作品
四の刺客
奴に教わったおいちょかぶ 白黒赤の渋い札 宝物に生き居る 絵柄黒 線四本の札は一枚足りない 奴への贐とし置き去った
ホケッキョゥ
鳴き下手な鶯
親鳥の鳴き真似
聞き入り
ホケキョウ
鳴く頃だ
一枚足りぬ札の束 札束代わりにポケット忍ばせ 鳴らし歩く 背中染み入る成り損ね 雨垂れは温い雪
奴が吸っていた銘柄と同じ煙草きつめに吸い 歩む足取りで地に擦り込む アスファルト芽吹き枯れ果てぬ
夢か
真か
おいちょかぶのやり方を記憶している 夢でありえなく ひたすら歩く
爪の隠し処が見つからないなんてのは兄ちゃんがまだ若いから仕方ない。手に掴んだ温もりなんてのは、ずっと掴みっぱなしにしとかなけりゃ自分の物にならんよ。
春に巣立つ鳥みたいにな、餌取り要領得りゃ何処かに行っちまうもんだ。おいちょかぶやんねぇか?
なぁ、兄ちゃん。兄ちゃんには古臭い遊びかもわからんが、単純で人との出会いみたいな遊びだ。
若かりしき時分、二十歳過ぎた丁度兄ちゃんと同じ年頃の時に覚えた賭事遊びだ。遊興に耽ることが出来るってのはなぁそれなりに幸せで余裕っていう居場所があるからで、そこから抜け出したら只の厄介者扱いだ。
賭博に明け暮れるっていうのはよ、目に朝が刺さって日光に当たるのが恐くなるって事よ。日中にはさっぱり役立たずな目ん玉付けて夜更けに蛍光灯の太陽でその日暮し。小さい箱ん中で暮らしているんだったな。
兄ちゃんにゃ何の恨みもないが、ワシの人相に恐がらない兄ちゃんよ。おいちょかぶ教えてやるからやらねぇか。
ガキを置いて夜逃げした親などさっさと忘れちまいな。クッピンは親の特殊役なんだ、親と言ってもな兄ちゃんの親じゃなくておいちょかぶの親の話。
借金するのにもな才が要る訳だ、一千万迄ならば才など無かろうが定職と保険証で凡人でも借り入れは出来る。
兄ちゃんには恨みも罪もないが、こっちも仕事だ、悪く思わんでくれ。
賭博一通りやってもな七千万の借金作る人はまぁず珍しい、ツキの無さを百万スッた時点で悟るだろうに。
二百万失った時点で開き直ったか、挙げ句はトイチの金利で土地付き押さえても足りない分だ。
巡る因果には偶然という合わせ札、必然という枠の中のもう一枚、二枚、との兼ね合いだ。一枚で成立する役はない。二枚の内一枚は己の出目。巡り合わせと相成る。
兄ちゃんの事は誰も憎んじゃあいない。一人っ子置いて逃げた親を恨め、親とおまえでブタとするほか無かろうに。札の合計がモノをいう、博打の常だ。
若い臓器も角膜も脊椎も高く売れる。若い兄ちゃんに罪もないが逃げた親の代償だ。見ず知らずの他人の体に埋め込まれて生きりゃいい。
パスポートの準備は出来ている、明後日発つまで勝負しないか。
四角黒一枚 只肉体を以て角立つ時世に 悲しみ映さんと
刺客殺め刺客となる 死角此処に在り
俵握り飯四つ目食い歩く 四ツ谷 荒れ果てた戸口の面影
生き居る者あらば其処に見渡し尽くせぬ 死角広がり此れ暗黙のままに
指の腹 こびり付く米粒に歯を立て
食らい 歩く昨日から今日へと我 記憶は今に生き 兄ちゃんのまま
角磨り減らし奴と同じ年の頃合いかとふと思い 景色面変わり果てた中 木造西側一本生えた梅の木 山の崖っ淵よりビルの際に生息した変わりものの鶯を探し
脇の下から腰にかけて隠した短刀の確かなぬくもり
誰でもいいおいちょかぶの相手を探し歩く
如月の四ツ谷
216-217 名前:四の刺客[] 投稿日:2006/02/11(土) 08:46:36 ID:MPGQckt8
【コメント】
252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00:37:04 ID:cRYcxBnE
>>216-217 古風で時代遅れの美学、を表現しようという努力は買うのだが、
設定がまったく承服できない。借金のカタに臓器売買させる金の亡者的手法に
は、仁侠の美学もクソもなく、感情移入などできるはずもない。
257 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2006/02/19(日) 20:33:05 ID:e4vsTt2z
>>216-217四の刺客
読み間違えてるのかもしれないが臆さず書く。
あなたの知らない世界。そそります。泣く児と地頭と法律なんざ知らねーよさんには勝てません。
全編、闇の気配がただよっています。否応なく引きずり込まれた袋小路。親鶯の鳴き声を習得し、清らかに歌おうとしていたはずなのに、もう歌えない。短刀とオイチョカブに絡めとられて、死角を熱にうかされたよーにさまようだけ。
自分を袋小路に追い込んだのが我が親ならば、愛憎の波が尽きることはないでしょう。荒れ果てた家の描写のあとに、米粒の描写。ホケキョウと高らかに歌えない若鶯の哀しみ、苛立ちが重苦しく立ちのぼります。
兄ちゃんにオイチョカブを教えた取り立て屋(?)も見事なキャラ立ち(小説じゃないんだが)で、この人絶対前歯欠けてるよな、とまで思わせます。オイチョカブやんねーかの繰り返しが、脳の焼け具合を示してます。
最終連を読むと、あの取り立て屋も自分の生にケリつけてくれる者を探していたのか、とも思えました。
短刀は《必然》で今宵の相手が《偶然》なのかとゆーよーに、全編に散らばっている言葉同士に関連があり、それが見事に綾を成す濃密な作品でした。
725 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:35:04 ID:TYhJwCoE
216-217 四の刺客
おいちょかぶの知識がないと主題には到達出来にくいかも知れない。
主人公の感情を極力書かない事によって、何を炙り出したかったのか理解を要する。焦点か。シッピン、クッピン、役名(半ば考察)描写などあればわかりやすく、読み手を選びすぎるかも。
737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:21:52 ID:JLJqp4Oc
>216-217 四の刺客
評者はおいちょかぶなどやったことはないが、「人との出会いみたいな遊びだ」とはなるほど如
何にもな文句だ。じめっと湿度の高い気色の悪さがある。おいちょかぶを人生の巡り会わせね
に重ね合わせて、淡々と物語が進行していく。このあたりに巧さを感じるが、読者がこの世界
観に浸るのは難しいのではないか。改行の仕方も含めて、読みにくいと感じた。
749 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 13:38:58 ID:cX4Q1Tv0
>216 四の刺客
四谷幽霊譚なんじゃあないだろうか。(本人は生きているのかもしれないのだが、この妄執は凄い)
最後の2連がいい。凄絶な死霊がぞわっと立ち上ってきたように思った。
>指の腹 こびり付く米粒に歯を立て
というフレーズが頭にこびりついてしまった。
762 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/20(月) 19:41:31 ID:hy4tTQq1
四の刺客(よつやのしかく)
を書きました竹輪です
審査員の皆様、評ありがとうございます。
タイトルに読み仮名を付けようかつけまいか悩んだのですが、
説明がましくすると対になるもの同士のコミットが崩れるためによしました。
(審査員のあぶくさんが見事に読みといて下さった。ありがとう!嬉しかった)
リーフレインさんが、主要部分を感じ取ってくださったんだ。
死霊、生霊。生きているけど死んだものの情念を主人公に託しているのでリーフレインさんの読み、
主人公の性質を掴んで下さってた。
嬉しかった、とても。
基本が怨み(裏見)の話なんで、場違いかと思いましたが、
「四角」というお題を与えられて書いたものなので投稿させて頂きました。
読んでくださってありがとうございましたm(_”_)m
【得点】 2点
- あぶく ◆OPBYKkBBNQ:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
愛から
反閇を踏みましょう
四角(よすみ)に
愛する人の穢れを踏み切る為に
凄烈に唱えながら足をどんと鳴し
悪しきモノを断ち切る
災いがかからぬよう
幸せに暮せるよう
だから…
皆が寝静まった夜に
貴方の部屋で
四角から刺客を阻む
独占するために
そう四角形の歩みは
姿なきモノへ嫉妬の呪い
妄想からの破滅だとしても
218 名前:愛から[sage] 投稿日:2006/02/11(土) 18:25:07 ID:q7gEqpn3
【コメント】
252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00:37:04 ID:cRYcxBnE
>>218 いきなし反閇(へんばい)なんつー単語が出てきて…陰陽道の呪術的
歩行らしいです。反閇と、他のことば遣いとのバランスが、やや悪いかなあ。
この詩には、雰囲気づくりがかなり重要なファクターだと思えるから。
725 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:35:04 ID:TYhJwCoE
218 愛から
何やら彼の部屋の内壁にそって歩き回るシーンが情念を通り越して狂気に近い。
印影を刻み他の女性の影を近寄らせない為のおまじないを独自に作り上げたのだろうか。
描いている世界は愛情故の行動で、さらっと一見わかりにくいのだが一気に四角に準え彼の内側というエリアを占領してしまいたいという情念だ。
くるくると四角に歩くおまじないを施した部屋は、結界のよう。
愛情は内からも外からも占領欲求が高まると縛り付けて身動き取れないようにする四角にそった気持ち。
意外と面白い世界観を書いているがあっさりしている。
改行の文節調整によって変化を持たすとぷつぷつ切れる流れに、どこか変調をもたらすとよりよくなりそう。
○貰っても役に立たないだろうけど、アイディアに愛憎の一端を見たので竹輪賞
737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:21:52 ID:JLJqp4Oc
>218 愛から
ゾッとする気持ち悪さがある。と、同時にこの女の切ないほどに一途な思いが感じられ、不
思議な魅力がある。ストーリーの基盤は極めて分かりやすい歌謡曲的な(メロドラマ的な?)
世界観だ。そこに加わる呪術というエッセンスが、この女の怖さとある種の愛らしさを引き立た
せていて新鮮だ。愛らしさというのは評者のみの感想かもしれないが、嫉妬に狂いつつ、それ
を昼間問いただすのではなく夜中にそっと反閇を踏む、そこに女を感じた。
769 名前:ミミン ◆4fCTWDhugY [sage] 投稿日:2006/02/20(月) 22:49:12 ID:a27MfyXO
『愛から』を書いたミミンです(笑)
審査員の皆様,お疲れ様でした(*_ _)ペコリ
日常的な嫉妬を非日常的な“反閇”を踏む行為で描きたかったんですが…四角をよすみで読ませたのはいいかなぁみたいな戯れでした(笑)
竹輪賞,ありがとうございます!うれしかったです(>_<。)
【得点】 1点
- メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:1点
部屋
僕には知らないことがたくさんある。
僕の世界は無限に広がるけれど、それでも星にしか満たなくて
この部屋は隅から隅を歩いても眼には見えないほどの小ささなんだ
僕はこの部屋から出て行こうと考えている
この四角い部屋にはレコードと本と僕しかいないから。
そとにはきっと、たくさんの見たことのないものが溢れていて
僕のからだを痺れさせながら通り過ぎるだろう
僕の見たこともない時間が
僕の触れたこともない空間が
頭の中を震わせながら走っていくだろう
だからしばらくは帰らない
この四角い部屋には
219 名前:部屋[sage] 投稿日:2006/02/12(日) 08:40:14 ID:jc96AxZs
【コメント】
252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00:37:04 ID:cRYcxBnE
>>219 うーむ。テーマとしては、よくあるものだと思うんだよな。シンプル
で飾らない方向で書いてて、それはいいけど、だとすると究極のシンプルを目
指したいよね。
726 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:43:45 ID:TYhJwCoE
219 部屋
シンプルなんだけどそこはかと漂う哀愁と生活の匂い。
ただ気になったヶ所
>僕の世界は無限に広がるけれど、それでも星にしか満たなくて
この二連目は自分の世界を空の星とし外界との比較として、小さくとらえた表現だと思う。
星に対する視覚イメージと感じ方がそれぞれなので、私には引っ掛かる表現だった。
星という語句のスケールは私にとって小さきものではないので気になったのかもわからない。
ちょっと家を出るというよりは、四角い自分の知り得る範囲から、もっと広い視野を持ってこれから生きていくんだという自分への言い聞かせだと読めました。
希望と向上心、この四角の世界は成長、脱皮の意がなにげなく含まれている。
737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:21:52 ID:JLJqp4Oc
>219 部屋
「希望」を描いた作品。前向きな点は好感を持てる。二連目後半、「僕の見たことも~走
っていくだろう」の表現があまりに平板に感じた。もっと疾走感というか、心躍るような表現がで
きていれば良かった。作品として薄い。
阿修羅雌(アスラメ)
ハロー こんにちわ
わたし曲がったことが大嫌いなんです
歩く道は一本道 十字路は直角に曲がり カーブに指しかかると嘔吐
だからこの世界は三本の線で出来ていると信じているし
それしかこの世界を表現する方法はないと思うの
だから宇宙の果てが丸いだなんて嘘よ 宇宙の果ては平面まるでベルリンの壁ね
六方向総て面で出来た世界はキューブそのもの 驚きでも何でもないわ
だってビッグバン100分の1秒以前のことは現代科学では解明されていないのよ
だからお馬鹿さんたちは世界を知るだなんて無益なことは止めて 日々消費に明け暮れなさいな
だってそうでしょう あのビルも緑生い茂る木々もみんな真っ直ぐに突っ立っているわ
お天道様も曲がったことは大嫌いよ
わたしはわたしらしく あなた達はあなた達らしく それが世界よ
支配者と被支配者の素晴らしきキューブの世界 スッキリカタルシスね
どんなモノも箱に詰めればスッキリ収まるでしょ それは世界についても同じ
何事にも限界があるの 資源もあなたのお頭も 詩の定型もね
だから向上心なんか捨てて 今そこにあるモノで満足しなさいな
曲がったことばかりしていると幸福は遠のくばかり
追い求めても無駄よ 無駄無駄無駄 徒労ね
もしわたしの云うことが嘘だと仰るならば 魔女裁判さながら磔にでもして頂戴ぃ
実はヒットラー嫌いなの 東條は最後まで闘ったのにヒットラーは我が闘争することなく逝っちゃった
だからわたしも最後まで闘うわ それもこれも曲がったことが大嫌いだから
わたしはCAD使い 丸い眼でXYZ世界を眺むる婚前通し経験のない純粋な乙女
好きな男性のタイプは真っ直ぐな人 もち婚前貫通経験のない人がいいわ
もちろんアレも真っ直ぐ 最後までそれ以後もね 堅苦しくても折り目正しければ前途洋洋
だから曲がったのは不潔最低 切っちゃえって
筋を通すことを忘れたあなた達に言いたいわ 人間万事塞翁が馬
どうか一時の利益に溺れることなく 清く正しく筋の通った真っ直ぐな道を歩んでくださいな
曲がり路を歩むことなく 急がば廻れなんて嘘よ
どうか忘れずに憶えていて ではさようなら
220-221 名前:阿修羅雌(アスラメ) [阿修羅雌(アスラメ)] 投稿日:2006/02/12(日) 14:17:30 ID:jRoFpkmK
【コメント】
252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00:37:04 ID:cRYcxBnE
>>220-221 タイトルは面白いと思った。が、本文は読みにくいな…。なんか
個人的趣味と主義主張をごっちゃにしている印象が強かったです。
726 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:43:45 ID:TYhJwCoE
220-221 阿修羅雌(アスラメ)
後読感、起源に至ってはよくわからないが新興宗教、四角教の四角様の我儘説法という感じを受けました。
歴史的背景を持つ語句のちりばめ方が語意に頼りきりになってしまって語句が浮いてしまっている。
それらを用いないで独自の四角教をでっちあげたほうが格好良かったかも、と思う。
曲がったことが嫌いという割にちょっと潔癖なだけの教祖様で、迫力が削げったかも、これだけのスケール勿体ないと思う。
CAD使いならば尚のこと。曲線は直線の細かい連続、点の集合と。曲線は直線なしにして生まれない論法で破壊も創造も過激に操れたはずだし、きっと語句に簡略しすぎない表現も出来る方だと思う。
ちょっとか弱い教祖様で魅力はその我儘さにある。
3D概念が語句のみで弱かった。モデリング、レンダリングを言葉で怒濤に語りまくってくれていたら更に読み応えはあったと思う。
○勿体ない、勿体ない発想はおもしろかった。好みでもある。
737 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:21:52 ID:JLJqp4Oc
>220-221 阿修羅雌
四角形の直線的な印象から連想したのだろうか。曲がっているかいないか、YESかNOかの2
値、極めて明快な論理で運ばれるから読みやすくてよい。「だから曲がったのは不潔最低
切っちゃえって」。ここまで言い切ってしまうのが気持ちよい。
774 名前:穢土 ◆KJXrENozYs [穢土] 投稿日:2006/02/21(火) 00:28:58 ID:AprV3svo
阿修羅雌(アスラメ)書きました。
今回で初めて一点貰えました(涙 竹輪さん有難う!!!
今回のお題は難しかったので詩の定形存ぜぬで、遊び感覚で楽しく作りました。
皆さん既に承知かも知れませんが、題名について述べさせてもらいます。
題名の阿修羅:アスラの意味は私知識“ひろさちや”の著作に由ります。
その著作ではアスラは正義の神。アスラは常に力の神インドラ:帝釈天と戦いますが負け続けます。
所詮、正義の神も力の神には敵いません。結果、アスラは魔人になります。
作品の女をアスラと重ね合わせています。女の主張正論も結果常識には敵いません。
キチガイ女と言いますか・・・それと阿修羅の意味性格はフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』やその他サイトで調べてみても“ひろさちや”の主張と違うものが多いです。そこは大目に見てください。
今回も又じっくり各作品を吟味評価してくれた審査員の皆様どうも有難う御座いました。お疲れ様です。タノシカタです。
【得点】 1点
- メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:1点
四本足
昨晩ようやっと完璧に歩く術を習得した
苦節二年と二週間 さらばだ我が寝屋
赤いベベをふわりと羽織り体を傾げて玄関を後にする
して行くべき場はない
次の金曜日には捨てると腰骨の尖った女は言った
私が寝場所を微妙に変える事を敏感にも気味悪がったのだ
愚鈍な男は海苔弁の如く太い眉をしかめたが
先日ディロンギがやってきた途端
私に見向きもしない
私だとて未練もない
女の醜い下腹と男の臭い足なぞ
猫は家につくそうな犬は人につくそうな
何者にも依存せずを誇りに生きよう私は
さてもアスファルトは四肢に冷たく染みて心残りは朝の連ドラ
しかし新しい日々に待つは希望で今は信号が青に変わるを待つ
太陽が真上になれば少し走ってみようと思う
うまく走れはしないだろうけれど
223 名前:四本足[sage] 投稿日:2006/02/12(日) 15:34:31 ID:d2R6Yxhz
【コメント】
252 名前:Canopus[] 投稿日:2006/02/19(日) 00:37:04 ID:cRYcxBnE
>>223 多分やっぱ無生物(ヒーター)だよな…完全に主観的一人称で書かれ
ているので、比喩が比喩でなくなっちゃって、ほんとのことになってるとこな
んか、すごいね。面白いの半分、得体の知れないの半分。
727 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:54:51 ID:TYhJwCoE
223 四本足
筆力と主張を感じる私的ブッチギリ作品。
物語の簡略、見せ方に技がある。語感も良く他から借りてきた言葉に不随する概念はなく組み立てられている。
文面とその裏側に流れる依存、共存、存在価値。
この字数で表現してしまったのかと驚き、人間と動物の囲いと自立心、四本足の作る影を見た。四角だ。
これは精神的な強さが織り成した物象という所在のものだ。物語による全体隠喩。
話の筋がある場合に限ってでは、文面の上っ面のみを書き立てるだけのものでは、ただの上手い文章で、心は動かない。
この作品はいい手本と思う。
四角というとらえ方にも独自の視点を持っている。
四角を表現するならば四角外をも独自で叩きだした哲学ともいえる考えを持った双方向性は不可欠。
筆力が前提だけれど、大抵この手法は主題を炙り出せないと失敗するのだ~私は。読み手を確実に選んでしまう予感もするが。
◎加点確定
738 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:24:24 ID:JLJqp4Oc
>223 四本足
なぞなぞのようだ。最初は4本足のオイルヒーターの話と解釈したのだが、もっと単純にペット
の話だったのだろうか。ペットの話として読んでも悲哀を感じさせる深い詩だと思うが、オイルヒ
ーターの話だと思って読むとシュールさが増して一層ユーモラスだ(特に最後の「少し走ってみ
ようと思う」の部分)。「女の醜い下腹」やら「男の臭い足」やら、文句の一つも言わずに暖め
続けてきたのに、ディロンギがきたら感謝の言葉すらなくポイっ。世のサラリーマンの姿に重なっ
て、おかしくも共感してしまう。それはそうと、男と女の性格の対比が鮮やかで勉強になる。
747 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 10:09:10 ID:cX4Q1Tv0
間に合うかどうか。。とりあえずコレだけはいいたい!
>223 四本足
こたつ。やぐらこたつ。(確信をもっていいたい!彼は炬燵!)
四本足のこたつが斜めにかしぎながら細い扉を通り抜けていく姿が目に浮かびまいた。
笑った。。。いや今回は笑わせてもらった詩がいくつかあって、楽しかったです。
あとは夜に。
749 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/02/19(日) 13:38:58 ID:cX4Q1Tv0
>223 四本足
面白い。どこか悲劇的な雰囲気がまとわりついてはいるんだけれども、
この設定のために、その劇的な口調がかえって面白さにつながっている。
て、こたつを頭において書いちゃったんだけど違ってたらすまん。。
んだけど、こたつだとして、天板どうしたの?
757 名前:心霊写真 ◆Mummy.hmy6 [sage] 投稿日:2006/02/20(月) 02:19:25 ID:sBuLGOtd
失礼します。四本足書きました。
竹輪さん、カノープスさん、リーフさん、
◆CEeOGi4Ljさん、評をありがとうございました。
リーフさん、そうなんです、炬燵の話でした。
天板は・・・操り自由自在って事でお願いします。
丁度こんな感じ・・・↓・・・かな。。。
/| , ,
|/__ ',
ヽ| l l│<ハーイ
┷┷┷
本スレの238の無題の、読んでてドキドキしました。
良いなぁ。絵的にも好きだなぁ。素敵だと思いました。
まとめの方、審査の方々お疲れ様です。
【得点】 5点(チャンプ作品)
- メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo:3点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
箱庭
私だけのこの場所に小さなおうちを建てよう
庭には薔薇と蔦を植えて
チューリップがならぶ花壇をつくろう
明るい日差しと柔らかな風
レースのカーテンにガラス細工の置物
丸いテーブルにはお気に入りの本を数冊おいて
ソファのクッションにもたれてまどろむ
そうだ
音楽もあったがいいな
昼間はポップで楽しい曲を
暮れたらジャズかブルースで
気分に合わせてお茶かお酒
ペットはどうしよう
きまぐれな猫ははぐれたら困る
忠実な犬は物悲しい気分にさせる
水の中の金魚
ガラス越しに見つめあうのがいい
あと・・もうこれでじゅうぶん
好きなようにいていいのなら
私はここで眠るから
どうかそっと蓋をしてほしい
あなたから貰った言葉も
大好きだった気持ちも思い出も
箱の中にはいれない
ただ静かに眠りたいからお願い
おやすみなさい
226 名前:箱庭[sage] 投稿日:2006/02/13(月) 01:34:22 ID:bq87h5M0
【コメント】
254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19:05:29 ID:ScpEd3oj
>>226 少しゼータクな、内省的な引き蘢り。丁寧な空想で、やわらかな雰囲
気が、失恋の痛手(かな)を中和させています。
727 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 00:54:51 ID:TYhJwCoE
226 箱庭
自分の幸せなイメージを想像して連ねている終盤まで、こんな情景を歌った懐メロを知っているのだがどうも思い出せない。
小さな宝箱のような自分だけの世界と、現実。一人きりの四角い世界。ひとりよがりになりすぎず、
>おやすみなさい
この一言で何気なく救われている気がする。
前向きに生きていく過程にこういった考え方は不可欠だけれど、小さな宝箱の域でリスクが見えない分弱いのだが。
何でもない日常の中で持つ希望の一片を飾りすぎない言葉で綴ったことに好感が持てる。
729 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/02/17(金) 01:05:01 ID:fJZQ8Z1U
懐メロは小坂明子の「あなた」では?
♪もしも私が家を建てたなら~
738 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/18(土) 00:24:24 ID:JLJqp4Oc
>226 箱庭
漂ってくる雰囲気を楽しむ詩だ。シチュエーションや情景がすぐに目に浮かぶ詩は良い詩だ
と思う(かと言って長くだらだらと説明調なものはいけないが)。自分を傷つけるものをすべて排
除した幻想の世界。短く淡い言葉で、失恋の痛みを表現した点を評価したいが、もう一段
階の深さが欲しい。
好きになれない街
僕は何でだろうこの街が好きなれない なれない なれない
この死んだように眠る夜は 静か過ぎる夜で 犬の遠吠えも聞こえやしない
勿体無いけどタクシーを使った だってしょうがないじゃない
歩くのは嫌いじゃないさ 嫌いじゃない 嫌いじゃないけど
何か話せよドライバー つまらないラジオを聴いているのか 僕は聞いてる
継ぎ目だらけの道路に順応している 尻が痛いよ 今はもう慣れたけど
好きになれない街 雨でも降ればいい しっとり濡れて眠りに落ちたい
この街を忘れたいのさ 暖かいシャワーを浴びて 緩めたいのさ
好きになれない街 忘れたいのさ 恋人のような布団に包まって 眠りたいのさ
今日一日働いて一万円くらいか このタクシー代と同じくらいか
その前の飲みで五千円使ってるから そうか 今日は赤字か たまにはいいか
何か話せよドライバー 酒臭い奴だと思っているのか 揺れるたびに戻しそうだ
走る車もありゃしない そんな夜は寂しすぎるじゃないか
静かな夜も嫌いじゃない 嫌いじゃないけど
好きになれない街 海に沈んでしまえばいい 暗くて深い海の底に
この街を忘れたいのさ 抜け出せないこの街 忘れたいのさ
好きになれない街 忘れたいのさ 何をしても笑って 許してもらえた頃に 戻りたいのさ
夕焼けの中で歩いていた 顔は覚えていないけど 覚えていないけど忘れないのさ
帰り道ピアノの音がしたんだ 煮物の匂いと友達の声に混じってさ
大好きだったあの街 記憶の中のあの街 今は遠いあの街 忘れたくないあの街
僕は何でだろうこの街が好きになれない なりたい とも思わない
僕の家の周りは 周りも同じような家で ベッドタウンの一角で 部屋の電気は消えていて
恋人同士の囁きさえ聞こえやしない そんな夜は寂しすぎるじゃないか
そんな夜も嫌いじゃない 嫌いじゃないけど
何か話せよドライバー つまらない街だと思っているのか 僕は思っている
四角い箱の中に納まっている 肩が凝ったよ 安っぽいビニールのシートで
好きになれない街 誰もいなくなればいい 大好きな音楽を聴いて眠りたい
この街を忘れたいのさ 大音量の洪水の中で 流したいのさ
好きになれない街 忘れたいのさ 恋人のように毛布を抱きしめて 眠りたいのさ
こんなところで眠りたくない 眠りたくないけど 眠っているのさ
四角い箱の中に納まっている 肩が凝ったよ 安っぽいビニールのシートで
何か話せよドライバー つまらない街だと思っているのか 僕は思っている
好きになれない街 忘れたいのさ 忘れないから 忘れたいのさ
戻れないから 戻りたいのさ 好きになりたいのさ 好きになれない街
227-228 名前:好きになれない街[sage] 投稿日:2006/02/14(火) 01:53:12 ID:vw/3PYR1
【コメント】
254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19:05:29 ID:ScpEd3oj
>>227-228 具体的な描写の書き込みがされているわりには、作品の全体に流
れているのは、表層的な鬱の気分。あちこちで行きつ戻りつする、歌詞的なリ
フレインが、そう読ませるのだろう。車と同じように詩も気分も走っている。
728 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 01:01:17 ID:TYhJwCoE
227-228 好きになれない街
>僕は何でだろうこの街が好きなれない なれない なれない
なんでだろ~なんでたろ~ややこの曲を読み始めから頭に鳴り響いてしまった。
語句の反復、繰り返し使用が必要なヶ所もあるけど、「好きになれない街」のフレーズ「~さ」の使用をぐっと押さえると良かったと思う。
リフレインするならバキッと意外で印象に残るフレーズを生み出すか書いている世界から凝縮して抜き出す方がいいと思う。
演歌などで聞いたことのあるフレーズがあちこちにあり、強いて強調したい「好きになれない街」の雰囲気がはっきりとしなかった。
ラフに思いを書き留めたのか、気分はそのままの流れを持って読める。
整理すれば自分の思いが詰まった街を心に、今いる場所が好きになれない、けど忘れて好きになりたいという街の話。
やはり「さ」は無いほうがスムーズに読めると思ったよ。
751 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/19(日) 20:42:46 ID:LMY+/6HY
>227-228 好きになれない街
リズムの良さ、繰り返しの効果が効いていて、タクシーの中の酔っ払いの頭をフッとよぎる孤独感と
哀愁を、巧く演出している。「~さ」の多用も評者は、この男の諦念を表現していると言うか、ひょう
ひょうとしていて詩の雰囲気とよくなじんでいると感じた。ピアノとか煮物とか、あの街への追憶、郷
愁を引き立たせる小道具もバッチリで、グッとくるものがある。ただし、やや冗長の感がある。
834 名前:ねむい ◆yYGM98H44I [sage] 投稿日:2006/02/24(金) 16:07:03 ID:UpkGDbIH
「好きになれない街」を書かせていただきました、ねむいです。
竹輪さん、◆CEeOGi4Lj. さん、Canopusさん感想ありがとうございます。
うーん、お題には気持ち程度にしか触れていないのがアレですね(苦笑)
途中入り込んでしまって、客観的に見直す前に投稿してしまいました。
壁
ふと目が覚めると
周りは壁であった
前に後ろ 右に左
周りは壁であった
私は四角く 壁に囲まれていた
何の変哲もない ただの壁である
卑猥な落書きはない
窓もない
模様もない
ただ 壁である
下から生えてきたのか
上から落ちてきたのか
わからない
朝の小鳥の囀りが聞こえる
朝の道を行く人々の声が聞こえる
朝食の用意ができたという母の声が聞こえる
しかし四方が壁である
私はその場から動くことが出来ず
ベッドの上で迷子になった
目の見える盲目になった私
手足の動く片輪になった私
ぽろぽろと涙が零れ
やがて壁の中で涙の水位は上がっていく
ベッドの上で溺れてしまう
そう思っても涙は止まらなかった
229-230 名前:壁[sage] 投稿日:2006/02/14(火) 16:21:45 ID:om2fTmoM
【コメント】
254 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/02/19(日) 19:05:29 ID:ScpEd3oj
>>229-230 理由もなく壁という四角に閉じ込められる恐怖、という構図は、
小説なんかで結構ありそうなネタだけに、「詩」ならではの世界構築とか、特
殊な描写とか、そんなのがほしかったです。
728 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/02/17(金) 01:01:17 ID:TYhJwCoE
229ー230 壁
息詰まった心を隠喩しているのか、壁に取り囲まれる四角い箱の中に居るのは「一人」。
>目の見える盲目になった私
>手足の動く片輪になった私
この部分が気になったのですが、遮断という社会からの隔離は四角い箱に閉じ込められたという物理的な事柄で、五感や動きを遮られてしまっているのみとして描いているのだと読む。
自分が自分らしい行動や考え方を主張出来ない社会的な顔という背景があってのイメージであると読みとく部分と、自分の殻に籠もってしまって何かしら別の事柄に理由を付けたがる図にも感じ取れてしまうのだが。
書きたかった事がニュアンス的に分かる。けれど、「私」には自分の中で溺れるしか選択出来ない非力さ、これを四角の中に閉じ込められて炙り出しているようだ。
涙が枯れ尽きないで箱の中の水位を上げていく。
不思議と、地と天の描写が無い。
ここに私は見上げもしない足元もない今を見たのだが、目先の事にとらわれてしまいがちな、つまり小さな意識の枠を描いたのだと感じた。
行間に含みが取れるのだが、病院の一室のような雰囲気がある。
751 名前: ◆CEeOGi4Lj. [sage] 投稿日:2006/02/19(日) 20:42:46 ID:LMY+/6HY
>229-230 壁
面白い。壁というのは何の隠喩だろうか。勿論、不自由の象徴だろうが、もう少し具体的な何か
を表しているのだろうか。着想が面白いし、後半の描写はなかなか鮮烈。しかし、もっと圧倒的な
悲しみで、この詩全体を包んでほしかった。「ベッドの上で迷子になった」という表現が素敵だ。
最終更新:2006年09月03日 21:34