作品
道路とライト音
ざぶとんさばかれて
白い雲がざぶん
夜のバイク音が
文字をたたいて うかんでくる
「 」
もう二度と言うことのない言葉だろう
笑顔は夜風に沁みいって
ほんのりとしていた
刻みこまれた息が
泡になって ライトをひろっていたよ
どんなにくり返しても
写真にすらならない記憶を
なぜかいつまでも
待ちこがれ
待ちこがれている
白い息がざぶん
あの日のぞいた雲に 描かれていた言葉を
バイクがたたいて細かく叫んだ
紙一枚ほどにも残らない文字
ざぶとんは視界のふちでさばかれる
一度は通りすぎた色が
記憶のコップで浄化されていくように
バイクは平らな夜空を どこまでもかけぬけて
ヘルメットの先で消えた
393 名前:道路とライト音[sage] 投稿日:04/06/23 22:37 ID:GRft5HMz
プロペラレター
プロペラ飛行機を机にして
ただ手紙を書き続けるだけの毎日
誰に宛てているのかさえ
もう僕には分からない
くすんだ空色の中で
色に飲み込まれ消えた人
粉砕された空の破片に
その身を貫かれた人
そして
この空を正視することなく
家に帰った僕
家の中の空には
あの小惑星と衛星が
飛行機雲のレールに沿って
あの壁紙の雲のように流れ続ける
いつからここにいるのか分からない
いつから手紙を書いているのかわからない
プロペラ飛行機を机にして
ただ手紙を書き続けるだけの毎日
誰に宛てているのかさえ
もう僕には分からない
394 名前:プロペラレター[sage] 投稿日:04/06/24 21:02 ID:ef9VFLLI
【コメント】
425 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/06/30 07:53 ID:7JYsTx0l
>>394 プロペラレター
パソコンというプロペラ飛行機に言葉を乗せて詩を書くという営為。誰に宛てているのか、
それはわからない不安。でも、それはよく言われていれようなヴァーチャルな閉じられた
小宇宙ではない。必ず向こうには同じくすんだ色の空の下で色に飲み込まれた、粉砕された
痛みを持った人がいるのだから。なぜか、この詩を読んで私も励まされた気がした。
433 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:04/07/01 02:17 ID:0pavaQ5Y
1点 >394 :プロペラレター :04/06/24 21:02 ID:ef9VFLLI
伝えられない、正常な日常。毎日しっかり生きています。……かなぁ?
【得点】 3点
- ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:2点
Blank paper
ある日 私のもとに封筒が届けられた
その封筒の中には 手紙が入っていた
しかし その手紙は白紙だった・・
その手紙はいつまでも白紙だった
何時見ても 手紙は白紙で変化がなかった
何故なら もう書き手がこの世にいないからだ
だからこの手紙は何時までも白紙なのである
この手紙を送ってきたのは私の長年の友人だった
死ぬ前に手紙を郵便局に出しておいたらしい
そして 彼が死んだ際に私のもとに送られるようになっていた
彼が何のために白紙の手紙を送ったかはもうわからない
この白紙の手紙を貰った私は色々考えた
しかし 全然解からない
いつまでたっても解からない
もしかするとこの手紙には意味がないのかもしれない
彼がこの手紙を送ろうとしているところを想像してみる
もの凄く滑稽でそして 悪びれた笑顔をしながら
郵便局で手紙を出している姿が思い浮かんだ
彼はいつも 私を笑わしてくれた
もしかすると彼は死んだ後も私を笑わそうとしたのかもしれない
白紙という手紙で
395 名前:Blank paper[age] 投稿日:04/06/25 17:37 ID:RwA7F7Gd
【コメント】
425 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/06/30 07:53 ID:7JYsTx0l
>>394 Biank paper
死者から届いた白紙の手紙―おもしろい発想なんだけれど、第4,5連がちょっと…。「意味がない」
「私を笑わそうとした」以外の結末を持ってくれば評価はグンと変わってくる。惜しい。
【得点】 1点
不定形、郵便要らず
時間と空間と 言葉さえも越えて
狙いさえ定めずに 放たれた矢のように
彷徨い 射る的も得ず 果てたとしても
地に落ち 時を経て 君に拾われるように
想像すれば 素晴らしく素敵な事のように
広がっていく 例えば変質した紙に這う滲んだ文字
それが異国からの物で 君が拾ったとしたら?
いつから打ち捨てられたと知れない 砂浜に
太陽の美しい光を受けて 輝き 目に留まるビン
どこかの国のラベルにさえ心躍る その中の手紙
時間と空間と 言葉さえも越えて
狙い定め放たれた矢 馬鹿げた計画でも
彷徨い 的を射る時を待ち焦がれる
宇宙人に宛て 打ち上げられたカプセル
想像すれば 素晴らしく可笑しな話のように
膨らんでいく 例えばメッセージなんてなくても
それが宇宙人の存在を示し 君が拾ったとしたら?
どうやって返事を書こうかなんて 思ってみたり
或いは人間が打ち上げたカプセルを受け取った
宇宙人の気持ちが分かった気がする? それもまた手紙
396 名前:不定形、郵便要らず[sage] 投稿日:04/06/26 17:47 ID:0r3f3Ksv
【コメント】
437 名前:雅 ◆joTrwjtjUg [] 投稿日:04/07/02 23:19 ID:v/odzkPo
【1点】
>>396「不定形、郵便要らず」
ちょっと余計な言葉が多くて、雑然とした感じになったのが残念。
一度「読み手の立場」に立って見直ししてみると少し違った感じになると思います。
【得点】 1点
眠り姫へ
画用紙いっぱいに
いろんなクレヨンちりばめて
全部の線がのびのびおおあくび
覚えたての文字がおどる
その真ん中で
ピンク色一色で書かれた
にっこり笑顔さん
あなたみたいね
さくらんぼみたいな
小粒だけど かわいいお顔
いまはおやすみしてるけど
ももいろのほっぺたと
くせのあるくりいろの髪の毛
真っ黒いまん丸おめめで もう一度私を見つめて
あなたの思い出でえがいた
七色の夢の続きを見ながら
あなたにお返事をかくよ
また逢おうねと
白くて小さな箱に一緒に詰めて
397 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:04/06/26 19:44 ID:WFOSUVO3
398 名前:397[sage] 投稿日:04/06/26 21:09 ID:WFOSUVO3
【コメント】
414 名前:わに ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:04/07/05(月) 19:09 ID:OuIrJ2K3
豆腐さん、チャンプおめでとう!
私は今回、残念ながら採点に参加出来なかったけど
たゆたうに入れていたことは確実でしょう。
~です。って書き方と、雰囲気がぴったりはまって
心地よい感じがしました。
あとは悲しい手紙も好きな詩でした。
てるあきさん、次回作を期待してます^^
私は今回眠り姫へを書きました。
自分のサブテーマは色だったんですが、いまいち~・・・・
点を入れてくれたCanopusさん。ありがとうございました。
【得点】 1点
手紙
手紙を読もう
過去に出してた
手紙を読もう
僕はしっかり勉強して 大学に入って
大学を卒業して 一部上場の
会社に勤めた
遣り甲斐のある仕事を任されて
毎日が矢のように過ぎていく
体にみなぎる力が溢れ出し 楽しくてしょうがない
恋人もできた
夢のような毎日だ
ああ 若かったんだなぁ
きのうにもらった 手紙を読もう
一所懸命がんばって 貯金も
増えた 家族も増えた
これからは 少しは無駄使いも
してください
泣かせることが書いてある
ああ 若かったんだなぁ
増えてくるものばかり
増えてくるものばかり 見ていた
ああ ……
399 名前:手紙[] 投稿日:04/06/27 00:34 ID:VEZvoveC
【コメント】
425 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/06/30 07:53 ID:7JYsTx0l
>>399 手紙
第5,6連目の「増えてくるものばかり/増えてくるものばかり見ていた/ああ……」が
この詩のミソ。人生の昇り調子のときのもう一面、得たものと同時に失ったものの大きさ、
深さを含意していて、それについてはあえて何も言及しない。そのことでかえって読み手に
委ね、内省させるとい手法も確かにある。この詩はその一例。
母
大学へ受かり、下宿を始め、1年ほど経たころに、
母から届いた一通の文、
和紙の封書に、和紙の便箋、
思い惑うような躊躇いがちな墨の手が、
記し中身は、娘を気遣う、操を気遣う母の願いでありました。
ちょうど、恋人ができたとの報告をせし後で、
さぞや心配なすったに違いないと想えども、
このやくざな娘が男を知りしは、もはや記憶にないほど
かなたなことでありました。
泣き笑いが抑えきれずに、文に染みが残ります。
さぞや、かの母、娘に白い白い想いを願いしか。
いかで、この娘、黒い黒い日々を送りしか。
思いがけず気づかされたは、その黒さ、母に知って欲しかった。
娘の願いが涙になったでありました。
決して知らせて為らぬと誓いしことでありましたのに。
400 名前:母[sage] 投稿日:04/06/27 11:43 ID:lRe5pI5/
無題
受け取る受け取れ受け取らせる受け取らない受け取りたくない受け取れないうけと
見る見ろ見ない見たくない見られたくない見られない
送りつける送りつけろ送りつけない送りつけたくない送りつけられない送りつけられたくない
読む読ませる読ませろ読ませられない読みたくない読めない
手紙にはいくつもの物語があって
今日も僕は物語の断片をひもといている
書く書け書かせる書かない書けない書きたくない
わかるわかろうわからせるわからないわかりたくないわかり得ない
404 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:04/06/28 03:25 ID:F3R3A5Gl
【コメント】
426 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/06/30 09:09 ID:7JYsTx0l
>>404 (無題)
これも五段活用。 昔、嘉門達夫の歌で演歌歌手の段田団(漢字はこれで合っている?)
の五段活用っていう歌があった。ダンダダン、ヂンヂヂン、ヅンヅヅン、デンデデンという
歌なんだけれど、なぜかそれを思い出した。
あともう少しだけ
全開、夏ってかんじ
汗が止まらなかった
沸騰直前のやかんのよう
目に焼き付いてしまうような薄い服を着た人たちが街を占拠
僕を焼き尽くすような日差しがその日はなぜか心地良かった
早起きしすぎたセミが
『木陰の争奪戦が始まるよ』と寂しく鳴いていた
僕は待ち合わせの場所へ急ぐ
自転車のハンドルを握る手は
暑さと緊張でジットリしてたんだ
久しぶりに見る君の笑顔は
大人びてて僕をちょっぴり不安にさせた
あの頃の僕らはどこに行ったって毎日が楽しかった
喫茶店でいつものアイスコーヒー
ストローを噛むのが君の癖だったな
高校近くのジジ屋で買った安物のポップコーン
公園で足元にまくと鳩がどこからともなく飛んできたっけ
冗談言って君の肩をポンっと叩く
君も同じように笑いながら
僕のシャツの裾のほうを軽くひっぱるんだ
友達以外の なにものでもなかった君への
あの時抱いた恋心
僕の中で くすぶり続けた
君も僕と同じ気持ちでいてくれたのかい?
お互い故郷を離れて
会えなくなって ようやく決心させたんだ
決して壊しちゃいけない禁断の壁
ハンマーを握りしめた
全開、夏ってかんじ
汗が止まらなかった
他愛も無い昔話の最中
突然君はうつむきながら言ったね
『彼氏ができたんだ』って
君への想いを書き綴った手紙
ポケットの中で少ししわになった手紙
僕はポケットからそっと手を遠ざけた
僕はどんな顔をして君の前に座っていたんだろうか
気持ちが萎えた自分自身に感じる不甲斐なさ
なぜか少しホッとしている自分に腹が立った
あれから5年 手紙が届く
泣き顔が君とそっくりな赤ちゃんの写真入り
とっくに捨てたと思ってた感情にスイッチが入る
今も君の幸せを願う気持ちに変わりはないのだろう
色褪せて 手触りのザラついた
少ししわになった手紙
淡い恋心と君から届いた手紙をそこに加える
そして二度と開けることのない
机の引出しの奥のほうで
ひっそりと眠るのでしょう
405 名前:『あともう少しだけ』 1/4[sage] 投稿日:04/06/28 08:32 ID:aJY3VpkD
406 名前:『あともう少しだけ』 2/4[sage] 投稿日:04/06/28 08:34 ID:aJY3VpkD
407 名前:『あともう少しだけ』 3/4[sage] 投稿日:04/06/28 08:36 ID:aJY3VpkD
408 名前:『あともう少しだけ』 4/4[sage] 投稿日:04/06/28 08:37 ID:aJY3VpkD
【コメント】
426 名前:MUJINA ◆iXws.WGCLY [mistyage@nifty.ne.jp] 投稿日:04/06/30 09:09 ID:7JYsTx0l
>>405-408 あともう少しだけ
遠いあの日の苦い思い出。誰にでも、私にも経験がある青春の一ページ。内容は普通だし、
とりたてて技巧も感じられない。詩というより、散文という感じ。でも、この詩を読んで
共感を持つ人は多いんじゃないか。えてして一人よがりな世界に籠もりがちな詩書きの中で
こういう平易で共感が持てる文章を書く、というのは詩の練習としていいんじゃないか。
435 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:04/07/02 22:02 ID:LVXUME25
【1点】
>405-408 :あともう少しだけ
友達以上恋人未満の幼馴染みって言うのは、良くある話ですよね。
個人的に共感を抱きました。
437 名前:雅 ◆joTrwjtjUg [] 投稿日:04/07/02 23:19 ID:v/odzkPo
【1点】
>>405-408「あともう少しだけ」
なんか、泣きました。
個人的にスゲー好きかも。
【得点】 3点
- MUJINA ◆iXws.WGCLY:1点
- シオン ◆poetsyov/2:1点
- 雅 ◆joTrwjtjUg:1点
最終更新:2007年05月16日 02:00