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作品





人を為す根拠



頭の中から取り出した脳味噌を秤に乗せて
チンパンジーの彼と競ってみました
緩やかに私の脳味噌へと傾いた秤に
彼は唇を突き出して怒っているような表情をしましたが
私は彼のその表情を正確に読み取る術を知りませんでした

怒っている彼の表情からそう直感した私の脳味噌が
賢いのかまたは誤っているのかを判断する術もまた

やがて彼は野生な声を発し
私を威嚇するかのように手の平を胸の前で打ち始めました
彼が何をしたいのかは勿論わかりません
しかし感情を顕にしているのに
秤が微動だにしない様子にやはり苛立ちや怒りを感じているのではないか
そういう風に私は感じました

やがて競うことに飽きたのか
いやそれ以前にこの一連の作業に彼が競うという概念を
当て嵌めたのかはわかりませんが
秤から脳味噌を取り上げ自分の頭へとしまいました
私の脳味噌を

唖然とする私を尻目に彼は自らが住む山の中へと帰っていきました
残された私はただただ彼の脳味噌へと傾いた秤を見つめるだけでした
そう彼の脳味噌へと傾いた秤だけが残されたのです

脳味噌という物の重さを比べたという私の概念は
やはり彼と共通していませんでした
彼は考えたのでしょう
秤に乗った自分の脳味噌が重くなる方法を
その答えが私の脳味噌を持ち出すという結果になったのでしょう
私は人という儚さにただひたすら涙を流したのです


646 名前:人を為す根拠 [sage] 投稿日:05/03/05(土) 21:58:57 ID:Lw/ZtkUH


【コメント】

662 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 12:19:14 ID:ggY+FGQy
>>646 人を為す根拠

例えば「怒っているような表情」を「正確に読み取れなかった」と言うのに
次の連では「怒っている彼の表情」と断定したり、この箇所だけならそれにも意味があるのかと思うが
あちこちで文章としておかしな箇所があり、まあそれは別にいいとして、
この作品ではチンパンジーの彼の行動は全て私に解釈された物としてしか存在しない。

この作品で読者が見せられるのは全て私の思考であり、それは読者にとっては客観的な存在だ。
そしてその客観的な存在は、チンパンジーと脳の重さを競おうとしたり、チンパンジーに脳を持っていかれて
なぜか人間を儚んだり、理解しがたい客観物だ。またそこでは脳が無くても平気な猿と人が当然のように存在している。

世界は「私」の解釈に過ぎない、ナンセンスを思考する「私」、読者の前に客観的に存在している「私」。
さらに人間に対する猿というイメージ。
これらが意識には窺い知れない別の思考世界の、その生身の姿を表現していたようで、不気味で興味深かった。

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>646 人を為す根拠
とっても不条理な場面設定なんだけど、物凄く説得力があって、
ユーモアがあっていいですねい。好きです。。
(脳味噌なくても、きちんと考えてるじゃんか。。)

622 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:15:43 ID:/6yJrKTc
>646 人を為す根拠
今回発見された化石は脳の容量が大きく、現生人類により近いと思われる、なんて
そんな味気ないニュースに両手ぶらりからバックハンドブローを食らわした作品、だろう。

タイトルの「人を為す根拠」がまず器官としての脳の重さ(「取り出した脳味噌」を「秤」にのせる)に
直結するように仕向けといて、いや、ちがう、人の根拠は「概念」ですよ、と。
「重さを比べた」というサイエンスな「概念」は、チンパンジーの勝つか負けるかの「野生」の前では
「儚」くて概念的ヒトである「私」という視点はひたすら涙を流す。

なぜ儚いのか? 概念が宿るという意味で大切な脳をあっけなく持って行かれてしまった、その敗北感? 
でも、この作者さんの世界観では脳を入れ替えてもチンパンジーがヒトになるわけではないし
(概念は「私」に残されたままだから。ここは好き)。それとも概念を共有できない人という種のさみしさ?
でもそれは「儚さ」とは違うだろうし。最後は涙を流した方が詩的な余韻があるだろうという演出でしょうか?
読み方にムリがあるのかなあ。解説希望。

626 名前:浴用抑揚 [sage] 投稿日:05/03/11(金) 15:43:56 ID:AEI4qABc
人を為す根拠を書きましたー!
文章的な粗が目立ってしまって恥ずかしい限りDEATH
単純に推敲不足でした。

人とそれに近い動物の違いはなんだろうと考えていると
とりあえず脳味噌違うんじゃねーのと辿り着き
ほなら比べさせてあげようと思って書き始めました。
で、書いてるうちに「あ、そか、人は人って何?」って考えるんだ。
チンパンジーが「チンパンジーの語源って何よ!」って考えないな、
と思いながら続きを書いてると勝手にチンパンジーが脳内で行動し始めて
書いてる本人が「え!脳味噌持ってくの?」「え!?逃げちゃうの?」と
うろたえ始め、結局「オチどうすんだよ・・・(涙」ってところで決着しました。

つまりチンパンジーが勝手に書きました。
チンパンジーに憑依されました。この作品

感想・ポイントを有り難う御座いました♪
初めて1pt以上もらったよーママン!


【得点】 3点
  • 園川 ◆nWfXpQxHHM:1点
  • 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点





ぼたん雪



ぼたん雪が降ったので 気象台は廃止された
ぼたん雪が降ったので 軍隊が動員された
ぼたん雪が降ったので 首相は演説して強がった
ぼたん雪が降ったので 人々は不安とあきらめをかきまぜた

ぼたん雪が降った夜 おれは注意ぶかく
ぼたん雪の結晶をつかまえた
冬が終わる 日付がそこには記されていた
おれはぼたん雪を 内ポケットにしまうと
なにくわぬ顔で 繁華街にでかけた

阿片のけむりで私服をまいてから 娼窟へ
大連生まれの混血女は 青灰色の目をしていた
大陸の雪原で おれは白いオオカミとたわむれた
首を噛み 爪をたて 粉雪をはねあげて
内臓を貪られる快感ときたら!
永久凍土の国でも この女となら生きていけるだろう
おれはアパートの片隅の トランクを思った

ぼたん雪が降りやんだ朝
大橋の上は死者 死者 死者の行列だ
緑色の敵対国の兵隊が橋を占領している
おれはアパートに帰れない
川原に捨てられた白黒テレビからは プロパガンダ放送
  冬を家族と過ごした死者たちの
  天国へのUターンラッシュが始まりました
  党は鉄道輸送力を増強し 同志たる死者を…


大連生まれのあの女も 死者の行列のなかにいた
ばかな! おれのトランクをもって楽しげに歩いていく
女に近よろうとしたおれを 銃の台尻が打ちすえる
青灰色の目を はじめておびえが走った
野太い汽笛が早朝の空にあがる
その汽車の行き先がおれは恐ろしかった
黒煙の尾を引いて墜落してゆく 双発機は
ぼたん雪をばらまいていた 飛行機なのだろう

おれは街へ走った
カーキ色の足が ばかに美しい歩調で行進している
肺病病みの難民たちが コンビニエンスストアを襲う
伏せろ! 砲弾だ
だれもぼたん雪のことなど 忘れてしまった
おれは女があきらめきれず 踏み荒らされた娼窟へ向かった
女の部屋には射殺された 白いオオカミが横たわっている
女が壁に画鋲でとめた ぼたん雪は
血を吸って 濡れそぼっていた
     *        *
おれは大道芸の一座に入って
南へ南へ 歩いている
兵隊に媚びを売り 難民をなぐさめながら
ときどきオオカミになる夢を見る
ちんちくりんなおれの背広の 胸ポケットには
ひからびた赤いぼたん雪がのぞいていた


647-648 名前:ぼたん雪 [sage] 投稿日:05/03/06(日) 16:41:17 ID:bMXTMtuR


【コメント】

664 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 15:14:03 ID:ggY+FGQy
日清、日露戦争の事は全然知らないという事を断った上で。

黙示録だろうか。戦争の記憶というより、戦争のイメージを借りた何か。
コンビニエンスストアの存在から、主人公が現代人だということは確実。
近代の記憶?とも取れるがそこまで拡大して考える根拠が僕には見つからないので、
これは主人公一人きりの見た、彼の世界という事になる。3連目、

1. 阿片のけむりで私服をまいてから 娼窟へ
大連生まれの混血女は 青灰色の目をしていた

2. 大陸の雪原で おれは白いオオカミとたわむれた
首を噛み 爪をたて 粉雪をはねあげて
内臓を貪られる快感ときたら!

3. 永久凍土の国でも この女となら生きていけるだろう

4. おれはアパートの片隅の トランクを思った

青灰色の女の目から大連の雪原の幻想への移行が自然で、大変上手いと思う。
狼との戯れは女との戯れの比喩でなのだと思うが、それだけでなく自立したイメージとしての存在感も強く、
世界を大いに拡げている。3で幻想から帰ってきてその感想を述べる。1.の現実と同じ位置に戻る。ここもスムーズ。
さらにすぐ次の行で記憶の中にアパートの様子を探る。あとついでに、1だけを見ても、2行のうちに娼窟への移動を行っている。

場面や話者の視線の移動が緻密で、そこに織り込まれた現実の描写、幻想の描写、さらにはそれらの位置関係の正確さ、
等が大変豊かな世界を作りだしている。全編に渡ってそうで、読むのが面白い。

展開される物語や配置される言葉の一つ一つの意味を考えたり、そういう解読めいた行為に積極的に走らせる力があると思うが、
そういう事よりやはり、複雑だが一貫した叙述の糸に沢山の言葉が乗っている、絢爛な織物の様な言葉の世界に無心に惹きこまれた。

666 名前:ななほし ◆lYiSp4aok.  [] 投稿日:05/03/10(木) 01:15:05 ID:8UvUh9iW
2点 647 :ぼたん雪    上 :05/03/06 16:41:17 ID:bMXTMtuR
  ぼたん雪は真っ赤に血を吸うほどの存在感がないのが……残念。

667 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e.  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 01:23:04 ID:hUK86MsT
2点
>>647-648 『ぼたん雪』
ぼくがすごい面白いと思ったのは、キーワードであり、話の中心でもある「ぼ
たん雪」のイメージが、どうしても掴み取れなかったところ。そう、中央にぽ
っかりと穴があいたまま、レトロチックにエキゾチックに話が進んでいくんで
す。そんな空虚さに身を任せる快感、魅力が、この詩にはありました。
多分、パラレルワールドとしての世界を描いたと思うんだけど、世界描写の不
徹底さが気になるところ。大連、双発機、コンビニ、そしてぼたん雪は、こと
ばとして、共存し得るものなんだろうか。

669 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:45:23 ID:ym9P+Xt5
○2点
>647  ぼたん雪 
有無を言わせぬ説得力というべきか、詩人の確かな力量を感じる強い詩です。
出だしの「ぼたん雪が降ったので~」という繰り返しで、読み手は詩の世界に一気に引き込まれてしまいます。
終盤まで詩全体の寓話性が損なわれることなく展開されていて、完成された詩だと感じました。

672 名前:ame ◆yUHAxrOw2c  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 22:54:31 ID:eonNgoV3
2点
>647-648  ぼたん雪
自分の趣味とは少しずれた詩だけども、物語描写はすごい上手だと思う。
少し気になるのは、この詩の締めとして持ってくるのが「赤い」ぼたん雪であること。
それから1連目のリフレインがどこにもあとで関わってこないこと。
これが気になって、2点となりました。

681 名前:まーろっく [] 投稿日:05/03/12(土) 00:09:04 ID:e59kBF1A
出題がおそくなって申し訳ありません。
えー、卒業に対してまったく陽のあたらない、詩人にもいたって不人気な言葉
を救済してあげてほしい。ということで、お題は
           「入学」
です。えー不慣れなもので間違いがあってはいけないので、締め切り設定は
実行委員会(あるのかな)のほうでおねがいします。

611 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 11:45:45 ID:ncXFc4g7
>647-648 ぼたん雪
この詩は物凄く困ったので、順を変えて最初に書いてみます。
まず、上手い。で、どういうスタンスで読んだらいいのか困った。
とういのは、既視感が凄かった。
大連という地名、連想される満州、あるいはシベリア、
トランクを持って並ぶ死者のむれ、青灰色の目、娼婦、
大道芸人とともに南へ逃れる。。。。といったモチーフが
金子光春なり、清岡なり、詩ではないが、武田泰淳といった戦中派(とひとくくりにしては
いけないんですが)の作品とだぶるんです。
小一時間ほど検索をかけまくってしまったーーー。(w
この作者が実は80才を超えた戦争体験者であるという仮定は、そこここにある
微妙ーーな(あまりにも微妙すぎ)背景的矛盾により当てはまらない。これは架空世界なんだけども、
頭の中で感じる【実体験を架空世界に表象して、自分の心を描いた】という定型に引っ張られて
【過去世界に似た架空世界を構築し、その中で仮想の人を描いた】という読みに
なかなか移行できなかったです。
既存の小説、詩作品をモチーフにとった架空世界を作ったんだと思います。。
小説であれば「仮想の人物の心理描写」は当然のお約束なんですが、
詩の場合、作者自身の個人的な心を描く場合が多いので、戸惑ってしまった。。。。
てなわけで、物凄く上手いんだけども、基本的な部分で不親切だと感じて、点いれません。

ポケットに収めた白いぼたん雪は、あえかな夢。真っ赤に染まったそれは潰えた夢の残骸。
最初に降ったぼたん雪はきっと本当の雪でもあり、同時に戦争の開始となった爆弾投下でもある。
ぼたん雪のダブルというよりトリプルな象徴が非常に効果的です。
で、気になったのは、「その汽車の行き先がおれは恐ろしかった」
なんだけども、これはちと弱いよな気がしました。いやあ、死に怯えるという点で
わかるんだけど、自分は乗ってない安堵と、自分も乗るかもしれない恐怖。
女が乗ってしまっていることよりも生存本能に走る違和感みたいなもんも欲しかったです。

622 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:15:43 ID:/6yJrKTc
>647-648 ぼたん雪
かっこよくみせる技術は群を抜いてるんだろう、そのかっこよさにひたすら酔えばいいのかな、と思った。
早く言えば降参です。現在の私は読解する背景を持ち合わせません。書けないよなあ、こういうの。

629 名前:まーろっく [sage] 投稿日:05/03/11(金) 19:45:21 ID:Gfnf3scI
  確定放送がまだありませんが、今回ご批評、評価いただいたみなさんに先に
お礼を申しあげます。ありがとうございました。熱心に読んでくださった方も
おられ、作者として非常に感激しています。
  批評にお答えするかたちで若干の自己解説をしてみます。
  まず葉土さんが感じられた既視感について。この作品は「人間の条件」とい
う小説とその映画から着想しました。だからイメージ的には「人間の条件」を
引用しています。ただ具体的な場面とかの引用はありません。強いて言えば南
へ歩いて逃れていくというところでしょうか。
  canopusさん、ななほしさん、ameさんから指摘をいただいた、ぼたん雪のイ
メージとか、象徴性、リアリティの問題。もちろんリアルな、わた毛のような
ぼたん雪ではありません。宣伝ビラのようでもあり、ハンカチのようでもあり、
と多様なイメージを持たせてみました。仮想世界の非現実感の表現に舞台回し
の役割もかねています。赤く染まったぼたん雪というのは別に共産主義を意味
しません。むしろ国歌やイデオロギー、戦争から逃れようとする「おれ」が
好きな女の血に染まったぼたん雪を胸に飾ることで、いじらしいようなささや
かな抗議を表明している感じでしょうか。
  園川さんからは完成度をほめてもらったのですが、恥ずかしいかぎりです。
作品としては散文に近く、散文詩というより散文を詩に改造したような作品
になってしまったのではないかと思っています。詩で物語りを語るのは難し
いです。話法や技法に自信のないところがあり、詩に不安定感があります。
  そのへんで「詩としてはどうか?」というスタンスのギャップを感じられた
評者もおられたようです。

630 名前:まーろっく [sage] 投稿日:05/03/11(金) 19:48:28 ID:Gfnf3scI
>>629 あ、すいません「ぼたん雪」の作者でした。

633 名前:葉土 [sage] 投稿日:05/03/11(金) 22:57:40 ID:Fi5+hDYu
マーロックさんおめでとございます。。人間の条件からですかあ。なるほど・・。
小説と詩の違いってのを書き手の側から時折考えるんですが、
詩は短いだけに、しばしば書き手自身の個人的背景なしには読めない部分あります。
(これはまあ、有名詩人に限りという条件がつくんだけど)
ああ、こういう現実があって、こういう詩を書いたのか。。ってやつですね。
鑑賞において、そういう背景を考えるのは小説でも実は一緒なわけですが、
詩の場合は短いだけに、特に独白スタイルの詩は個人的な心象風景である場合が多くて、その密着の度合いも
小説よか大きい気がしています。
むろん、完全な別人格表現ってのもあって、それはそれで成立してるんだけど、
なんてのかなあ、それなりの前提みたいなもんがちりばめてあるんが多いような気がしてます。
だけど、それもまた、一つの偏見だったようですね。。
ちょっと頭を柔らかくしないといけないなあと思った次第でした。


【得点】 11点(チャンプ作品)
  • 園川 ◆nWfXpQxHHM:3点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:2点
  • ame ◆yUHAxrOw2c:2点





理解と真似真似



まねされる
   よく猿真似と人は言うが  猿は真似しない
   のだそうだ

影が動き オレの得意な規則集を
のぞき込んでいる
うれしそうに  足元ソワソワ
浮き上がっている

パクらないでください
モノマネなんか  するんじゃねぇ

コラ
そこの お前だよ
人差し指で  指し示(つ)いたら

イカにもムカついた  風情で
影も人差し指を突き出した

   人の真似なんて  つまんない事をするなんて
   影の分際で  何を考えているのやら……

「ナマイキなんだよ!!」
オレが言うところで  影が言った
まるで自分が言ったよに  聞こえて

   ニガワライ  
頭を掻く

「人の真似するんじゃねぇ!!」
かなりのストレスに  よじれた声で
影がガなった

へぇ~  っと、言う気分で  鼻の横をこする
先を越された  影が青くなるのがよくわかった
きっと手のひらは汗でシットリだ

冷や汗ってわけだ
なんだよ……コノ人まね影はよぉ……
冷や汗かいて  あせってるんだなぁ!! 

と  余裕出てきたところで
いきなり  えへへ  と 影が笑い出した

   頭まで掻いてる

……!!  ……かッときて  叫んじまった
「人の真似するんねぇ!!」

   小人割拠  クラッシゅぴんボール
   面倒は  ごめんだ

いやがらせ合い
真似し合い



649-650 名前:理解と真似真似 [] 投稿日:05/03/07(月) 04:18:20 ID:grklpQrA


【コメント】

614 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:23:24 ID:ncXFc4g7
>649 理解と真似真似
これも不条理なやりとり。影と自分の小競り合いですか?
影と自分がこっそり入れ替わってるみたいなんも面白いね
影は何かの比喩なんかなああ?そこんとこはわかんなかったですーー。

622 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:15:43 ID:/6yJrKTc
>649-650 理解と真似真似
「……」と「!!」が多すぎる気がして。意図的というには雑な印象がしてしまいました。
作品はおもしろかったです。まねされるときのいらいらがコミカルに描かれてて。
でも、なんでいらいらするんでしょうね。唯一性の侵害とでも言うんでしょうかね。





野良風



風がふきて森を抜ける 私の心、木々とざわめく
想うことを 願うことを やめては波にさらわれるだろう
雨が降りて森を濡らす 私の心、土と湿る
日々の負荷を糧とするか ただ傷と目を背くか
心揺らす風にふかれ 夢を濡らす雨に打たれ
堅い岩にも根が巡る 芽をつけやがて花も咲かす

風にふかれて流れるか 風を操り渡り行くか
心捨てて 涙消せば やがては泡と消えゆくだろう
黒い心は海に流せよ 海鳥たちが啄んでくれる

海をつたい陸をつたい 渡る鳥の澄んだ瞳よ
我らの旅もまだ終わらぬさ たとえ先に何もなくとも

笑え 笑え 歌えよ 笑え 大声あげろ 心無くすな
泣けよ 泣けよ あぁ泣き叫べ 優しい人におなりなさいな
風はいつもお前とともに


651 名前:野良風 [sage] 投稿日:05/03/07(月) 10:44:51 ID:CJg3J3aS


【コメント】

670 名前:大木人 ◆hMyRGSodPk  [] 投稿日:05/03/10(木) 16:46:56 ID:ym9P+Xt5
△1点
>651  野良風
エレカシな詩ですね。
父性のような力強さが魅力的です。

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>651 野良風
リズムをもう少し綺麗にして欲しい。
まさに歌を歌う詩だと思うので、北原白秋のように詠みたいなあと思

いました。

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>651 野良風
三連目二行目から最終連、直截な言葉が走りだしちゃって、ちょっとね、説教調にきこえないこともない。
急がずに最後までいければよかった。前半はいいなと思いつつ。


【得点】 1点
  • 大木人 ◆hMyRGSodPk:1点





親愛なるステレオに



カーカー、ツーツー、あー、トントン
本日ハ駄々甘ナリ……

ボクのパパは犬っころ。チャウチャウ吠えて鬱陶しい。
ボクのママは鳩ぽっぽ。クッククックとうるさいよ。
二人はおうちの外で同じ顔。どんな時でもニコニコ笑顔。
二人はおうちの中で同じ顔。いっつもボクにズビズビ怒顔。
疲れているに違いない。何か料理をプレゼント!
そうだ、おにぎり一杯にぎっちゃおう!
気づかれないようひっそりと パパママ二人にプレゼント。
なんだか静かになっちゃった。
嬉しかったに違いない!
ボクは飛び跳ね笑ってた。

危ねぇ危ねぇ、職人になっちまいそうだぜ


652 名前:親愛なるステレオに [sage] 投稿日:05/03/07(月) 13:08:43 ID:9AUFPCku


【コメント】

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>652 親愛なるステレオに
 >危ねぇ危ねぇ、職人になっちまいそうだぜ

ここがいい!!

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>652 親愛なるステレオに
はは、かわいい。とくに出だしの二行。全体としては意味はわからなかったけど。でも品もよくて好きです。

631 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:05/03/11(金) 20:34:27 ID:WOhfAvNT
私も、はじめましてになります。
「親愛なるステレオに」を投稿させて頂いた者です。
見れば見るほど圧倒される詩ばかりで……投稿した時は恐かった(ガクガクブルブル
駄詩にも関わらず、見て頂いた方には多大な感謝を。

えぇっと、不用かと思われるが、意味不明っぽいので、大まかに解説してみよかな?
 ・社会に反する信念・意見を持った人間が、手始めに融和を装い行動する詩です。
 ・ここでの犬、鳩、子供のふりした主人公は、それぞれ言葉の含む意味を暗に示したつもりです。
 ・大同小異、金さえあればなんとかなる今、楽をして過ごしてしまいそうになる自分
  を意図してみました。

だいたいこんな感じかな?舌足らずで申し訳ありません。
長文失礼しました。





ホモサピエンスの生態



争うのが好きで
残酷
でもその体温は
性格とは相対するもの
ぬくもりと戦慄が同居する生き物

大きな鯨一匹を助けても
何億の木々の息吹を意味もなく消し去る
長寿を願いながら
無駄に煙を吸い
正義といいながら
魂が消えてゆく

自分らを知らない
矛盾した生命
ゴキブリ殺しも人種差別も
似たようなもの
平和といいながら
他を恐れる


653 名前:ホモサピエンスの生態 [sage] 投稿日:05/03/07(月) 19:51:28 ID:E4KwPrYW


【コメント】

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>653 ホモサピエンスの生態
その通りですねい。

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>653 ホモサピエンスの生態
大きく振りかぶったけれど、遠くまでは飛ばなかったかな。人が矛盾してる生き物だということは、
この作者さんが最初の発見者ではないだろう。作者さんなりのその先が欲しい。





問う魂(TOKON)



生きることの意味を
今殺したばかりの
同胞の傍らで億年も問う
我らは
棺桶に詰め込んだ魂が
融けて
流れ出さぬよう見張る
その手に
握りしめた銃は誰を撃つ
のかも知らず
ひび割れた涙腺に
懺悔と侮蔑と慈愛と数多の言葉を紡ぎながら
今日も
約束の地を求めて
視線を彷徨わす
どこにもそんな場所などないと
知っているのに
そこに億年も昔から
いると気がついているのに
生きることの意味を
今日も問い
明日も問い
積み上げた幾多の骸から流れ出す
魂を積み込み
棺桶に封をする
億年そうしてきたように
これからも
ずっと


654 名前:問う魂(TOKON) [sage] 投稿日:05/03/07(月) 21:00:10 ID:Sd4GUxb9


【コメント】

663 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 13:43:57 ID:ggY+FGQy
>>654 問う魂(TOKON)
地味だが良いと思う。タイトルのセンスがよく理解できなかったが、
硬質の言葉での短いラインの確かな積み重ねが伝えたい事の重さを感じさせた。
ただ、硬質な表現の成功はまず単純に読書量に拠ると思うが、この作品にはそれが少し足りていない気がする。

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>654 問う魂
生きることと殺すことの矛盾と哀しみ。

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>654 問う魂(TOKON)
問うということは闘いだったんですね。自分たちが生き残るためにまず他者を殺してから、
なぜ、自分たちは生きるのかを問う。まず生きてなきゃ、問うこともできないしね。
腹減った、のひと言を前にしては思想などは赤面して退場するしかないのかも。
人の生理を無視したイデオロギーは無残な敗北を迎え、しかし、
欲求にひたすら迎合する社会には美学がない。むずかしいね。





人は全て



人は全て 人が全て


人は全て 人を恐れるもの

人は全て 人を愛するもの


人は全て 楽になりたいもの

人は全て 裏切られたくないもの


人は全て 心の底では生きていたいもの

人は全て 夕陽に消えるべく生まれたもの


けれど


人は全て このような一般論のようなものの羅列など好まないもの

人は全て こういう風に括られてしまうのを嫌うもの


要するに


私はやっぱり 私の意志を問われたくなんてない


655 名前:人は全て [sage] 投稿日:05/03/07(月) 21:56:23 ID:8dbg3dvG


【コメント】

663 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 13:43:57 ID:ggY+FGQy
>>655 人は全て
リズムの作り方やその利用の仕方は上手い。
膨らませ方、脈絡があるようでない展開による効果。
でもああそうか、としか思えなかった。

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>655 人は全て
最後の 要するに が大事なんで、むしろそっちをもっときちんと
展開してほしいです。

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>655 人は全て
前半部分で蓄積される反発を後半でみごとに解消するという、読者(私です)をうまく操縦してくれてます。



■▲▼

無題・作品番号111111



人(男でも女でもOK)
↑
ソノ開イタ、中ヘ入レタイ
オレハ、オトコダ
マァ相手ノ性別ハ不問ダゼ
おりゃ

爪

イテテテ…
タブン足ノ爪ガ折レタ
ダガ、キニシテル場合ジャナイ
2度目ノ失敗ハ許サレナイ
オレ、性交スル!

个

審査員A「それ記号?読めないっつーの」
作者「文字化けしてます?俺のPCだと丸見えですが」
審査員B「投稿作品として認めません。嘘ですが」
外野X「ぎゃはは!!」


誰モ読メナクテモ。デモ、デモ
デモナゼカ、ワタクシ、わたくし、行為中ヲ、読者様ニ覗キ見サレテ、キモチイイノヨ、ソウナノヨ
うふ、うふ~。(縄で作られたオレンジ色のハートを差し上げますわ)

★僕らはみんな人なのさ


656 名前:無題・作品番号111111 [sage] 投稿日:05/03/07(月) 23:16:42 ID:MRhnHkiD


【コメント】

663 名前:園川 ◆nWfXpQxHHM  [sage] 投稿日:05/03/09(水) 13:43:57 ID:ggY+FGQy
>>656 :無題・作品番号111111
詩作を性交に見立てた比喩が的確に機能していて読みやすく、面白かった。
↑爪个★ これらの記号がそれぞれ効果的で、
特に「个」は「↑」が壊れて記号の上部の総括と同時に詩全体の象徴、
「★」はそれまでの記号の配置のリズムとその図案自体の相対的なインパクトのせいで、
唐突過ぎる「僕らはみんな人なのさ」に詩的な納得を与えてくれた。
上手いと思うし、言ってることも面白い。

615 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 12:33:46 ID:ncXFc4g7
>656 無題・作品番号111111
記号がうまい。
爪がいいなあ。だけど詰めが甘い。

623 名前:ゼッケン ◆DgT0G2eW4I  [sage] 投稿日:05/03/10(木) 19:18:33 ID:/6yJrKTc
>656 無題・作品番号111111
「おりゃ」そして「爪」。。。って、脱力な力技ですね。わは、って笑いました。



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最終更新:2006年11月16日 01:34