[Chapter 30] ギコ

モララーとの対決は熾烈を極めた。
地上を走り、ビルを走り、剣と剣が合わさる。
そして空中へと舞台は変わる。

俺は剣を振り上げる。
そして振り下ろした、と思ったらそこにいたはずのモララーが居ない。
後ろに回ったのだ。
慌てて振り返る。
不敵な笑みを浮かべるモララー。
「危ない!」
響くしぃの声。

俺は地上にたたき落とされた。
「…っ」
叩き付けられた衝撃で体が動かない。
「さらばだ!」
モララーが剣を落としてくる。目をつむる。
もうここまでか。
俺はどうせ消えゆく存在なのだ。
そう思った。
しかし。

目を開ける。
そこにはしぃがいた。
しぃが自分を犠牲にして俺を守ろうとしたのだ。



[Chapter 31] しぃ

私の背中にモララーの剣が刺さる。
「ギコくん…ありがとう…」
私は力尽きた。
私の体が水色に光る珠になる。
「しぃ…」
ギコくんは泣いていた。

邪魔者のいなくなったモララーは歓喜の声をあげる。
そして暗かった夜の空を紅く染め上げる。
まるで血のような色で。
フサギコさんはただそれを見ていた。

私の珠がギコくんの手元に入る。
ギコくんはそれを握りしめた。

【残りAI 1】



[Chapter 32] ギコ

まばゆい光を放つ。
俺の体がもとの人間の姿に近くなった。猫耳と尻尾は依然として生えているが。
しぃの水色の珠は、水色に光る剣となった。
「モララー…しぃの仇をとってやる!」



[Intermisson 4] 研究者たち

「博士…Cが…」
「うむ…しかし儀古君がやられん限りはまだ望みはある」
「しかし生き残っているのはもう143人しか居ません」
「いいから続けるのだ!Mo-Raの戦闘能力値を引き下げるのだ!」
「…分かりました!今すぐ設定します!」


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最終更新:2012年08月02日 15:41