変態に縁のある女 ◆jVERyrq1dU
「冗談じゃないわよ!」
ヒナギクは圭一を睨みつけ、怒気を孕んだ声で罵る。
ヒナギクは圭一を睨みつけ、怒気を孕んだ声で罵る。
「あ……いやいやそんな悪いものじゃないって!君みたいな綺麗な人ならいいメイドに」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!!」
ヒナギクは耳を押さえて蹲ってしまった。
これにはさすがの圭一も焦る。メイドに偏見があるのか?
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさーい!!」
ヒナギクは耳を押さえて蹲ってしまった。
これにはさすがの圭一も焦る。メイドに偏見があるのか?
ヒナギクの立場としては嫌になるのも当然。
つい数時間前までは、覚悟君やかがみ達と共に精一杯闘っていたというのに、唐突にリスタートとした殺し合いで変態に絡まれる始末。
何かがおかしい。高所から転落してから、確実に何かが狂ってしまった。
前回の殺し合いとはまた別の種類の絶望が私に降りかかる。
もしかすると、まともな人間は自分しかいないのではないか、といった妄想染みた考えまで浮かぶ有様。
つい数時間前までは、覚悟君やかがみ達と共に精一杯闘っていたというのに、唐突にリスタートとした殺し合いで変態に絡まれる始末。
何かがおかしい。高所から転落してから、確実に何かが狂ってしまった。
前回の殺し合いとはまた別の種類の絶望が私に降りかかる。
もしかすると、まともな人間は自分しかいないのではないか、といった妄想染みた考えまで浮かぶ有様。
「あのよ……俺は前原圭一って言うんだけど、君は?」
蹲るヒナギクの背中越しに男が恐る恐る声をかけてくる。この男は、今までの様子からして殺し合いに乗っていない事は充分分かる。
無傷のうちに同じ志を持つ参加者に会えたのは幸運かもしれない。変態なのが玉に傷だけど……。
「桂、ヒナギクよ……」
「そうか。ああ……もうメイド服着てくれなんて言わないから安心してくれ。
とりあえず、俺と一緒に行動してくれよ」
圭一は笑顔でヒナギクに手を差し伸べる。少し迷った挙句、その手を掴み、ヒナギクは立ち上がった。
変態でも味方がいるに越した事はない……はずだ。
蹲るヒナギクの背中越しに男が恐る恐る声をかけてくる。この男は、今までの様子からして殺し合いに乗っていない事は充分分かる。
無傷のうちに同じ志を持つ参加者に会えたのは幸運かもしれない。変態なのが玉に傷だけど……。
「桂、ヒナギクよ……」
「そうか。ああ……もうメイド服着てくれなんて言わないから安心してくれ。
とりあえず、俺と一緒に行動してくれよ」
圭一は笑顔でヒナギクに手を差し伸べる。少し迷った挙句、その手を掴み、ヒナギクは立ち上がった。
変態でも味方がいるに越した事はない……はずだ。
その後圭一と情報交換する。驚いた事に彼もまた殺し合いを強いられていたらしい。
さらに死んだはずのつかさとはクラスメイトとの事。ヒナギクよりも遥かに付き合いが長いという事になる。
だが、圭一の知っているつかさと、ヒナギクの知っているつかさ、そして今この殺し合いに参加させられているつかさは同じ人物なのだろうか。
ヒナギクが参加していた殺し合いでは、つかさは死んでしまった。
彼女は過去に何度も殺し合いに参加したなんて、川田のような経歴の持ち主ではない。
さらに死んだはずのつかさとはクラスメイトとの事。ヒナギクよりも遥かに付き合いが長いという事になる。
だが、圭一の知っているつかさと、ヒナギクの知っているつかさ、そして今この殺し合いに参加させられているつかさは同じ人物なのだろうか。
ヒナギクが参加していた殺し合いでは、つかさは死んでしまった。
彼女は過去に何度も殺し合いに参加したなんて、川田のような経歴の持ち主ではない。
同姓同名の他人、とも考えたけどどうもそれは違うらしい。
圭一の言うつかさのイメージとヒナギクの言うつかさのイメージがぴったり一致するからだ。
三人のつかさは全員つかさだけど、全員違うつかさ……
圭一の言うつかさのイメージとヒナギクの言うつかさのイメージがぴったり一致するからだ。
三人のつかさは全員つかさだけど、全員違うつかさ……
並行世界……そう言う言葉でしか片づけられない事が、今回の殺し合いには絡んでいるのかもしれない。
圭一はつかさにもいつかメイド服を着せたいと意気込んでいた。
返す言葉が出てこない。まあ、つかさに着せたらそりゃあ可愛いでしょうけど……。
早く変態以外の人と会いたい……。
返す言葉が出てこない。まあ、つかさに着せたらそりゃあ可愛いでしょうけど……。
早く変態以外の人と会いたい……。
圭一と共に暗い森の中を歩く。早くつかさや川田君に会いたい。
▼ ▼ ▼
さて、賢明な諸君ならもうお気づきの事だろう。他でもない、俺のミスに。
出会った直後いきなり「メイド服着てくれ!」と言われ、はい分かりましたと素直に着る女の子がどこにいる?
ましてやヒナギクさんみたいな気の強い女の子、無理に決まってるよな?
「何故もっと慎重に事を進めなかったんだ!?」と、あちこちから非難の声が聞こえてくるのが分かるぜ。
すまない……あれは完全に俺のミスだ。なんだか分からないけど生き返って、しかもデイパックの中にメイド服が入っていたんだぜ?
そりゃ有頂天になるのも仕方がない。ヒナギクさんみたいな綺麗な娘に出会うなり着てくれ、と叫んだ気持ちも分かるだろ?
あれは完全に俺の判断ミスさ。それは認めるよ。だけど──仕方ないじゃないか!?そう怒るな!!
ましてやヒナギクさんみたいな気の強い女の子、無理に決まってるよな?
「何故もっと慎重に事を進めなかったんだ!?」と、あちこちから非難の声が聞こえてくるのが分かるぜ。
すまない……あれは完全に俺のミスだ。なんだか分からないけど生き返って、しかもデイパックの中にメイド服が入っていたんだぜ?
そりゃ有頂天になるのも仕方がない。ヒナギクさんみたいな綺麗な娘に出会うなり着てくれ、と叫んだ気持ちも分かるだろ?
あれは完全に俺の判断ミスさ。それは認めるよ。だけど──仕方ないじゃないか!?そう怒るな!!
な?──分かるだろ?仕方なかったんだよ。
ああ、分かったよ。絶対に着せてみせる。
俺のメイドへの情熱は一度断られたくらいで燃え尽きるような甘っちょろいものじゃないんだ!
俺は口が回る。そりゃもうとびっきりに回りまくる。口先の魔術師の異名に賭けて、
桂ヒナギクにメイド服を着せる事をここに誓おうじゃないか!!俺に任せとけ!!
俺のメイドへの情熱は一度断られたくらいで燃え尽きるような甘っちょろいものじゃないんだ!
俺は口が回る。そりゃもうとびっきりに回りまくる。口先の魔術師の異名に賭けて、
桂ヒナギクにメイド服を着せる事をここに誓おうじゃないか!!俺に任せとけ!!
「何ぼーっとしてんの?」
「あ? ああいやいや、こっちの話だよこっちの話」
「こっちの話?」
「あ、前から誰か歩いてくるぜ」
「あ? ああいやいや、こっちの話だよこっちの話」
「こっちの話?」
「あ、前から誰か歩いてくるぜ」
圭一が指差した方向に目を向けると、青いツナギを着た男がぶらぶら歩いて来るのが目にとまった。
念のため日本刀を構え、万が一の事態に備える。ヒナギクとは対照的に、圭一は呑気に青いツナギの男を見ているだけだ。
ヒナギクが注意を促そうとした時、圭一はツナギの男に向けて手を上げ口を開いた。
念のため日本刀を構え、万が一の事態に備える。ヒナギクとは対照的に、圭一は呑気に青いツナギの男を見ているだけだ。
ヒナギクが注意を促そうとした時、圭一はツナギの男に向けて手を上げ口を開いた。
「よお阿倍さん!あんたも生き返ってたんだな」
「え……知り合い?」
戸惑うヒナギクに、圭一は阿倍を待つついでに事情を話す。
「え……知り合い?」
戸惑うヒナギクに、圭一は阿倍を待つついでに事情を話す。
「あの人も俺のクラスメイトだ。いい男でしかも息子もでかいから凄く頼りになるんだよ」
息子もでかい、というフレーズが妙に気になるが、
圭一がそれだけ言うなら殺し合い打倒への仲間として期待していいのかもしれない。
体格もいいし、確かに頼りになりそうではある。私は期待に胸を膨らませながら、阿倍がこちらに来るのを待つ。
息子もでかい、というフレーズが妙に気になるが、
圭一がそれだけ言うなら殺し合い打倒への仲間として期待していいのかもしれない。
体格もいいし、確かに頼りになりそうではある。私は期待に胸を膨らませながら、阿倍がこちらに来るのを待つ。
阿倍は怪訝そうな顔で圭一とヒナギクを交互に見やる。
「…………残念だが……俺は君みたいないい男とは会った事がないぜ?」
「…………うぇ? 冗談だろ?だって阿倍さんと俺はクラスメイトだったじゃないか。
一緒にでっていうと戦ったし……俺は前原圭一だよ阿倍さん」
「さて……どういう事かなこれは……」
「…………うぇ? 冗談だろ?だって阿倍さんと俺はクラスメイトだったじゃないか。
一緒にでっていうと戦ったし……俺は前原圭一だよ阿倍さん」
「さて……どういう事かなこれは……」
これもまた並行世界のトリック。阿倍と圭一はそれぞれ異なる世界から来た。
互いを知らなくて当然である。ヒナギクは先の考察で、こういう事もあるかもしれないと予期していた。
考え込む二人に一言助言しようと思い、口を開きかけたのだが……
互いを知らなくて当然である。ヒナギクは先の考察で、こういう事もあるかもしれないと予期していた。
考え込む二人に一言助言しようと思い、口を開きかけたのだが……
「ちょっ……ちょっと……あ、あああんたいったい何を!!何やってんのよいきなり」
阿倍が真剣な顔で、股についてある例のアレをさわさわと弄んでいる。
それを見たヒナギクは赤面し、ついつい興奮した口調で阿倍を咎めるが、咎めなどお構いなし。
阿倍はその行為を止めようとはしない。
阿倍が真剣な顔で、股についてある例のアレをさわさわと弄んでいる。
それを見たヒナギクは赤面し、ついつい興奮した口調で阿倍を咎めるが、咎めなどお構いなし。
阿倍はその行為を止めようとはしない。
「俺がナニを弄ろうがお前には関係ないだろう。こうしていた方が落ち着いて、頭もよく回るんだ。
なに……お前には一生分からない。女は引っ込んでろよ」
「…………!」
突き放した口調で言い放つ阿倍。そう言っている間も、右手は常に愛息子と共にじゃれ合っている。
ヒナギクの顔が一気に暗くなる。まさか、こいつもそういう感じの男なのだろうか……。
なに……お前には一生分からない。女は引っ込んでろよ」
「…………!」
突き放した口調で言い放つ阿倍。そう言っている間も、右手は常に愛息子と共にじゃれ合っている。
ヒナギクの顔が一気に暗くなる。まさか、こいつもそういう感じの男なのだろうか……。
「そういえば俺がさっきまで参加していた殺し合いにも、前原圭一ってのがいたような気がするな。
こんないい男ならさっさと探して食っておけばよかったぜ」
阿倍のこの一言に、考え込んでいた圭一が何かを閃く。
こんないい男ならさっさと探して食っておけばよかったぜ」
阿倍のこの一言に、考え込んでいた圭一が何かを閃く。
「まさか……これはパラレルワールド……!!」
どうやら私の助言は必要なかったようだ。力が抜けてがっくりと項垂れる。
どうやら私の助言は必要なかったようだ。力が抜けてがっくりと項垂れる。
「……さすがだな圭一君。確かにその言葉でしか今の状況は説明できない
さすがはいい男なだけはあるぜ」
「へへ……阿倍さんの方がよっぽどいい男だよ。俺の世界の阿倍さんと全然変わらないから安心したぜ」
「嬉しい事言ってくれるじゃないの」
さすがはいい男なだけはあるぜ」
「へへ……阿倍さんの方がよっぽどいい男だよ。俺の世界の阿倍さんと全然変わらないから安心したぜ」
「嬉しい事言ってくれるじゃないの」
変態通し気が合うのだろうか。お互い笑顔でなんとも楽しげだ。
取り残されたヒナギクは疲れた目で二人の掛け合いを見守る。
さっさと普通の人に会いたい。圭一も阿倍も変態なんて最悪にも程がある。
阿倍なんて、圭一と楽しそうに話しこんでいる間までアレを弄っているではないか。
取り残されたヒナギクは疲れた目で二人の掛け合いを見守る。
さっさと普通の人に会いたい。圭一も阿倍も変態なんて最悪にも程がある。
阿倍なんて、圭一と楽しそうに話しこんでいる間までアレを弄っているではないか。
「それじゃあ阿倍さん。俺達と一緒にこのバカな殺し合いをぶっ壊そうぜ!」
圭一が、ヒナギクの時と同じように笑顔で手を差し出す。
素直にその手を握ってくれるとヒナギクは思っていたが、彼の返答は予想外のものだった。
素直にその手を握ってくれるとヒナギクは思っていたが、彼の返答は予想外のものだった。
「いいや、悪いがそいつは断るぜ」
「…………え?」
「折角こんな何でもありのゲームに放り込まれたんだ。俺は前の殺し合いと同じく、沢山のいい男を掘ろうと思っている。
お前らに協力している暇なんてないんだ」
「ほ、ほほほほ掘るぅ……!?」
思わず大声を上げる。まさかこの阿倍という男、変態は変態でも一味違う変態のようだ。
殺し合いに参加したのに、掘って回るだなんて、そんなあほな……
もはやドン引きに近い視線でヒナギクは阿部を見つめる。
「…………え?」
「折角こんな何でもありのゲームに放り込まれたんだ。俺は前の殺し合いと同じく、沢山のいい男を掘ろうと思っている。
お前らに協力している暇なんてないんだ」
「ほ、ほほほほ掘るぅ……!?」
思わず大声を上げる。まさかこの阿倍という男、変態は変態でも一味違う変態のようだ。
殺し合いに参加したのに、掘って回るだなんて、そんなあほな……
もはやドン引きに近い視線でヒナギクは阿部を見つめる。
ありえない……世界が引っ繰り返るような気分だわ……。
ヒナギクとは対照的に圭一はそれほど動揺してはいなかった。
これも変態のなせる技か、と圭一に対してもまた、少々引き気味の視線を送る。
これも変態のなせる技か、と圭一に対してもまた、少々引き気味の視線を送る。
「んな事……阿倍さんには道下の奴がいるじゃないか。男なら誰でも言いなんてそんなド淫乱、道下に申し訳ないだろ」
「道下はこの殺し合いには参加していないしな……まあ、いいさ。
お前の世界の阿倍高和はノン気だって構わず食っちまうような男じゃなかったのか?」
「……そうじゃなかった。節操があった。ノン気に対しては紳士的に振る舞ういい男だったよ」
「道下はこの殺し合いには参加していないしな……まあ、いいさ。
お前の世界の阿倍高和はノン気だって構わず食っちまうような男じゃなかったのか?」
「……そうじゃなかった。節操があった。ノン気に対しては紳士的に振る舞ういい男だったよ」
ノン気って何なんだろう……気になるけど、知ってはいけない言葉のような気が……
「悪いが俺はそんな大層な男じゃないんだよ圭一君。淫乱と言われようが構わない。
殺し合いなんて知ったこっちゃないね。俺はいい男とヤって、息子と肛門で一つになりたいだけだ」
「阿倍さん……ヒナギクさん、あんたからも何か言ってやってくれよ!」
「わ、私に話振らないでよ!」
「なんでだよ!仲間だろ!?」
殺し合いなんて知ったこっちゃないね。俺はいい男とヤって、息子と肛門で一つになりたいだけだ」
「阿倍さん……ヒナギクさん、あんたからも何か言ってやってくれよ!」
「わ、私に話振らないでよ!」
「なんでだよ!仲間だろ!?」
迫る圭一。もう何が何だか分からない。お願いだから私に関わらないで……
「無駄だよ圭一君、女なんてそんなもんだ。そいつはお前の事を仲間とは思っていないだろうぜ。
簡単に裏切る……それが女だ。所詮女なんてホモセックスが出来ない、どこに価値があるのか意味不明な存在。
男とは永遠に相容れない存在なんだ。あいつと同じようにな」
「阿倍さん、なんて事言うんだよ」
簡単に裏切る……それが女だ。所詮女なんてホモセックスが出来ない、どこに価値があるのか意味不明な存在。
男とは永遠に相容れない存在なんだ。あいつと同じようにな」
「阿倍さん、なんて事言うんだよ」
訳の分からない変態ワールドに混乱していたヒナギクも、阿倍の侮辱の一言にはさすがに反応する。
今の言葉は常識的に考えて酷い。かちんときたヒナギクはいつもの調子を若干ながら取り戻し、阿倍に反論する。
今の言葉は常識的に考えて酷い。かちんときたヒナギクはいつもの調子を若干ながら取り戻し、阿倍に反論する。
「ホモセックスなんて関係ないわよ!ちゃんと相手を思いやる心があれば、異性どおしだって心と心で繋がれるわ!」
ヒナギクは前の殺し合いで、長きに渡り行動を共にした三人の仲間を思い出す。
覚悟、川田、つかさ、彼らの間には何の隔たりもなかった。しっかりと心と心で結ばれていた。
阿倍の発言は、ヒナギク達四人の絆を全否定するようで、霧消に腹が立つ。
ヒナギクは前の殺し合いで、長きに渡り行動を共にした三人の仲間を思い出す。
覚悟、川田、つかさ、彼らの間には何の隔たりもなかった。しっかりと心と心で結ばれていた。
阿倍の発言は、ヒナギク達四人の絆を全否定するようで、霧消に腹が立つ。
「万が一そうだとしても、体と体では濃密に繋がれないだろ?」
「いいえ!体と体とでも繋がれるわよ!」
「男の肛門に比べたら締まりのない、無価値な穴だろうが」
「そんな事ない!女だって………………!?」
「いいえ!体と体とでも繋がれるわよ!」
「男の肛門に比べたら締まりのない、無価値な穴だろうが」
「そんな事ない!女だって………………!?」
そこまで言ってヒナギクは漸く気づいた。自分がとんでもない発言をしている事に。
思わず赤面し、顔を俯ける。悔しくて、そして恥ずかしくて、阿倍とは目を合わせられない。
阿倍は下らないものを見るようにヒナギクを見下す。
思わず赤面し、顔を俯ける。悔しくて、そして恥ずかしくて、阿倍とは目を合わせられない。
阿倍は下らないものを見るようにヒナギクを見下す。
「恥ずかしいのか?男と女の繋がりって奴を俺に思い知らせるんじゃないのかよ」
「……ッ! うるさい!あんたみたいな変態には一生分からないわよ!」
「ま、まあちょっと休んでろって。阿倍さんとは俺が交渉するよ」
思わず飛びかかりそうになるヒナギクを圭一が抑える。
「……ッ! うるさい!あんたみたいな変態には一生分からないわよ!」
「ま、まあちょっと休んでろって。阿倍さんとは俺が交渉するよ」
思わず飛びかかりそうになるヒナギクを圭一が抑える。
「男と女の絆なんて薄っぺらいもんだぜ。男女の友情なんて、偽善の前には容易く散るのさ」
吐き捨てるように阿倍は言う。女に対して異様に厳しい態度には、
前の殺し合いでソウルフレンドの契りを交わした一人の女性が絡んでいるのだが、ここでは割愛させて貰おう。
前の殺し合いでソウルフレンドの契りを交わした一人の女性が絡んでいるのだが、ここでは割愛させて貰おう。
「阿倍さん!頼む!俺達と一緒に殺し合いを破壊しよう!」
「圭一君、そんな事より俺と一発────」
「圭一君、そんな事より俺と一発────」
頭を下げる圭一の頼みなどお構いなし。阿倍さんはとある一言を圭一に投げかけようと口を動かす。
とっさにメイドレーダーで危険を察知した圭一だが、もはや阿倍の一言を止める術などない。
今目の前に居る阿倍高和は、クラスメイトの阿倍高和とは圧倒的に異なっている。
この一言を言われる前に、阿部の危険性を察知し、逃げ出していれば助かったかもしれないのだが。
とっさにメイドレーダーで危険を察知した圭一だが、もはや阿倍の一言を止める術などない。
今目の前に居る阿倍高和は、クラスメイトの阿倍高和とは圧倒的に異なっている。
この一言を言われる前に、阿部の危険性を察知し、逃げ出していれば助かったかもしれないのだが。
「や ら な い か」
「絶対やらない!!」
即答する圭一。
「つれないんだな。レイプ願望があるのか圭一君」
「違う!!」
即答する圭一。
「つれないんだな。レイプ願望があるのか圭一君」
「違う!!」
迫る阿倍を目の前にして大いに焦る圭一。しかしこのままではどうしようもない。
圭一の支給品には武器は入っていない。雛見沢症候拳を使えばいくらか戦えるだろうが、あの技は持続性のない諸刃の剣。
地の身体能力で上回る阿倍相手ではジリ貧だ。おまけに女性のヒナギクを守りながらの戦闘になるだろうから、はっきり言って厳しい。
圭一の支給品には武器は入っていない。雛見沢症候拳を使えばいくらか戦えるだろうが、あの技は持続性のない諸刃の剣。
地の身体能力で上回る阿倍相手ではジリ貧だ。おまけに女性のヒナギクを守りながらの戦闘になるだろうから、はっきり言って厳しい。
「ま、断るのなら無理やり襲うまでさ。生憎溜まっているんでね」
「そんな……」
「そんな……」
逃げようか。圭一はそんな事も考えたが、女性のヒナギクを連れて逃げる事は難しい。
圭一のみならば雛見沢症候拳をフルに使い、阿部をまく事も可能かもしれないが。
圭一のみならば雛見沢症候拳をフルに使い、阿部をまく事も可能かもしれないが。
えらい事になってしまった。まさかこの世界の阿倍さんがここまで淫乱テディベアだったなんて予想してなかった。
どうする?どうする俺?考えろ、考えるんだ俺!阿倍さんのレイプを回避し、
なおかつメイド服をヒナギクさんに着せる(←ここ重要)作戦を!!
どうする?どうする俺?考えろ、考えるんだ俺!阿倍さんのレイプを回避し、
なおかつメイド服をヒナギクさんに着せる(←ここ重要)作戦を!!
────そうだッ!!!!
「待て阿倍さん。俺にレイプ願望はない。実は俺もゲイなんだ。断ったのには理由がある」
「うほっ!」
「ええええええええええ!!!」
大声をあげて驚愕するのは、脇に座り込んで休んでいるヒナギク。
まるで変態万国博覧会じゃない! と、ヒナギクはよく分からないツッコミを心の中で放つ。
「うほっ!」
「ええええええええええ!!!」
大声をあげて驚愕するのは、脇に座り込んで休んでいるヒナギク。
まるで変態万国博覧会じゃない! と、ヒナギクはよく分からないツッコミを心の中で放つ。
「あ、あんたまでホモだったの……」
「むっ!俺はホモじゃないぞヒナギクさん!!俺はゲイだ!!」
ヒナギクの方に向き直り、前傾姿勢になって熱く語り始める圭一。
「むっ!俺はホモじゃないぞヒナギクさん!!俺はゲイだ!!」
ヒナギクの方に向き直り、前傾姿勢になって熱く語り始める圭一。
「いいか、ホモってのはホモセクシャルの略で、英語で同性愛者を指すんだ。
これは同性愛者全般を指す言葉だが、同時に侮辱語でもある。そしてホモは男女の区別すらしていない不適当な言葉だ。
俺達ゲイは辛く苦しい戦いの末に自分達の居場所を分かってないノンケどもから勝ち取ったんだ。
何せ、本来どうでもいいはずのレズビッチとも手を取り合ってお互いの権利のために戦ったんだからな。
彼ら偉大な漢たちのお陰でようやく同性愛が広く世間に認められてきたと言うのにお前は……
いいか、男の同性愛者を呼ぶ時はゲイ! 女の同性愛者はレズもしくはビアン! 分かったかコンチクショウ!」
クラスメイトの道下から教えて貰った知識をヒナギク相手に一息に捲し立てる。
これは同性愛者全般を指す言葉だが、同時に侮辱語でもある。そしてホモは男女の区別すらしていない不適当な言葉だ。
俺達ゲイは辛く苦しい戦いの末に自分達の居場所を分かってないノンケどもから勝ち取ったんだ。
何せ、本来どうでもいいはずのレズビッチとも手を取り合ってお互いの権利のために戦ったんだからな。
彼ら偉大な漢たちのお陰でようやく同性愛が広く世間に認められてきたと言うのにお前は……
いいか、男の同性愛者を呼ぶ時はゲイ! 女の同性愛者はレズもしくはビアン! 分かったかコンチクショウ!」
クラスメイトの道下から教えて貰った知識をヒナギク相手に一息に捲し立てる。
ヒナギクは怯えつつ、そしてドン引きする。もはや言い返す言葉はない。
というより関わりたくない。
「わ、分かりました……」
こう言う他なかった。
というより関わりたくない。
「わ、分かりました……」
こう言う他なかった。
「素晴らしい!!!(どこかで聞いた台詞だけど)」
諸手を上げて喜ぶ阿倍。圭一は得意気だ。
「感動したぞ圭一君! で……それならどうして俺とヤりあってくれないんだ!」
「ふふふ……それは阿倍さん。実力が未知数なあんたに、俺の尻を捧げるのは少々不安だからさ。
俺の世界の阿倍さんなら無条件で肛門を向けたんだがな……」
「実力が未知数……だと!?」
阿倍が戸惑う。圭一は薄く笑みを零しながら、言い放つ。
諸手を上げて喜ぶ阿倍。圭一は得意気だ。
「感動したぞ圭一君! で……それならどうして俺とヤりあってくれないんだ!」
「ふふふ……それは阿倍さん。実力が未知数なあんたに、俺の尻を捧げるのは少々不安だからさ。
俺の世界の阿倍さんなら無条件で肛門を向けたんだがな……」
「実力が未知数……だと!?」
阿倍が戸惑う。圭一は薄く笑みを零しながら、言い放つ。
「そう!実力とは即ち息子の強さだ!俺は生半可な息子の持ち主に掘られたくない。
俺の脂ぎった雄っ気たっぷりの尻を頂くのは、ある程度の息子力の持ち主でなければならない。
半端者に捧げるケツはねえッ!!俺の尻はそんなに安くねえんだ!!」
俺の脂ぎった雄っ気たっぷりの尻を頂くのは、ある程度の息子力の持ち主でなければならない。
半端者に捧げるケツはねえッ!!俺の尻はそんなに安くねえんだ!!」
────もう着いていけない……
一人取り残されているヒナギクに精神的疲労が積み重なっていく。
一人取り残されているヒナギクに精神的疲労が積み重なっていく。
「俺は半端者じゃねえよ圭一君!!」
「だったら見せてみろ!!阿倍さん自慢の一物を!!」
「よしきた」
「だったら見せてみろ!!阿倍さん自慢の一物を!!」
「よしきた」
ざわっと、何やら恐ろしい予感がヒナギクの脳裏に走る。
阿倍がツナギのチャックを下ろし始めた。
阿倍がツナギのチャックを下ろし始めた。
「きゃあああああああああああああ!!!」
悲鳴を上げるヒナギクを圭一はすまなそうに見つめる。
────すまないヒナギクさん。それにしてもこいつはすげえぜ……!!
なんつーでかさだ……!こんなものでお尻を突かれると思うと……うほっ!
────すまないヒナギクさん。それにしてもこいつはすげえぜ……!!
なんつーでかさだ……!こんなものでお尻を突かれると思うと……うほっ!
「どうだい圭一君。こいつを見てどう思う?」
「すごく……大きいです……ってそうじゃない!!
確かにサイズはなかなかのものだが、見た目だけじゃ判断できない奥深さってのが息子にはあるだろう!?」
「うむ。確かに圭一君の言うとおりだ。だが、どうやって俺のデカマラの実力を測定しようって言うんだい?」
「すごく……大きいです……ってそうじゃない!!
確かにサイズはなかなかのものだが、見た目だけじゃ判断できない奥深さってのが息子にはあるだろう!?」
「うむ。確かに圭一君の言うとおりだ。だが、どうやって俺のデカマラの実力を測定しようって言うんだい?」
圭一はデイパックから巨大な、黒い何かを取り出す。
ついつい笑みが零れそうになる。ここまでは全て圭一が思い描いた筋書き通り。計画通りだ。
このまま順調に進行すれば、ヒナギクさんにメイド服を着せられ、阿倍さんを追い払い、
いや、もしかしたら阿倍さんを仲間に出来るかもしれない。
ついつい笑みが零れそうになる。ここまでは全て圭一が思い描いた筋書き通り。計画通りだ。
このまま順調に進行すれば、ヒナギクさんにメイド服を着せられ、阿倍さんを追い払い、
いや、もしかしたら阿倍さんを仲間に出来るかもしれない。
「測り方はシンプル。シンプルイズベスト!こいつを使うぜ」
デイパックから取り出した圭一の支給品【棺桶】を阿倍の前に置く。
意図がよく分からない圭一の行動に、阿倍、そしてヒナギクは目を泳がしている。
デイパックから取り出した圭一の支給品【棺桶】を阿倍の前に置く。
意図がよく分からない圭一の行動に、阿倍、そしてヒナギクは目を泳がしている。
「圭一君。棺桶の中で俺とヤり合いたいってのか?」
「いや違う。もっと単純だ。俺の世界の阿倍さんは、自分の息子でどんなものでも貫けるんだ。
どんな屈強な男の尻だろうと軽く貫いて見せた。それだけじゃない。瓦だって息子で貫けるし、木材でも鉄でもダイヤでも……
それくらいうちの阿倍さんは凄かったんだ。ダイヤモンドを貫いた時はさすがに後悔したけど……」
「勿体ないものね……常識的に考えて」
「疲れている中常識的なツッコミサンクス!」
びしっとヒナギクに向けて親指を立てる。
「いや違う。もっと単純だ。俺の世界の阿倍さんは、自分の息子でどんなものでも貫けるんだ。
どんな屈強な男の尻だろうと軽く貫いて見せた。それだけじゃない。瓦だって息子で貫けるし、木材でも鉄でもダイヤでも……
それくらいうちの阿倍さんは凄かったんだ。ダイヤモンドを貫いた時はさすがに後悔したけど……」
「勿体ないものね……常識的に考えて」
「疲れている中常識的なツッコミサンクス!」
びしっとヒナギクに向けて親指を立てる。
「この棺桶は特殊な素材で作られ、頑丈だ。だがこれくらい息子で貫けないような奴には、俺のケツは勿体ない」
「なるほど。つまり俺が自分の息子でこの棺桶を貫く、穴を開ける事が出来れば、圭一君は俺を認め掘らせてくれる、
そう言う事でいいんだな?」
「そう言う事だ。失敗した場合は、俺達の仲間になってくれ。どうしてもそれが嫌って言うなら、このまま俺達の前から消えてほしい。
仲間にもなってくれない半端者(性的な意味で)に用はないからな」
「なるほど。つまり俺が自分の息子でこの棺桶を貫く、穴を開ける事が出来れば、圭一君は俺を認め掘らせてくれる、
そう言う事でいいんだな?」
「そう言う事だ。失敗した場合は、俺達の仲間になってくれ。どうしてもそれが嫌って言うなら、このまま俺達の前から消えてほしい。
仲間にもなってくれない半端者(性的な意味で)に用はないからな」
阿倍はにやりと口角を吊り上げる。
まさか俺のデカマラをこんなエキセントリックな方法で試そうなんてな……
ふふふ……言い度胸だ。そそるじゃないの圭一君。彼の尻が楽しみだ。
まさか俺のデカマラをこんなエキセントリックな方法で試そうなんてな……
ふふふ……言い度胸だ。そそるじゃないの圭一君。彼の尻が楽しみだ。
「いいテストじゃないか。何より俺を試そうという不遜な態度、気に入った。乗ってやるよ圭一君」
「頑張ってくれよ阿倍さん。俺はあんたに失望したくないからな」
「頑張ってくれよ阿倍さん。俺はあんたに失望したくないからな」
「どうだいヒナギクさん、なかなかナイスなテストだろ?」
うんざりとした様子で圭一を見るヒナギク。
もうお願いだから関わらないで欲しい。こんな奴でも一応仲間だというのが逆に腹が立つ。
それにしてもなんてあほなテストだろう。私には到底思いつかない。いや、変態にしか思いつけないだろう。
もうお願いだから関わらないで欲しい。こんな奴でも一応仲間だというのが逆に腹が立つ。
それにしてもなんてあほなテストだろう。私には到底思いつかない。いや、変態にしか思いつけないだろう。
「ホアアアアアアアア!!」
阿倍は気合を入れ、自分の息子をびしびし叩き始める。
見る見るうちに巨大化していく彼のデカマラ。ヒナギクはまたも悲鳴を上げる。
圭一もまた、作戦通りとはいえ予想外に巨大な阿倍の息子を見て戦慄する。
あんなものをお尻に突っ込まれたら、本当に死んでしまうのではないだろうか。
見る見るうちに巨大化していく彼のデカマラ。ヒナギクはまたも悲鳴を上げる。
圭一もまた、作戦通りとはいえ予想外に巨大な阿倍の息子を見て戦慄する。
あんなものをお尻に突っ込まれたら、本当に死んでしまうのではないだろうか。
「じゃ、じゃあ阿倍さん。頑張ってくれ、健闘を祈る」
そそくさと棺桶から離れ、ヒナギクと共にテストを見守る。
そそくさと棺桶から離れ、ヒナギクと共にテストを見守る。
対峙する阿倍と棺桶。一人のいい男と一つの棺桶は、激闘を予感させる異様な空気に包まれ、濃度を増していく。
見ているだけで体温が沸騰してしまいそうな熱い雰囲気。阿倍は動かない。棺桶の隙を狙っているのだろうか。
ただのモノとはいえ、恐るべき秘密を秘めた棺桶。容易い相手のはずがない。油断すればやられる。
棺桶もまた、相手を侮れば容易く貫かれる。
見ているだけで体温が沸騰してしまいそうな熱い雰囲気。阿倍は動かない。棺桶の隙を狙っているのだろうか。
ただのモノとはいえ、恐るべき秘密を秘めた棺桶。容易い相手のはずがない。油断すればやられる。
棺桶もまた、相手を侮れば容易く貫かれる。
「むぅ……これは名勝負になりそうだ」
「もう嫌……なにこの状況……」
「……ん?」
「もう嫌……なにこの状況……」
「……ん?」
なんとここにきて阿倍の息子がさらに成長を始めたではないか。
今にも弾けそうなほどビンビンになったデカマラに、ヒナギクは勿論、圭一も恐れおののく。
彼の息子には限界はないのか?
今にも弾けそうなほどビンビンになったデカマラに、ヒナギクは勿論、圭一も恐れおののく。
彼の息子には限界はないのか?
「くう……ビンッビンだぜ」
「あはははははwwwみんな狂ってるあはははははwwww」
「あはははははwwwみんな狂ってるあはははははwwww」
張りつめた空気の濃度が最大となった瞬間、阿倍さんが棺桶に向かって疾走する。
腰を後方に引き、溜めを作り、その溜めが最大となった瞬間、一気に力を放出させる。
これが阿倍の必殺技。恐るべき破壊力を持った必殺技──
これが阿倍の必殺技。恐るべき破壊力を持った必殺技──
ゲ イ───ボルグ
「直立する──息子」
「直立する──息子」
ガツンと衝突する阿倍の息子と棺桶。しかし棺桶はびくともしない。
傷一つ付いていない。異常なまでの強度だ。 ゲ イ ボ ル グ
しかし阿倍もまだまだへこたれてはいない。腰を何度も何度も前後運動させ、【直立する息子】を連発する。
傷一つ付いていない。異常なまでの強度だ。 ゲ イ ボ ル グ
しかし阿倍もまだまだへこたれてはいない。腰を何度も何度も前後運動させ、【直立する息子】を連発する。
「イヤアアアアアもう嫌あああ!!!何なのよこの状況はあああ!!」
「落ち着けってヒナギクさん。実は今のこの状況ってな────」
「落ち着けってヒナギクさん。実は今のこの状況ってな────」
阿倍が棺桶相手に苦戦する傍ら、圭一はヒナギクの耳元へ口を寄せ、阿倍に聞こえないようにある事を言う。
ご察しの通り圭一は断じてゲイではない。阿倍に話した事も全て出まかせ。
それなら何故こんな状況になってしまったかというと、全ては彼の──
ご察しの通り圭一は断じてゲイではない。阿倍に話した事も全て出まかせ。
それなら何故こんな状況になってしまったかというと、全ては彼の──
「全部俺の作戦通りってわけ。これで阿倍さんを仲間に出来るぜ。
運が悪くてもこのまま逃げ切れる。さすがに約束を破ってまで俺をレイプしようとする外道じゃないからな阿倍さんは」
運が悪くてもこのまま逃げ切れる。さすがに約束を破ってまで俺をレイプしようとする外道じゃないからな阿倍さんは」
圭一の全てを覆す発言を耳にしたヒナギクは思った。
あの阿倍って男を仲間にする気?勘弁してよもう……
あの阿倍って男を仲間にする気?勘弁してよもう……
▼ ▼ ▼
ふふふ……俺、前原圭一の作戦はとうとう最終段階に突入した。
え?なんだって?どうしてヒナギクに作戦をばらすんだ、だって?
ふふ、安心したまえ諸君。それもまた、作戦の内だ。このまま順調に行けば、間違いなくヒナギクさんにメイド服を着せられるぜ!
みwwwなwwwwぎwwwwwっwwwwてwwwwきwwwた
え?なんだって?どうしてヒナギクに作戦をばらすんだ、だって?
ふふ、安心したまえ諸君。それもまた、作戦の内だ。このまま順調に行けば、間違いなくヒナギクさんにメイド服を着せられるぜ!
みwwwなwwwwぎwwwwwっwwwwてwwwwきwwwた
「あ、あんたはホモじゃないのよね?」
「ああ、勿論ホモでもないしゲイでもない。あとこれはマジな話なんだけど、
真正のゲイ相手にホモって言わない方がいいぜ。普通に失礼だからな」
「ああ、勿論ホモでもないしゲイでもない。あとこれはマジな話なんだけど、
真正のゲイ相手にホモって言わない方がいいぜ。普通に失礼だからな」
疲れた顔をしているヒナギクを尻目に、デイパックから一枚の紙を取り出し、ヒナギクに見せる。
阿倍が今相手にしている棺桶の説明書だ。これを初めて読んだ時は、さすがの圭一も大いに驚いた。
とある盗賊の持ち物であるあの棺桶は、賢者のメラゾーマにも、魔王のかいしんのいちげきにも、
戦艦の大爆発にも、そして二百メートル級の巨大ロボットの踏みつけにも、全ての攻撃に対して完璧に無傷で耐えたという最強の盾なのである。
阿倍が今相手にしている棺桶の説明書だ。これを初めて読んだ時は、さすがの圭一も大いに驚いた。
とある盗賊の持ち物であるあの棺桶は、賢者のメラゾーマにも、魔王のかいしんのいちげきにも、
戦艦の大爆発にも、そして二百メートル級の巨大ロボットの踏みつけにも、全ての攻撃に対して完璧に無傷で耐えたという最強の盾なのである。
「つまり、どうあっても阿倍さんはあの棺桶を貫く事は出来ないのさ!この勝負、初めっから出来レースだったってわけだ。
これで阿倍さんの恐怖からはとりあえず逃げ切れるぜ」
「この説明書破れたみたいになってるけど……」
得意気に笑う圭一を、尊敬では断じてない、呆れに近い感情を込めた視線でぼんやり見るヒナギク。
「言っとくけど、凄いなんて思ってないから……得意気にしないで」
「お! ヒナギクさんはツンデレだな?」
今回ばかりはツンデレなどではない。ヒナギク心からの本音だ。
これで阿倍さんの恐怖からはとりあえず逃げ切れるぜ」
「この説明書破れたみたいになってるけど……」
得意気に笑う圭一を、尊敬では断じてない、呆れに近い感情を込めた視線でぼんやり見るヒナギク。
「言っとくけど、凄いなんて思ってないから……得意気にしないで」
「お! ヒナギクさんはツンデレだな?」
今回ばかりはツンデレなどではない。ヒナギク心からの本音だ。
「あんなもの突っ込まれたら本気で死んでしまうからな。勝つか負けるか分からない勝負なんてするわけないぜ
あのでかいアレをヒナギクさんだって見ただろ?あれを肛門に入れようってんだぜ?正気の沙汰じゃない。
入れられる側にとってはまさに命にかかわる問題だ」
「想像したくないけど……」
と言いつつ、ついつい想像してしまうのは乙女のさがか。
すごく……大きなアレがお尻の中に入っていくのは……
あのでかいアレをヒナギクさんだって見ただろ?あれを肛門に入れようってんだぜ?正気の沙汰じゃない。
入れられる側にとってはまさに命にかかわる問題だ」
「想像したくないけど……」
と言いつつ、ついつい想像してしまうのは乙女のさがか。
すごく……大きなアレがお尻の中に入っていくのは……
「うう……もはや殺人の域よ……あんなの耐えられるわけないじゃない」
「はは、まあな。挿入されたら普通に死ぬぜあんなの……まあ、いくら阿倍さんのアレとはいえあの棺桶に穴が開く事は絶対にない。
俺達は安心してここから阿倍さんの必死な姿を見ていればいいんだ」
「見たくないけどね……」
「はは、まあな。挿入されたら普通に死ぬぜあんなの……まあ、いくら阿倍さんのアレとはいえあの棺桶に穴が開く事は絶対にない。
俺達は安心してここから阿倍さんの必死な姿を見ていればいいんだ」
「見たくないけどね……」
「ふぬおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
ギシ
ギシ
「はははあんなに必死になって頑張ってるよ」
「何があの人をあそこまで必死にさせるんだろう……」
「何があの人をあそこまで必死にさせるんだろう……」
「トエエエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!」
037:「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」 | 投下順に読む | 038:変態に縁のある女(後編) |
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013:CHAOS;ROYAL | 桂ヒナギク | 038:変態に縁のある女(後編) |
013:CHAOS;ROYAL | 阿部高和 | 038:変態に縁のある女(後編) |
013:CHAOS;ROYAL | 前原圭一(やる夫) | 038:変態に縁のある女(後編) |