『ペルソナQ2』の主な問題点



システム・戦闘・設定面

  • 前作と比べて大幅にパズル要素が削られ、単調化した一本道のダンジョン。大体の階層はF.O.Eを避けて進んでいれば踏破できる難易度。F.O.Eや迷宮のデザイン自体もチープで、一向に変わり映えがしない。
  • 前作で批判されたSPコストの重さと物理優遇は据え置き。ハマムドゲーはやや改善されている。
  • ギミックを強制され、ストレスしか溜まらない迷宮ボス戦。前作では取り巻きを落とすと攻略が楽になるギミックが多かったが、今作は取り巻きを落とす事で戦闘終了になったり、演出としてボスに止めを刺せない爽快感に欠ける戦闘が多い。第3シアターのボスに至っては体力を削り切っても仕様上決して戦闘終了にはならず、大ダメージを与えても何度も回復を繰り返され、20ターン近くかかる攻略ギミックに付き合わされるというただのストレステスト。2周目ですら力技で攻略させてもらえない有様である。
  • とても原作をプレイして制作したとは思えない設定ミスや、キャラ同士の呼称のブレが目立つ。→詳しくは設定面の食い違い
  • BGMのランダム再生機能が全く意味をなしていない(アップデートで修正予定との告知あり)、レベルがカンストするとイケニエ合体でスキルを継承できなくなる、戦闘中にフリーズ報告が多々ある等、バグやシステム面でのミスが多い。
  • 前作と比べ、マップの線が引きにくくなっている。
  • 迷宮に潜る度に5秒ほどの上映開始演出が毎回流れる。スキップも不可。
  • スポットで採集できるアイテムの中に、今作で新たに「鑑定物」が追加。ショップで鑑定料を支払い、鑑定してもらえばアクセサリーとして使用できるようになるシステムだが、一括で鑑定してもらう事ができず、一つ一つ手動でアクセサリー化しなければならない(しかも演出もスキップできず、一つにつき3秒ほどかかる)。
  • 進化したUIを謳ってはいるが、スキルの並べ替えができない、戦闘中のコマンドがダイレクトコマンド化し前作よりも分かりにくい、サブペルソナの付け替えが不便と、不満点が多い。
  • 前作ではパーティキャラ限定で発生した「追撃」システムが、今作ではパーティ外のキャラのみに変更。好きなキャラクターの追撃を見たければ、そのキャラをパーティから外さなければならなくなった。その追撃自体の発生率も決して高いとは言えず、抽選率を考えると、加入が後半となるP3勢の追撃を見るのはかなり難しくなる。



シナリオ

  • メインキャラクターの加入がとにかく遅い。全員が加入するのは第3迷宮中盤。その間何度も同じような自己紹介やコードネームネタを繰り返すばかりで、立場の違う者同士が踏み込んだ話をするシーンが描かれる事はない。
  • テーマは個性が大事の一辺倒。同調圧力や価値観の押し付けを否定しておきながら、自分達が敵にそれを押し付けるという矛盾したシナリオ。また、怪盗団一行に加わったメインキャラクター達が集団の意見に異を唱えたり、対立する事はない。不気味なほどに主義主張が一致団結している。
  • 思わせぶりな事前情報や重要そうなエピソードは蓋を開けてみれば全て茶番。「詳細はネタバレになるため伏せる」と発売前の開発者インタビューで語られた一部のエピソードに至っては作中で一切描かれる事がなく、もはや宣伝詐欺に近い。
  • 既存作のキャラクターと関連付けるような迷宮ゲストキャラが登場するが、似ているのはガワだけで特に深い意味や関連性は無い。第二迷宮まではガワが同じ理由が説明されたが、第三迷宮ではその説明すら無くなる。
  • シナリオ展開は前作の焼き直し。それどころか捻りがあるわけでもなくむしろ大幅に劣化、前作を超えられたとは到底言い難いクオリティ。
  • 説明や描写、辻褄合わせが面倒そうな部分はキャラクターに「ここでは意味の無い事は起こらない」「お互いに言葉の要らない関係だ」と言わせる事で回避。ペルソナ使いが集められた理由、各迷宮の隠された意味など前作ではしっかり説明されていた事は、今作は全て丸投げで終わる。
  • ターン制と揶揄されるキャラクター達の会話形式。同じような内容を別々のキャラが繰り返したり、一つの事を数人のキャラで分けて喋ったりと、個性の感じられない会話が続く。そのキャラだからこそ言える台詞、そのキャラ同士だからこそ意味のあるやりとりが少ない。結果、ペルソナ使い一行の意見や主張は終始不気味なほどに一致してしまっている。



キャラクター

  • キャラの活躍の格差が大きすぎる。メインは『ペルソナ5』と謳っていたにも関わらず、実際はP3P女性主人公にばかり焦点を当てた展開。作中では彼女の活躍シーンが目立ち、一人だけ新規衣装のポリゴングラフィックを用意される、EDの描き下ろしやユニゾンの数も突出して多いと優遇に余念がない。また、他のキャラクターは怪盗団やゲストヒロインも含めてP3P女性主人公を何かと持ち上げ、慰める舞台装置と化す。持ち上げ役に回らないキャラは、例えシリーズ主人公だろうが容赦なく空気化。
  • 人格や言動に突っ込み所満載の原作キャラクター達。相手が嫌がったり恥ずかしく思っている個人情報を初対面時に平気で暴露するP3P女性主人公、敵意も何も露わにしていなかった怪盗団に問答無用で襲い掛かりP5主人公と斬り合った上、「威嚇のつもりだった」と言い訳し解毒剤を持っていないか尋ねるP4主人公一行、仲間が危機的状況に陥っているのを知りながら呑気にコードネームネタで盛り上がるペルソナ使い一行、自分達の本来のリーダーを放置で別世界の女リーダーをべた褒めし、新たな絆を築く特別課外活動部など。
  • 中盤までメインキャラに関わる事がなく、自己主張の強い性格でもないため空気化の一途を辿るゲストヒロイン。スポットが当たったのは第四迷宮とラストダンジョンのみ。
  • 意外性も何もない終盤の展開及びラスボスの正体。
  • 前作では豊富だった戦闘ボイスが今作では失われている。戦闘開始時のシャドウへのコメント、仲間同士の掛け合い、状態異常時のボイス等大幅に削られている。辛うじてあるキャラ同士の掛け合いは「いいぞ、○○!」のような捻りのない汎用台詞ばかり。



グラフィック面

  • 一部のキャラクターの立ち絵が原作の設定画と異なる。真田のベストの合わせ目が逆、P3P女性主人公がMP3プレイヤーをネックストラップで身に着けている(正しくはクリップで服に固定)等、単純に今作のデザイナーが原作のデザインを把握していないだけとしか思えないものばかり。また、公式サイトやゲーム内アニメではP3主人公の腕章が描き忘れられており、特に修正もされていない。
  • 迷宮内では怪盗団は怪盗衣装に変わる設定だが、第2シアターで祐介が制服姿のままのシーンがある。
  • 前作のオープニング映像はP3キャラとP4キャラが交流したり共闘するシーンが多く、クロスオーバーらしさが感じられたが、今作はP5主人公以外全員ほぼ棒立ち。P3~P5キャラが顔を合わせるシーンすら無い。暗い部屋で立ちすくむP3P女性主人公、落下するP5主人公を見下ろす明智など意味深なカットはあったが、本編でそのようなシーンは存在しない。



広報・開発

  • 自社商品やキャラクターの扱いが雑。P3主人公をP3男性主人公、P3P女性主人公をP3女性主人公と表記するなど、主人公の名称表記すら統一できていない。
  • メインであるP5勢よりもP3P女性主人公一人を過剰に押し出した宣伝内容。各キャラクターの紹介PVはもちろん、ゲームシステム紹介動画でも彼女の姿が無い事の方が少ない。プロデューサーとディレクターの開発者インタビューでも、P5勢そっちのけでP3P女性主人公の話題ばかり(公式関係者インタビューを参照)。
  • また発売前、ディレクターの藍原氏のものと思われるフェイスブックの個人アカウントのヘッダーがP3P女性主人公のカットインに変更されている事が判明した。
  • 「実機プレイでパーティに入れてほしいキャラクター投票」と称し、ツイッター上でPQ2参戦キャラクターの人気投票を行う(→ペルソナチャンネル投票ページ)。しかし実際のプレイ動画では投票結果と異なり、6位のP5主人公を編成させるために4位の陽介がパーティから外されてしまう。しかも投票結果は最下位まで発表され、公式自らが公開処刑を行った最悪の人気投票となった。
  • 上記の人気投票で不評を買ったにもかかわらず、またしても同じ投票形式で今度は「ペルソナ3・4・5の名シーン人気投票」を行う(→公式キャンペーンページ)。一度の投票で終了した前回とは異なり、今回はファンに思い思いの名シーンをツイッター上で投票させ、公式がその中からいくつか選出し、選ばれた中から更にファンが投票するという大変回りくどい方法。おまけにキャンペーンサイトでは『ペルソナ3』のシーンで『P3P』のスクリーンショットを使用されていたり、「ペルソナ3男性主人公」表記だったりと全てにおいて雑。選出シーンも偏りがあり、作品における重大なネタバレになろうがお構いなし。
  • 告知ミスやキャラクターの贔屓が目立つツイッター広報。関連グッズの告知はろくに行わないが、他社との企画や関連情報については積極的にpostする。また、発売直前特番の告知を行う際に、誤って無関係な一般人の生放送ページをツイートしてしまうミスもあった。
  • キャラクター人気投票の時には広報の顔であるモルガナになりきり、杏への投票を公式ツイッターアカウントで個人的に行う。RTも票としてカウントされる仕様である事を考えると公平性に欠ける行動としか言いようがなく、ファンから不評を買った。
  • シリーズ恒例となる終盤シナリオのネタバレ自粛のお願いが発表されたが、実際の内容はネタバレを禁止するほどの展開ではなく、雑なシナリオを隠したいだけとしか思えない。
最終更新:2024年06月26日 20:21