作品
微発泡
水色の絵の具に白い絵の具をたくさん混ぜて
薄く薄く水で溶いたような色。
そんなソーダ水に体を委ねて、
パチパチとプチプチと弾けるような音の中。
良く分かる。
自分の体がどこまでなのかとか、
自分は本当に生きてたりするのかとか。
良く分かる。
私がここにいて、世界はそこにある。
世界は私を包み込んでくれている。
それは幸せ。
24,27 名前:微発泡[sage] 投稿日:2006/01/19(木) 22:33:25 ID:x7oByKQ6
【コメント】
67 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:55:36 ID:BGhxVW29
>24
幸せのイメージ詩だが、ソーダ水を持ってくる美しさが気に入った。
確かに炭酸の発泡の中で幸せが発見できるような気がしてくるから不思議である。
70 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:53:02 ID:SLqb/uUU
>>24 空がソーダ水になったんだろうな、と思う。それはアリだし、いい発見
だと思うけど、もうひと味ほしかったかも。幸せを実感する何かを。
73 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 04:26:45 ID:ZipWDAs2
>24:微発泡:ID:x7oByKQ6氏(>27で修正)
詩で「世界」という単語を使うのはかなり危険です。自分でもよくやらかします。
世界という語の大きさと、作品自体に釣り合いが取れていないと苦しい。
76 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:17:47 ID:756ci8c0
>>24 微発砲
自分を実感できるというのは実に羨ましい。
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>24:微発泡:ID:x7oByKQ6氏(>27で修正) こんなのに点がいっぱい集まるのか、梁山泊の低レベルの程が浮き彫りになったな
470 名前:旬 ◆/2qAba9tJk [sage] 投稿日:2006/01/27(金) 22:10:31 ID:CRg59xde
微発泡書きました。
審査員さん、評価お疲れ様でした。
いろんな幸せが見られて楽しかったです。
【得点】 2点
解雇、懐古、蚕
あちこちにおかれたビール缶に、癌化した煙突のように、黒ずんだ吸殻は幾本も幾本も
まるでそうの様なオブジェみたいに、その怠惰の塔は、部屋の至る場所に立ち並び
ゴミは部屋を侵食してゆく。
心が折れたのはいつだろう?人間が怖くなったのはいつだろう?
夢を追いかける気力がなくなったのは、いつからだろう。
ついこのまえまであった日常の欠片が、締め切ったカーテンの内側で枯れてゆく。
皮肉にも、友人から昔もらったその植物には
幸福の木と書かれたカードが、ヤニに黄色く汚れてぶら下がってる。
深夜のテレビから、懐かしいあの歌。
静止した気象情報の裏側で、あの頃の僕が良くウタってたあの歌。
両手で強く顔を上から下に掻く。
爪の無い指が2本づつ、温く塩辛く濡れた。
目を閉じて思うこと
ある朝僕が一匹の
芋虫になって糸を吐き
繭にひっそり閉じこもり
溶けて記憶を失って
やがて一匹の蛾になって
そして部屋から飛び立ちたい
会社帰りに小ばかにしてた
ホームレスたちが囲むあの
一斗缶の焚き火に誘われて
そして塵も無く焼かれたい
ごめんなさい
その妄想が
僕の唯一の
幸せ
25 名前:「解雇、懐古、蚕」[sage] 投稿日:2006/01/20(金) 00:09:44 ID:b+pm+orz
【コメント】
67 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:55:36 ID:BGhxVW29
>25
駄洒落から作り出すストーリーとしては申し分ない。
しかし「幸福の木」の話や「ある朝僕が」は既視感がありすぎるので少し損してる。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>25 うーん、この作品には、まだ羞恥が残ってる感じ。その羞恥を取り払っ
て恥も外聞もなく喚き散らしたところに、面白い地平が開けそうに思えます。
73 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 04:26:45 ID:ZipWDAs2
>25:「解雇、懐古、蚕」:ID:b+pm+orz氏
他の作品でもそうだけど、「幸せとは?~である」「~である。それは幸せ」という単純な構成は、
ちょっと面白さに欠ける。あと「妄想」の一要素としてホームレスが出てくるのが個人的に受け付けない。
76 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:17:47 ID:756ci8c0
>>25 解雇、懐古、蚕
ああ、なんつか、引きこもりの歌と副題をつけたい。
きっとほんの少し前には立派な青年だったに違いない本人の挫折感やら、屈辱感やら、負け犬感やら、無能力感やらが
にじみ出てて、とても痛々しかったです。(詩句の中ですでにして謝ってくださっているけど、不幸を書いちまった口でしたなあ。。)
昔はさ首になったら田舎へ帰って、兄さんに田んぼ一枚貰って、東の家の隅に家族ごと住まわしてもらって、
それでよしだったんだよおおお。今って帰るとこがないんだよね、つくづく思った。
イメージの描写がうまい。細かい視覚的描写が饒舌にならないきりつめた語句で展開されていてひきこまれます。
”かいこ”の音の連想展開もいい。最後の一連が蛇足。だけどまあ、お題に添うためにいたしかたなく足したんだろうと思います。
(違うお題だったら 1点いれてたと思う。)
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>25:「解雇、懐古、蚕」:ID:b+pm+orz氏 心って何?あの頃ってなに?夢ってどれ?幸せがテーマなのに投稿すんなよデブ
おしどり夫婦
「一番の幸せ」ですか?
それは巨人が勝つことです
もちろん野球ですよ
2月のキャンプイン直前の今から
もう気分が高まってます
毎年のことですけどね
11月と12月なんて私には無いも同然
見る番組ないですからね
新聞もストーブリーグの話題だけでしょ
これからはキャンプ情報から
オープン戦の様子まで
巨人軍の選手たちをいっぱい見れますよ
もちろんユニフォーム姿のね
背広着てる選手なんて
ビジネスマンと変わりないじゃないですか
ちゃんと帽子被ってグローブはめて
グラウンドで動いてる姿が野球なんです
4月になればいよいよ開幕ですね
ドキドキしますよ
毎年のことですけどね
会社から帰ってビール飲みながら
女房は裏番組見れなくなるって
愚痴こぼしますけどね
巨人が勝てば私の機嫌もいいわけで
それ女房も知ってるから
結局二人で応援しちゃうんですよ
家庭円満がかかってますから
今年こそは優勝して欲しいですね
もちろん万が一負けたところで
ヤケ酒飲んでふて寝すればいいだけで
野球が一番ですよ
野球が一番好きなんです
26 名前:おしどり夫婦[sage] 投稿日:2006/01/20(金) 00:58:11 ID:RLVpoIyu
【コメント】
66 名前:ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY [sage] 投稿日:2006/01/25(水) 20:51:47 ID:UZRatiRE
>26:おしどり夫婦:ID:RLVpoIyu氏
決意と覚悟があります。おれはこれだ、これなんだっていう。無駄に固い信念表明。
なんかかなしくなってきていいなあ。
67 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:55:36 ID:BGhxVW29
>26
野球が好きと言い張りつつ女房に愛の告白をしている。
その意味でタイトルは「バッテリー」にするとか「愛妻家」にした方が良かったかもしれない。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>26 数こそ少なくなったけど、今でもいるんだろうな、こんな親爺。ほんと
におしどりなのか?ていう疑問があるよね(苦笑)。
73 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 04:26:45 ID:ZipWDAs2
>26:おしどり夫婦:ID:RLVpoIyu氏
だらだら書くことの魅力、というのはある。だらだら書いていても全体で見るといい詩になっているものはある。
でもそれにしても、この作品はだらだら書きすぎだと思う。特に前半。
76 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:17:47 ID:756ci8c0
>>26 おしどり夫婦
これも、人生の智慧って感じの一品。
>野球が一番ですよ
>野球が一番好きなんです
この2行で、「本当はこれじゃあいけないかもしれないけどさ、俺の人生ってこんなもんなんですよ」ていう感情が
伝わってきて、 諦め感?ここに惹かれました。能天気な幸福感に終わらない深みを感じます。(加点候補)
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>26:おしどり夫婦:ID:RLVpoIyu氏 野球愛好者なら勿論CARPだろ!?Gは12球団断トツの金使てんだから優勝して当たり前
裏金で選手取って毎年金で補強して5位のゴキブリ球団を支持する理由が何所にある長嶋の契約金の額とか知ってんのか離婚!!離婚!!
445 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/27(金) 00:47:36 ID:Ri4Lzc53
ではゼッケン氏の「入り混じると集計たいへんですしね。」が同感なので、
ここからは今回のお礼とか感想でしばらくお願いします。
まず俺からね。「おしどり夫婦」書きました。
点入れてくれたゼッケン先生ありがとうございます。
でも「悲しい」印象持たれちゃったかあ。
本当は親父のウキウキ気分が書きたかったんだけど。失敗したかなあ。
しかし「無駄に固い信念」というのはその通りですね。
他の方々も読んでくれてありがとうございました。
しかしアンダー君のは単にカープファンってだけじゃねーかYO!
(><)プンスカ☆
【得点】 2点
桜
我が身を横たえている常をも忘れ去る程に、馴れ親しんだ「もの」へ、取り立てて愛を語らう事もなし。
万年床にも春の気配。
寝息。目に入り込んでくるせせらぎを映すテレビ番組の流れを真剣に見ている素振りで髭を剃る、私の出掛ける気配を察しながらも、昼寝を始めた女と布団を眺めている。
土曜日にも会社へ出掛けるのかといいたげな寝息だ。
春の気配か。
布団にか細い桜の木が横たわっている錯覚にとらわれ、靴を履くのを止めたのだ。
万年床にも春の気配。
我が布団の歴史。
平成十二年、高島屋、寝具売場にて購入の品、後日配送にて二日ばかり寝床がなかった記憶はあるが定かではない。寝具一式、希望を胸にセミダブルサイズ組み布団、羽根枕二個付き十一万円也。
色は無地ホワイト。
当時常用していた古い布団は綿布団で押し入れをも打ち抜く重さであった。
ボロアパートに住んでいた為なのか、押し入れを駄目にする布団。今は無き断片として綿の毛玉のように肘辺りに感触が残っている。
その綿布団はといえば私が実家から持参した代物だったわけだが、浮気発覚後、家財道具もろとも内縁の妻に持ち去られた。
手厳しい内縁の妻は、トラック横付けで家財道具を堂々と持ち出す光景を私に見せ付け、ろくでなしと罵るわけもなく。
手際良く欲しい物だけ私の家から持ち去ることによって、痛快に内縁関係に終止符を後腐れなく打った。いや、打てたのだろうか。
これだけは分からない、が。
私としてみれば随分と酒の席で笑い話として語れるネタ十八番として面白可笑しく、時には淡々と語ったりしたもんだ。
しかし、その布団について使い道の想像だけはますますわからなくなったものだった。
しかし、布団まで持っていくか?
思いの外、家具等にはさして執着がなかったものの布団を持ち去られた事で内心ショックを受けてしまったのだが、だらしが無い私への復讐として寝具まで持ち去ったのだと内縁の妻は私が綿布団の事など忘れ去った頃に突拍子もなく現れ、告白してきたのだ。
それはそれで良かったが、復縁を迫るついでに赤ん坊まで抱き、不敵にも会社の門前という待ち伏せであったのだ。
してやられたり、では何とも言い難い遭遇で絶句しているだけの私ではあったが、赤ん坊と目が合った第一声がまぁるい頬から零れる涙の後の声ウォンギャだったので笑うにも笑えずにいた。
季節は。やはり春間近で、他人行儀にそよそよぐ寒さの残留が、細く捩れ抜ける風の中の事だった。
泣き声は社の受付に一先ず舞い込み、そこから口伝てか社長室にも隣接する部署にも滞り無く赤ん坊の泣き声は行き渡って。
とぎれとぎれに時間を繋いでも記憶が今を不確かなものにする事もあるのだ。
元内縁の妻は姿形はさして代わり映えなくとも、服の趣味が反対色使い、悪趣味なガラ物好みに変わり果て、花ガラの紫に赤いテラテラした生地は年令より老けて見せるのみだった。
私はといえば。日々の暴飲暴食のただれに身の重さを削ぎ、枯れ木寸前の憂いを宿していたせいか、万更、変化の見える再会の光景を写真に残しておいたとしても、不釣り合いな組み合わせでも無かっただろう。
廃れっぷりに安堵する不摂生な時期でもあった。
いい加減、来るもの拒まず去るもの追わず。
金はあるだけ使いきり、金が無くなりゃ働くさ。
誰の子? の問いに 私の子! ではさすがに、答え様もなく。
目をぱちくりさせて可愛らしい赤ん坊の父親であってもなくても抱き締めてしまえば良かったのかも知れないが、一年余り経ての内縁の妻との再会。
心音が三つ。ちぐはぐに重なる和音が一瞬結ばれて、解れ放たれる。もつれもせず、解けた風の糸だ。解きはぐれたのは私だけだったのだろう、けれど。
「冗談よ、今更あなたとやり直すなんて考えてないわ、さよなら」
内縁の妻との二度目の別れに何故この人を好きだったのか分からなくなり自問し、思いのみ悲しみに似た行方の分からない、綿布団を積み込んだ内縁の妻の姿だけ再度脳裏に焼き付けていた。
布団はどうしたのだろう。聞きそびれて以後、会うことも無く、今に至るのだ。
万年床にも春の気配。
ガキの頃は親が買った布団にもぐり当たり前に眠った、学生になった私にばかでかい布団を買ってくれた祖父、内縁の妻に持ち去られた綿布団、そして。
我が四枚目の布団。
物持ち良く敷きっぱなしにすることにより形状を五年弱維持する。
中二階に備え付けられている寝床用らしきスペースに肉色のマットレス、次、敷き布団、誰が買ったか忘れたシーツ。
綿100%タオルケット、繕い跡に記憶の無い毛布、掛け布団の順で重ねて敷き付けてある。
酔った時分には肌ざわりの良い敷き布団とシーツの間に眠り、寝苦しい夜には毛布と掛け布団の間に綿毛の固まりのように寝付いている。
嗚呼。
散らかり放題の八畳、埋もれた目覚まし時計。
布団から見下ろして朝、淋しさなど微塵も感じずに布団の温もりにしがみ付く。
毎日。
爆睡の友、不眠のベールとして身を包み安眠へと導く友。
布団。
既に羽毛布団であるなど既に分からない程にぺたんこであっても、もぐり込めば寝息を立てる私がいる。
タオルケットとシーツは天気にお構い無く暇さ加減と欝憤晴らしに洗濯した記憶はあるものの、何しろ女の存在なくして布団の手入れなどしない不精者だ、けれど。
思えば。
寝具を新調する度に帰宅すると飯の匂いが約束されていたのは確かだが、今回はちょいと違った。
勝手に転がり込んでくるものを拒まず、私の部屋に新しい寝具をねだらない女が住み着いたのだ。
女と言えば、部屋にある年季が入ったものを死に物狂いで捨てる生きものだと思っていた。
今まで。
調味料に嫉妬し、布団の匂いを嗅ぎズタズタに引き裂いてゴミ袋に詰めて捨て、窓から柔軟剤をほおり投げたり忙しなく目を光らせて自分が選び取ったものを置きたがるのが常だと思っていたのだが。
違った。
女は私の万年床に日光を当てようと干したり、パンパンと箒の柄で叩いたりして布団を大切にし始めた。
何だろう、変わった女だなと貧乏性かと疑ってみたところで普通のサラリーマンの娘で、これといって抜きんでた魅力は感じることが出来ずにいたのだが。
何時の間にか郵便受けに女の名前のみを書き足していた。喜びもあやふやでいながら、それといって迷惑ではなかった。
かといって、私の日常が変化するわけではなく、女に不満はないが寄り道をやめることも無かった。
致命的なのは飯のまずさ。
塩気が強く、薄味が苦手ときた挙げ句、煮込むのも限度がわからないのか焦げ好きなのか。とにかく飯を作るのがへたな女は他に知らないと断言出来る有様なのだ。
ツマミのイシャレットも味噌付けて食いたかったわけだが、炒め物に使われ、どうやら料理をしたことの無い女と見て大目には見ている。
どう食い合わせても、まずい。
一回の飯の材料費をけちってる風ではなさそうなのだが、とにかく食えたものではない。
だからといっては何だが、うまい飯を作る女と切れる気持ちもないのも事実だ。口実かも分からないが、うまい飯を作る女と会う回数が不思議と週1から週2に増えた。腹に聞いても分からない。どうしてかなどとは、分からない。
けれど。
万年床にも春の気配。
しかし、この私の万年床をこよなくいとおしむ女の存在は人生初の喜びであり。
愛しく。
煙草臭いぞ、匂いが染み付いてるぞ、誰と寝たんだか分からないぞと伝えたところで激怒するわけでもなく。
それでも布団に入ってすやすや昼寝する女の頬を幾度と無く眺めて過ごしてきた。
飯がまずくても、寝床を気に入った女にゃぁ弱いもんで。
窓の外眺めれば、灰色のアスファルトに囲まれた桜の木が一本。昼下がりの影を、車道に落として春を待つ。
ベランダにて女が植えたチューリップの球根の鉢。抱えながら吸う煙草。
桜が咲く頃にも懲りなく、こいつは私の帰りを待ち、まずい飯を根気よく作ってくれるのだろうかと物思う。
この女に新しい布団を買ってやろうか。
冬から春にかけての空は、咲く桜の花を見ながら新しい布団を叩く女の笑顔を想像させる。
桜の花が咲く頃に。
我が五枚目の布団を。
寝返りを打った女が眠りながら笑っていて、見透かされたよう気恥ずかしげに、私は雀を呼ぶ。
布団を私に与え、巡り合わせ、又、愛でてくれた者へ、幾つかの布団を胸に多幸を祈り、雀を呼ぶ。
ちちっち桜の枝に留まる雀。
こっちへおいでと、呼ぶ。
28-32,48 名前:桜[] 投稿日:2006/01/20(金) 21:42:56 ID:V0eo4ET4
【コメント】
67 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:55:36 ID:BGhxVW29
>28-32
どう考えてもこれは短編小説である。しかし詩と小説の区別が曖昧なのでどっちでもいい。
「布団」に焦点を当てただけでなく、布団そのものの細かい由来や出自まで書いた「無駄」が絶品。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>28-32 布団のエピソードだけでも、書きようによっては豊潤な詩にできる
と思うけどなあ。赤ん坊の部分は冗長になって、やっぱり不要だと思った。
73 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 04:26:45 ID:ZipWDAs2
>28-32:桜:ID:V0eo4ET4氏(>48で訂正)
この作品もよほどだらだらしている。「万年床にも春の気配。」なんていいフレーズを切り取れるのだから、
その勢いでもっと密度のある詩語をまとめられるはず。
77 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:18:23 ID:756ci8c0
>>28-32 桜
これはもう、短編小説だっと言い切りたい、声を大にして言い切りたい。(小説としてもいい出来だと思います。)
ですが、常日頃、「作者が詩だといえば、詩なのだ」を標榜しておりますわたくし、詩作品と
認めましょう。(てか、別にあたしのお墨付きなんぞいらんとは思う。)
”万年床にも春の気配”
この詩的なフレーズを要所要所に配して、いいリズムができています。
題もこれは”布団”でもいいんじゃないかと思ったりもしたんですが、”桜”としてあるところで、詩全体がなんか
ほのぼのしたピンク色で染められていくような多幸感につつまれます。ナイスな選択です。
なにげに鬼畜な主人公にもかかわらず、ぜんたいに洒脱な幸福感が流れていて、今回のやけに
不幸な投稿作品の中で実に光ってました。 主人公がむやみやたら善人じゃあないところもいい。
5ページ目が単独の詩としてもいける部分で、とくに最終連に登場した雀の情景に技を感じます。
で、振り返って、この5ページ目だけっでいいんじゃあないか?と問い直すと、”5枚目”の布団を生かすためには
鬼畜な4枚の歴史に触れないと深みがなくなるしなあ。やっぱこの饒舌な語りも必要かなと思いなおすのでありました。
一押し。
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>28-32:桜:ID:V0eo4ET4氏(>48で訂正) 長い、これが優勝するならば他の作品に対して不公平、腕の無い採点者ほど点をやりたがるw
257 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6[sage] 投稿日:2006/01/24(火) 21:21:56 ID:LqB8jRCW
「桜」 ID:V0eo4ET4氏
最初はウヘッ!長すぎる!と思った。
実際読んでみても、作品の凝集度という意味では疑問がつくところが多々。
でも丁寧に読んでみると、この妙な味のある文体にやられてしまった。
451 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/01/27(金) 01:32:20 ID:L6oVC/TT
わぁぁぁたしはぁ不幸癖ぇ~
審査員の皆様お疲れさまでした
桜 を書きました 竹輪です m(_”_)mド~モ
ゼッケンさん>お疲れさまです
アンダーバーさん>長い=凝縮(できない)言い訳ではないんです 笑
単に言葉としての力を他や固定概念通説に委ねず自力で人物や物体の価値観を描こうとするとある程度長さは必要になってしまうのです
長さに対する対策は言葉の置き換えを意味の置き換えとしつなんとかなりますが きっと読みづらくなるだけなのでやめときました
激辛正統派さん>はじめまして 宜しく
確かにだらだら無駄ありまくりですが表現上どれも削れませんでした
「万年床にも春の気配」このフレーズを基軸にして今一番の幸せを書きなぐってしまいました
長介ジュニアさん>評ありがとうございました ガッツ
にいちぇさん>無駄の神髄を読み取って下さってありがとうございました 笑
リーフレインさん>いつも恐縮です
リーフレインさんに誉めて頂きにこやかに喜んでおります 竹輪ですドモ
いつも核心を感じ取って下さっているのだなと評を読んで思いました
リーフレインさんの詩作 また 詩 に対する語感の選びは慎重で洗練されて(でもアツイ!)いるので
私はリーフレインさんの文章のファンでもあります
カノープスさん>創設者様でしたか いつも丁寧に読んでくださってありがとう!
加点も勿論嬉しかったのですが寸評がなにより楽しみ
重ねがさね 読んでくださってありがとうございました m(_”_)mチクワ~ワワワ
【得点】 4点(準チャンプ作品)
- にいちぇ ◆UQRl.WeFEk:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:2点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
腹八分
好きなものを いつまでも好きで居られるように 腹八分
満喫に近く ちこっとだけ 残して
また 会いたいね また やりたいね また 食いたいね
35 名前:腹八分[] 投稿日:2006/01/20(金) 23:44:54 ID:f0j+ZW3y
【コメント】
68 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:56:09 ID:BGhxVW29
>35
幸せを得るための金言のようなフレーズである。
しかし「やりたいね」が性で次が食とすると、その並べ方よりは最後を「会いたいね」で締めた方がいいと思う。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>35 この作品の分量も腹八分なんだ、と言いたいんだと思う。それはそれで
いいんじゃないかな、とも思う。
77 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:18:23 ID:756ci8c0
>>35 腹八分
あ、この言葉が出てきた。もちっと展開たのんます。
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>35:腹八分:ID:f0j+ZW3y氏 幸せポイントをやっていいやら知らんが何を今更って感じぃ?みたいな? あげません
84 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 22:50:56 ID:ce6nmM+g
>35:腹八分:ID:f0j+ZW3y氏
腹八分というか腹一分くらい。
夜の子供の歌
2001年11月5日、午後5時45分。新宿西口地下広場を歩いていた私は
突然、圧倒的な幸福感に襲われた。時間にして0.5秒ほどのことだった。
子供は深い闇の時間に生まれた
それが間違いだったと誰もが言った
夜に起き夜明け前に眠る
それが変えられない彼の宿命
三歳にして眠る母親しか知らず
五歳にして言葉を忘れ
七歳にして見えなくなる
十歳の秋、走り去る救急車を追いかけ
誰も彼を知らない家を出る
黒々としたアスファルトは彼の大地
点滅する信号機は彼の太陽
夜の子供は歩き続ける
カンカンと踏切の音がする線路脇
雑草の陰に木霊が潜む谷間
聞こえない叫びが響く頭上の闇
灯がともる家の外から家の外へ
灯が消えた窓の外から窓の外へ
夜の中の夜の中の夜へ
見えない子供は見えない男となり
渦をまくその街に辿り着く
オフィス街を行く靴音の傍らで眠り
怒声響く料理店の厨房で横たわり
コンビニのゴミ箱の前で目を閉じる
白昼の喧噪の中で彼はただ
夜の夢を見る
茶色にかすむ目をした老人
駅の通路でうずくまる小さな影
けいれんして震える背中に
もたれかかってあらゆる闇を眺め
獣くさい鬚に頬寄せて眠り
やがて老人が冷たくなった後
世界の真理を彼は知る
それを彼は語ることがなく
横たわる自分の身体だけを感じ
夜から夜へ時間は流れ
そして、その時は訪れる
西口広場ロータリー横の柱
コンクリの冷たい感触だけの夢から
彼はゆっくりと浮かび上がる
誰かが近づいている
分身がすぐそこまで来ている
彼はかつてしたことのないことを
生まれてこのかた知らないことを
目やにで重いまぶたを
開く
夕暮れを見る
湾曲する道路の間の紫の空
ベールとなって輝く雲
世界を包む光を
はじめて彼は見る
その瞬間、
2001年11月5日、私に起きたのは、そういうことだ。
あれから毎日、私は、彼を探し求めている。
しかし、彼を近くに感じたことは、あれきりない。
本物の私は、また、夜の旅に出てしまったのだ。
36-38 名前:夜の子供の歌[sage] 投稿日:2006/01/21(土) 02:27:46 ID:ihCH12mf
【コメント】
68 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:56:09 ID:BGhxVW29
>36-38
このような体験は実際にあるのでとても共感できた。
ただし出来れば0.5秒が永遠に感じられる描写をどこかに入れて欲しかった。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>36-38 夜を直喩として読むと、なぜ、その瞬間になって夕暮れが訪れるの
か、混乱するね。丁寧に書かれています。
77 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:18:23 ID:756ci8c0
>>36-38 夜の子供の歌
力作。本当の自分との一瞬の邂逅。
お題的には、まあ、やっぱし不幸なんじゃないかと思うんで加点からははずします。
この子供のストーリーが圧巻で、うまい。多分自我の投影図じゃないかと思うけど、
3、4,5連の夜を彷徨う姿が非常に詩的。劇的な語り口もこの主題にあってる。
光を生まれてはじめてみる彼のシーンを作ることで詩が引き締まり、読み手にも一種のカタルシスが起こります。
全体を彼を探す自分という冒頭と最終の連で包むことで詩を2重構造にしたて、同時に彷徨う自我(夜の自我)と
社会的自己(昼の自我)の対比を明示化している。凝ってます。ちょと気になったのはその社会的自己の記述部分で、
なんとなくわざとらしさみたいなもんが漂う。ありきたりな語句を使いすぎてるっていうのかな?この部分はあんまし考えて
書いてないような気がする。
(題が違ってたら、2点いれてると思う)
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>36-38:夜の子供の歌:ID:ihCH12mf氏 幸せがテーマでコレか、知るかよタコ 踏み切りって小田急線の?興味無し。散れ
84 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 22:50:56 ID:ce6nmM+g
>36-38:夜の子供の歌:ID:ihCH12mf氏
魅力的な着想だと思うけど、表現が物足りなくて生かしきれていない。
安心してカタルシスへ向かうために明確なきっかけが欲しい。
447 名前:長介ジュニア ◆kuJg2yitX6 [sage] 投稿日:2006/01/27(金) 01:00:29 ID:xfFPKkRd
どーも。「夜の子供の歌」書きました。
今回は構成にまるきり失敗したというか
自分の書きたいものをむりやりお題に当てはめようとした形跡を
しっかり審査員諸氏に見抜かれてしまいました…。勉強になりました。
寸評を寄せて下さったみなさんに感謝。
議論百出、ドタバタしてるなかで、しっかり評価をしてくださった方々を
あらためて尊敬します。こういう方々がほんとうに偉い人たちなんだと思いました。
やっぱりそれぞれ力がこもった作品があって、評があって
点が競る楽しみがある。なんだかんだいって梁山泊はいいですね。
【得点】 2点
幸子
幸子お前は元気にしてるか
風邪などひいて寝込んではいないか
東京の街にはもう慣れたか
人ごみの中で自分を見失い泣いてはいないか
父さんよくは知らないけども
良い人も悪い人もいるのか都会には
空は見えるのか
星は見えるのか
父さんや母さんが見上げるのと同じ
幸子お前は母さんに似て
澄んだ目をしている
強い心を持っている
今でも笑うとえくぼが出来て
母さんと同じそよ風のにおいがするか
小さい頃の幸子お前は
春は小鳥のように歌い
夏はオレンジのように輝き
秋は紅葉のように彩られ
冬は雪のように舞っていた
今も幸子お前に同じように季節が巡ってくるか
父さんも母さんも
少し年はとったが元気にしてる
幸子お前が植えた木にはちゃんと水をやってる
この春には父さんの背丈を越えそうだ
そのうち手も届かなくなるだろう
もしも幸子お前に恋人が出来たなら
必ず家に連れて来い
酒の飲めない奴は駄目だ
礼儀を知らない奴も駄目だ
男らしくない奴は駄目だ
何より親を大切にしない奴は駄目だ
友人を大切にしない奴は駄目だ
説教を黙って聞けない奴は駄目だ
でもいつかは必ず連れて来い
幸子お前が生まれてから今日まで
父さんはずっと幸せだった
幸子お前の名前は
たくさんの人に幸せを与えられるように
そう生きて欲しいと願いを込めたんだ
それがお前にとっても幸せだから
39-40 名前:幸子[] 投稿日:2006/01/21(土) 14:06:44 ID:UlZ/3k/P
【コメント】
68 名前:にいちぇ ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2006/01/25(水) 23:56:09 ID:BGhxVW29
>39-40
さだまさしの「案山子」とばんばひろふみの「SACHIKO」を混ぜたような内容である。
芦屋雁之助の「娘よ」の要素も入っているところが王道。
71 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 00:55:17 ID:SLqb/uUU
>>39-40 ぼくには6歳の娘がいます。その気持ちで読んだけど…少し美化し
すぎの面があるね。歌詞みたいな感じで巧くまとめています。
78 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/01/26(木) 11:19:24 ID:756ci8c0
>>39-40 幸子
なんか、詩板でこういう詩ってあんまし見ないので、物凄く新鮮だった。
オーソドックスなテーマに真正面からとりくんだ姿勢がすごく好感が持てます。
だけど、正直刺激的な言葉に慣れすぎてしまった身には、なんとなく物足りない。
そう思う自分をしばし反省しちゃった作品でした。
さだまさしの 亭主関白とか思い出したなあ。あ、そうだ亭主関白と比較して考えると、もう少しユーモアが欲しい。
82 名前: ◆UnderDv67M [ ] 投稿日:2006/01/26(木) 17:26:23 ID:DjUW9T5F
>39-40:幸子:ID:UlZ/3k/P氏 2連の最後はミス?そよ風のにおいって……。どっか見た事あるような。仕方ないから幸せ度で1点
84 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:2006/01/26(木) 22:50:56 ID:ce6nmM+g
>39-40:幸子:ID:UlZ/3k/P氏
これは読者、じゃなく作者を選ぶ作品。感動的な作者によって書かれた場合、成立するような。
ワイドショーの、苦労続きの人生を振り返った後に素人が歌うのど自慢コーナーみたいな。
とはいえ、構成力があるし変なひねりもないので、面白く読みました。
【得点】 3点
- ◆UnderDv67M:2点
- 激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q:1点
最終更新:2006年09月03日 22:09