[Chapter 23] ギコ

もう一度、この世界に帰ってきた。
偽りの街――ナイトメアシティに。

しぃを救い出すために。
みんなを守るために。

夜になったナイトメアシティはさらに荒れていた。所々で炎も出ている。
とりあえずまずはしぃを探そう。
AIたちの大量虐殺を止めるには、まだ時間はある。
それに5つ目のAIとは一体誰なのか…
俺はとりあえず広場に向かった。

【残りAI 5】



[Chapter 24] おにぎり

ついに捕まってしまった。
今まで精一杯逃げては来たが、軽トラのガス欠に加えて1が足を挫いたため、逃げ切ることはできなかった。
逃げている途中、流石兄弟から電話があった。
どうやら俺達を追いかけていたのは八頭身という名のAIだったようだ。

ビルの上、八頭身3人が光る鞭を構えて迫ってくる。
「遊びは終わりだよ…君たちには残念だけど」
「待った!!」
突如として誰かが叫んだ。
レモナだ。ネーノとしょぼんもいる。
彼らは確か体術を心得ていたはずだ。
ネーノは広い性格の割には何故か喧嘩に詳しい。
しょぼんは空手をやっているし、レモナは少林寺拳法だ。
ビルから八頭身が落ちていく。

「ふう…八頭身だけでもやっつけられてよかった」
「ありがとうな、みんな」
「でもまだ安心は出来ないかな…流石兄弟がつーやモナーと戦ってる」

【残りAI 4】



[Chapter 25] ギコ

寂れた広場。ここもかなり荒れていた。
誰もいないはずだが、そこに人影があった。

「ギコ…くん?」
「しぃ、か」
しぃは広場の真ん中にある木が植えているところの縁にうつむいて座っていた。
「何で…?どうやって帰ってきたの?」
「再進入に成功したんだゴルァ。みんなを助けるためにな」
「…」
「さあ、早くここから出るぞゴルァ」
「だから…私は行けないの…」
「何でだ」
「…だって…私…」

誰か来る。
「ギコ。そいつから離れろ」
フサギコだ。

「そいつが5つ目のAIだ」



[Chapter 26] 兄者

ひたすら銃を構える。
向こうからつーとモナーがやって来る。

夕方、ハッキングが出来た時に分かった情報だ。
AIは全部で5つある。コードネームは順にMo-Ra、Mo-Na、8、2、Cと言う。
その中で、Cはいまだ被験者に危害を加えていないという。
また、AI達はそれぞれを独自に付けた名前で呼んでいた。
順にモララー、モナー、八頭身、つー、しぃ。
「つーの奴生きてたのか」
「ふむ…危害を加えない奴もいるのか」
「だがそいつもいずれ攻撃してくる可能性も捨てきれないな」
次に、AI達は専用の武器を所持している。
それは普段はどこにもなく、攻撃する時のみどこからともなく出せるのだという。
共通しているのは、全て武器が光っている、ということである。
「だからつーはあんなに短剣を出せたのだな」
「光っていればそいつは間違いなくAIと見ていいんだな」
そして、ついでに判明したことがある。
AIは街の制御を管理している。
そのAIが居なくなると、街は制御できなくなり、夢もろとも消失してしまうのだという。
「…裏を返せばAIを倒すと俺らは戻れるんだな」
「だがそれなりにリスクも高くつく」
「…賭けだ。AIを倒しに行くぞ」

そして今。
車も通らない高速道路の上。
「まだ生きてる奴がいたのかモナ」
「コンドコソコロシテヤル!」
弟者と妹者も銃を構えて撃ちまくる。


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最終更新:2012年09月04日 21:43