飾りを作り牛の頭にそっと置いた。
牛には小さすぎた。
少女は牛をみてクスクスと笑った。
この牛のためにもっと豪華な髪飾りを作ろうと少女はたくさん花を集めた。
牛はその様子をやさしく見つめている。
帽子のような豪華な髪飾りが出来たのだが少女は物足らない様子だった。
華麗な花のワンポイントが足りないのかな?
少女は祖父の言葉を思い出した。
(・・・綺麗な花は危ないところに咲くもんじゃ)
ちょうどこの高台は少し先に行くと崖になっている。
少女は牛に耳打ちした。
(ちょっと行って来るから、ここで待っててね)
牛は遠ざかる彼女の後姿を見つめながら
のんびりと少女を待ちつつ暖かな日差しの中眠りについた。
やがて、夜が来て、朝が来た。
牛は身動き一つせず、じっとしている。
そしてまた、夜が来て、朝が来た。
牛は身動き一つせず、じっとしている。
何度も夜が来て、朝が来た。
牛は身動き一つせず、じっとしている。
おなかがすいたら首の届く範囲の草を食べる。
何度も夜が来て、朝が来た。
牛は身動き一つせず、じっとしている。
届く範囲の草は全て食べつくしてしまった。
土はまずくて食べれやしない。
動こうかと思ったけど、
この場を離れるということは少女との約束を破ってしまうから。
少しだけなら動いても良いかな?
でも、もうちょっと待ってみよう。
目が覚めるといつものように少女が牧草を持ってきてくれているかもしれない。
そう考えると牛は眠るのが楽しみで、
そして目覚めるのが待ち遠しかった。
もう、何回、夜が来ただろうか?
もう、何回、朝が来ただろうか?
食べつくしたあとのむき出しの土から新しい草が生えてきた。
草は生まれ変わるものなのかな?
もっと草が育ったらそれを食べよう。
少女が帰ってきたら、また、頭を撫でてもらおう。
牛はその日、眠りについたきり目覚めることはなかった。
少女と共に家出してから2ヶ月たった暖かい日だった。
声「牛よ聞こえるか」
暗闇に声が響く。
声「お前の強い想いに導かれ我はここへ来た。」
声「・・少女はお前より先に旅立ってしまった。あの日、お前たちが家出をした日。
少女は崖に行き、足を滑らせ落ちてしまったのだ。」
少女は崖に行き、足を滑らせ落ちてしまったのだ。」
声「私がここへ来た理由は、お前の願いを叶えるためだ」
声「少女の願いはもっと生きたいということだった。だから長命な種族の体を与えようと思う。
少女もお前に会いたがっている。草の髪飾りをずっと握り締めていた。」
少女もお前に会いたがっている。草の髪飾りをずっと握り締めていた。」
声「お前の願いは・・・・なるほど。お前も少女と一緒にいたいのだな。
ふうむ。また牛として少女のそばにいたいのか?
ふむふむ・・・・話もしたいのだな。まてまて、まだあるのか。
そんなに全ての願いを叶えられるわけではないが・・。まぁよい。
叶えよう。
だが、新しい体を手に入れることによって、今の記憶は消えてしまう。
それでも良いな?」
ふうむ。また牛として少女のそばにいたいのか?
ふむふむ・・・・話もしたいのだな。まてまて、まだあるのか。
そんなに全ての願いを叶えられるわけではないが・・。まぁよい。
叶えよう。
だが、新しい体を手に入れることによって、今の記憶は消えてしまう。
それでも良いな?」
──数十年後。
コアルタのとある平原での出来事。
兵士「この仔牛です。」
隊長「なるほど・・・。これは不思議なかたちをしておる。」
兵士「乳を上手に飲むことが出来ないみたいですね。このままでは危険かと・・。」
仔牛「だぁだ!」
隊長「プッ!なんだ!?人の子みたいな声を出したぞ!はっはっは気に入った連れて帰るぞ!」
コアルタのとある平原での出来事。
兵士「この仔牛です。」
隊長「なるほど・・・。これは不思議なかたちをしておる。」
兵士「乳を上手に飲むことが出来ないみたいですね。このままでは危険かと・・。」
仔牛「だぁだ!」
隊長「プッ!なんだ!?人の子みたいな声を出したぞ!はっはっは気に入った連れて帰るぞ!」
──同時刻。
フォークローブの森の中。
小さな種族の老人は森の中で不思議なものを見つけた。
「赤子?なぜこんなところに赤子が・・・おぉぉよしよし・・エルフ族じゃな・・」
あたりを見渡した老人は違和感に気づく。
そこらじゅうに落ちている武器や防具。
まるで脱ぎ捨てていったかのようだった。
「これはオーク族の武具だな・・じゃぁこの子はオーク族に襲われたのか・・。
しかし、オーク族といえばエルフの子を食らうことで有名なんじゃが・・・
なぜ傷一つ負わず、助かっておるんじゃ・・・不思議じゃ・・・・。
とにかく不憫じゃな。連れて帰ろう。」
フォークローブの森の中。
小さな種族の老人は森の中で不思議なものを見つけた。
「赤子?なぜこんなところに赤子が・・・おぉぉよしよし・・エルフ族じゃな・・」
あたりを見渡した老人は違和感に気づく。
そこらじゅうに落ちている武器や防具。
まるで脱ぎ捨てていったかのようだった。
「これはオーク族の武具だな・・じゃぁこの子はオーク族に襲われたのか・・。
しかし、オーク族といえばエルフの子を食らうことで有名なんじゃが・・・
なぜ傷一つ負わず、助かっておるんじゃ・・・不思議じゃ・・・・。
とにかく不憫じゃな。連れて帰ろう。」
その時、老人は気づかなかったが、一筋の光が天空を駆け巡った。
声「・・・思うがままに生きよ・・・・。お前たちはいずれまた・・会えるであろう。」
声「・・・思うがままに生きよ・・・・。お前たちはいずれまた・・会えるであろう。」
コアルタで産まれた不思議な仔牛は、小さな部隊の隊長に拾われ育てられた。
顔は牛なのに人間の腕があり、人の言葉を話すことが出来た。
小さいころから体格が良く、腕力もあった。そして何より従順だった。
知能も非常に高く大地の力を借りて魔法を使うことも出来た。
顔は牛なのに人間の腕があり、人の言葉を話すことが出来た。
小さいころから体格が良く、腕力もあった。そして何より従順だった。
知能も非常に高く大地の力を借りて魔法を使うことも出来た。
フォークローブのエルフの子は鍛冶師の老人に拾われて育てられた。
老人はその子を男の子のように育てた。
鍛冶を教えたり、剣術も教えてみた。
鍛冶の技術は全く習得できなかったが、剣術・武術に関しては誰にも負けなかった。
鍛冶師の老人はその少女を実の子供のように愛し、育てた。
老人はその子を男の子のように育てた。
鍛冶を教えたり、剣術も教えてみた。
鍛冶の技術は全く習得できなかったが、剣術・武術に関しては誰にも負けなかった。
鍛冶師の老人はその少女を実の子供のように愛し、育てた。
りっぱに育ったエルフの女は、育ての親である鍛冶師の死をきっかけに国を出た。
───────運命の歯車が静かに回り始める───────。
目的地など無かったがエルフの女はいつの間にかコアルタを目指していた。
同じ時期、コアルタで奇襲部隊が編成され、牛が隊長を任せられることとなっていた。
だが、牛は己の心の甘さを知っているため、隊長就任を固辞していた。
だが、牛は己の心の甘さを知っているため、隊長就任を固辞していた。
エルフの女は戦場を求め、牛は己より精神の強いものの隊長就任を望んでいた。
───────────そして二人は出会った。
ちょうど暖かな日差しの中で─────────。
両者は不思議な感覚に包まれた。
牛の脳裏にある言葉が浮かんで消えた。牛にはその意味は分からない。
エルフの女にもある言葉が浮かんで消えた。もちろん意味は分からない。
エルフの女にもある言葉が浮かんで消えた。もちろん意味は分からない。
────おかえり
────ただいま
────ただいま
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