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作品





ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場



301 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『1』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:44 ID:9SVtbC/v    New!!
  PM5:45

東京湾の対岸に浮かぶ街並み――夕暮れを汚さない、ピリリと清潔感を備えた建築物たち
地球を1周する勢いさえある、両端の見えないレインボーブリッジ

数分前までは東の空でその存在さえも白みがかっていた、月
少し冷えたそよ風で波立つ、Nちゃんの茶色いショートヘア
名前も知らないカップルたち、家族連れたち

ここ――「アクアシティお台場」3階の屋外、「女神のテラス」にて

  (等間隔で林立する常夜灯はいまにも輝きだしそうで)

テラス正面には全長11メートル、重量9トン、ブロンズ製の「自由の女神」のレプリカ
負けず嫌いそうな、その不動の面持ちの真ん前

俺の左手はNちゃんの右手とくっついて
Nちゃんは手摺りではなくて、俺のトレーナーとジーパンに凭れかかり
おもしろいオカシイ、恋愛語という透明なボールを投げ合っていると

  (それは日没直後――残り火の助力もあって)

そのボールがふたりの愛をうんと吸い上げて、ぴかぴかする金色の果実になったと思ったら
ぐつぐつと煮えたぎり、かなた宇宙までシュルル~ンと疾走していって

  ( ・ → I → O →   )

破裂して

  (☆星になって☆)

302 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『2』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:45 ID:9SVtbC/v    New!!

溶けたバニラよりもあまい蜜まき散らし
ふたりが見ている世界――苦い錠剤――をトウモロコシ色に3秒よりは長く糖衣した
そこへ甘さを求めてたくさんの黒い虫たち――蟻やカブト虫、アゲハ蝶などが群れを成してきたとき

「自由の女神」の立っている台座の照明( ● )が上向き――像に向けて

- いっせーの、せっ! -


Light Up

\|/\|/\|/.\|/\|/
   ○   ○   ○   ○.   .○
   ↑   ↑   ↑   ↑.   .↑
   ●   ●   ●   ●.   .●

  「 …とってもキレイだね。 ん? そうなんだ。 じゃあ、それじゃ… 」

  PM6:00

Nちゃんの小さな嬉しさと口紅が、俺の左頬に――かさったような気がしてチューリップが咲いた
Nちゃんは背伸びを解き、俺の視線をつかまえ、いちばん可愛い笑顔で説明する

  「 いまね、そこにある自由の女神さんから私に伝言があったの。
    頭の中に直接ひびいてきたよ。
    内容は、【俺にキスしてほしい Mより】、だって。
    だからキスしてあげたの。
    ねぇ、M君。
    自由の女神さんにそう伝言を頼んだんでしょ? 」

303 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『3』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:47 ID:9SVtbC/v    New!!

  「 …キスは死ぬほど嬉しいけど。
    そんな伝言を自由の女神さんに託した覚えはないなぁ。
    お台場にある自由の女神さんと会うのは、何より今日が初めてだし。
    Nちゃんが俺にキスしたいがために、即興で捏造した事柄じゃないの? 」

  「 いつでもどこでも、なり振り構わずキスするような女の子じゃないもん。
    私はね。
    第一、M君が自由の女神さんに伝言を預けたことは事実なんだから、
    数十分後ぐらいに、この仕事――伝言の手数料を示した『請求書』が届けられるはずだよ。
    いくらだろうね、値段。
    幸せの代金だと思えばぁ、高くても安いもんだって。 」

  「 んなバカなことがあってたまるか…。
    『請求書』なんて半分というか、身に覚えがないんだから100%詐欺じゃん。
    それに自由の女神さんはブロンズ製。
    伝言なんか出来やしないよ。
    …まったく、Nちゃんは嘘が下手だよねぇ。 」

  「 いーよ、別に。
    信じてくれなくても。
    あとで絶対ビックリするんだから! 」

プイッとそっぽを向いたNちゃんは、繋がれたままの俺の手と綱引きしながら
「女神のテラス」(3階)から建物内――「アクアシティお台場」4階に入っている「アンナミラーズ」へと突き進む


    Outside

    ラララ
     気温Cold ■
     ↓      

304 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『4』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:48 ID:9SVtbC/v    New!!

=== ===

    ららら
     室温Warm ◎
     ↓

    Inside


この行き先はNちゃんの要望であり
決してあの制服――乳部がエプロンによってU字型に押し出された――が見たいという俺の下心からではない
俺は一途に好きなのだ、小さなヒラメちゃんが2匹、胸まわりで遊泳しているNちゃんのこと

Nちゃんさえいてくれればいい

  (階段にて――Nちゃんの白い肌が下半身をよぎって、脈拍グルング~ッと、急上昇)


Up
   _
   P↑_
     U↑_
       P↑_
         U↑_
           P↑_
             U↑


  PM6:20

305 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『5』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:50 ID:9SVtbC/v    New!!

4階、アンナミラーズの窓際では「自由の女神」を見下ろすことができた
下からの光と聖書を抱える――右側面を横目にしながら、パスタとパイをNちゃんと俺は注文した

  (ウェイトレスの脚に見惚れそうになった自分を戒める)

運ばれてきた料理と、ガラス越しの――人工の夜景とをひと口ずつ交互に味わいながら
いまは食後のプランを練って――こねくりまわしている

先ほど階段にて発生した高揚のせいで、俺の希望――デートの終点はすでに定まっていた

それを口には出さないものの、Nちゃんの

  「 海べりを歩きたいな。
    海浜公園まで行ったら、
    砂浜に座り込んで、
    M君とお話したい。 」

に対して

  「 名案、名案だ。
    まずはそれに決~まり♪ 」

反論の余地などないため、ベルトコンベアに乗せられた台詞を規則的に抽出していた
皿に盛られている幾本ものクリーム色のパスタが、ひとつに繋がると思った

  「 ちょっとトイレに行ってくるね。
    一人で帰ったりしちゃ、ダメだからね。 」

  「 帰るなと言われると、帰りたくなるなぁ。
    でも俺はとても優しいから、帰らないであげる。 」

306 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『6』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:52 ID:9SVtbC/v    New!!

  「 どうもありがと。 」

放ったパンチを避けられた錯覚に陥ったが、そんなことはどうでもいい
俺はパイをテーブルで弾ませながら、Nちゃんを待つことにする


  (2分経過)


  PM6:40

    ♪ とぅるるっつ ぷっぷっぷ~ ♪
     ♪ とぅるるっつ ぷっぷっぷ~ ♪
      ♪ ちゅくちゅく てんつく ぷんてんぱん ♪

俺のケータイが鳴った
(着メロは「3分クッキング」である)

ポケットから取り出しメールの差出人を確認すると、なんとNちゃんからだった

なんで?
いま一緒なのにNちゃんがメールを?
トイレで何かあった?
まさか!?

こみ上げてくる不安感で指先はグラついたが、俺はすぐさまメールを開いた

――そして

驚愕の事実を突き付けられた
俺なんかよりも、Nちゃんの方が数倍うわてだった!

307 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『7』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:53 ID:9SVtbC/v    New!!

その奇天烈な文面は次のようなもの


 ----------------------

拝啓 M君

あなたは「自由の女神」さん
に伝言を預けました。よって
その手数料を支払わなければ
いけません。いまから12時間
以内に、「自由の女神」さん
のフロントまで5200円を払い
込んでください。その証人と
して、Nちゃんの同行をお願
いします。

 ----------------------


最初は意味がわからなかった
12時間以内?
フロント?
5200円?
Nちゃんの同行?

そういえば『請求書』が届けられるとか、Nちゃん自身が話してたなぁ
Nちゃんもしぶといなぁ、ぐらいとしか思わなかった

だが――

308 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『8』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:56 ID:9SVtbC/v    New!!

自由の女神
フロント
5200円

この3つのフレーズがどうもひっかかった
この3つのフレーズがひとつに――共に結合したがってる気がした

  (俺の思考回路を通過する電子の量が飛躍的に増加する!)

 >>>

  俺は見知らぬ竹藪に迷い込んだ
  三日月した鎌で生い茂る草どもを除けて、前へ前へと進む
  けれど、いくら進んでも宝石は見つからない
  それでも諦めるわけにはいかない
  手は痺れてきて、機械的に鎌を繰り出すしかない
  粘った

  そして不意にそれ――宝石は現れた
  鎌を宙に放り出して、両手で優しく拾い上げた

  そのとき

  俺には「答え」が見えた
  あかい宝石の表面に、「答え」が映っていた
  今回、このお台場でNちゃんが仕組んだ事件(?)のカラクリを見破ったのだ!

 >>>

  「 ホテル…か。 」

310 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『9』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:57 ID:9SVtbC/v    New!!

誰にともなくこぼしていた
Nちゃんは俺をホテルへと誘うために、「自由の女神」さんを利用して、こんな手の込んだことをしたのだ
それを直接告げることはなかなか出来ない、そんな乙女心ゆえの犯行(?)だったのだろう

――もう一度、俺はこの解答までの道筋を振り返ってみることにした


  ★解決篇★

Nちゃんと俺には、行きつけのホテルがある
その名も「the Statue of Liberty」
和訳すると、「自由の女神」
休憩は、5200円

Nちゃんの要望で「アンナミラーズ」へとやって来た
店名やメニューなどに、「英語」が用いられているところに
わざわざ性的に興奮しそうなところに

それはつまり
「自由の女神」さんと
ホテル「the Statue of Liberty」の結びつきを強くするため――連想しやすくするためだ

この「アクアシティお台場」に出店しているのは
イタリア料理、インドネシア料理、日本料理など多岐に渡るため
アメリカ産の「アンナミラーズ」を選択したことは、やはり意図的なものだろう

これらの知識を踏まえると、件のメールの謎が氷解する
大まかに訳すと、次のようになる

312 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『10』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:58 ID:9SVtbC/v    New!!


 ----------------------

拝啓 M君

私を12時間以内に、ホテル「the Statue of Liberty」に連れて行ってね。
お金はフロントでM君が払ってね。
5200円だよ。

 ----------------------


そういえば、俺はホテル「the Statue of Liberty」のHP(ホームページ)の掲示板に
【キスしてほしい Mより】
という書き込みをしたことがあった
無論、ここへの書き込みに際して、手数料など発生しない
けれどNちゃんは【キスしてほしい Mより】を見て、今日のプランの発端とした

これがすべてだろう


PM6:55

  「 どうしたのかな? そんな悟りきった顔しちゃって。 」

313 名前:ちょこっとLOVE☆LOVEミステリィ in お台場 『11』 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:00 ID:9SVtbC/v    New!!

いつのまにトイレから帰還したのだろうか
今回の事件(?)の犯人が真ん前の椅子でニコニコしている
愛しいやら、憎らしいやら

  「 まぁね。 」

結局、Nちゃんも俺と同じことを考えていたのだ

  (ふたりの考えは一致( H )していた)

  「 頭いいんだね、M君。 」

  「 まだ何も言ってないぞ。 」

Nちゃんが立ち上がってこっちに来る
Nちゃんのほっぺたは、あかい
Nちゃんの髪、ゆれる
あ、

  「 だって、顔に書いてある。 」


そのときの俺は、Nちゃんも太鼓判を押す名探偵だった

――再びチューリップも咲いて


じゃあ、行こうね



【コメント】



【得点】 0点





茎



309 名前:茎 1 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 22:56 ID:6o7Qyy43    New!!
それは私を突き刺すだろう
何度も何度も抜いては突き刺し
勝手に果てていくだろう
ただ1本の
深く深く根を張る茎だけを残して

ほんの少しの交渉を交え
結ばれていく
やくそくごと
小指ではなく
身体で

昼食のあと
ふたりのぽっこりと出た白いお腹を見比べながら
秘めていく血管の青
想像の中で粘膜は赤だったろうか
どす黒かっただろうか


317 名前:茎 2 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:27 ID:6o7Qyy43    New!!
引っ切り無しにチャンネルを変えるように
ボタンを探す
ベルトめ邪魔をして
ええい
ファスナーごときにデザイン性を追及するな
衣服なんて
脱ぎ散らかして

しわくちゃ

そう
しわくちゃに
むすびあって
ほどいて
またむすぶ
しわくちゃ
くちゃ

一瞬できた眉間のしわに
君は気付いただろうか
そのとき私は
流れることのない涙と生まれることのない命を思う
君がきっと辿り着くことのない川岸で
私は一人
白い花びらを千切っては流す
そこは生温く
そして真っ暗

その白い花が咲くことはない

318 名前:茎 3(終) [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:28 ID:6o7Qyy43    New!!
枯れることを願う君は
このあと私の黒い髪を撫でて
私の白い乳房の上で眠るだろう

また
茎が伸びる
このあと私の黒い髪を撫でて
私の白い乳房の上で眠るだろう

また
茎が伸びる

319 名前:茎 3(終) [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:29 ID:6o7Qyy43    New!!
>>318 コピペミスです、すみません、、、、、、、、

枯れることを願う君は
このあと私の黒い髪を撫でて
私の白い乳房の上で眠るだろう

また
茎が伸びる



【コメント】



【得点】 0点





ココア



315 名前:「ココア」1 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:09 ID:jhOBRvT6    New!!
小型の砂時計を
君の唇から落下してすぐの
湿気の濃い小箱に仕舞い込む

粘膜の壁に
唾液で遺書を引っ付けて
身投げした柔らかな言葉どもが

神経の手網を空振りさせて
僕の蝸牛のくびれでとまった

奴等は絶えずはらほらと零れ落ち
その度に暖かなココアを波立たせ
僕のparabolaはヒステリー
小刻みに震えながら立ち上がる

少しずつ
酸素と窒素と二酸化炭素と  
小さな発光ダイオードが   
右側2列の数値をぱらぱらと上げていく

316 名前:「ココア」2 [sage] 投稿日:03/10/07(火) 23:10 ID:jhOBRvT6    New!!
そして自らが造る暗がりの中で
互いの生存は飽和する

平仮名も知らない稚児のように
読めない手紙を読みあい
ふわふわとした言葉に咽喉を詰まらせながら
おぼろげに浮かび上がった返答を
破り捨てた

8:41pm
が歯を食いしばる
周囲が丸みを帯びて肥大してゆく
僕の左踵は夜気を踏みしめたい 

そういう諸事情を
宥めることもしないうちに
この沈黙を誰の唇にも触れていない
熱いココアに音を立てて混ぜ込んだら


という予想を尖らせた




【コメント】



【得点】 0点



■▲▼


所為聖性静精



320 名前:  所為聖性静精   1 [] 投稿日:03/10/07(火) 23:49 ID:V9uFQf9U    New!!
「生命ってのは在る理由だ」
  その石っコロは生意気な奴だった
  河原の石が何を言っている。思わず笑ってしまった
「ほう。しゃべってやったのに笑うとは、おまえいい根性してるな」

  時は夕暮れ夕間暮れ、誰もいなくなる秋の河原に風が踊ってる
  寒さにあせったメスを求める勃起してる蚊柱が唸ってる

「同じことを言わせるんだ。おまえは耳が悪いのか?」

  その一個だけ丸々とした石は握るには少し大きすぎる長楕円形だった
  周りの石はどれもゴツゴツして角張った石ばかりで歩いても靴底をとおして
突き刺さるようで歩きにくいことこの上なかった

「ほう。違いがわかるのか。まるっきり盆暗でもない様だ」

321 名前:  所為聖性静精   2 [] 投稿日:03/10/07(火) 23:51 ID:V9uFQf9U    New!!

  どうやってこの一個だけ白い丸っこい石がここに転がって在るのか
  よくわかった。この石はその気になれば宙(うか)ぶのだ

  石は見せつけるように更に浮かび上がった
  そして、目線を遣ると白い骸骨が水際の向こうに沈んでいた
  健康そうな緻密な骨は、ねっとりと油の浮くようなつややかな表面で
  生気にあふれる若さが残っているようなシャレコーべ
  笑っているように、口蓋をあけて歓喜の表情横顔だ

  時がたつほどに状況が呑み込めて来る
  しかし、分るほどにオレの意思は青虫に食い荒らされる
  キャベツの葉っぱのように穴の部分ばかり多くなり
  心の奥向こうが透けて見えるばかり……

「何だ。度胸があると思ったらコシが抜けて動くことも出来ないのか
ションベンもらすなよ」



322 名前:所為聖性静精   3 [] 投稿日:03/10/07(火) 23:57 ID:V9uFQf9U    New!!

  そうか、おれは河原(ここ)で一体何をしてるのか
  われを忘れて腰を抜かして、何もしてない河原の人体

「お前がただの石ころという石たちは鉄をも溶かす高熱を
一度といわずくぐってきた。俺たちの在る理由は川の流れを守るためさ
砕かれて角が立ってる瀝青岩のひよっこ達は解けて砕かれ水に洗われ
それから、押し付けられられてあの山を支えていたんだそれこそ長い長い間
あの山の下で押しつぶされていたんだ」

  オレもお前もただ転がっている仲ならば、水の流れを守って暮らすか

「おお、よくわかったな」

  処であの顔の骨は?

「馬鹿。顔じゃないだろシャレコーべは
あいつは対して役にも立たない流しの守りだ。すぐに砕けて砂になっちまう」

  横を向いてのぞけった頭に、五、六ッコの首の骨が反り返って残って残って
くっつき、そっくり返って笑い転げているようだ
  どことなく丸みを滞びた頬骨から眉間のあたりに、女かも知れないと見ていると
  河の流れが、渦巻いたのか
  カタカタと笑うように動いた

  ああ、あの歯は隠れていたんだ。赤き唇からあんなふうに歯を剥き出しにして
  笑う娘はひとの恋人だった
  歯ぐきまで剥き出しにしても噛み付かれるとは思わなかった

  窪んだ眼窩には黒い目が在った


323 名前:  所為聖性静精   4 [] 投稿日:03/10/07(火) 23:59 ID:V9uFQf9U    New!!

  へっ込んだシャレコーべの中心には鼻があった
  ああ、チンクシャと言ったら怒った娘がいた。黒い目から涙が噴き出したのには
驚いた
  馬鹿なことを言ったものだ。かわいい娘だようと言ってやればいいものを……

「なんだ、まだまだ、役には立たないようだな」


  いまいましそうな声が聞こえると、宙に浮いていた石がカタンと音を立て
  落ちた
  大きな音ではなかったが、河原一杯に響き渡る音だった

「まあ、何れいっしょに働いてもらうさ」

  すでにとっぷりと陽は暮れていた
  シャレコウベを守るように魚がきらめいて
  一匹が大きく水飛沫を上げてジャンプした
  我に帰ったオレの顔にぴしゃりと水飛沫が掛かった




【コメント】



【得点】 0点




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最終更新:2006年09月25日 23:46