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作品
わたしはいつぞやのあなたのようにすっかりと
忘れてしまった
記憶を手繰ろうとしたロープで肉刺だらけの指
しめりけで頁のひとつひとつをダニを潰すように
みつめられる可読の染みは
無論、血もなく
匂いなどあるはずもない
すでに、違う場所の革命だった
首を落とされる筈の王は居酒屋でアヴサンを飲み
ついに陵辱されるはずの后は甲虫を収集した
夜と悲しみが支配したあなたの頭脳はそれを誤解し
俺は帝国だ!俺は皇帝だ!雷鳴そのものだ!と
全世界をみすえる山へと上り詰めて叫びだした
おそろしいまでのけたたましさ!
いままで松葉で瞼を突付かれ
耳たぶを指で弾かれた記憶が
権勢を誇る鉄条網製の王座へと
いざなう警吏は
一秒単位でぐらりと廻って
いくらか酔いをさまさせた
それらは鼓膜がやぶれるように
かなしいけたたましさを均等し
ひろげて大音量の無音に
かろうじてみえる風になって
ひとつの音幕になりかわる
76 名前:構造 ◆1Q0OhnlE [sage] 投稿日:02/06/26 23:58 ID:???
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嫌いな事
私は読書が嫌いだ
読書感想文なんてものは特に大嫌いだ
自分勝手に想いを述べて
ほれ理解しろよと文字が並べてられてるからね
こんな私が居るから現代は
本が売れないのではないかと
勝手な推測をするが
そんな私の勝手な好みで
買われてゆく書物もある訳だ
ただね、
私がもしも、本を出版しても、自分では
見たくも無いだろうと思うねきっと
そんな自分は一体何者だろうというのが常日頃
こんな投げ槍を見て何か想う貴方は何者かと
ふっふーのふぅー
力抜いてやるっきゃないのかねぇとつくづく
88 名前:嫌いな事[] 投稿日:02/06/27 11:06 ID:sSX32jAu
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ミュージック・ブック
私に似ている歌手が表紙で歌っている
しっくりくる色のミュージック・ブック
でも私の作った曲は載ってない
大好きなあのひとや
興味もないあのひとが作った
曲の言葉がいっぱい
私はここからミュージックをつくる
あのひとの声も
あのひとのギターもここにはないから
私の声と
私のギターでミュージックをつくる
彼女の声は私には高すぎる
彼の声は私には低すぎる
キーを変えてもいいけれど
そのままそのひとの世界を歌う
あのひとの曲の言葉を
私の身体でミュージックにする
あのひとの見ている世界
見えるかな
さまざまな小さな世界が集まって
ひとつの世界をつくりあげている
小さなミュージック・ブック
私の曲もここに挟んで
いつか誰かに歌って欲しい
89 名前:ミュージック・ブック[sage] 投稿日:02/06/27 15:15 ID:???
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詩集
私の書棚に
ただひとつの絶対世界
だけを置いておくべきではない
一対一の闘争ならば
いつも私は鮮やかな破壊に敗け
脚をもがれた兎のように
彼の荒野をホフク前進してきた
十の絶対よ あれ
百の絶対よ あれ
千の絶対よ あれ
万の絶対は 人には無理
それぞれの絶対が
それぞれの軍隊を
それぞれの領地へ進攻するのを見
私ははじめてグラスを傾ける
そしてパンパンの書棚は壊れない
しかしこのかわいい絶対世界ときたら
タバコの箱のように持ちあげる
チョコレートの小箱のような愛らしさだ
尻ポケットに死んだ彼を連れ歩く
90 名前:詩集[] 投稿日:02/06/27 16:39 ID:NWNOciZF
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田島健人
タシケントなんて行ったことねぇ!
タシケントについての本も読んだことねぇ!
でもタシケントについて書いてみようと思う
なぜなら俺の名前は田島健人(タジマケント)
つまりは親近感だ
タシケント繋がりさ
命を賭けてこだわるぜ!!
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まるで俺の故郷だ
あの羊たちは俺の兄弟だ
このとうもろこしは俺の母だ
1966年の震災で家を失った両親が
日本へ逃げてきて俺を産んだのに違いない
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むう
やっぱしらじらしい嘘しか書けねぇな
ウズベキスタンなんてTVのドキュメント番組ででも
見たことねぇんだよ!!!
実際にタシケントへ行けば
うまく嘘はつけるようになるだろう
その上でタシケントについての本を読めば
もっとうまい嘘がつけることだろう
内側と外側から
タシケントを知るんだ
どっちが欠けても完璧じゃねぇ
俺の名前は田島健人(タジマケント)
いつの日か最高の嘘をついて
完壁な偽タシケント人になってやるぜ!
ーーーーーーーーーーーーーーー
95 名前:田島健人 ◆R/usvz8E [sage] 投稿日:02/06/27 21:51 ID:???
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想像の文字
涼しい風の吹く午後に
簾越しの空を見ながら
文字の世界を散策する
そこにあるもの全て
そう、
そこに立っている人も
向こうで泣いている人も
文字が作り出す
空想の虚像
そして
その世界を眺める私と
虚像が合致した時
私の心が充たされる
この感覚を味わいたいがために
私は本を求め続ける
96 名前:想像の文字[] 投稿日:02/06/27 21:59 ID:307oDU8q
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少年ジャンプ
カン カン カン
足元 滑り止めの金属音鳴らし
図書室への階段を駆け上がる
15段を数えたあたりから
あの特有のニオイがしてくる
わくわくそしてゆったりした良い気分
小学4年
タッ タッ タッ
図書室への階段を上る
2年間毎日通った昼休みと放課後
伝記や推理小説 全部読んだ
ことわざ辞典も好き etc, etc, etc.
週6、8冊 調子よくて11冊
35分の帰り道を50分かける二宮尊徳
小学5年
図書室から僕を呼ぶ新たな本いなくなり
会話に違和感のない級友いなくなる
「これが孤独なんだ…」
本の中の言葉 急に体現
あれほど明るく感じた
図書館までの道 帰り道
暗い、静か
そして選択
97 名前:少年ジャンプ [] 投稿日:02/06/27 23:21 ID:OcqeoY3v
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お坊さんが痴漢して捕まったそうな
スカートめくるより
本のページをめくろう
それでも
書架に本積むより
修行を積め
98 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:02/06/27 23:32 ID:???
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神々の黄昏
瞬きのうちに
浮びては消える肖像
かつては俺も神と崇めたものたち
死して
みたび名をおくられた英雄たち
星々
ただ常に俺と共にあったのは
土くれのような
名前すらしらずこの世にあり
闘い黙して散ったあまたの者どもよ
最果ての見知らぬ星に身を埋め
神と人の真境
大いなる闇に迎えられ
われは滅ぶも
自ら名のろうではないか
われの名は
103,106 名前:神々の黄昏[] 投稿日:02/06/28 00:41 ID:xnhulSMA
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借りたまま
借りていたまま
返せずじまいだった
気が向いて
棚の整理をして
不意に出てきた
栞がわりの
きみがくれた
どこかの国の紙幣
短い言葉が
したためてあるけど
どうしてだろう
読めなくて
目を凝らしても
読めなくて
こぼれた滴で
言葉にインクが滲んで
もう読めなくて
ここまでしか
読まずに
仕舞った理由も
虚ろにしか
思い出せないけれど
日に灼けた
きみの笑顔は
はっきりと思い出せて
そして
この紙幣の国から
もう
帰ってこない事も
読みかけたままだったのは
この本の物語じゃなくて
ぼくたちが綴るはずだった
物語なのだと
借りたまま
返せなくなった
この物語を
もう一度、読み返して
みたいと
思った
104 名前:借りたまま[sage] 投稿日:02/06/28 00:50 ID:???
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最終更新:2006年09月09日 18:09