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作品
Green
190 名前:Green[sage] 投稿日:02/08/21 23:17 ID:yYRALlKW
太陽が眩しい
空き地一杯に育ち過ぎた草むらに
映る影
帽子をかぶった僕の姿
隠れるようにしゃがむ
ちょうど掴みやすい草の根元
引っこ抜く
冷ややかな湿り気と
土の香り
ボコとへこんだ土の穴で
慌てまわる蟲たち
ただそれを見て
踏んづける
何度も力一杯
地を均すように
汗だくになりながらも
動くものがなくなるまで
平らな地面
まるでそこだけ禿げたみたい
手に持った草をもう一度埋めて
蟲たちの墓標
手を合わせてお祈り
手が痺れる痛み
草で切り流れる血
青臭く緑に染まった手のひら
ばい菌に侵される恐怖で
泣きながら走り去った
帽子は草むらの中
【コメント】
【得点】 0点
雑草
194 名前:雑草[] 投稿日:02/08/22 09:41 ID:plJvf6q3
誰かの期待に応えて
ここに生えてきたわけではない
俺には
花も咲かなければ実もならないが
最初から決まっていることだ
悲しくはない
誰にも必要とされない俺を
太陽は育て
雨は潤す
神様ってのは気前がいい
平等に生きる権利をくれるのだ
俺は雑草
なんにもない奴ほど
強いのだ
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【得点】 0点
笑う緑
202 名前:笑う緑[sage] 投稿日:02/08/23 12:17 ID:d3p0duqL
目の前で
君の身体に草が生えていく
右手の先から左手の先へ
爪先から徐々に高度を上げて
君は
鬱蒼とした茂みの中へ
ただ呆然と
その様を見つめる僕を見て
君は笑う
しなやかに笑う
生まれたての緑の中で
君は音を鳴らすように揺れる
波を打つように踊る
きみの顔にも草は生えようとする
我に返り
君を緑から取り戻そうとする
かきわけども かきわけども
繁殖は勢いを増して
僕の力は及ばず
君は緑の人に
泣き崩れる僕を見下ろし
君は笑う
声高々に笑う
そして窓の外へ駆けて行った
僕は君を見つけることはできなかった
【コメント】
【得点】 0点
日陰を踏む猫
203 名前:『日陰を踏む猫』[] 投稿日:02/08/23 17:08 ID:i+slcpXE
お前をつかんだ手の中で、お前は激しく身を捩る。
細い身体をくねらせて、
ねじ曲げられた茎と葉は、痛みに涙をにじませる。
花をつけない草だから、お前は日陰に根を張った。
お前の居場所はどこにもない。
だから、お前はどこにも行けない……。
「…なんで、」「…どうして、」
お前は、言った……、
「…やめて、」「…ゆるして、」
――― 理由はないし、やめもしない。
その手はお前をいたぶり続ける。
ただ何となく、お前のことが気に入らないから。
204 名前:203 続き[] 投稿日:02/08/23 17:09 ID:i+slcpXE
お前は切ない叫びを上げて、土の中から引き摺り出される。
母の胸から引き裂かれて、
お前の根から滴る血にも、心を動かす他人などいない。
花をつけない草だから、お前は日陰に根を張った。
お前の居場所はどこにもない。
だから、お前はどこにも行けない……
お前はどこにも行けやしない。
お前はそこで血を流す。誰にも見えない血を流す。
お前の声は届かない。
お前の想いは伝わらない。
そして、その手はいたぶり続ける。
お前のいのちをいたぶり続ける。
たぶんお前が、
死んでしまったそのあとでも……
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【得点】 0点
断ち切られるべきもの
212 名前:断ち切られるべきもの[sage] 投稿日:02/08/24 02:04 ID:oohkSezI
泣いた 跡地に
緑が咲く という状態は
喜ばしいことなのだろうか
いや クレーンの侵食を押さえるほどに
素晴らしいことでは
ないのだろうか?
いくらこの気持ちが晴れようとも
世間や 彼等の家族の 影を背負って
笑顔を作るべきでは
ないのだろうか?
静観を 貪るつもりで
私はただ
ここに 最後のお別れを
述べて去るつもりで
ここに哀愁を残すつもりで居たのに
ここは何を望んだ
私が 過ぎ去った思い出を押し込めたように
彼等が 全てを押し殺し笑顔を作ったように
ここは 懐かしさの匂いを
古ぼけたまま 残そうと?
ああ だがしかし 私はまだ
この気持ちを閉ざすことで
彼等の平穏を祈るしか術を知らず
静かに 夕焼けの混じる風に
手を振り お辞儀をひとつ
小さな声で さよなら と
笑顔の混じった 言葉を一つ飛ばし
草を撫で あの日の想いを紡ぎ
私はぎらぎらしたした都会へ
札束を放り投げに向かう
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まほろばの色
213 名前:まほろばの色[] 投稿日:02/08/24 02:34 ID:aDLSVK0U
首 切られた花は
「ただ」の草
色 失くして草ら
いちめん緑
小さな小さな 草を守って
大きな大きな草が 剣のように
その剣先を折って飛ぶ 小虫の悪戯
咲きかけていた夢も折る
夢 奪われた草は
「ただ」の海
それでもただ立ち 立ちつづけると
海の向こうから 風の訪れ
風はただ海を 越えて飛ぶけれど
いつの間にか 海の上に 穂を開かせて
秋から夏まで 立ちつづけると
麦藁帽子の 少女の訪れ
花のない海の 花のように見え
いつの間にか 憧れてた 草の海たち
それぞれが それぞれの
顔をもち 声をもち
ラララ
花 開いた海は
まほろばの色
214 名前:213[sage] 投稿日:02/08/24 02:42 ID:aDLSVK0U
ごめんなさい訂正です。
2連3行目の「飛ぶ」を「跳ぶ」に訂正します。
よろしくお願いします。
【コメント】
【得点】 0点
草ノ花
215 名前:草ノ花[sage] 投稿日:02/08/24 05:58 ID:LEF/Yk5G
可憐に咲く花ならば
誰かが愛でてもくれるでしょう
清楚に咲く花ならば
誰かが守ってもくれるでしょう
人知れず咲き
可憐でも清楚でもない
小さな花だから
きっと私は
愛しても
守っても
もらえないのでしょう
日溜まりを見送る
小さな物陰で
ひっそりと
咲いています
春だから
それでも
咲いています
諦める事は苦手だから
風に吹かれても
雨に打たれても
ずっとずっと
咲いていようと
思います
私は、咲いていたいと
願うのです
【コメント】
【得点】 0点
草野球
216 名前:草野球(1)[] 投稿日:02/08/24 10:01 ID:cMcidL+L
草野球の
草宇宙
公園
鉄棒の下をくぐり
ファウルチップ
緑帽子の
草剛球投手
草いきれを切るバット
草捕手の股をすり抜け
軟球
ころすたころ
植え込みの茂みまで
217 名前:草野球(2)[] 投稿日:02/08/24 10:02 ID:cMcidL+L
学校
校庭
金属バット
黒いTシャツの
草スラッガー
飛ばすミサイルは
軟球
きんきんぐぉーん
中庭で弾け
ガラスを散らす
草場外ホームラン
草野球の
草宇宙
今でも望めば
公園に
グラウンドに
蘇る
宇宙は
いつでも
待っている
【コメント】
【得点】 0点
最終更新:2006年11月05日 10:53