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作品





落日



ベッドの上あなたが吸ったタバコの火は
パチン

聞こえない音を立てて
灰に隠れた火玉を赤く赤くみせた

真っ赤な夕日だった
太陽はひとつなのに
いくつも顔を持っていて
空のすべてを変えてしまうんだ
当たり前の
それだけの事なのに

私に心の感覚はない
しかし慢性的な身体の痛みは常に
治ってはピリっと裂けた
何度もこじ開けられた足の傷口は
麻痺して慣れようとしている


太陽は眩しくて姿を表さない

私は自分そのものを変えてしまう影響力に
負けてしまいたいとライターをにぎりしめた

気がつくと家は黒煙と共に燃えていた
木や何かがパチンパチンと弾けてる
灼熱とざわめく炎が体を支配したに違いない
私はパジャマ姿で周りには人だかり
養父母は焼け死んだ
何を聞かれても何も言えなかった
そのうち母の介護に疲れた父が
火を付けたんだろう結論に至った
誰も私を疑わなかった
養父は母の愚痴を言い酒ばかり飲んで近所にも喚き散らした
しかし酔った勢いで毎晩私の寝室をこじ開けていたことは
養父と私以外誰も知らない

私は握り締められたシーツのように
我慢するだけだった
肉眼じゃ見えない辛さ
見えないまま底に沈めた
誰もが同情した
葬儀のあと顔を覆った私は静かに微笑む
あれは夕日のせいよ


パチン弾け飛ぶ
食い入るように煙草の火を見つめていた私の体内に宿ったかすかな熱

彼は神妙な面持ちで私を見てた

太陽は沈むとき見えるよね
何?何か見えた?


370 名前:落日(1/3)[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 20:53:12 ID:pXgt1sbU
371 名前:落日(2/3)[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 20:57:16 ID:pXgt1sbU
372 名前:落日(3/3)[sage] 投稿日:2007/02/18(日) 21:11:35 ID:pXgt1sbU


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>370-372 落日
嫌な話だなぁ。乾いた悲哀が救いようのない感じ。

386 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:36:00 ID:YYY60V9C
【1点】
>>370-372 落日        (乾いた痛みに)

393 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 10:43:29 ID:W6E3uGO5
>>370-372
これはまた内容が陰湿で、その陰湿さとは主人公の生い立ちや犯罪にあるのではなく、事件後に
男と暮らしているかのように見える設定が、読み手としては鳥肌が立つような感想を持ちます。
また、「夕日のせいよ」からカミュの異邦人を思い起こさせ、最後の「何が見えた?」からはランボーの
有名な詩を思い出してしまうのも、パロディのような内容ではない以上、マイナスです。

398 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 01:49:26 ID:7pB6n1Vh
>370-372 落日
  陰気が心地良さなど持たないけれど 太陽を描写している箇所と話の筋に流れる熱というか温度が
  加工されすぎていてスッキリしないと思ったよ どこかで読んだことのある言葉のような 折角の話が
  選んだ言葉で台無しになっているよ 雰囲気や流れは目を見張るものがあるというのに
  太陽と煙草という 火の要素同士の虚ろさは不思議と感じ取れました

839 名前:やさしいあくま ◆XhCOJeVipQ [sage] 投稿日:2007/02/25(日) 23:12:14 ID:vrJNQtX+
審査してくださった皆様お疲れ様です。ありがとうございました。
山梁泊レベル高ーー!
僕は 落日 書きました。ニテン。。。
二人でも良いと言ってくれるだけでも有り難い。(涙
似た言葉があるとのことでしたが、両方とも出所は知らないものでしたが
ありきたりという意味で受け取っておきます。
しえん(変換出てこない;)の行方がよかったです。


【得点】 2点
  • シオン ◆poetsyov/2:1点
  • アルペジオ ◆UfM5Clgw1I:1点





カモメ



まさに今の時代のメインストリームといった感じのラヴソングが聞こえてる
電光掲示板に流れる活字をつまみにして物思いに耽るには最良のBGMだ
過剰な程甘くて心を直に掴んでくるようなメロディーの波状攻撃
音楽の質なんて今はどうでもいい、ドラマか何かの主人公にでもなった気分で
悲しげな目線を空中に泳がせる

週末にでも旅行代理店に行こう
カラフルな広告たちを眺めて、世界へのパスをもらうんだ
長方形のセロファンをいじりながらそんなことを考えた
上空にうっすらと見えるカモメみたいな飛行機はどこに向かうのだろうとか
異国の夜に浮かぶ空港の光だとか
緑のバッグを肩に下げた女だとか、ね

次から次へと名乗り出る自殺志願者のようなイメージを
路地裏の湿ったコンクリートを灰皿にして押し消した
夢には結局、出口はなくて
脱獄の計画を練れば練るほど鉄格子は強度を増し
甘ったるい夢の中で終身刑が下される

気が付くと辺りは影に支配され
コンクリートの壁面に無数に切り取られた窓から
なんとなく懐かしい感じのするオレンジの光が漏れていた
空の大半は雨をしこたま蓄えた雲で覆われ
その重たくびしょ濡れの体を引きずりながら南に向かっている
三割ほど開けた部分がありアクリル絵の具のように透き通った青色が覗いている
そしてその青は地平線に近づくにつれて
既に落ちた太陽の残像に焼かれて暖色に変わっていく

しばらくセロファンをいじった後(少しの未練もなく)それを捨てた
週末はもちろん(どうだろうか?)やってくるのだから
縦一直線に並んだ街灯の無機質な光が
飛行機の滑走路のように見えなくもない


374 名前:『カモメ』[sage こっそり] 投稿日:2007/02/19(月) 19:27:56 ID:n6dvUDbF


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>374 『カモメ』
小説の一説のようだ。理屈っぽい感じもするけど、雰囲気がいい感じ。

393 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 10:43:29 ID:W6E3uGO5
>>374
脱出を試みて挫折するというこの板でよく見るストーリーではありますが、最終行が更なるリベンジへの
期待を抱かせて、しかも寸止めで多くを語らない、内に秘めた余韻のようなものがとても秀逸です。
惜しいのは四連で、影に支配されたはずの部屋と窓の位置関係がわかりづらく、最初の影=闇から、
オレンジ→雨雲→青色→暖色と展開していく色の変化が逆に心象をぼやかせてしまっています。1点。

398 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 01:49:26 ID:7pB6n1Vh
>374    『カモメ』
  出だしの五行は魅力的で引き付けられたが イメージの連打で読んでいて混乱してしまいました
  このような意図で書かれた作品であると言うのであれば成功しているのだとも思う
  一定した背景がない分 どうにでも読めてしまうんですが 言葉の運びにセンスを感じました 

833 名前:あぷく ◆CeJ6D/I4qE [イェイ] 投稿日:2007/02/25(日) 11:55:35 ID:xSqo8eYU
オンリィワンポイーーーーーーーーーーーンツッ!!!

『カモメ』を書いた、俺こと僕です。
今回初めての参戦となったわけですが、たった1点と不甲斐ない結果に終わりました。
自分の作品が一番良かった、などということは毎回思うことでありますので気にしておりません。
しかし、今回は特別に悔恨の念が強いようでありますので、今日のこのスッキリ!と晴れた空を
地面にしてポイッと捨て去ってしまおうと思う所存であります。

837 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/25(日) 22:37:05 ID:8lv/C1Ph
>>833-834
その1点を入れたまんこ将軍です。
ただの物語と言われておりますが、実際物語なんですけど、ぜひとも物語と詩の区別を教えていただきたい。
もし「詩情」つまりポエジーなどという抽象的な言葉で腑分けするのならば、何にポエジーを感じるかが人によって
千差万別と予想できる以上、説得力はないと思われます。
しかも付け加えるならばポエジーというものが、詩の愛好家の間ではある種の固定された観念となってしまっている
可能性すらあるのではないか、と私は感じております。つまり昔であれば「もののあはれ」のような王道が、現代では
形を変えて、しかも「もののあはれ」のようには誰もはっきりと断言することもできず、異なる種類のポエジーとやらを
無意識に排除しているのではないか、と。
あとあぶく氏の名前真似るのはださい、と。
自由詩の定義って何でしょう。詩のド素人の私にご教授願いたい、と希望いたしまする。むにゃむにゃ。


【得点】 1点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点





墓前にて




駅前で買った煙草の封を
不器用に破いて
中の一本をつまみ出す
懐かしい香りを鼻先に確かめて
形見のジッポを幾度か弾く

     一人ぼっちの夕暮れに
     静けさを燻らせて
     白いままのフィルターに
     ジリジリと忍び寄る火種を
     ぼんやりと眺めていた
     幼いわたしを
     あなたはひどく叱ったっけ

揺らめく炎に顔を寄せて
父の匂いを一息吸い込む
ほろ苦さに咳き込めば
指先の炎は緩やかに
渦を巻いて流れていく

     思い出なら幾らでもあるのに
     思い出の品に選んだのはこれ
     あなたをベランダに追いやって
     あんなに捨てると脅していたのに
     使いもしない
     オイルを入れて

一服ここに居るから
残りはゆっくりやってください
わたしにはまだ早すぎるみたい
煙草の煙が目にしみる


375 名前:墓前にて[] 投稿日:2007/02/20(火) 21:47:34 ID:RCp3qn3t


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>375 墓前にて
人の臭いって割りと記憶に残るよね。

393 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 10:43:29 ID:W6E3uGO5
>>375
墓前に供える煙草というのは、実にもの悲しいもので、そんな悲しげな雰囲気を見事に描写することに
成功しています。ベランダに追いやられた蛍族の父親、というのはかなりステロタイプな設定で、その辺りの
凡庸さが、この煙草で墓参りという状況自体の使い古され感も含めて損をしている感じは否めませんが、
二連の回想シーンがそれを救っているように読めます。(もし、実話でしたら大変申し訳ありません)
ただ、最後の「煙が目にしみる」はプラターズを思い出してしまうので蛇足のように思います。1点。

399 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03:36:25 ID:7pB6n1Vh
>375  墓前にて
  素直にすんなり読めました 読んだ後すんごく悲しくなってしまったのも 行を追うごとにその絵が
  想像出来たからです よくあるといったら失礼なのですが話としてはありがちなのですが 違和感なしに
  かなしいなぁってわたくしが感じましたので飾らない言葉で素直に綴ったものであると思えたのです


【得点】 2点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点
  • 螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2:1点





お小遣い制度



初めて競馬を見たのが
同期の家で見た皐月賞っていう大きなレースさ
その後ダービーでその馬の単勝をごっそり買ってさ
秋の菊花賞を勝ったら三冠馬って言って
歴史に残る馬になるんだと
それじゃあ見に行こうって初めて競馬場に行ったのが
2003年10月26日
あれは今日よりもっと温かくてもっと寒かった

目の前であと一歩 それあと一歩って
背中を押してあげたくなって
最後力尽きた時のあの目が忘れられなくて
こわくて足が震えるって本当にあるんだね
今日はさ だから今日はさ
違う馬を応援している様に振舞っていたんだけど
アンチ風に振舞っていたんだけど
だめだね今日も同じように温かいのに 寒くなってきたんだ僕だけ
こんなに熱気を帯びているのに また寒くなってきたんだ僕だけ
だから もう我慢ならないから叫んだんだよ
きょとんとしている君を無視して

よかった 本当によかった
今日の馬は輝いていたよ
凄かったねディープインパクト

なあそこの綺麗な奥さん
競馬っていいだろ
だから来週も行きたいから
お金頂戴
ついでにドキドキをおさえる
タバコ代も頂戴



376 名前:お小遣い制度[] 投稿日:2007/02/20(火) 22:01:13 ID:IbtdIsIP


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>376 お小遣い制度
最終連になんでやねんっ、と笑った。競馬が好きなのはよくわかった。
だけど2連目の「君」には違和感が残った。だれ?

394 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 11:35:34 ID:W6E3uGO5
>>376
ディープインパクトってそんなに古かったっけか?と言ってみるものの実は競馬には詳しくないので
その辺りはスルーしちゃいますが、二連の応援風景は臨場感が伝わってくる一級の心理実況となって
おります。四連で愛妻に小遣いをねだる情けない夫、というオチもユーモラスで笑わせてくれます。
ただし、タバコ代も頂戴、で落とすならば、先の二連などにタバコを吸う描写や、タバコに関する記述を
忍ばせておく必要があったとは言えると思います。1点。

396 名前:ゼッケン ◆ZkkenDgUE6 [] 投稿日:2007/02/21(水) 14:10:03 ID:aZn2wNoX
1点
>376 :お小遣い制度
オチがかわいい。

399 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03:36:25 ID:7pB6n1Vh
>376  お小遣い制度
  女のわたくしから見ますと 趣味の場所に強引に連れてく熱い男は好きですけど 最後の「綺麗な奥さん」
  なんていう下手くそなゴマすりは許せませんわ 競馬場で無視されるのも嫌ですわ でも読みやすく楽しかった

402 名前: ◆OPBYKkBBNQ [] 投稿日:2007/02/23(金) 16:42:36 ID:fLYHaLqJ
>>376お小遣制度

テンポいい語り口と、最終連の《ついでにドキドキをおさえる》が可愛いなぁ。
ああ、すべては競馬の為なのね…。

814 名前:Lights[] 投稿日:2007/02/24(土) 01:54:03 ID:/x5biUrZ
ちなみに、「お小遣い制度」を書きました。
お読み下さった方々、点数を入れて下さった方々、本当にありがとうございました。

ちなみに、前回は「消えない」を書きました。
私の書き方が悪かったのか、しっかり伝わっていないみたいで、残念、反省ですね。


【得点】 3点
  • まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk:1点
  • ゼッケン ◆ZkkenDgUE6:1点
  • ◆OPBYKkBBNQ:1点





君と煙草と灰




深呼吸をするように君は煙草を吸う
そのひと時が何よりも愛おしそうに見える
白い肌が紫煙を吸い込むたびに赤みを帯びていく
血管の中まで君が汚染されていくようで
僕はもう止めろよと怒鳴り
その度に君は黙った
その沈黙の間ですら君は煙草を止められない

前に一度だけ 本当に一度だけ
言葉を返してきた事がある
「私にとって煙草を吸っていない時間は現実に思えないの」
ひどい台詞にうんざりした僕を悲しそうに君は見つめ
それ以来気まずい沈黙を選ぶようになった

君とのキスはまるでホラー映画みたいに
柔らかくて肉厚な唇に触れると突然 喉を焼くような煙草の匂い
世界中のどんな香水をもってしても
長い年月をかけて染みこんだ煙草の匂いは消せないだろう



ある日
レントゲン写真に死の刻印が映し出され
君の未来に突然絶望の幕が降ろされてしまった
だからあれほど言ったじゃないか なんて言わなかった
それはもう意味を失った言葉だから


”煙草を止めないといつかこうなる事は分かっていた
  だけど煙草を止めようと努力する度に
  地獄の悪魔がこの身を業火で燻り続けるの
  涙を流して耐えても耐えても 身を焼く炎は強さを果てしなく増すばかりなの 
  そして仮にその苦しみから逃れる事が出来たとして
  煙草を失った私の人生がどれだけ続いても
  きっと私は失われた感覚を追い求めて空虚に彷徨うだけなの
  私と煙草は 心臓と血なのよ”


隅々まで洗われたように清潔な病室で君は最後の煙草を吸う
医者からも止めなくていいと言われていた
煙草が燃え続け先端から灰に変わっていくのを見ているうちに
口の中に恐ろしく苦いものが込み上げて吐き出しそうになった
君は身じろぎせずに静かに煙草を吸い続けた
君の命を蝕んだその毒を愛おしそうに肺に送り続ける
二度と来る事のない場所の空気を目一杯吸い込むように
「お別れね」灰を見つめながら君は言う
本当に見なきゃいけないものから目を逸らす君の癖は最後まで変わらない

君を殺した煙草を僕は吸うようになった
骨のように白く細長い先端を静かに燃やし 無言で自分の体を煙で燻り続ける
いくら吸っても僕には何も分からない
君の気持ちすら何一つとして
煙草が全てを灰に変えてしまったんだ

煙草が燃え尽きていくのを見つめながら
その束の間だけ失われた場所が蘇る
煙草の煙が君の唇の記憶を僕に与えてくれる
嫌いだった君の匂いに包まれて
口の中に広がる苦味をゆっくりと噛み締める

一本の煙草が燃え尽きる度 一つの世界が消えてしまう
そして新しい一本を燃やすと その世界は蘇る
僕は死ぬまで煙草を止められないだろう
止めるつもりも無い



378 名前:「君と煙草と灰(1/3)」[age] 投稿日:2007/02/20(火) 22:51:36 ID:YZVVONFT
379 名前:「君と煙草と灰(2/3)」[age] 投稿日:2007/02/20(火) 22:52:09 ID:YZVVONFT
380 名前:「君と煙草と灰(3/3)」[age] 投稿日:2007/02/20(火) 22:53:49 ID:YZVVONFT


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>378-380 「君と煙草と灰」
不思議な迫力というか現実感があって、やるせない気分になる。
この詩を読んで煙草なんか吸うもんかと思わせられるんだけど、
「僕」が死ぬまで吸い続けるのも納得できる。

386 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:36:00 ID:YYY60V9C
【3点】
>>378-380 「君と煙草と灰」 (作中に引き込まれたので)

394 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 11:35:34 ID:W6E3uGO5
>>378-380
煙草を吸わない男と吸う女、という設定が珍しいと思ったのですが、読み進めると特にそれら性差については
関係ないらしく、少し肩すかしです。何よりもこの作品は描写や台詞がことごとく失敗しているように思えるので
肝心な、なぜ女は煙草をそこまで愛したのか、また、女の言う「現実」「心臓と血」とは何なのか、がまったく
示されていないのでリアリティがほとんど消失しています。これらは先の「現実に思えない」と語った台詞部分で
きっちりと女に説明させるか、煙草を吸い続けるやむなき意志の後ろ盾となる記述がなければ意味がわかりません。
もしその理由が五連の台詞部分に垣間見れる単なるニコチン中毒という話であれば、これほど陳腐なお涙頂戴劇も
珍しいわけで、テレビのメロドラマ以下の脚本ということになります。そして後半の残された男が、あれほど嫌いだった
煙草を吸い続けるという宣言もまったく意味がわからず、途方に暮れます。ホラー映画とまで嫌悪していた理由も
示されないまま、女が死んだからといって、そのホラー映画のキスを思い出すために吸うというのでしょうか。
嫌いな煙草を一本だけ、初めて吸ってみた、というラストならまだしも、吸い続けると決心する理由が皆目わからかず、
これがもし「彼女を本当に愛していたから」のような定番であったなら、今度は逆にその彼女の嗜好品を毛嫌いしていた
こと自体に矛盾が生じます。やはり、この作品では一番肝心な部分が最初から破綻しているのだと思いました。

399 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03:36:25 ID:7pB6n1Vh
>378-380 「君と煙草と灰」
  肝心な部分が描かれていないと読後思いました 恋人同士でもわりと関係が浅いと読めてしまって
  死を扱う話であるのに主人公の男性に疑問しか残らなかったんです 精神的なつながりが深ければ
  台詞がもう少し感情的な色合いが濃くなるような気がするし たとえ体に悪い煙草であっても吸う女がいて
  病死する運命を書くのであれば とくに男側から行為を描写するのならば 死のきっかけにより
  煙草を吸うその思惑が軽々しく映ってしまう 彼女に対する感情的な行為とはとれませんでした


836 名前:名前はいらない[age] 投稿日:2007/02/25(日) 22:06:15 ID:oY/pyaND
「君と煙草と灰」を書きました。
自分の中には「僕」と「君」のイメージが明確だったのですが、
作品の中に表現できていなかったのですね。
人にこれだけ伝わらなかったのは私の未熟さ以外の何者でもないです。

評を書いてくれた方への御礼

シオンさん 他の方から酷評の嵐だったこの詩に3点もくださって、この作品にも少しはいい所があったのかなと救われた気持ちになりました。
まんこ将軍さん 手厳しいお言葉、痛み入ります。陳腐さは意図的なものでしたが、それを武器に出来なければ本当に陳腐なだけですね。正直ぼろくそに書かれて悔しいので、次回も参加してお題を出したまんこ将軍から点を貰ってやろうと思います。
竹輪さん まんこ将軍と同じ指摘をされて、優しい口調が逆にぐさりと来ました。全否定されて悔しいのでお題「竹輪」で竹輪さんを呻らせる様な作品を書いて点を貰ってやろうと思います。

アルベジオさんの評も楽しみにしています。

838 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/25(日) 22:42:29 ID:8lv/C1Ph
>>836
その節は酷評してしまいましたまんこ将軍です。しかしつい長々と自分の中の違和感を書き連ねたくなるような、
読み手にとってもなんか悔しい作品であったことは確かで、そうでなければあんな本気の評は私は書きませんです。
言い訳じゃなく、絶賛と酷評は評価する側に回ると同じエネルギー使うのは自明の理で、それだけのエネルギーを
引き出した作品とでも考えてくれたら嬉しいどす。
まあ、そんなことよりもですね、あれだけ書いたら名乗り出てくれないと思ったのに、こうしてリベンジの野望も高らかに
宣言して、宣戦布告して貰えることが一番感激ですね。
梁山泊とは名ばかりでちっとも猛者同士の切磋琢磨みたいの、なかったし。むにむに。


【得点】 3点
  • シオン ◆poetsyov/2:3点





吸いさしの煙草



たとえばさ、そこは荒野なのよ
木は枯れて枝を切れ切れに散らばらせ
あとは岩が切り立っているだけの荒野
その真ん中には琥珀色の灰皿が置かれていて
吸いさしの煙草が一本
ほそい煙をのぼらせているの
そんな風景があるのよ、あたしの中にはね
煙草はいずれ燃えつきるんだろうけど
煙は今でもおだやかに立ちのぼっているわ
煙草を吸っていた人がいなくなったのはつい先程のようにね
時々思い浮かべるのよ
いなくなった人が帰ってきて煙草をくわえる姿を
その人は何事もなかったように
燃えさしの煙草を人差し指と中指の間にはさんで口元へとはこぶの
途端に煙草の火はぱあっと燃えあがるのよ
夢だけどね
馬鹿な夢よ
いつ風が吹いて煙草の火が枯木に燃え移って崩れるかもしれない夢の風景

そう言ってくわえ煙草の女はくすりと笑った
煙草からはほそい煙だけが立ちのぼっている


381 名前:吸いさしの煙草[] 投稿日:2007/02/20(火) 23:53:54 ID:zU72R8RD


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>381 吸いさしの煙草
粋なお姉さんだなぁ。その煙草つまみ食いしたくなるような。
でも絶対に触らせないんだろうな、その人にしか。と想像が広がった。

386 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:36:00 ID:YYY60V9C
【2点】
>>381    吸いさしの煙草 (香る艶に)

395 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 12:06:25 ID:W6E3uGO5
>>381
一連の女性の台詞は本人が馬鹿な夢と語っているように、他人には伝わりにくく、しかも決して幻想的とも言えない、
起伏も平坦な風景に過ぎないのですが、これを受けた二連で女が「くすりと」笑う箇所を読むと、これから物語が動き出す
予感にわくわくしてしまいます。しかし残念ながらここで終了してしまうわけで、これはぜひともこの続きを作者に書いて
もらって、一連部分の謎解きや女の目の前にいるはずの主人公の返答なども読みたいというのが偽らざる感想であります。

399 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03:36:25 ID:7pB6n1Vh
>381  吸いさしの煙草
  たとえばから始まるのではなく たとえばで終わっていたほうが良かったかもしれないって思いました
  始まりの予感がする作品なので こういったじれったい書き方よりもう少し読みたかったな

832 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2007/02/24(土) 17:41:20 ID:CbOQELOH
皆さん、お疲れ&ありがとうございました。
『吸いさしの煙草』を書きました。
『紫煙の行方』を読んで、審査に参加したくて締切ギリギリになんとか書いたような代物で、ほんとすみません。
あの後の展開は白紙のままです。こらっ!
シオンさんには点いただきまして、どもどもです。
まんこ将軍、お目出度う御座りまする。畏み畏み。

837 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/25(日) 22:37:05 ID:8lv/C1Ph
>>832
あぶく氏のツボも幅が広くて予想外でしたが、古くから一目置いてる人に誉められるのは嬉しいどす。
あの後の展開、ぜひ連載小説として高級日焼けサロン要求スレあたりで、ぜひ。


【得点】 2点
  • シオン ◆poetsyov/2:2点





路上喫煙禁止区域




ノッポな六面体のアブラナ畑が光る
印刷された権利を一枚と
鋳造された自由を何枚かで
ハチノコ養子縁組を契約する

自由と権利の曙で肺を焼く働き蜂は教育に手を焼き恋に胸を焼く
  思春期のハチノコは800℃で燻ぶる
働き蜂はプレス板金のレンゲに集まり花粉と情報を交換する
  手の平の上のハチノコは言葉も自意識も過剰になる
雄と雌の社交術と念仏が肺の白煙を成仏させる
  成人したハチノコはレンゲの中に放り込まれる

レンゲの底には地獄が熟睡している
解剖してみるに
蜜と遺灰でココアのような湖 湖の上に腰を下ろす時間の底で熟睡し
無数の 沈められたハチノコが 暗い暗いと喘いでいる

働き蜂は交尾を終えると
自由と権利を胸に 次のレンゲに飛んで行く


382 名前:路上喫煙禁止区域[sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:00:02 ID:4DJy4Ypk


【コメント】

385 名前:シオン ◆poetsyov/2 [sage] 投稿日:2007/02/21(水) 00:33:46 ID:YYY60V9C
>>382 路上喫煙禁止区域
ごめん、意味が分からない。

395 名前:まんこ└将軍 ◆UQRl.WeFEk [] 投稿日:2007/02/21(水) 12:06:25 ID:W6E3uGO5
>>382
自由と権利という硬い単語とタイトルを合わせて考えると、これは喫煙の自由と嫌煙の権利との争いを、複雑なメタファーに
託して語ったものかもしれません。あるいは雄と雌と蜂の子が出てくるところから、喫煙問題に限らない、現代社会の家族と
社会との関わりをミツバチに喩えた寓話なのかもしれません。しかし働き蜂はすべて雌ですし、交尾するのは女王蜂だけで、
蜂の社会と人間の社会を重ね合わせるのは難しいです。

399 名前:螺旋┘竹輪 ◆FCwxSNTwx2 [] 投稿日:2007/02/22(木) 03:36:25 ID:7pB6n1Vh
>382  路上喫煙禁止区域
  アブラナが出てきてレンゲが出てくるので 意味があるのかなと思って読み進めてもアブラナは出てこない
  のでその辺からして訳がわからなかったんですが 稲の裏作のレンゲ草を登場させて蜂蜜採集する
  働き蜂を人間の“雄”として書きたかった意図は汲み取れるのですが 設定がはちゃめちゃで矛盾に笑えました
  でも 働き蜂の宿命と喫煙問題を取り合わせたのは非常に面白い試みと思いました



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最終更新:2007年02月27日 20:31