[Chapter 27] ギコ

「…何言ってるんだゴルァ」
信じられなかった。
しぃがAIだなんて…
「管理ID、S4169iC。コードネーム、C…」
「どうしてそれを…」
しぃがまたうつむく。
「兄者が研究所のPCにハッキングしたんだ。それで得られた情報だ。元が元だけに情報は間違っていない」
「…嘘だろ」
「そしてAIの武器は全部光っている。俺はそいつから光る弓矢が出てくるのを見たんだ」
「…」
しばしの沈黙があたりを包み込む。

「…どうして言ってくれなかったんだゴルァ」
「…言えなかった。どうしても言えなかったの。…自分でも分からないけど、何でか言えなかった」
「…」
「私はAI。いずれ私もみんなによって倒されてしまう。だから…」
「だから…?」
「…!」
しぃが何かを感じとった。



[Chapter 28] 兄者

つーが短剣を投げてくる。得意技だ。
俺達3人とも見事ヒットした。いずれも肩だ。
「アヒャヒャ!トドメヲサシテヤル!」
「…負けないのじゃー!」
妹者がもう一度銃を向ける。
それが、見事につーにヒットした。
しかし。
「そこまでモナよ!」
モナーが妹者に飛びかかる。
顔を伏せる妹者。

モナーが空中で爆発した。
とっさに後ろを振り返ると、ネーノが大きな銃を構えていた。しょぼん、毒男、ヒッキーもいる。
「ミサイル銃だよ」
しょぼんが話す。
聞くところによると、彼らがここに来る間、ジエンが何かを発見したようで、

「ハケーン!ブキハケーン!」
「これは…ミサイル銃かな。結構錆びてる」
「改造した方がいいんじゃネーノ」
しょぼんは機械や改造が得意だ。
「うーん…改造したらまだ使えるかな」

ということで、その錆びた銃を使えるまでに改造させ、今使ってみた、ということである。
「威力は、まあまあってところかな」

【残りAI 2】



[Chapter 29] しぃ

気配を感じる。
かなり向こうの方だけれど、モララーが剣を構えてこっちに向かっている。

「…だから私は、倒されるまでギコくんを守るって決めたの!」
弓矢を出す。
初めてこの力を見るギコくんはとても驚いていた。

私が作り出せる限り矢を出す。
矢を作っては、モララーに向けて飛ばす。
それでも、モララーは確実にこっちに向かっている。
矢をうまく避けている。
それを見たギコくんは、どこからともなく剣を出してきた。
「しぃ、俺が行く!」

…アクアブレイカーだ。
あの橋の上で見た剣だ。
この街ではアクアブレイカーは「真の正義」にこの剣が渡されるとされる。
それをギコくんは手に入れていたのだ。

モララーの剣とギコくんの剣でつば迫り合いになる。
「一度逃げた奴がまた帰ってくるとはな」
「帰ってくるなっていう法律なんてどこにあるんだゴルァ」


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最終更新:2012年08月02日 14:52