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作品
振動
569 名前:振動 [] 投稿日:03/05/19(月) 23:17 ID:FvXliO7f
立ち込めた黒いガスに周りを見失った。
遠くに輝くのは無数の点
来た道を振り向けば青い星が目に映り
僕は旅立とうとしていた。
この世界の果てでなく、この世界の下でもなく
はるか上へと目指した。
持っていくのは思い出の鉛筆と
写真は・・・やめておこう、どうせ一人で行くんだし。
この世界に興味があった。
果てにも下にも、上にも
でも僕は上を選んだ。ふと見上げた青さが気になったから。
どこまで行くのか、それは僕にも。
ただまっすぐ進み、負けないように鉛筆を見て、
わかるのはもう戻れないこと。
一歩踏み出し止まれずに
疑問は最後にとっといて今は進む。
気がついたら揺れていた。揺れというほどもないけど、
細かに、まるで自分の星の息吹のように
忘れていたあの感触を映して鉛筆を動かして。
遥か先に吸い込まれてゆく
鉛筆の映した すべての原点へ
【コメント】
【得点】 0点
へへへ
570 名前:へへへ 1 [] 投稿日:03/05/20(火) 00:46 ID:lRA/Xmm9
ののなかには なにがあるのか
のを穿ち中を見ると めになる
めはしかし
つかんだ真実をぬと
かくしてしまう
おいこら なにがあったんだと問い詰めても
知りたいかい? ひひひ
とワラわれると 何かもう知りたくもなくなった
あんただって交わる よくあることです
あんなナカのこと 知りたがるなんてバカですよ
ただ交差するだけですよ ハハハ
と笑われると
最初の疑問が干からびて
どうでもいい 感じになった
571 名前:へへへ 2 [] 投稿日:03/05/20(火) 00:49 ID:lRA/Xmm9
ただ
おい
あんたも
穿ってみることはできる
とどこかで言っているような気がしたのは
干からびて
まだ残っている疑問から開放された 生気が
オレのまわりで揺れているのかもしれないが
でも干物はもう
ほしくない
つ^^*うか 干物の生気のナカで
がんばろ
と思ったのだが この
ののなかには 何があるのだろう
のぞいてみようか
これからの
ことだしと思った
なにもないよともう一度 生気の言う声が聞こえそうだが
へへへ
と笑っておこう
【コメント】
【得点】 0点
スラッシュ・ドット・スラッシュ
573 名前:「スラッシュ・ドット・スラッシュ」 1/2 [sage] 投稿日:03/05/20(火) 23:32 ID:xLESavJ/
<html>
<head><title>
スライドしたあとの空
</title></head>
<!--それはスライドするためのものではなく,または止まったままの
どうでもいい空-->
<body>
<h3>その鮮やかな糸の上で</h3>
<p></p>
<p>
いつもそうやってある空を目指していた誰かが<br>
ある雨の日に走って帰ろうとしたことも<br>
見上げた山の近さに忘れられないと叫んで<br>
何も返ってこなかったその寂しさを抱えているなら</p>
<!--実際その風景があったところは背景も何もなく
語られる対象もいつも霧の中にいるような空想である-->
<p>
なぜか雲のなかった今日の青空に向かって<br>
すらりと立ち上がっていた煙突の鮮やかさのように<br>
テンポを速めていく足音を追いかけていったのは</p>
<!--その願いだけ叶えられてしまえばいいと思うのにも関わらず
語り語られる主体という存在をあれだけ過信して人々は饒舌になっているのだが-->
574 名前:「スラッシュ・ドット・スラッシュ」 2/2 [sage] 投稿日:03/05/20(火) 23:33 ID:xLESavJ/
<p>
どの時間を向いても途切れない気持ちの後で<br>
その先だけを見すえるような目の<br>
欠片だけ集めてしまって今日は<br>
もう一度あくびだけをしたのです</p>
<!--その次の朝目覚めて,彼はさっきまで自動筆記されたらしいものを破り捨てた
感傷が明らかに文字に干渉していくその光景を見なかったことに
ある意味で安心を覚えつつも,ちょうどひとりでに歩き出した神輿のような
場違いさと恥ずかしさを今は気づき過ぎてしまった,ということのようだ。-->
<p>
その先にはきっとスライドしてしまった空<br>
散らばる真っ白な糸の向こうの 青い空</p>
<!--以上,ある時点での記憶と引用からの再構成でこのファイルをお送りすることとした。-->
</body>
</html>
<!--なお,このファイルは3日後に自動削除されることとする。アーメン。-->
【コメント】
【得点】 0点
たまごのきみ
575 名前:たまごのきみ(1) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:25 ID:ASGAQFft
(1)
殻は、白くて岩みたい
なのに、その中に
きみがあることを知っている
(2)
白色蛍光灯の下で、きみは
白いお皿の上で、何度もわたしと逢ったことがある
見慣れたきみは、スマイリーみたい
そんな風に
絵に描ける、きみだった
(3)
もっときみを知りたいと思った、何気ないお昼に
殻、そのてっぺんに
手動ドリルで、穴を開けた
チックン、ギルリと、穴を開けた
576 名前:たまごのきみ(2) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:27 ID:ASGAQFft
覗く、と中は
透けた肌のように、意外に明るくて
どろりとろりとした原初のスープに馴染んで
きみがぼんやりと、居もしない魚たちを目で追っていた
わたしはそれを絵のように記憶して
しかしわたしはそれを絵に描けない
それは、きみのぼんやりが
ぼんやり複雑すぎたから
きみの明るさも
きみの哀しみも
きみの誕生も
きみの終焉も
きみの、きみの、きみの数えきれないすべてが
そこにあったから
わたしは、きみに呼びかける
そっから産まれておいでよ
こっちへ、おいでよう
きみは、顔じゅうに目のくっついた蜘蛛の表情で
ボクヲ、知ッテクレルノ?
ボクヲ、ワカッテクレルノ?
ボクヲ、ボクヲ、ボクガココニイル理由ヲ
あっ、黒い
これ、黒い?
577 名前:たまごのきみ(終) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:28 ID:ASGAQFft
静かに蓋を閉めた、私の意識を占領した思いは
クッキーを作る時、どうしてきみだけを使うんだろう?
(4)
なんでもかんでもを、いっぺんに
紙の上に絵の具でスタンプしていったら
最後にはどろどろの、とろとろの黒になる
あれは黒い、ような、きみだった
(5)
きみはスマイリーでいいんだよね
いつも朝食には白いお皿の上で、笑った絵になっていてね
(6)
単純だ、きみで作った、スクランブル
(7)
殻は、宇宙人の置いていった不可思議な
岩みたい
その見えない中に、きみがいつもいる
(0)
どのたまごの中にも、きみがいつもいる
【コメント】
【得点】 0点
無題
581 名前:無題 [] 投稿日:03/05/21(水) 23:10 ID:4sM+qBFl
目を醒ますと やはり 同じ朝
外に出れば やはり 同じ人
夜になれば やはり 同じ一日
ツマラヌ人生と 他人は言う
ツマラヌ奴らと 僕は思い
ツマラヌ自分と 決め付ける
だから 僕は眠る
目を閉じれば そこは 違う夜
夢を見れば そこに あの人
陽が差し込むと やはり 幻
クダラヌ自分と 決めるのは
クダラヌ言い訳 逃避だけ
そんな自分が嫌だから
クダラヌ世界を 飛び越える
だから 僕は会いたい
眼を見れば 僕を 解き放つ
声を聴けば 僕は 蘇る
陽が照らす顔 僕を 生かす
【コメント】
【得点】 0点
見た目とのギャップに悩む者への詩
………………………
『中』ッ!
それは発電機である!
鶏卵の中身は何だッ!!
黄身ッ!!!
否ッ!!
ヒヨコの素である!!
鶏卵の中身は何だッ!!
ヒヨコッ!!!
否ッ!!
黄身である!!
例え同じ中身であっても!
視点が違えば意味が変わるッ!!
一概に言い切ることは不可能ッ!!
そのものの真の意味など無くッ!!
観測者の見解で決定されてしまうッ!!!
俺は自分自身を漢の中の漢と思っているッ!!
しかしッ!
今聞いてる奴の中にいる筈だ!!
俺を三枚目だとか阿呆だとか暑苦しいとか思っている奴がッ!!
ふざ けン なッ!!!!
587 名前:見た目とのギャップに悩む者への詩(2/3) [sage] 投稿日:03/05/22(木) 21:08 ID:SlztF9GK
上っ面しか見えない貴様らには俺の漢らしさはわかるまいッッッ!!!!
しかし人間、物理的に上っ面しか見ることができないのも事実ッ!!
ならば物理的に見せるまでッ!!
人に優しくッ!!時に厳しくッ!!
熱い心とテーマソングを胸にッ!!
俺の漢度を見せてやるわッ!!
貴様も漢らしさを存分にアピールするが良いッ!!
ええいッ!
話 は 最 後 ま で 聞 け ェ ィ ッ ! ! !
四六時中アピールするなぞうざったいわッ!!
俺は選挙カーが嫌いだッ!!!
戦略的不可欠とはいえ非常にやかましいッ!!
誰が貴様なぞに入れるかァッ!!!!
当選するなら格好良く当選しろッ!!
つまりッ!!
内面から光り輝くオーラでッ!!
市民を熱に当ててしまうのよッ!!
真のカリスマなら可能ッ!!
そして漢も然りィッ!!!
真の漢ならばッ!!!
「漢気」が視覚的に見えてくるッ!!
「ダンディ・オーラ」が具現するのだッ!!!
そして奴らは漢らしい行動をごく自然とこなすことができるッ!!
奴らこそジェントルマン紳士ッ!!!
ダンディッ!!
セクシィッ!!
588 名前:見た目とのギャップに悩む者への詩(3/3) [] 投稿日:03/05/22(木) 21:09 ID:SlztF9GK
しかし奴らとて余裕は無いッ!!
オーラを絶やすまいと心の中で必死に発電機をこいでいるのだッ!!
そう!自転車のペダルをこぐと発電するアレだッ!!
どんな誘惑にも負けずにこぐッ!!
苦しいときに薄ら笑いでこぐッ!!
努力無しに漢にはなれんのだッ!!
貴様の中には何があるッ!!
熱い漢の魂かッ!?
全然見えないぞッ!!
思いっきりこぎまくれ!!!
強く早くこげばこぐほどッ!!
貴様のオーラは強く明るく光るッ!!
やれッ!!
空回りしない程度になッ!!
(逆回転で勢いよくこいでも眩しく光るのは秘密だッ!!
俺達の約束だぞっ!!人、それをニヒリズムと言うッ!!)
【コメント】
【得点】 0点
「 」を声にして
590 名前:「 」を声にして [] 投稿日:03/05/22(木) 23:45 ID:gnkq86Pv
彼はしゃべれなかった
意識した言葉は喉元にさえ出かからず
ただ胸の底にある水面を逆さのお椀とさせるのみ
生まれつきだった
イジメにもあった
しかし彼は頭が良かった
この不治の病を治そうと 自らが医師になると 小学校の時分に決めてしまい
背が縮んでしまいそうな勉強の末 みごと名高い医大へと進学した
ここで彼は (陳腐覚悟で)運命としか表現のしようがない女性との出会いを果たしました
そう それがこの私なのです
私もまた彼と同一の境遇で 心拍数を同調させるようにしながら引かれ合ったのです
大学の二年生 落葉樹も恥らうように赤らめる 秋の夕暮れのことでした
それからというもの愛を知った二人は毎日が大火事だった
お互いが初めての恋人で 闇雲に上下に振られ 栓を抜かれた直後のビール
その発泡の勢いが惜しげもなく披露されて テーブルやベッド カーテンなどに浸透していき
次の瞬間には アルコール臭いそれら場所へ火の灯るマッチが幾本も投げ込まれていた
彼は勉強が手につかなくなり
私に至っては 幼年からの趣味であった小説制作だけに従事し
しまいには揃いも揃って単位取り損ね 留年することにまでなってしまった
591 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:45 ID:gnkq86Pv
この日 彼は渦巻きに落ちていた
悪い成績なんか鍵が紛失したような金庫へ閉じ込め 沈没船の宝とともに眠りにつかせていましたが
この非常事態を 鍵のありかを いつも ぼんやり視界の末端に認めていたのでしょう
不真面目だった、当然の報いか 水分をかきわけるように上向き加減で両手が訴えていました
私といえば 彼ほどの痛みはなかった
医大に来て良かったこと それは彼との出会いだけしかなかったから
医大に来た動機は彼と同一でしたが
小説家になりたいという想いがしだいに実りを迎え あと少しで収穫の季節だったのです
喫茶店の客が私たち二人しか存在しなくなるまで 無為に顔だけを突き合わせていました
◇
しばらくして私たちは金銭的な理由でなく同棲し始め
蜂蜜が主食に似た生活を営んでいた
とある日 そのアパートで
私はまたいつものように原稿用紙を別世界へと仕立て上げていました
こんなことは同棲する以前から良くあったことなのですが
医師になる夢から 他の医師の卵たちから 蟻さんと象さんほどの落差を感じてしまったせいだろうか
彼は夢を求める私の隣りで かじるアンパンに羨望という唾液を滲ませていました
また一つ快い音 鳴らし 私が会話部分を 」 で閉めたとき
前触れなく彼が騒ぎ出した
大発見だ、これだこれだ しきりに両手が叫び
もうこれしかない 私の頬へ口づけました
592 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:46 ID:gnkq86Pv
それ以来 彼も作家を志すようになりました
ジャンルは SF だそうです
もちろん主役を彼自身に設定し 名前も本名を使用しています
そして作中の一場面 彼は肉づきの良い声でこう述べます
声を俺のものに、自分のものにしたんだ
だいだい一週間前、近所にある古本屋で『病気が治る本』というのを見つけてね
それを昨日、読了した
そのとき!
本当にすごいんだ、
本の中から 「 と 」 がありったけ脱出してきたんだぜ! 宙で舞い踊るんだ!
そしてさ 「 は俺の頭のてっぺんに、 」 は足の裏にへばりついてきやがる
ひっぺがそうとしても全然ビクともしない、もう俺は錯乱状態だったよ
で、俺はうわーって悲鳴上げてた、そう、声が出たんだよ!
誰か助けてくれーって、俺、しゃべってたんだよ!
これってさ、きっと奇跡だと思う
だって机の上にあったはずの、あの本を探してもどこにも見当たらないんだぜ?
そうとしか言いようがないじゃん
今では私も影響されて 自分自身を小説の中に登場させたりしています
◇
二回目の大学二年生が終わろうとしていた頃
黄色い花びらにくるまれて 私は赤ちゃんを産みました
593 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:47 ID:gnkq86Pv
彼も私も医大を中退し 彼は広告代理店へ就職しました
私は育児に追われる毎日となり 小説どころではなくなりました
彼は彼で仕事が大変そうでしたが よほど作中の自分をしゃべらせるのがおもしろかったのでしょう
処女作という名の産卵のため 河川を逆流する鮭となりながら執筆に励んでいました
とある新人賞の応募も間近に控えていたことも 彼をそう駆り立てた原因かもしれません
しかし
新婚旅行はハワイだとこの頃から決まっていましたが 現在もまだ行けていません
はてさて いつになることやら
◇
我が子が一つ年をとった少しあと
彼の処女作『ひとのさえずり』が最優秀作品に選ばれ 世間から脚光を浴びました
会話部分がとても読みやすい トキの羽毛の柔らかさと色を想起させる優しい文体で
誰にでも親しめるSF小説として評価されたようです
そうなのです 名声というなかなか発することができない声まで 彼の手は掴んだのです
まあでも これはおまけでしかありませんね
そして今日も彼は
開いて
「
言葉を入れて
」
閉めて
彼自身をしゃべらせる
小説に産声を与える
おぎゃあ
594 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:48 ID:gnkq86Pv
私のおなかの中にも赤ちゃんいます
二人目です
彼はまだ知らない
あした教えよっと
彼が書いた小説を何とはなしに手に取る人たち
彼がしゃべれないなんて思わないだろうな なんて思いながら
ずっと好きだから
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【得点】 0点
青い壜の中
595 名前:青い壜の中 [sage] 投稿日:03/05/22(木) 23:57 ID:XLc9OFCb
毛穴から差し込む星のような灯りに
私の体内は青く沈み
濡れた石の手触りの 人の形のがらんどうで
ただ半透明に揺れる昔の犬や 姉や 男 同級生の幽霊の列が 遠くまで続いている
横になって 遠く
鼓動を聞いてた筈の 午後だった
ラベルの剥げ落ちた 青い小壜を抱いて駆ける
ああ やっぱり心臓のかけらも
脳みそもなにもない ただ天窓のように 明るく濡れた
眼球の向こう側に揺れる 日曜日のTV 新婚さんいらっしゃいのそのうしろ
私の窓の中には ガラス製の青い空
白く剥げ落ちた 真昼の月
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【得点】 0点
最終更新:2006年10月25日 18:34