前へ1 2 3次へ

作品





赤いソファー



もっちりとした手触りの粘土の塊 
それを適当な大きさに指で引き千切る
大体の凹凸は決まりきっているから目を瞑って出鱈目に

ぐにゃぐにゃと足で揉んだ
ぐりぐりと指で穴を開けた
ぐいっと両手で捻りあげた
仕上げに頭突きをかました

パチンと指を鳴らして目を開ければ人の出来上がり

ぷうと大きなおならをして
ふうと小さく溜息を吐いて
所在無く目を泳がしてから
四つん這いになってもう一度
ぶうと大きなおならをして
這い回ってどこかに行ってしまう

俺は人を探しに行くでも無く
部屋の中心にある大きな赤いソファーに腰を下ろした

昔 人には二つのタイプがいた

俺の脛には硬く丸く縦横斜めに可動する出来物が数粒ある
表皮と肉の間のそれは丁度魚卵のイクラ大で
俺は脛を人に触らせて反応を見るのが趣味だった
ぎょっとして手を引っ込めて二度と触らないタイプと
指先でコロコロと転がしていつまでも触るタイプがいた

出来物を可愛がるように何度も触った乱暴な女を思い出す
恋人にはなれなかったが俺はその乱暴な女がとても好きだった

気になって病院に行った所 稀にこういうものが出来る人がいるとの医者の話だった

「勝手に消滅する場合もあるし増えていく事もあるし
  良く動くから良性である事は間違い無いんですけれど
  何しろ原因不明でありますから まぁ はっはっはっ」

と医者が言いながら何故か笑うので俺も笑った 
原因不明とは便利な言葉だなとヘラヘラと笑った

そう言えば乱暴な女の恋人は左の眉毛が異常に太かった
大きさは額の半分を覆う勢いで濃く長く太い毛が内に内にカールして
全てが絡まったモジャモジャの物体は巨大な黒い毛虫のようだった
病院に行っても俺の脛と同じく原因不明だった 
恋人の事を乱暴な女は

「やつの眉毛は繭化しているのだ
  今に眉毛はぶるぶると震えてぱかっと割れるのだ
  そして美しい異国の蛾がバサバサと飛び立って行くのだ
  やつは分別わきまえず大それた事をしようとしているのだ」

と嬉しそうに話していた 乱暴な女は恋人に俺の脛の事を

「やつは脛に無数の卵を隠してやがる
  今に脛はぴきっと亀裂が入って裂けるのだ
  そして豆粒大のひよこが生まれぴよぴよと足を彷徨うのだ
  やつは分別わきまえず大それた事をしようとしているのだ」

とか何とか言っていたに違いない

乱暴な女の顔や声をはっきりとは思い出せない
乱暴な物言いで事ある毎に挨拶だと言って俺を殴った
乱暴な女が手をあげた時また殴られると思って目を瞑ると
乱暴な女がくっくっと笑いながら俺の頭に止まった羽虫をつまんで潰した

赤いソファーから立ち上がり伸びをして下を向く
数え切れない人々が撫でてきた脛を見る
何度も触らせる内に表皮が擦り切れて
剥きだしの出来物が一粒 今にも落ちそうだ

窓の外を見ると這い回る人が二人 頭をぶつけ合っている
俺はそれを止めに行くでも無く作業に戻る
粘土の塊から引き千切った欠片で新たな人を作る

出来ればどこかに行ってしまわない人を
出来れば這い回った後立ち上がりゆっくりと歩き出す人を
出来れば赤いソファーに腰掛ける俺に寄り添って深く深く腰掛ける人を



626-629 名前:赤いソファー [sage] 投稿日:05/02/28(月) 13:22:38 ID:qX+poiKr


【コメント】

631 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/02/28(月) 19:17:43 ID:jQdD/FCT
>>626-629 赤いソファー

構成の上手さ・・・
「行為→休止→回想→再開」+「男視点→女視点→男視点」
奇想と、その描写に徹する一人称の哀感の組み合わせも豊かさを生んだ。
でもなにか引っかかる。人をつくるという行為、身体の徴、女の思い出、なにか上手く繋がらない。
構成の面でも例えば「昔 人には二つのタイプがいた」という言葉が改行と空白により転換を担う割には
以下でその二つのタイプの重要性が十分述べられていないと思った。

構成しよう、構想しようという意識が足を引っ張っているんだろうか。
意味ありげでピンとこないメタファー(だと思うんだけど)等、なにかちぐはぐしている。

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
1点 >>626 :赤いソファー 1/4:05/02/28 13:22:38 ID:qX+poiKr
  芥川竜之介の作だとも言う、赤い帽子の女を思い出した。
  白人金髪といえども、留学生の立場から愛すべき田舎娘と見えるから不思議だ。

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>626-629 赤いソファー 
イメージの繋がりが心地良いです。
散乱するディティールに統一性・方向性が欲しかったなぁと感じます。

672 名前:ame ◆yUHAxrOw2c  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 22:54:31 ID:eonNgoV3
1点
>626-629  赤いソファー
とてつもなく不恰好なそのイメージが人間をあらわしているんだろう、心象として。
ちょっとつかみづらい詩ではあるけれども。

613 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 11:51:38 ID:ncXFc4g7
>626 赤いソファー
面白い。。とにかく面白い。
粘土で創造する対象というイメージが物凄くいいです。なんというかどっしりした
変な手触りがある。少しあったかくて、顔が歪んでて、、メアリーポピンズのどっかに、
ぐちゃぐちゃの粘土の塊のおばさんがエプロンをして出てきてたのを思い出しました。
(誰かの奥さんなんだけど、怒りっぽくて横柄で、とても変だった。)
おならをするところがリアリスティックでとてもいい!!
出来物の挿話も、乱暴な女もとても効果的です。

二つのタイプの一行については、園川氏と一緒で、これ いらないんじゃないかな?
「俺の脛にある出来物を可愛がるように触わった乱暴な女を思い出す。
恋人になれなか・・・」
あたりを冒頭に持ってきて、推敲してみるのはどでしょうか?

619 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:45:51 ID:ED5LueCG
>626-629 赤いソファー
おもしろく読ませていただきました。「出来物」の描写にはうひーとむずむずしてしまった。
わたくしは「二度と触らないタイプ」ですな。で、この出来物は「乱暴な女」を記憶から引っ張り出す
効果的な小道具にはなってますが、その後、印象がつよいだけに余ってしまった感があります。
「粘土」と「赤いソファー」と「乱暴な女」の残像が「俺に寄り添って」「腰掛ける人」に
収斂していくさまがみごとなだけに、「出来物」が「出来物」のまま終わってしまったのが心残りのような気がします。

637 名前:心霊写真 [sage] 投稿日:05/03/12(土) 01:45:51 ID:jIp0Me/V
失礼します。「赤いソファー」を書きました。
読んでくださった方々、ありがとうございます。返信です。

園川さんの言うように(リーフさんも言うてたけど)『二つのタイプ』の所は何だかなーと思います。
リーフレインさん、二回も面白い言うてくれてありがとう。・゚・(ノД`)・゚・。
ななほしさん、その本のお話、気になります。
ゼッケンさん、足の脛のコロコロ、実際持ってるんですが大体が嫌がるタイプですね。。。
大木人さん、何と言うかぷっぷっと飛ぶ意識(場面)を書きたかったりもして錯乱はどうしてもかもです。
       でも、そういう私の考える錯乱では無く文面がややこしい場合による錯乱は単純に力不足ですね。
       イメージ心地良くて良かったです~
ameさん、人間は不恰好で醜いと思ったり。根本では這い回りを望んだりします。
MUJINAさんはAIだったのか。。。カノープスさんの評、読みたかった。。。

今回投稿された方々の詩はちゃんと読んでないのでこれからその内読むのです。
皆さんお疲れ様でした。チャンプのまーろっくさんおめでと。準チャンプさん誰でしょう。


【得点】 5点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:2点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:1点
  • ame ◆yUHAxrOw2c:1点





グッバイサンキューMr.Comedian 3/20



春がやってくる
梅はそろそろ桜にバトンタッチだ
この頃の桜は咲くのが早い
なあ あんたもそう思うだろ
Mr.Comedian


夜の8時はそりゃ面白かった
僕らはTVの中に吸い込まれていった
僕らはあんたと あんたも僕らと
一緒に歩いてたんだなあ この日本を


形ある物は― という月並みな言葉が
今は身に染みてわかる
3月終わりの晴れた空に
同情と哀情と押し付けがましい友情を

TVの中から裸足で飛び出し
お決まりの文句を言いながら歩き出した
もうTVの中は蛻の殻
僕の笑い顔は黒鏡の中


グッバイ サンキュー Mr.Comedian

グッバイ サンキュー Mr.Comedian


632 名前:グッバイサンキューMr.Comedian 3/20 [sage] 投稿日:05/02/28(月) 23:52:31 ID:ABqDq2JP


【コメント】

613 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 11:51:38 ID:ncXFc4g7
>632 コメディアン
コメディアンという架空の人物に語りかけることで、本人を描きだした小品。
形ある物は一 という月並みな言葉がどういうふうに身にしみてわかったのかが
知りたいところです。。

620 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:47:30 ID:ED5LueCG
>632 グッバイサンキューMr.Comedian 3/20
月曜日、ともだちはたけちゃんマンとブラックデビルのことばっか話すようになって、
話題についていくためにある日私もついにチャンネルを変えたのでした。ごめんなさい。

でも、ノスタルジーに浸るにはまだ言葉が足りない。これは抑制ではなくて不足じゃないでしょうか。





紙切れ



人について書こうと思う。

とあらためて意識するとアともウンとも書けぬ。
3時間40分も書けぬ。
ので、もう書いたことにしよう。ね?
まだ書いていないだけで
どうせ
人が読んだときにアァ、これがワタクシなのだ、という詩を書く日がやってくる。
それは
地下鉄に降りる階段への一歩手前、針のない腕時計を睨みながら
今日が昨日にならなければ、明日はやってこないのだとつぶやく
ぐらい当然のこと。
分かりきっていてあとは待つだけなのだから、
その間、ひまつぶしに書いた後のことを書く。


まず、どのようなものを書いたかというと、
詩というには少々破廉恥であって、
ルネサンスの画家がご婦人方の裸を描きまくったのに似て、
もはや詩というより詩のかたちをした人で、
増える。どんどん増える。ネットで、居酒屋で、した後の寝物語で、子供たちの枕元で。
粗悪品の練炭が燃えずに目覚めた車内で、ライブドアの社長室で、ダッシュで逃げる最中の警官たちの間で。
そうして増えて海を渡り、
史上初、詩でオスカー獲得、
ついでノーベル賞を総なめ、
バチカンの法王とチベットのラマから感謝状、
NASAが無料で月に招待(ハネムーンは月ですよ、だから結婚してください)。
国連総会全会一致で南極大陸を作者に贈呈。
火星初の有人基地をzekken-1と命名。
いきおいチキュウ大統領に就任
したところで、マジ恥カキ妄想癖辟易 with 晴天の霹靂
真昼の月反転し、ちゅるんとぼくを見た
宇宙よ、そんな片目でぼくを、人を、発見するな。

ヒトヨヒトヨニヒトミゴロ


自称詩人独居老人孤独死、管理人が発見、死後三ヶ月。
机の上には「入」と書かれた小さな紙切れが一枚。

最後の贈り物だ
その紙切れをおでこに貼って鏡の前に立ちたまえ
きみにも「人」が見えただろう。まぬけしか見えなくとも
いっこうにかまわない。違いはない
だが、それ以外に見えているそれは
人でなしだ。ご愁傷さま
そろそろ無駄口も切り上げる
世話になったな、へのへのもへじども
ほら、
あの世も人でいっぱいだ!

わたしたち、あなただけが好きです。
にこりと笑っていた。


633-635 名前:紙切れ [] 投稿日:05/03/01(火) 13:18:14 ID:qjHKYM9k


【コメント】

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
1点 >>633 :紙切れ 3の1:05/03/01 13:18:14 ID:qjHKYM9k
  ストレートに人に付いて考えた。ご苦労様です。お疲れ様です。

672 名前:ame ◆yUHAxrOw2c  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 22:54:31 ID:eonNgoV3
3点
>633-635  紙切れ
この詩の締めがきちんとしているおかげで助かっている。
どこまでも左右にぶれ続けていたこの詩は、前半はどこに行きつくのかわからないようになっているが、
最終連に向けてきちんとまとまっていく。
「人」をお題にした作品の中ではかなり変化球だけど、
今回の変化球はちょうど良いゆるさのカーブでした。

613 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 11:51:38 ID:ncXFc4g7
>633 紙切れ
詩というのは少々破廉恥であって
ってなあいいなあ。物凄く同意しますーーー。
その後の爆発も、カタルシス。。
懐かしかった √2。 忘れかけてましたよ。そんな数字。

620 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:47:30 ID:ED5LueCG
>633-635 紙切れ
夜中の思いつきを思いつきのまま投稿するなと何度言えば以下略。作者の露出癖にも辟易。なんちて。

638 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/12(土) 13:10:01 ID:ZD7c6Gyv
みなさん、おつかれさまーって、次のお題でもう続々と投稿されている。はえー。
紙切れ書きました。Ameさん、3点もありがとうございます。びっくりした。
ななほしさんにもまた点もらっちゃった。葉土さんにはカタルシスなんて言葉も貰って、
しばらく余韻にひたっていたいさ。。。


【得点】 4点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点
  • ame ◆yUHAxrOw2c:3点





陽とヒト



光で満ちた場所に集まり
それを奪い合い
砂を撒き散らし
そこは永遠の暗闇へ

照らすのは炎の灯りだけ
見えるのはヒトの痛みだけ

陽とヒトは出会わない
その炎が消えるまで
すべてを燃やし尽くすまで


636 名前:陽とヒト [] 投稿日:05/03/01(火) 14:15:59 ID:nrqgUWzc


【コメント】

641 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/04(金) 12:46:12 ID:Wo9JdjJb
>>636 陽とヒト

一連面、主語「ヒト」を省略することにより話者は主語との距離をゼロにしている。
二連目では省略をやめ主語との間に距離を作る。
三連目では「ヒト」に「陽」を対置することにより、話者は主語との距離をさらに広げ、より客観的位置に退く。

この作品の読みにくさはなんだろうと考えたとき、最小限の言葉で書こうとし、しかも
似たような語が多いからだと思う。例えば1連目の「光」は3連目の「陽」のことなのだろうか等。
話者の発語位置はうまく移動しているが、描写自体に情報量不足があり、混乱する。そこが残念だった。

642 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/04(金) 12:47:42 ID:Wo9JdjJb
>>641
一連目取り消します。読み間違えたようです。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>636 陽とヒト
悲観的でっせ。。。

620 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:47:30 ID:ED5LueCG
>636 陽とヒト
マトリックス三部作か? ちがいますか、そうですか。
一連目は雰囲気あるんですけど、そのあと、イメージはあるんだろうけど言葉が続きませんでした。
濃密な闇をつくりだしてほしい。

あと、「その炎が消えるまで」の炎は人工の炎ですか、陽の炎ですか? 
これで作品の意味がまるで違ってくると思うんで、よろしければ教えてください。





夜、霧の中に・・・・・・



夜、一人 街を歩きます。
街灯の光が円を描く曲がりくねった道を
背中を伸ばして歩きます。

冷たかった夜の空気は 私の熱でひんやり心地良く、
怯えていた闇の中に 私はぬっくりと溶け出して、
夜の一部になっていきます。

  「寂しい、さびしい、サビシイ、
   誰か私を見てください。」

           「触らないで、さわらないで、サワラナイデ、  
            誰も傍に来ないでください。」

ぼんやり浮かぶ街灯に引き寄せられて、
白い月に憧れて、
風に騒ぐ木々の音色は怖いのに聞きたくて、聞きたくて、
だけど、嬉しく憩うのは
人の言葉と人の肌。

           傍らにある貴方の肌に頬を寄せ、 
           ささやかな言葉を微笑みと一緒に交わしているのに、
           どこかでかすかに想うのは、
           一人歩く夜への誘い。

公園通りの道端に、石ころが一つ落ちていました。
あれはきっと私です。
隣にあった雑草は、きっと貴方なのだと思います。


638 名前:「夜、霧の中に・・・・・・」 [] 投稿日:05/03/04(金) 10:43:40 ID:o/OAyGUW


【コメント】

663 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 13:43:57 ID:ggY+FGQy
>>638 「夜、霧の中に・・・・・・」

孤独とかぬくもりとかいう運命があって、その間に黙している私たちがいる。
石と雑草を慈悲を持って見つめる夜闇はこの作品を読む読者の心だ。でもそんな夜の沈黙に比べれば、
「寂しい、さびしい、サビシイ、誰か私を見てください。」とか
「触らないで、さわらないで、サワラナイデ、誰も傍に来ないでください。」とかいう表現は浅く力が無いように思う。
行頭の空け方も大げさ。でも最終連は良かったと思うし、そこにたどり着くまでの言葉の積み重ねも成立していたと思う。

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
3点 >>638 :「夜、霧の中に・・・・・・」:05/03/04 10:43:40 ID:o/OAyGUW
  ちょっとぞくぞくする早春の公園。夜の空気。

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>638  「夜、霧の中に・・・・・・」
孤独が実感的に描かれていて、読んでいて伝わってくるものがあります。
ちょっと平板な感じも拭えませんが、まとまりのある詩だと感じました。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>638 夜、霧。。
解かりやすいけど、少々あざとい。

620 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:47:30 ID:ED5LueCG
>638 「夜、霧の中に・・・・・・」
なるほど、人って相反するものを同時に求めるものなんですね。
で、「石ころ」と「雑草」が分からないんです。つつましやかなイメージですよね。
それといっしょにいながらも「一人歩く夜」を想う「私」の隠された情熱というか自由への志向とが
むすびつかないんです。これは直観で分からなかったらもうどうしようもないんだろうな。

634 名前:リーフレイン [sage] 投稿日:05/03/11(金) 22:59:15 ID:Fi5+hDYu
今回、「夜、霧。。」書きました。。実あ前日に、乙女チックな詩サイトで
痛い詩を読みまくってたところでして。。で、痛い詩についてちょっと考えていて
書いた詩です。つまり、痛いって部分は、その詩を書くための動機にあたるような
気がするんですよ。ただ、その部分を生のまま出すから痛い。動機は大事だから
それを暖めて、雛にしないといけないんだろうなあ。。その辺の境目ってなあどこに
あるんだろうか?ってなことを考えていたら、ああいう乙女チックな詩になってまいました。。
お恥ずかしい次第です。。

 >ななほしさん、大木さん、加点ありがとうございました。
評を下さったみなさん、ありがとうございます。

 >ゼッケンさん
あれは、「人間が意識的に自我を持った瞬間から、孤独と付き合っていかないといけない。
それはとても寂しくて、一人では生きていられない、しかし、自我と世界とを一人で対峙させる瞬間も希求する。」
というテーマで書いてあります。そして、最後の連は、その其々の自我意識は
道端の石ころに過ぎないし、それは全ての人間が一緒であり、お互いが石ころであることが
逆に救いである。という内容のつもりでありました。。。

 >MUJINAさん
AIソフトですか。。実に理詰めな評を書く人だと思ったらやっぱりそうだったんですね。。
匿名性が命の掲示板ですから、無問題です。ばんばん書いてください。w


【得点】 4点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:3点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:1点





人の切なさが私狂わす
それでも共にはなれない生き物よ
あなたがいて わたしがいて
時折むずがゆくなるけど
それが人
時折悲しくなります
あなたがいて わたしがいて
でもやはり別物 
ともにはなれないのです

このイミわかるでしょうか?

詞の言葉
沢山のイミと共に
どんなイミかと言われても
あたる人はかなり少ないと思われる
人の解釈沢山で
うぬぼれですがイミは沢山並びました


639-640 名前:名前はいらない [] 投稿日:05/03/04(金) 10:55:56 ID:bxPrMYiw


【コメント】

663 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 13:43:57 ID:ggY+FGQy
>>639-640 
ではなぜ私たちは書くのだろう。
そしてこの語り手にとっての書くことの意味とは?
という作品。

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
2点 >>639 :名前はいらない :05/03/04 10:55:56 ID:bxPrMYiw
  わかるという……うそつき。わらないという……うそつき。
  わからないこと……わかっています。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>639 無題
思わず書いたって雰囲気ですね。
気持ちは伝わりますが、詩としては構成不足ですーーー。

621 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:48:19 ID:ED5LueCG
>639-640
639はタイトルのない詩で、640のそれは639というタイトルのついた詩と思うことにした。
謎かけ編と解決編というのかな。前者でそれっぽい雰囲気で書いといて、
続いてひとをくうのがおもしろい企みのような気がしました。で、いちおうイミの方も。
キスして抱き合ってたらそのうちに融けあってひとつになるんだろうけど、その前におなか減っちゃうんですよね。
そのままじゃ外にも出れないから、服を着てさ、まあ、それの繰り返しです。どう、当たった?
(って、この作者さんはそういう正解があると言っているのではないわけで)


【得点】 2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点





Take me out.



ははの ほうちょうは ひどく つめたいです
かみと ぺんと わたしの うごく うでが あれば
たいようの あたらない しずかな こかげの なかで
まっさらな よるの かけらを かきならしながら
わたしは だれを うらめば いいの?

ゆきの ふる なごやの まちなみは きれいですか?
ふじの いただきから のぼる あさひは きれいですか?
あなたの きっと たいせつな ものは なんですか?


643 名前:Take me out. [sage] 投稿日:05/03/04(金) 20:57:37 ID:wN6Xj8qg


【コメント】

661 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 12:18:52 ID:ggY+FGQy
>>643
1連目は3つに分けることが出来るだろうか

1.ははの ほうちょうは ひどく つめたいです

2.かみと ぺんと わたしの うごく うでが あれば
たいようの あたらない しずかな こかげの なかで
まっさらな よるの かけらを かきならしながら

3.わたしは だれを うらめば いいの?

2の文脈から逸脱した3が1と結びつき、彼女の抱えた暗黒を垣間見せる。
「母の包丁」から詩的幻想へと逃避した書き手の意識が「怨み」によって現実に立ち返る。

逃避と対決の葛藤に翻弄される詩人の意識が現実と幻想の混沌を生むのか。

4.ゆきの ふる なごやの まちなみは きれいですか?
ふじの いただきから のぼる あさひは きれいですか?
あなたの きっと たいせつな ものは なんですか?

彼女はもう雪の降る名古屋の街並も、富士の頂から昇る朝日を見ることもない。
なぜなら彼女はもうこの世の存在ではないから。彼女は母の包丁に刺されて死んでしまったから。
僕は書かれていない事を読んでいるだろうか。でも彼女はきっと彼女の大切な景色をもう一度見たいと思ってる。
それがこの問いかけの意味であり、この作品の題の意味だと思えてならない。

669 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:45:23 ID:ym9P+Xt5
○2点
>643 Take me out.
ひらがなのリズムが、ひんやりとした文章にマッチしていて独特の効果を生んでいると思います。
2連目の急転、「なごや」「ふじ」という唐突な詩の広がりには、世界に偏在する言葉が形になっていく感覚を覚えます。
リリシズムにぴりりと痺れてしまいました。
最後の一行の問いかけには少し違和感も感じられ、他の表現で締められたのではと少々残念です。
豊かな詩情に2点です。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>643 Take me out
恨みたいときはうらみなはれ。。自分に八つ当たりせんよにね。

621 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:48:19 ID:ED5LueCG
>643 Take me out.
「ははの ほうちょうは ひどく つめたいです」。すごいなあ、この一行。
ノーマン・ベイツの独白もかくやの愛憎が渦巻いてて。

あとは、なんだろう、遠距離ですか? たいへんですよね。
へえ、名古屋から富士山って見えるんだ?(自分がなに言ってるのかもう分からない、ごめんなさい)。


【得点】 4点
  • 園川 ◆nWfXpQxHHM:2点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:2点





おべんきょうのじかん



20万年の歴史があるわけだ
東アフリカの原野に 彼が二本足ですくと立ってから

その背骨の弧が緩やかになる過程で
裸のクリーチャーは量から質への劇的な転換を図った

広大な地平から 安穏とした庭へ―― 
幾つかの種を蒔く
やがて大地の割れ目から顔を出す 貧弱だが真っ直ぐな苗を
彼らは慈しみ 過剰なほど大事に守り育ててきたのだろう


―――――舞台暗転
君とのささやかな暮らしは 「こうしてほしい」や「それはいや」
の言葉が定期的に飛び交う 成長の無い輪廻だ
此処には豪華な大理石のテーブルや ぴかぴかに輝く赤い車は無いし
ましてや広大な土地など持っていよう筈も無く
ただ この狭い劇場に 脈々と流れる「生」の 時にかったるく 時に衝動的で
時に平衡感覚を失う程の喜びに満ちた空気が 漂っているだけ
ああ 今日も君に「おやすみ」の挨拶をし 布団にくるまって
同じ明日に思いを馳せるのだ それでも僕は幸せだ それは間違いのない事実だ
僕は幸せだ それは間違いのない事実だ―――――


東アフリカの原野で 裸の彼らはただ見据えている
視界を遮ることなく 天の全てを染める夕日を背に
どこをみるという訳ではない どこまでも見えるのだから 

ただ ひたすらに 見据えている
時間も 花も 昆虫も 石も 木も 虎も 象も ほら穴も 山も 海も
地球の 太陽の 星の 宇宙の その中から


644 名前:『おべんきょうのじかん』 [sage] 投稿日:05/03/05(土) 00:26:50 ID:F2OmkC15


【コメント】

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>644 おべんきょうのじかん
人類の歴史と、個人生活の対比の妙。
ただまあ、センチメンタルな憧憬が漂ってます。

621 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:48:19 ID:ED5LueCG
>644『おべんきょうのじかん』
これは、タイトルと出だし、それ以降の部分で作者さんの気分が変わってますよね。
タイトルと出だしはちょっと斜に構えるかなという雰囲気だったのが、
三連目からは日常の風景を愛しみながらも、たまに顔を覗かせる冒険への欲求とでもいうものが
せつなくもどっしりと書いてある。文章がうまいだけに、ここらへんの全体としての仕上げにも
手間をかけてほしいです。

628 名前:ヒゲルド ◆tuIUmOeA..  [sage] 投稿日:05/03/11(金) 18:30:16 ID:npxmJYb8
えーと初めまして、になります。
今回『おべんきょうのじかん』という作品を投稿させていただきました
ヒゲルドと申します。
1点でしたが、この結果は納得の一言です。上位の方々の詩との差を自分でも
はっきりと感じましたので。それよりも皆さんの秀作を読ませていただいた満足感の
方が圧倒的に強く、なんだか幸せであります。やっぱり詩はいいなあ・・・・。

読んでくださった方々、評価してくださった方々有難うございました。
ちなみに前回が初投稿で、『健全な遊戯』という作品(こちらは2点貰いました)
を書かせていただきました。合わせて御礼申し上げます。

 >ゼッケンさん
数ある作品の中から何故自分の拙作のみを選んでいただいたのか解かりませんが、
とても励みになります。自分は本格的に詩を書き始めてからまだ日が浅いので
これからもっともっと勉強してよりよい詩を創っていきたいと思います。
ありがとうございました!!


【得点】 1点
  • ゼッケン ◆DgT0G2eW4I:1点





今や無人である



覚えているかい?
あの階段の踊り場の手形
塗りたてのペンキに残した僕たちの印

裏の空き地に転がってたオルガンの
音ならぬ音
クラス替えの時に取り合いして壊したカンペンが
少し震えてたんだ

恐竜よりも大きな影が空き地を飲み込んで
ここはいつも周りより早く夜になって
空を不安そうに見上げるから
二人分の鞄をもって
夕焼けの中へ駆け出したんだ

消えかけた手形に 大きな掌を重ねてみた
消えてしまったのは 
君よりも僕自身だ

マンションの伸びていく影が
駐車場のコンクリートに昼と夜の境を引いていく
踊り場のペンキは
既に
全て剥がれ落ちている



645 名前:「今や無人である」 [sage] 投稿日:05/03/05(土) 01:07:29 ID:lDJ1/KRu


【コメント】

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>645  「今や無人である」
感傷的な心象をきちんと言葉にしているなと感じました。
終盤の展開に物足りない印象があるのですが、少し背伸びの1点ということで。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>645 今や無人である
ペンキの跡に象徴される人と思い出。
そこはかとなく漂う寂しさが気持ちがいいです。

621 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 18:48:19 ID:ED5LueCG
>645 「今や無人である」
三連目、「空を不安そうに見上げる」君を「周りより早」い「夜」の中に置きざりにして、
「僕」は「二人分の鞄をもって/夕焼けの中へ駆け出した」んでしょうね、きっと。
そこで「君」はなんらかの理由で「消えてしまった」と。その喪失感は、
「大きな掌」をもつ大人になった僕の内部は「今や無人である」とつぶやかしめるほど。
ということかな。四連目が唐突すぎる気がしました。


【得点】 1点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:1点



前へ1 2 3次へ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2006年11月16日 01:34