1月の帝国軍クエスト「遭難した味方を救出せよ!」フラグ3で解放されたアーカイブです。
ベスティアリに現存する竜の殆どは150歳前後であり、竜がこちらの世界で人間を支配していた時代に生きていた個体は
閃光竜オウレオールと漆黒竜ネグロブルネットを除いて発見されていない。オウレオールによると、創生期(竜が人間を支配していた時代)
に生きていた竜で現存する者は自分たちの他にも数頭いるらしいが所在は掴めていない。
こちらの世界に渡ってきた竜は200頭前後と推測され、人間よりも数は圧倒的に少ない。また、200頭という数字は決して大きいものではなく、
世界を渡った竜が少なかった理由に竜たちの戦争の余波が窺える。
竜戦争(竜たちの世界で起きた竜たちによる戦争)で長命の者の殆どが己の誇りにかけて戦い戦死したため、
渡ってきた竜たちは自然と若い者に限られたようだ。
心竜団に突っ掛かってかかると有名なオウガ・サタナス将軍の真意を知る者は一握りである。
彼の本当の目的は竜の兵器化。軍用馬、軍用犬と同様に軍力として使役される存在へ変えることを目論んでいる。
白と黒の派閥戦争が終わりオウレオールの目標が達成された後に、竜に勝る兵力は無い。
竜の繁殖は他の動物の多くがそうであるように雌個体を中心として周るため、ここでも雌を主体として解説していきたい。
竜は個体によって能力値は勿論のこと容姿や生活スタイルまでも大きな差がある。
当然、それらに従って繁殖の様式も違ってくることを理解した上で、以下一般的な竜の繁殖について理解して頂きたい。
雌は年に約2回の発情周期を持つ。主に春と秋に訪れるが発情の始まりの季節は個体差が著しい。1つの周期の中で、4つの時期を経る。
卵生か胎生かは母親の体質に因るものであり、半々の割合である。卵生の方が繁殖のサイクルは早く、仔竜の成長も胎生に比べ遥かに早い。
(1)発情前期 1~2週間
発情の兆候が現れる時期。落ちつきがなくなり活発的になるが、まだ雄を受け入れる状態ではなく、無暗に手を出すと命を落としかねない。
(2)発情期 9日間
ここで漸く雄を受け入れることが出来る。
一般的に雌一頭で子育てをする場合が多いため、交尾後雄に攻撃をして離れようとする行動が見られることもある。一度交尾をすると他の
雄には攻撃的になる。
妊娠に向けて多くの餌を求めるようになる。
(3)発情後期 約2ヶ月
交配が成功していれば妊娠期間になる。つまり仔竜が生まれるのに2ヶ月かかる。
旺盛だった食欲は減退し、巣に籠るようになる。巣籠りは出産に近くなるにつれ著しくなり、個体差はあるものの数日籠りっきりになる。
(4)無発情期 約3ヶ月
生殖行動が休止する時期。雌竜が唯一安定している時期となる。
竜の成長段階は主に5つに分けられる。また、雌の発情サイクル以上に個体差は激しい。特に体の大きさによって成長のスピードは変わり、
身体が小さいほど成体になるまでのスピードは早く寿命も短い。
そのため、ここでは一般的な日数は表記しない。
(1)新生時期
母竜に完全に依存している状態。全ての五感は鈍く、嗅覚、視覚、聴覚はまだ開かれない。排泄も自力で行うことが出来ないため、
全てにおいてサポートが必要。
(2)移行期
聴覚、視覚が開き始め母親から少し独立した状態になる。這って歩くことが出来るようになる。
(3)社会化期
神経が発達し全ての感覚が鮮明になってくる。運動機能の上達により歩いたり走ったりするようになる。この頃から母竜は仔に狩りを教え始め、
仔は竜の生活様式について理解し始める。
(4)若年期
狩りをマスターし、言語能力も完成される時期。同時に巣立ちのタイミングでもある。
また、自らの行動の意味を少しずつ理解していく(どの行動をとるべきか決めていく)ただし、まだ集中力が低く興奮しやすいため、
難しい訓練はまだ出来ない。
(5)成熟期
一般的に「大人」とされる時期。発情が訪れ雄では精子が作られるようになる。
普通生き物に現れる老いが竜では変化に乏しい面がある。彼らの皮膚は人間のようにたるむこともなく、シワもできないため人間の基準で
老いを測ることは難しい。見た目だけではなく、身体機能にも数百年程度では変化は現れないようだ。
オウレオールは甲殻のあちこちに細かい傷があり、心肺機能が落ちてきているため人間の目で見ても老齢であることが窺える。しかし、
同年齢である筈のネグロブルネットは若々しいままの体を保ったままだ。
老いのメカニズムは竜、人間共に謎に包まれている。
一般的には母竜のみで行われるようであるが、環境要因によって大きく異なるようだ。その一例に反乱軍に於ける子育てが挙げられる。
ネグロブルネットは自ら子育てをしない(効率よく仔を殖やすためだと考えられる)、代わりに、彼女の右腕でもあるショーヴスーリが仔を育てる。
今回に至っては彼が多忙故に子育てを派閥の構成員に託している。竜の生活様式が変化しやすくなっているのは変動の時代に生きた若い世代故なのだろうか。
人間では〝家族〟で子育てをするのは普通のことである。しかし、竜に〝群れ〟という意識はあっても家族という意識はない。
つまり、ゲゼルシャフト(利益共同体)の考えはあってもゲマインシャフト(運命共同体)の考えは希薄であると言える。
竜の子育ては仔が自給自足の生活に足る能力が備わった時点で終了する。ではそこに母性愛はないのだろうか。
そもそも母性とは「妊娠、出産、育児という特有の機能を果たす女性そのものを指す概念」である。母竜は狩猟能力のない子供に雄を近付けさせようとはさせないし、
子供を守るために必死になる。勿論全てにおいて例外が発生するように、子供を守らない親もある。
オウレオールは「人間のような情を竜は持たない」と話している。それは一重に「竜には情が無い」という意味ではないことは、仔を守る母親を見ても分かることだろう。
例えば人間ならば見目の美醜、内面の美醜、富と名声の有無、習わし…等々、番いに至るまでの要因は様々あるが、竜ではどうだろうか。
竜も人間とそれほど差はなさそうである。竜にも個々の美意識があり、どれを贔屓目に見るかはまた個体によって差が大きい。しかし、
彼らの中で唯一優先される事項があれ、それは魔法の属性に於いて他ならない。
混血の竜が忌み嫌われるのは、竜の中では「純血」が普通であり混血では純血のように魔法の力を最大限引き出すことは出来ない。力がものをいう彼らの世界で
「力が弱い」というのはどんな場合においてもネックになってしまうのだ。
混血よりも純血の方が交配に預かる確率は高くなる。
では、同じ純血同士に於いての大きな優劣はあるのだろうか。そこには竜ならでは習性があった。
仔竜が両親から受け継ぐものの中に魔法の属性は汲みこまれておらず、神によってもたらされるものと信じられている。仔竜が親から受け継ぐのは〝容姿〟だ。
どれくらいの割合で父母の特徴を引き継ぐかは解明されていない。しかし、個体差の大きい竜が気をつけなければならない問題があった。
それは産まれてくる子供の大きさだ。例えば、小さい雄×大きい雌が交配したとして、子供が父親の体の大きさを引き継げば小さい個体が産まれる。
母親の大きさを引き継げば大きな個体が産まれる。上記の場合問題はないが、危険なのは大きい雄×小さい雌で交配することだ。もし子供が父親の体の大きさを
引き継げば、母親の体が危ないことは誰にでも分かるだろう。
そういった事情もあってか、雄の個体は自分と同等かもしくはそれより大きい雌に惹かれやすく、雌の個体は自分と同等かあるいはそれより小さい雄に惹かれる。
といった面白い報告もある。
スタックの方で「人間と竜のハーフは作れるの?」「大きさ的に竜×人は大丈夫だけど、人×竜は危ないよね?」といった疑問を見受けました。
大きな誤解を生む前に異種間での交配について以下説明致します。
これは、ごく一般的な生物学、繁殖学のお話です。交雑?知ってるよ!と言う方は改めて読んで頂く必要はありませんが、交雑?一代雑種?
なにそれ、という方だけサラッと目を通して頂けると後学のためにもなるかと思います。
結論から言いますと、出来ません。ただし、これは竜素体(竜の体)を前提とした論述です。これは「ネコとイヌが交尾して子供が産まれるのか?」
とほぼ同義の質問であることを理解して頂きたいです。
ですが、少し物知りの方ならライガーやレオポン、ラバといった「一代雑種」の名前を聞いたことがおありかと思います。では何故彼らが生まれることが出来、
犬と猫では子がなせないのか。それは一重に、「ゲノムインプリンティング」という遺伝子の仕組みのためにあります。
これは、父親の染色体と母親の染色体が
1セットずつ正常に揃わなければ発生できないようにする仕組みです。
では、父親と母親の染色体が揃わなければどうなるか。一方の親から遺伝子を受け継ぐ(染色体が揃わない)ということは、つまり利用できる遺伝子が
一つしかないため受け継いだ遺伝子に欠陥があった場合にそのバックアップをとれないことになります。結果、流産や遺伝子疾患を持つ子供の発生します。
後者の代表的な症状が生殖器の発生異常です。
ご存じの方ならここで、「あ、なるほど」と納得頂けると思います。そう、ライガーやレオポンといった〝種間雑種〟の個体は生殖能力を持ちません
(相同染色体の対合不全、雑種不妊)
※家畜用に作られたラバやビーファロー等は生殖能力を持ち発生することがあります。これは人間の努力の賜物(生殖能力を持って発生するように人間が複合させ
誕生させたもの)であり、自然雑種は非常に稀です(ホッキョクグマとグリズリーのハイブリット個体が生まれてしまう現在の自然環境の異常さも分かって
頂けるかと思います)
現在、確認されている雑種は属間雑種までです。
生物の分類は大きく分けて、界、門、網、目、科、属、種、になります。例えばライオンなら「動物界脊索動物門哺乳網ネコ目ネコ科ヒョウ属ライオン種」になります。
さて、ライガーは父親がライオンで母親がトラです。ではトラの生物学的分類はどうなっているのか見てみましょう。
トラは「動物界脊索動物門哺乳網ネコ目ネコ科ヒョウ属トラ種」です。
この二つを比較して違う場所は「種」だけなのが分かります。つまり種の違うライオンとトラを掛け合わせたライガー。これが「種間雑種」です。
ライガーの分類を見てみるとヒョウ属までしか表記されておらず、種の分類はありません。これは種というのは「交雑によって次世代が出来る」ことを基準としている
ためです。雑種不妊であるライガーは種として認められません。
イヌのプードルとダックスのミックス犬等はこの「種」とは違い、プードル、ダックスそれぞれの分類は「品種」として扱われます(プードルもダックスも同じ種)
ですから、病気などの場合を除いて相同染色体の対合不全が現れることはありません。
以上のことから人間(ヒト科)と竜(??科)での次世代の発生は可能性としてほぼ無に等しいことが分かって頂けたでしょうか。(世界観の設定として竜から色んな
生き物が作られたんだから種として近しいのではないか、と疑問を持った方は一度冷静になって考えてみて下さい。共通の祖先をもつヒトとネズミの間に次世代が
生まれる可能性を)
ここまではごく一般的な生物学です。書き手の趣味(きちんとした性を理解して頂きたい想い)で理屈っぽく書きましたが、みなさんの本題は次項になるかと思います。
次から企画の世界観設定に触れた話になります。
前の項目を読み、また竜の変態について正しく理解していただけている方にはもうお分かりかと思います。その通り、ふたりの間に次世代は発生しますし、
ふたりが健康ならば健康な人間の男女間での妊娠率に劣ることもありません。
竜の変態について改めて述べますと、彼らは単純な変身ではなく、「個体としてのそれぞれの動物の姿」を持っています。つまり、変化後の容姿等に彼らの
意思は反映されません(こういう人間の姿になりたい、と思ってその通りに変身することはできません)この微妙な差異を明確化するために敢えて「変態」と呼んでいます
(実際の変態の義からは少しばかり外れてはいますが)
ということは、人間化した竜はそれはもう竜ではなく生物学的にはヒトです。健康であれば、ヒトの異性とセックスすれば受精に至る可能性も十分あり得ます。
この次に浮かんでくる疑問は「その次世代に竜の性質は受け継がれるのか」ということでしょう。答えは「否」です。何度も言いますが人間化した竜は生物学的にヒトです。
遺伝子の構成もヒト化しています。ヒトがヒトと交配すればヒトが生まれるのは当然のことです。これはイヌ化した竜とイヌでも同じことですし、他のあらゆる生物との間でも
同じことが言えます。