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作品
歌は聞こえるが先には進めない
520 名前:歌は聞こえるが先には進めない 1/2 [sage] 投稿日:04/02/26(木) 22:44 ID:MjQsAM0N
誰かのタイピングの音だけが見えるように足踏みの先で
机と椅子の整列整頓された部屋の渋滞がいつも激しいと
日陰の窓際滑り落ちていく
指先の人形を口に咥えて
CDの外見をした円盤が空を飛び続ける
日めくりメモ帳片手に毎日を意味の欠けた落書きで埋めて
明日には遺跡のようになるという願いを持っている
その明るさの中に沈んだ
水のない声だけを残して
歌が今日も響くのははっきり苦痛だと判ると言って
《タイピング 整列 窓際 人形 CD
日めくり 遺跡 水 今日も響く ──彼らのパーツ》
その切り捨てた物体の中から聞こえる
歌はどこまでも同じメロディでいるわけで
ただ同じステップばかり踊らされている彼らは
今日も前には進めない行列たち
──そのような言い伝えを守ることに
意味があったとしたら
今日も目の前に山ほど降りかかってくる雨を彼女はどう考える?
だまって傘をさす,が正しい答えです
《切り捨て どこまでも ステップ 進めない
言い伝え 意味が 目の前に 雨 傘をさす ──消えていく記号として》
521 名前:歌は聞こえるが先には進めない 2/2 [sage] 投稿日:04/02/26(木) 22:45 ID:MjQsAM0N
卵の黄身だけひっくり返して笑う
膝枕の間で眠りという記号も消えたら
歌のない音楽も死んでいく言葉だけ引き千切ってしまえば
彼と彼女の愛だとか恋だとかなんて誰も忘れてそっぽを向く
という大嘘の伝説と現実のその強かさと
空転するだけの頭と口と手足たち
《笑う 膝枕 記号も 言葉だけ 音楽も
引き千切って 忘れて 現実のその強かさ ──勝手に組み立てられたまま》
《足踏み 飛び続ける 歌は ひっくり返して ──ボクらレゴブロックとして生まれて
死んでいく 愛だとか恋だとか 空転するだけ ──詩人により殺される》
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詩人どもを素朴に消せ
522 名前:詩人どもを素朴に消せ(1) [sage] 投稿日:04/02/26(木) 23:18 ID:Cn5MIbgm
たとえば、どこかの休耕田に花が咲いていたら
全部摘めとは言わないが、この世を全部埋め尽くし
ぼくらの息がくるしくなるまえに
どこぞのかわいい動物だとかもしくはきびしい気候にやられ
食われちまったり、枯れてしまったり
もしくはひどい運命だとかにめちゃくちゃにされるとか
そういうことはどこにもないと
いう前提で語ろうじゃないか
まずは概念の問題について
はっきり言っておくよ、詩性てのは弾圧しなきゃいけないぜ
そこにある深層だとか、美感だとかは
もう別にどうでもいいんだ
異常なまでに力があると信じているなら尚更のこと
僕らがどこかに書く前に、叫んだ声が消えちまう前に
真っ黒い紙とうるさいラジカセを用意して
もっとなにもかも聞こえなくするんだ
そんなことをそうこうしてると
手にうすくひっついた
すすけた汚れがいとおしくなる
523 名前:詩人どもを素朴に消せ(2) [sage] 投稿日:04/02/26(木) 23:20 ID:Cn5MIbgm
アンビエントか、宗教音楽あたりで
想像してくれるとありがたいんだけど
君が思う静かな曲でいいと思うよ
じっとしていると
聞こえてくるだろう
阿鼻叫喚の地獄絵図が
分離した、波動で言うと
ほんのわずかなドレミファが
うにょんうにょんと乱交しまくり
ピアノとかオルガンの
きれいな響きになるらしい
さて
首をくくったり、眠っている子供を見たりする
あのかなしさを持ちながら
脳みその中に響きつづける
音楽をどうやって止めたらいい?
524 名前:詩人どもを素朴に消せ(3) [sage] 投稿日:04/02/26(木) 23:22 ID:Cn5MIbgm
僕が言いたいのはこういうことだ、かの偉大なる時代を、
さらには容姿端麗な古の美女や威風堂々の英雄たちを巻き込む
もしくは
あと五百年にも及ぶ風雪に対し、にこやかに微笑みながら
永遠という、実現することのない試練に耐える準備をしようと
しているあの遺跡たちの威風堂々たる屋根にひっついて
はがれようとしない
栄光という、表面に何百種の文様やら
何千人もの、いにしえびとたちが彫刻された
フジツボ貝の胎内に
収まった巨大な真珠ダマのような
感覚を
おおきな、たまねぎの下で
というぼんやりした素朴さで
むりやりまとめてしまった挙句に
かみあってゆがんでしまった
細かい金細工のことさ
もう一度くりかえして素朴にまとめよう
くるしさかなしさという
素朴さにまとめられて
決してかえりみられることのない
踊り狂ったり 大笑いするときの
あのまぶたに感じるつめたさについて
525 名前:詩人どもを素朴に消せ(4) [sage] 投稿日:04/02/26(木) 23:23 ID:Cn5MIbgm
どこか、誰か、
こどもをやめたばかりの若造だとか
青春をやめたばかりの親父だとか
人生をやめたばかりの年寄りが
気の利いた文句を言うようだったら
そいつらを即座に
このくそったれた素朴さで
詩人ども、と即座にまとめて
きびしい気候やひどい運命や
かわいい動物のエサにしてしてしまえ
詩人ども、
音楽を止めろ
止めろってば
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詩集は出したけど、詩人は出せない
526 名前:詩集は出したけど、詩人は出せない [] 投稿日:04/02/27(金) 10:25 ID:3Z941ofW
詩集は出したけど、詩人はなかなか出せない
きのう、橋の向こうから歩いてくる女子高生三人を前にして、あやうく口から出そうになった
いや本当は遠く水面にたたずむ夕日を眺めながら、出してやりたかったのだが、
出たがる詩人を暴れる詩人を狭い炭鉱に押し込めて、常識人はスーツみたいなジャンパーですれ違った
詩集は出したのに、詩人は切実に出せない
峠の甘味屋で昔のだんごをやりながら、
街角でビラを受け取らないのをすまなく感じながら、
自宅の扉を開く時に笑顔を殺しながら、
大学ノートを自室の机に広げながら、
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より、まだまし
528 名前:より、まだまし [] 投稿日:04/02/28(土) 04:09 ID:eFYMTOs7
ままごと吐ける印象主義者へ
私人だが常にされる注目
あびる気力もなく脱落
態度変更午前9時から
詰るお言葉に粗相も真っ青
GoとStopの間を行く
変わるサインに人々も笑う
逢い引きならば情事
鴨ステーキと紐
また乗せられる聞上手
「世界の半分をてめーにやろう」
知るか、馬鹿
極者ぶるな、言葉の墓
ままごと吐ける
私人
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首筋から下腹部にかけて存在するその器官
530 名前:1/3 [sage] 投稿日:04/02/28(土) 13:03 ID:IK7V84bY
「首筋から下腹部にかけて
存在するその器官」
襲ってくる
あの感覚刺激だ
表出の衝動が
胃から胸を中心に
全身を駆け回っている
慰め程度の言葉なら効かない
君も気をつけろ
この器官は誰もが持っているものなのだ
男女の区別なく思春期に良く発達し
二十歳を超えたあたりから徐々に消失していくが
死に至るような症例はむしろ
それ以降に多い
いったん感覚刺激をうければ
唇が溶け出してふさがり
一晩中くるしむ
首筋から下腹部にかけて存在するその器官
中枢は心臓の真裏に位置し
そこから紐状の末端部を筋肉組織の隙間にのばして
四肢を支配し愛撫する
また内臓には粘液が分泌され極度の緊張状態
吐き気をもよおすが口は無くなっている
脳への麻薬成分の分泌が減り
はっきりと覚醒しているのだが
そう、口は無くなっている
言葉を発することが出来ず
もがき続ける
531 名前:2/2 [sage] 投稿日:04/02/28(土) 13:03 ID:IK7V84bY
よろめきながら
鏡の前へいくと
胸に指をつきたて
左右にひらき内側をさらけだす
激しく鼓動する心臓に手をかけて
ひきずりだし
体をうらがえす
むき出しとなったその器官が振動する
言葉ではない
声でもない
音ですらない
その震えが呼び寄せる
森羅万象を共振し興味を引くのだ
天から光が差し込み
大地が音楽を奏で
風が吹き抜ける
その一瞬を逃さず手を伸ばして
純白の羽をやっと一枚だけむしりとる
絶叫と共に体はベッドに叩きつけられる
急いで体を起こし
手中の純白の羽をペンにして書く
それが消えうせるまで時間にして数秒
ほんの一行書けるかどうかだが
そのとき口を取り戻している
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天使をみた詩人
532 名前:天使をみた詩人1/2 [] 投稿日:04/02/28(土) 14:20 ID:iM0pClJs
僕を苦しめないで下さい
もうだめです
僕は幸せになりたいのです
僕の背中を押すのは誰ですか
僕を死の谷に突き落とそうとするのは誰ですか
弱り、怯えた僕の背中を押しているのは
もう僕は限界まできました
なぜ、この僕を
僕は地位も名誉も投げ捨てた
自由も
愛も
そして希望も
533 名前:天使をみた詩人2/2 [] 投稿日:04/02/28(土) 14:21 ID:iM0pClJs
僕はからっぽ
絶望の果てに空を見た
天使がほほえんでいる
神の星は激しく輝いている
僕は傲然とふりむいた
弱り切った声で僕は狂ったように叫ぶ
僕は戦う!
腕をもぎ取られようと!
足を折られようと!
目を潰され光を失おうと!
口を塞がれ、言葉を奪われようと!
生命をたたれ、肉塊になろうと!
僕は青黒い炎を燃やし続ける!
僕らの最後の砦を守るために!
指一本ふれさせてたまるか!
僕は燃え尽きやしないぞ!
僕は燃え尽きやしない!
僕はけっして!
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Shijin-Nin
534 名前:Shijin-Nin 1/2 [sage] 投稿日:04/02/28(土) 23:46 ID:I9omQ9Zr
それは
風でも、
陽でもないと
二番目の棺だけ
知らぬかな我が子の嘘泣き
知れぬかな鬼嫁の涙
去りそびれ今朝の月までを真実と名づけ封ずる
消えぬSign
最期のサイン-
その荷物ひとつ腕に
軽口の天使が
父さん僕は今笑っていると告白しても
母さんは今にも死んでしまいそうだと伝えても
動かない棺のクロス
535 名前:Shijin-Nin 2/2 [] 投稿日:04/02/28(土) 23:47 ID:I9omQ9Zr
一番目の棺
耳そばだてて
奴は馬鹿だとカタカタ揺れて
三番目の棺
目を見開いて
奴は哀れだとクスクス揺れて
二番目の棺
静寂で
起こす左耳ハミングで殺す右耳
二番目の棺
暗闇で
開く左目まつげで殺す右目
両耳じゃ
聞こえすぎると
両目じゃ見えすぎると
愛する人のために長く生きたかったのだと
棺は愚か
言い訳もせずに
棺は静か、今すべて閉じた
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雑巾
536 名前:「雑巾」 [sage] 投稿日:04/02/28(土) 23:49 ID:Wj/EK/F0
それはきまって人とたのしく話しなんかをしているとき
とつぜん 絶妙なことばとイメージが先を争うように さやかに
右脳が活発に活動しているせいかどうかもわからないままともかく 脳内を美が流れる
あとで探そうったって探せやしない
まるで自然の川のように
分水嶺のその いっぽうはすぐにもダム湖によどんでむしろ実用的建造物を稼動させる その反対側の渓流 せせらぎ
川面にゆらぐ魚影 反射する木漏れ日 布を引いたような滝 大瀑布 滝つぼ その底に棲む幻の魚
どこまでも林道からさえ遠いたたずまい 野生のカモシカがのどをうるおす オオサンショウウオの子どもがおよぐ 水のなか岩のすきま
秋にはさぞかし艶やかであろう原生林のなか 流れはさいごまでひとや人工物とはふれあうことなくぱあっ!と海に解けてひろがり
そんな詩が
目で文を読む速度の何百倍もの速さで 商談中の頭のなか通りすぎたりなんかして
二度と帰って来やしない
けれども近ごろはその川の うろこいちまいとか ひれのかけらとかその骨のいっぽんとかひょうめんのぬめりとか
どうにかこの手にせめてにおいだけとか つかまえられるようにもなり
そいつを和紙と墨で拓にとると見合う号数の縁をあしらって
とおくから見ればどうにかそれらしくみえる
詩らしきものに詩あげることを
まだ真新しい雑巾で その鏡面をみがいたりなんかしながら
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そういう人が……
537 名前:そういう人が…… [] 投稿日:04/02/29(日) 00:14 ID:4l5Th7KA
羽のある言葉をもってない
希望のとびらも開けない
生まれつきの光もないし
かげもない
言ってみれば自分になれない
そういう人がたぶん詩人
血をながし殴り合う人じゃない
静かに時間をみつめるだけ
それでも追われ引き返しても
歩き出しても
自分の外に生きてるような
そういう人がたぶん詩人
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最終更新:2006年09月10日 23:47