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作品
僕と友達 本の話
友達はよく本を読んでいる
僕はあまり本を読まないんだ
それで友達はよく本の話を聞かせてくれる
そして僕は好きで本の話をよく聞くんだ
すると
読めない文字よりも
出てくるのは友達と僕
ここは好きよとか
そこは嫌いだとか
話の中に僕と友達がどんどん溢れてくる
隣あって友達と僕がどきどき暴れだす
それも好きなんだ
けれど
僕も読んだ本の話をしてみたら
友達はその本の話は違うと言う
僕が想像した話は何の本だったのだろう
友達が話していた本は何だったのだろう
だから僕はあまり本を読まないんだ
50 名前:「僕と友達 本の話」[sage] 投稿日:02/06/24 21:56 ID:???
【コメント】
【得点】 0点
君が居る場所
君が残した最後の手紙
最後の言葉
みんなこの本の中に綴られていたね
あの夏君がたくさんの原稿用紙を目の前に積んで
まるで何かに追い詰められているかのように書いていた
君は確かに追われていた
忍び寄ってくる迎えの足音
だから君は脇目も振らず書いていたんだね
蝉の鳴く庭を前にして
時々笑いかけながら「もうすぐ終わるよ」って呼びかけていた
原稿用紙の山がなくなったその朝
君は消毒液の匂いのするあの建物の中に移り
そしてその日のうちに
迎えに連れられていってしまった
もう
夏も終わりだった
君があの夏残したものは
長い長い手紙
そして最後の言葉
それは今
一冊の本という形を成し
君の言葉を たくさんの人が聞いている
あの夏の日の置手紙
君の言葉は
誰かの記憶の中に刻まれて
君が存在した証は
一冊の本の中に
確かに存在しているんだよ
そこはきっと永遠に
君が居た場所
君が居る場所
51 名前:君が居る場所[] 投稿日:02/06/24 22:06 ID:AIKjEPji
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【得点】 0点
楽園
無機質な世界の単調な反復
麻痺した体をひきずりながら
顔のない扉 今日も開けば
そこに広がる 私の楽園
ほら
光は練り絹のように満ちて
南国の果実は豊かに薫る
ブバリアの女王は優雅にほほ笑み
鱗粉まき散らし蝶達が誘う
踊りませんか
踊りませんか
ああ 私はここにいる
踊りませんか
踊りましょう
そこへ悪魔がささやいた
さあ 目を醒ましなさい
嵐は女王の首をもぎ
蝶達は蜘蛛に捕われる
あなたはページをめくらないだけ
あなたはページをめくらないだけ
いいえ 私はここにいる
本当の暗闇で踊り続ける
不躾な指先が終焉を与える
その瞬間を望みながら
踊りませんか
62 名前:楽園[] 投稿日:02/06/25 04:11 ID:7o+P/FkZ
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アンバランス
彼は白い指を滑らせてページをめくる
私はたえずミルクティーをすする
二人の時間に添えられるのは ジャンルも作者もばらばらの本
言葉はなく 時間だけが過ぎて
もうそろそろサッカーの中継が始まる頃
私がテレビをつけるのを気にもとめない彼
新刊と私とどっちが大切なのかなぁ
また今日も本だけ読みにウチにきてる?
せめてあなたが 私といる時間に読んだ本読み返す時は
私の事を思い出して
どうしているかのメールくらいうって欲しい
彼がページをめくる
彼がページをめくる。
65,66 名前:鶫[] 投稿日:02/06/25 21:30 ID:UzqIIFTm
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【得点】 0点
無題
本屋では教授も乞食も本をひろげる
そうしてお互いにかおをあわせず
ほんの薄いインクの一文字に
わずか隠された秘密をよみとって
けれどもそれは持ち帰ることはなく
いくらか彼らの間でも役に立つことなく
捨てられてそれをキシリキシリと
踏みつける音はあのとき吹いていた
悲しくしけった故郷の風に
すこし似ている
71 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:02/06/26 00:10 ID:???
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【得点】 0点
要らぬ思い出
押入れの中からひょっこり出てきた教科書
ボロボロの表紙は手垢がついて
まるで去年の受験戦争が嘘のように
黒く古ぼけた「日本史」
最後の真っ白いページは
僕の教科書には無い
そのページにあなたへの思いを書いて
渡したんだっけなあ 卒業式で
一番新しい日本史のページは
あなたと僕の物語とか洒落てみたりして
馬鹿 ナルシスト
付き返されたその手紙が
入っている引出しを開けようとして
でも手が震えて開けられなかった
涙 涙の午前2時
72 名前:名前はいらない[] 投稿日:02/06/26 01:39 ID:3acUkhV7
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【得点】 0点
エクリチュールの遊びかた
文字が踊りだした白い空間だ
黒い文字は斜めに揺れたり
光りながら滑らかに回転したり
意味から開放された自由さで
それはもう大変
うるさく大騒ぎをしている
その時あたしの意味が
過去と無意識からの馬に乗って
駆け抜けて
踊る文字どもを吹き飛ばした
まっしろけっけになった空間だから
人形ごっこをして遊べる
遊ぼう
この「アクチュアリティー」は あたし
その「変容のメカニズム」は あなた
あの「ショーペンハウエル」は恋仇
どの「それ」と関係させてあげましょう
体内時計が狂いはじめるくらいの時間
そうしていると
どこからともなく
あの文字たちが帰ってきた
阻止できないそのパワーで
くっつこうとする
前世から決められていた恋人同士よりも
強いパワーで
迷子の猫がわが家をめざすよりは
弱いパワーで
くっつこうとする
そうして文字が元通りくっついた時
本の意味は
まったく別のものに変わっていた
73 名前:エクリチュールの遊びかた[sage] 投稿日:02/06/26 14:54 ID:???
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【得点】 0点
世界少年少女文学全集
私が少年と呼ばれていた頃のことだ
そのころは、まあ毎日が
新しい出会いの連続だったわけで
ある日なんか
船を見なかったかね
髪も髭も伸び放題の
ロビンソンクルーソーに尋ねられた
疲れの滲んだ顔には
半ば諦観の色がかんでいる
フライデーはまだいないようだし
口を開こうとしたら
傍らで袖をつかむ少女が一人
ねえ立ったの、クララが立ったのよ
ハイジと呼ばれ
誰からも愛された彼女は
満面の笑みを浮かべた
微笑み返そうとした
目の前を凄まじい勢いで
雲が駆け抜ける
へへん、ここまで来りゃ大丈夫だろ
孫悟空は得意気だ
君は未だにお釈迦様の掌の上だよ
言いたい気持ちをこらえていると
ワトソン君、依頼人は・・・
不機嫌そうな表情に鋭い眼光
パイプを薫らせ探偵が言う
再婚を考えておられる
彼の靴を見れば一目瞭然だよ
なんで?と困惑していると
頭上を竹馬の怪物のような足長の
二足歩行機械がゆうゆうと
通り過ぎていった
うむ
宇宙戦争のはじまりだ
ああ、思い出してたら
なんか無性に読み返したくなってきた
うん、これは詩なんか書いてる場合じゃないな
ちょっと昔の俺に会いに行ってくるわ
74 名前:世界少年少女文学全集[] 投稿日:02/06/26 21:01 ID:1ILl61ld
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【得点】 0点
最終更新:2006年09月09日 18:09