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もうどうにでもな~れ(後篇)

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もうどうにでもな~れ(後編) ◆jVERyrq1dU



「くくく……けひひ…………」
倒れたジョセフは見て、ハルヒの感情はついに一線を越える。
神は悲しみを感じない。HALとして生まれ変わる時に、ハルヒと共に捨ててきたから。
悲しみ絶望する人間を見ると、自分が神である事をますます強く実感できる。

ああ────私はジョセフよりも遥かに優れた存在だ。
私の心は痛まない。キョンが死のうと誰が死のうと……けひひ

くひひけひゃひゃ

「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

ジョセフを指さし、とうとうハルヒは大笑いする。


ゴマモンはさぞ辛かったでしょうねぇ!苦しんで絶望しながら死んだ後、なお仲間に食べられてしまったのよ!
 ジョジョ、あんたって最低ね! ────ヒャハハハハハハハハハ!!!」


いつまでもいつまでも響く嘲笑に、ジョセフとやる夫は一言も言いかえす事が出来ない。
ジョセフは後悔と自身の情けなさで、やる夫はハルヒの豹変に驚愕して……
しかし、いつまでも続くと思われた嘲笑が唐突にぴたりと収まる。ハルヒは若干驚きつつ、目前で起きた光景を凝視する。

ジョセフがゆらりと立ち上がったのだ。
絶望の色に全身を染めて、煙のように儚く消えてしまいそうな危うさを感じさせながらハルヒの正面に立つ。
眼には光がない。全身に覇気など残っていない。ハルヒの目からは、ジョセフが一回り小さくなったような気さえした。

ヤバイ……調子に乗りすぎた、ハルヒは舌打ちする。ジョセフは怒ってハルヒを殺しにかかって来るかも知れない。
こうやってつい油断して、または調子に乗って、いつも窮地を招いてしまう。ハルヒの悪い癖だ。

「何よ。言い返せないから暴力で訴えるってわけ?」
ジョセフは挑発するハルヒを無視して、ある場所へと歩く。
ゴマモンの肉を焼いた、焚き火跡だ。ゴマモンの食べられる所は全て三人で食べてしまったから、骨しか残っていない。
その骨を丁寧に一つずつ拾い集める。
「オーマイガッ……だぜ……」
「なぁにその奇行」
馬鹿にしたようにハルヒは言う。

「やる夫、HAL……俺は自分が一番悪いと思う……」
静かに、だがしっかりと、ジョセフは声に出して認めた。
「HALの言う事だって……むかつくが仕方ないぜ……
 俺が悪い。俺が悪いんだ。ゴマモンには謝っても謝りきれない……」
骨を全て、自身のデイパックに放り込む。全て拾い集めた後、ジョセフの目から大粒の涙が零れ落ち、地面を濡らした。
それからジョセフは────吐いた。胃の中にある『ゴマモン』を全て涙を流しながら吐いた。
ハルヒがうげっと言って引く。ジョセフはしばらく苦しみに喘ぎ、それから口を開く。

「俺はゴマモンの代わりにかがみんに謝りに行く。もう何でもいい。
 とにかくゴマモンの気持ちを伝えてやらないと、俺は……魂が壊れちまうんだ……」
ハルヒとやる夫に背を向け、ジョセフはかがみを探しに歩き出す。
「お前らは……殺し合いを打倒してくれ……俺はもう、無理だ」

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

呪文のような単語の繰り返しが、ジョセフの脳内で果てしなく再生される。
罪の意識がきりきりとジョセフの心臓を絞りあげる。助けようと思っていた仲間を気付かず食べた。
なんて鬼畜な所業を、俺はしてしまったのだろう。許されたい。ゴマモンに許されたい。
だからかがみに謝りに行こう。どこの世界のかがみであろうと構いはしない。ゴマモンの言葉を届けに行こう。



「ジョジョ……待つお……」
「着いて来るなやる夫。お前は、HALと一緒に殺し合いを破壊しろ」
でも、と食い下がるやる夫を無視して、俺は走り出す。
もういい。今は唯、ゴマモンを見殺しにして、食べてしまった罪悪感の実が心の中に残っている。

────すまねえ……ゴマモン。本当にすまない。

────ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

▼ ▼ ▼
「HALさん、なんて事を言うんだお……ジョジョが……」
「つい楽しくなってやった。ジョセフを馬鹿に出来るなら何でも良かった。
 まさかこんな事になるとは思わなかった。今は反省している」
「真面目に答えろお!!」
「いやあサーセンサーセンwついね、楽しくなってあんな風に言っただけよ。
 あんな態度取ってたら下僕を集めるには苦労するからこれから自重するわ」

ハルヒのふざけた態度にやる夫は魂が抜けたように落胆する。
ジョセフはとてつもないショックを受けていたが、やる夫もやる夫で心に傷を受けていた。
根はいい奴と信じていたハルヒの豹変。いや、彼女の言動からして本性が出たというべきなのだろうか。
自身のハルヒ像と本物とのギャップの激しさに、これ以上ないほど心を傷つけられた。

「だらしないわね。気力がなくなってぶっ壊れた奴も消えた事だし、首輪を解除できそうな奴を探しに行くわよ」
「待てお……いい加減にしろお……ジョセフはどうなるんだお」
「勝手にさせときなさいよ。私達が知った事ではないでしょ?」

ああ、やっぱり……とやる夫はハルヒの言葉を聞いて思った。
やっぱり目の前に居るこの女は『ハルヒ』ではない。何があってここまで薄情で最低な奴になってしまったのだろう。
SOS団としてキョン達を連れ回して学校中で大暴れするハルヒの姿を思い出して、やる夫は再び目に涙を浮かべた。
おそらく自分が知らないどこかで、ハルヒはとんでもない目にあってしまったのだろう。そのショックでこうなってしまった。
本当に、どうしてこんな事に────

「やる夫? さっさと行くわよ。あんまりのんびりしてたらさっき襲ってきた男に追いつかれるわ」
やる夫は何の反応も示さない。

もうやる夫は駄目かもしれない。ハルヒは目をぎらつかせながら思う。
やはり調子に乗ってついはしゃぎすぎたのは失敗だった。ジョセフからはなんとか恨みを買わずに済んだが、やる夫はどうだろうか。
彼の様子から見てかなり危ういかもしれない。折角育てたHAL厨を失うのは辛い。
いや、待てよ……。ハルヒはにんまりと笑う。いい事を思いついた。嫌でもやる夫を従わせる事が出来るとっておきの方法がある。

「やる夫、もう私の言う事は聞いてくれないの?もう一緒に行動したくないの?」
やる夫は沈黙したままだ。


「────もし私を裏切るようなら、あんたとジョセフを、参加者を食い殺した悪魔として言いふらすわよ?」


その言葉に、やる夫は顔を上げ、驚愕する。ハルヒはけひひ、と笑う。
「困るんじゃない? やる夫、クラスメイトのみんなから疑われたりして……くひひ。
 でも裏切らないわよね、やる夫は。だって私の一番のHAL厨だもの。絶対に逃がさない」
ハルヒはやる夫を見下す。ゴマモンを三人で食した事が思わぬ形で役に立った。
これでやる夫は私を裏切るわけにはいかなくなる。どれだけ私を罵ろうが、嫌悪しようが、私にだけは絶対に逆らえない。

「あんたも私の真似をして、ハルヒはゴマモンを食い殺した悪魔だって言いふらしてみる?
 くひひ。そんな根も葉もない噂を優しいやる夫は流せるのかしら?」

やる夫は涙を袖で拭き取り、つかつかとこちらに歩み寄ってきた。
さあ、忠誠を誓えやる夫。お前は永遠に私の道具なのよ。


やる夫の右手が舞い、ハルヒの頬を叩いた。パン、と小気味よい音が響く。
ハルヒは一瞬何が起きたのか分からず、呆然とした。しかしやがて、ハルヒの顔に憤怒の色が現れる。
「この豚が……!」
「ハルヒがどうしてそうなったのか。どうしてそんな血も涙もないような奴になったのか……
 やる夫には分からないお……」



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           .-´    ``ヽ        死ね!>
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       。ヽ 。   )(  }.  ...|  /!    
          ヽo (__ン  }、ー‐し'ゝL _  
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何かよく分からない事を話し始めたやる夫の顔面を思い切り殴る。

「やる夫は、やる夫は悲しいお……!やる夫とジョジョは凶暴なHALさんを受け入れてたのに、
 HALさんは本当の本当に、やる夫達を道具みたいに扱って……。やる夫達の事が嫌いなのかお?
 信頼できないのかお?」


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  / \_\三/_/ \      うるさい!>
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「くひひ……でもそうね。この際だからはっきり言ってやるわ。私以外のすべての生物は、私を神の高みへと再浮上させる道具でしかない。
 まあでも、あんた達が私に対して友情とか愛情を抱くのは勝手だわ。利用してあげるだけだから。けひひ」
「そんなの嫌だお……やる夫は例え乱暴されても、ハルヒを信頼しているから……
 ハルヒだってやる夫やジョセフをちゃんと仲間として扱ってほしいんだお……」
やる夫は泣きながらハルヒに抱きついた。チビな上に殴られた衝撃で中腰になっているので、下半身に抱きつく形になる。
ハルヒはきめえ、と罵りながら何度も何度も殴った。

「ハルヒはいい奴だったお!きっと前の殺し合いでとても悲しい事が起きて、ハルヒはそんな酷い性格になったんだお……!
 だから────やる夫がハルヒを改心させるお……!」
「改心も何も、私はこれが正常なのよ!!私は悲しくなんかないわ。悲しみなんて感じない!」

「嘘だお……!今のハルヒは……とても悲しそうに見えるお!
 本当ならキョンの役目かもしれないけど、キョンは死んだから、代わりにやる夫が────」


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  /  へ  \   }__/ /             / ̄ ̄\
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( _ ノ    |      \´       _    (   (_人_)’∴ ),  ’ハルヒを裏切らない……!
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       .|                  ______ ノ    (
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     / / ´`ヽ _  三,:三ー二
   / ノヽ--/ ̄ ,    ` ̄ ̄ ̄   だからハルヒも……!
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         / ̄ ̄ ̄ \
      /   :::::\:::/\  
     /    。<一>:::::<ー>。     脅されなくてもやる夫はハルヒの味方だお……!
     |    .:::。゚~(__人__)~゚j    ハルヒの悲しみはやる夫が癒すお……!
     \、   ゜ ` ⌒´,;/゜      だからハルヒもやる夫やジョジョの事をもっと想ってくれお……!
    /  ⌒ヽ゚  '"'"´(;゚ 。      一緒にジョジョを追いかけに行こうお……!
   / ,_ \ \/\ \
    と___)_ヽ_つ_;_ヾ_つ.;.



 //7ヽ イ : //:_/_.:/::::|: :.:|: : ヽ:.:.. : : : : :.. |. l  :.:.:\<二ニ.┬ ´
/イ /イ`:/: :/:l: :/:./`ヽ::::l: : :ト: : :.:ヽ:.:.:.. : : :.:.l:.:.:|:.:..   :.:ヽーj ノー 二
/´: : : /: : l:. l /l:/   \ヽ:.| ヽ: : :.ト 、:.:. : :|ヽ_L:.:.:.:.|:...| ドイ ̄:.:|  腐れ!この豚野郎……!どこまで私を嘗めるつもりよ……!
L〉: : : l : : |:. |:| |  _|f=-、.\  \:.{  \: :イ´l:|:.:. :.:.|:.:.:!:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.l 私は悲しみを感じない……!
|: : : : :! : : |:. :l{  ( リ   \!i   \ /ヽj、  }l!:.:. :.:l:.:.:l!.:.:|:.:.:.:.:.:.:.:.:l 私は神だ!あらゆる苦しみを超越した唯一の存在だ……!
{/: : :.:!: : .ハ:. :ト  ヾ、 o  》     /   〉  |:. :.:/:.:.:ハ:.:l:.:.:.:.:. :.:|:.:.! そんな私が『可哀想』だとっ!?
/: /: :.:|: |: :..ヽ:ヽ |j~ ゝ==シ    |j..〈 o .ノノ|j  j: : /: : /: }/ハ:.:.:. :.:!:.:.l ふざけるな……!可哀想なのは今こうしてボコボコにされているお前だ……!
/ /: :.:小 :!: :.:.:.:ヽ:\〃"  |ju  ヽ   ̄     /://:.イ:.:.:/:.:.:.:.!:.:.: : ト:.:.l
':/!: ::. :.|:ハト: :.:.:.:.:.:ト.ー |ju  /⌒ ー--、‐ 、   ../:/:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:l|:.:. : l!:.!   たかが人間風情が神に信頼を要求するとは何事だ!
/ | : :.:.:.l:.:.:.:ヽ:.:.:.:.:.l:.:\ |j/         \i   /:/:./:.:.:.:.l:.:.:.:.:.:.:.:.:l|:.:. : l !:.!
! !: : :.:.:|!:.:.:.:.:ヽ:.:.:.:l´ノ \ ー-  ___ノ  .イ:/:./}:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.:.:./|:.:.: :l j:リ
| ,.ゝ---― 7´: \:.ヽ   ` 、 ‐ _ .. .<_:::::::.:.:./:/:.j:.:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/ !:.:.:/ //
イ        { : : {  \ヽ      ̄  / ヽ:..:..ヽソ/:.:/:.:./:.:.:.:.:.:.:.:/  j:.:/ /´
       ヽ: :\   `\       {   〉:../´ `7:/- :._:.:./  /´



              ____
            /     \
           /  _ノ   ヽ、\
         /   (○)  (O)  \   そんな事言わないで……!以前のハルヒに戻って欲しいお……
         |       ||  (__人__)  ..|  キョンじゃないけど、やる夫は精一杯頑張るんだお……
         \    ノi   !  |.  /    だから拒絶しないで……やる夫は何が起きてもハルヒの仲間だお……
          /    し'   `⌒´ .ノ      だって、自暴自棄になっていたやる夫を励ましてくれたじゃないかお
          |       ./ ./      一緒に生きて帰るんだお……あのクラスに……!




           _,. - ―― - . .、
         /´..... : : :___ : :\
          /::.::.::.::./ ´ ___ `ヽ: :ヽ
        /::.::.:/::./ イ´: :: : : : : : `ヽ|:ヽ: !
      /::.::ィ/、:_!: :/:./: |::_::_-‐_ヘノ:l:l
       !::./ ,ト..十:T:ハ: |: : : l::..:.. l: : :|: :ト〉
     |::`メ|::.::.|:..,|:|  l lヽ: : ト、:: |: :|:レ|
      |::.:/| |::.:..|:廾ト、 ヽ \:| ,.斗l-:l:.,1:!     ・・・・・・・
      l.::.L|{1::.:.l:.ト十::テ ー ' イォ:卞l/イ |:|
     |:.|:l:Lト!:.:.ト{  ̄    ,   ̄`|:.|:Lj:l
       !:|:l::.::.:l::..ト、    , -、   イ::l:..:イ:!
      lム|:.|::.:ト:..l |\   ´ ̄` /7:/、/ノ′
     /|: 「lト::.:|.ヽ:!  ` ーァ ´}: : j/ : |「ト.
      ハl: l:::l ヽ!: : :ト_- ― <|: :/: : : !!| l
    i  ヽ:.l:::l : : : : l _, ----l: : : : : :l:||  |
     |   ト:ヾヽ : : : l_ノ  ̄ `| : : : : :l:l:l   !
     !   { ヽヾヽ : : l    l : : : : /'/   {
   |   ヽ トヾヽ : :l     !: : : :/':イ  |
    }      V ヽヾヽ: :l fYiソ : : /'/ ハ  |
   | _, --、 }_ヽヾヽ |ljl/: : :/'/ / r‐-  |


本当に今更だが、やる夫はまだハルヒの事を自分のクラスメイトのハルヒだと勘違いしている。
だからこれほどまでにハルヒを許容しようとしているのだろう。
ここまで痛めつけたのだから、もし本当の事を知ったらやる夫は必ず私を見捨てるはずだ。ハルヒはそう確信する。
だが裏切りたくても裏切れない布石はすでに打ってある。もしやる夫が裏切れば、ゴマモンを食った悪魔として言いふらすだけだ。
どっちみちやる夫はHAL厨でい続けるしかない。

頬を叩かれたり、不幸者扱いされて大いに怒ってしまったが、冷静に考えると状況は好転しているかもしれない。
思わぬ事で話が転がり、やる夫はさらに私に忠誠を誓ったのだから。
このままやる夫のクラスメイトを演じ続ければ、やる夫は文字通り私の『道具』となる。

「あんた、何が何でも私を見捨てないって言ったわよね? と言う事は、何をされても裏切らないって事?」
「絶対に裏切らないお……!だけど奴隷なんかじゃないお!やる夫はハルヒの一番の仲間になって、改心させるんだお……!」
ふぅん、とやる夫を見つめて、考える。何をされても裏切らないって事は、要するに奴隷なんじゃない?
「くひひ……いいわ。だったら仲間としての証拠を見せて頂戴。何をされても裏切らない。信頼できる仲間には何をしても許してくれる、けひっ♪」
ハルヒはデイパックからロープを取り出し、ナイフで適当な長さに切る。

「────尻を出せ」
「は?」
「し・り・を・だ・せ」
突拍子のないハルヒの発言に、やる夫は困惑する。
「鞭であんたの尻を叩きたいの。私の仲間なら当然でしょ?SOS団では毎日の日課だったのよ。
 キョンやゆきやみくるの尻を私は毎日叩いてたわ。痛みでしか分かち合えない友情ってものがあってね」
「う、嘘だお……。SOS団はそんな変態クラブじゃないはずだお」

ハルヒはけひひ、と笑う。私は狂っていないにもかかわらず、やる夫は改心させる、と大きな事を抜かしたのだ。
それ相応の覚悟があるのかどうか、試してやろうではないか。
この要求を素直に聞いてくれたら、やる夫はまさに私の道具と言う事になる。
何でも言う事を聞く便利な道具かどうか、テストしてやる。

「嘘かどうか本当にあんたに見抜けるの? ああ、私の一番の仲間になるって言ったのに……言う事聞いてくれないの?」
「な、仲間通しでそんな事をするのはおかしいお……」
「じゃあ無理やりするわ」
ハルヒはやる夫に向かって思い切り鞭を振るう。乾いた音が響き、やる夫の顔面に鞭が当たる。
あまりの痛さにやる夫は蹲る。そこへ蹴りを放ち、そしてやる夫の尻を踏みつける。

「何をされても裏切らない。あんたは私の一番の仲間になってくれるのよね?
 だったら少しくらいの暴力は許容してくれるってわけだ。けひゃひゃひゃひゃ」


びしっ……びしっ……と何度も何度も鞭を振るう。
その内にやる夫の尻は真っ赤に腫れあがっていく。皮膚が切れ、出血してもなお、ハルヒが振るう鞭は止まらない。
ハルヒの鬱憤が晴れるまで、この調教は終わらない。



ゴマモンを食した事によって、まずジョセフが壊れた。
壊れたジョセフの様子に触発され表層に現れたHALの本性はやる夫の精神を破壊した。

ジョセフはただ謝る。ゴマモンを見捨てた事、食べた事を償うために────

やる夫はHALに固執する。元のハルヒに戻すために────

お互い茨の道。ジョセフの行動は無益。やる夫の行動は無謀。殺し合いにおいて、彼らの行動はただ悲しみを増やすだけになりかねない。
だが二人は止まらないだろう。全てが丸く収まる、そんな結果を望んでいるから。
それが彼らの生きる道なのだから。





────ジョセフのデイパックの中で、骨だけになったおいらは思った。
────ああ、まだ終わらないんだなあ……悲しみの連鎖……スパイラル。

全ての始まりは、元凶は、何だったっけ……思い出せない。
もういいや……おいらには関係ない。おいらはもう死んだのだから────




 【F-5/川沿い/1日目-朝】
 【ジョセフ・ジョースター@漫画ロワ】
 [状態]:軽度(小)精神錯乱気味、極度の精神的ショック
 [装備]:トンプソンM1短機関銃(0/50+予備弾倉50発x2)、ヌンチャク@漫画ロワ
 [持物]:デイパックx2、基本支給品一式x2、RPG-7@現実(予備弾頭×1)、萌えもんパッチ@ニコロワ、ゴマモンの骨
 [方針/行動]
  基本方針:かがみに会ってゴマモンの言葉と骨を届ける。
  1:ゴマモンすまねえ……
 [備考]
  参戦時期は死亡後です。
  誰がニコロワ出身かは全く分かってません。
  主催には時空を超える能力があると推測しています。
  HAL(ハルヒ)の本名を知りません

 【やる夫@やる夫ロワ】
 [状態]:ダメージ(中)、尻に裂傷、極度の精神的ショック
 [装備]:
 [持物]:デイパック、基本支給品、コルト・ガバメント(0/7)@なのはロワ、不明支給品x1-2
 [方針/行動]
  基本方針:ハルヒを改心させて、元のハルヒに戻す
  1:ジョセフが心配。追いかけたい
  2:奴隷ではなく、ハルヒに信頼される本当の仲間になりたい
※ハルヒをやる夫ロワのハルヒと勘違いしています。

涼宮ハルヒ@ニコロワ】
【状態】神(笑)、6/に対する怒り、やる夫を鞭で叩いて気分スッキリ
【装備】無し
【持ち物】支給品一式、ナイフ@現実、マッチ@現実、ランプ@現実、青龍偃月刀@現実 ルイズの首輪、ゴマモンの首輪
【思考・方針】
[基本方針]
主催者と邪魔者を殺して神として君臨する。 経験を生かし、慎重に立ち回る。
1、とりあえず6/(神)に追いつかれたくないのでこの場から移動する
2、やる夫は誤解が解けない限りは、乱暴に扱っても従ってくれそうだ
3、外撲を集めて、情報を集めて、首輪を分解する
4、6/(神)をいつか神の力が戻って来た時、潰す
5、正直調子に乗りすぎた。今は反省してる。もう少し慎重にならねば…


078:もうどうにでもな~れ 投下順 079:バトルロワイヤルは鬼ばかり
時系列順 079:バトルロワイヤルは鬼ばかり
涼宮ハルヒ 088:HAL・スクリーミング・ショウ
やる夫
ジョセフ・ジョースター 091:後夜祭



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