後夜祭 ◆DiyZPZG5M6
午前の柔らかな日差しが眩く島を照らしている。
暑くもなく寒くもない春のような心地よい気温。
殺し合いという場でさえなければ絶好の外出日和の気候。
暑くもなく寒くもない春のような心地よい気温。
殺し合いという場でさえなければ絶好の外出日和の気候。
無人の街並みを一人の青年が歩いている。
こんなにも気持ちのいい日だというのに彼の足取りは重く、表情は憔悴しきっていた。
その瞳には蒼穹の空は映りこまず、ただ自責と後悔の念だけが瞳を染め上げる。
心はとうの昔に折れてしまったのに足だけはふらふらと前に進む。
こんなにも気持ちのいい日だというのに彼の足取りは重く、表情は憔悴しきっていた。
その瞳には蒼穹の空は映りこまず、ただ自責と後悔の念だけが瞳を染め上げる。
心はとうの昔に折れてしまったのに足だけはふらふらと前に進む。
彼の言葉を彼女に伝えないと、それが自分にできる精一杯の償い。
青年―――ジョセフ・ジョースターは彼の遺骨を携えて償いの道を歩む。
青年―――ジョセフ・ジョースターは彼の遺骨を携えて償いの道を歩む。
なんでこんな事になってしまったのだろうか……
もしあの時、迂闊なことを喋らなければゴマモンは死なずに済んだかもしれない。
何気ない一言が、ゴモマンとジョセフ自身の運命を大きく狂わせてしまっていた。
悔やんでも、
悔やんでも、
何度悔やもうとも過ぎ去った時は二度と戻ってはこない。
何度謝っても謝るべき彼はもうこの世には戻ってはこない。
もしあの時、迂闊なことを喋らなければゴマモンは死なずに済んだかもしれない。
何気ない一言が、ゴモマンとジョセフ自身の運命を大きく狂わせてしまっていた。
悔やんでも、
悔やんでも、
何度悔やもうとも過ぎ去った時は二度と戻ってはこない。
何度謝っても謝るべき彼はもうこの世には戻ってはこない。
そして何より自分が許せない。
ゴマモンを見殺しにして、あまつさえ彼の肉を美味い美味いと食べていた自分。
悪いのは全て自分自身だ。
HALは何も悪くない、川を流れていたアザラシの死体を腹が減っていたから焼いて食べた。ただそれだけだ。
あの時、ジョセフは油したたる美味そうな肉をゴマモンである事にいくらでも気がつけていたのに出来なかった。
ゴマモンを見殺しにして、あまつさえ彼の肉を美味い美味いと食べていた自分。
悪いのは全て自分自身だ。
HALは何も悪くない、川を流れていたアザラシの死体を腹が減っていたから焼いて食べた。ただそれだけだ。
あの時、ジョセフは油したたる美味そうな肉をゴマモンである事にいくらでも気がつけていたのに出来なかった。
みんなみんな俺が悪い―――俺がゴマモンを殺した。
ふとジョセフの鼻腔を異臭が突く。
心地よい春先のような空気に似つかわしくない、場違いな臭い。
錆びた鉄と海辺の磯の臭いが混ざった特徴的な香り。
それは紛れもなく人の流した血液の臭いだった。
そして彼は訪れてしまう。
凄惨な宴の痕。
魔女の夜会が行われた地を。
心地よい春先のような空気に似つかわしくない、場違いな臭い。
錆びた鉄と海辺の磯の臭いが混ざった特徴的な香り。
それは紛れもなく人の流した血液の臭いだった。
そして彼は訪れてしまう。
凄惨な宴の痕。
魔女の夜会が行われた地を。
一面、血の海だった。
灰色のアスファルトを赤黒く染めるおびただしい量の血液。
その中心で倒れている二人。
一人は女。
もう一人は―――
灰色のアスファルトを赤黒く染めるおびただしい量の血液。
その中心で倒れている二人。
一人は女。
もう一人は―――
「嘘……だろ」
ジョセフの力ない声が口から漏れる。
血の海に横たわり、白い珍妙な全身を真っ赤に染めたマシュマロのような生物。
「なん、で……お前がそこで死んでるんだよ……HALと一緒にいたんじゃねえのかよ……」
彼は小さく彼の名を呼ぶ。
「やる夫―――」
やる夫の死体は酷い有様だった。
その饅頭のような頭の半分を何発も撃たれた銃弾によって砕かれてしまっている。
単純に殺すだけならここまでするはずがない。
「すま……ねぇ……俺が離れたばっかりに……」
HALの姿はどこにもいない、うまく逃げる事が出来たのだろうかと辺りを見回す。
周囲には誰もいなかった。
血の海に横たわり、白い珍妙な全身を真っ赤に染めたマシュマロのような生物。
「なん、で……お前がそこで死んでるんだよ……HALと一緒にいたんじゃねえのかよ……」
彼は小さく彼の名を呼ぶ。
「やる夫―――」
やる夫の死体は酷い有様だった。
その饅頭のような頭の半分を何発も撃たれた銃弾によって砕かれてしまっている。
単純に殺すだけならここまでするはずがない。
「すま……ねぇ……俺が離れたばっかりに……」
HALの姿はどこにもいない、うまく逃げる事が出来たのだろうかと辺りを見回す。
周囲には誰もいなかった。
そしてジョセフはもう一人の死体に目を移す。
背中まで貫通している傷を負った女。
おそらくそれが致命傷だったのだろう。
ジョセフは女の胸の傷からゆっくりと彼女の顔へ視線を移す。
背中まで貫通している傷を負った女。
おそらくそれが致命傷だったのだろう。
ジョセフは女の胸の傷からゆっくりと彼女の顔へ視線を移す。
「あ、れ……」
顔が見えない。
女の顔が見えているのに見えない。
気丈さと可愛らしさを合わせ持った端正な少女の顔が見えているのに、、
ジョセフの目には霞がかかったように少女の顔を認識できない。
女の顔が見えているのに見えない。
気丈さと可愛らしさを合わせ持った端正な少女の顔が見えているのに、、
ジョセフの目には霞がかかったように少女の顔を認識できない。
彼の無意識は彼の理性を騙そうと必死に少女の顔を隠す。
その少女は彼の折れた心を唯一繋ぎ止める細い蜘蛛の糸。
だから認めない。
認めてはいけない、その死体は無視して先を進め。
ありったけの無意識の叫びが少女の顔を隠し続ける。
だけど都合のいい幻想はいつまでも続きはしない。
霧が晴れるように現実は彼の理性を蝕んでゆく。
その少女は彼の折れた心を唯一繋ぎ止める細い蜘蛛の糸。
だから認めない。
認めてはいけない、その死体は無視して先を進め。
ありったけの無意識の叫びが少女の顔を隠し続ける。
だけど都合のいい幻想はいつまでも続きはしない。
霧が晴れるように現実は彼の理性を蝕んでゆく。
無意識の抵抗も虚しく徐々に少女の顔がはっきりと認識されていく。
藤色の長い髪をツインテールに結んだ少女の顔がそこに露になってしまう。
藤色の長い髪をツインテールに結んだ少女の顔がそこに露になってしまう。
「ああ―――」
力なく声が漏れた。
贖罪の手段すらも永久に失ってしまった。
贖罪の手段すらも永久に失ってしまった。
糸が、切れた。
☆
虚ろな瞳で地面に座り込むジョセフ。
終わった。全てが終わってしまった。
彼の心を奮い立たせる物は何一つ失われてしまった。
何も音も聞こえない。
鳥の囀りも風にざわめく街路樹も何も聞こえない。
凍てついた時がゆっくりと彼の心を枯死へ向かわせる。
そこへ一人の男の声が背後から聞こえてきた。
終わった。全てが終わってしまった。
彼の心を奮い立たせる物は何一つ失われてしまった。
何も音も聞こえない。
鳥の囀りも風にざわめく街路樹も何も聞こえない。
凍てついた時がゆっくりと彼の心を枯死へ向かわせる。
そこへ一人の男の声が背後から聞こえてきた。
「ようジョジョ……しばらくぶりだな」
ウェディングドレスを着込んだ青年―――6/がそこに静かに佇んでいた。
「中々面白い状況だな……お前の仕業か? ってそんなわけねえよな」
6/は静かに言い放つ。
彼もまた二つの死体を確認していた。
「……………」
ジョセフは何も答えない。
6/もまたジョセフの状態に気がつく。
以前見た自信と覇気に満ち満ちたジョセフ・ジョースターの姿はもうどこにもない。
そこにあるのは心が壊れ魂の抜けた男の姿だけだった。
6/は静かに言い放つ。
彼もまた二つの死体を確認していた。
「……………」
ジョセフは何も答えない。
6/もまたジョセフの状態に気がつく。
以前見た自信と覇気に満ち満ちたジョセフ・ジョースターの姿はもうどこにもない。
そこにあるのは心が壊れ魂の抜けた男の姿だけだった。
「俺は……あいつの望みすらも叶えてやれなかった。やる夫も見殺しにしちまった……」
「そうか、俺には関係無いな。むしろ人が減って都合がいい」
「あいつはさ……ずっとかがみに謝っていたんだ。でも謝れなかったんだ」
「そうか」
「もう……俺ダメだわ……」
「だろうな、みりゃ解る」
6/に背を向けたまま、横たわる柊かがみの死体を見つめたままジョセフは静かに語りかける。
6/もまた静かに彼女の死体を見下ろしていた。
「そうか、俺には関係無いな。むしろ人が減って都合がいい」
「あいつはさ……ずっとかがみに謝っていたんだ。でも謝れなかったんだ」
「そうか」
「もう……俺ダメだわ……」
「だろうな、みりゃ解る」
6/に背を向けたまま、横たわる柊かがみの死体を見つめたままジョセフは静かに語りかける。
6/もまた静かに彼女の死体を見下ろしていた。
「お前……殺し合いに乗ってるんだろ? じゃあ俺の首やるよ……もう俺は生きていてもしょうがねえ、あの世でゴマモンに謝ってくるわ」
「元よりそのつもりだったからな。あんたが抵抗する気が無くて助かる」
「……あんた見た感じからして日本人だろ? だったらその剣でサムライみたいに介錯してくれ」
「いいのか? 俺はほとんど剣の素人だぞ……一撃で首を刎ねられるとは限らんからな」
「構わんさ、死に方ぐらい俺に決めさせてくれ」
「……わかった」
「元よりそのつもりだったからな。あんたが抵抗する気が無くて助かる」
「……あんた見た感じからして日本人だろ? だったらその剣でサムライみたいに介錯してくれ」
「いいのか? 俺はほとんど剣の素人だぞ……一撃で首を刎ねられるとは限らんからな」
「構わんさ、死に方ぐらい俺に決めさせてくれ」
「……わかった」
ジョセフは正座する。
不思議と清清しい気分だった。
その目に柊かがみの姿を焼き付けて死のう。
そしてゴマモンに謝ろう。
もう、迷いも苦しみも感じない。
そんな物はこの世に置いて行こう。
不思議と清清しい気分だった。
その目に柊かがみの姿を焼き付けて死のう。
そしてゴマモンに謝ろう。
もう、迷いも苦しみも感じない。
そんな物はこの世に置いて行こう。
背後に6/が立つ。
純白のウェディングドレスが天使のように見えた。
白い告死天使は静かに銃剣を構える。
純白のウェディングドレスが天使のように見えた。
白い告死天使は静かに銃剣を構える。
「何か俺に言い残すことはあるか?」
「そうだな……HALに会ったら『あんたは何も悪くない』と伝えてくれないか」
「守れるかどうか解らんが聞いておくよ」
「すまねぇ……さ、一思いにやってくれ」
「そうだな……HALに会ったら『あんたは何も悪くない』と伝えてくれないか」
「守れるかどうか解らんが聞いておくよ」
「すまねぇ……さ、一思いにやってくれ」
6/は銃剣を振り上げる。
後は振り下ろせばジョセフは絶命する。
後は振り下ろせばジョセフは絶命する。
「ジョジョ、そういえば俺からもあんたに伝えるべきことがあったよ」
「死ぬ人間に言ってもしょうがねえだろ……」
「ま、聞いとけって。あのな―――」
「死ぬ人間に言ってもしょうがねえだろ……」
「ま、聞いとけって。あのな―――」
「―――悪いけど、その死体は柊かがみじゃあねえよ」
ジョセフの目が驚愕で見開かれた瞬間、剣が振り下ろされた。
ざんっと鈍い音がしてジョセフの首が地面に落ちる。
赤い鮮血が噴水のように噴きあがりウエディングドレスを真紅に染める。
首を失ったジョセフの身体がぐらりと地面に崩れ落ちた。
ざんっと鈍い音がしてジョセフの首が地面に落ちる。
赤い鮮血が噴水のように噴きあがりウエディングドレスを真紅に染める。
首を失ったジョセフの身体がぐらりと地面に崩れ落ちた。
「しょうがねえよ。こいつがかがみじゃない事を知ってるなんて俺ぐらいだ。……ったく死んでも誤解フラグは健在か『俺』は」
6/は横たわる柊かがみの姿をした『自分』に視線を移す。
彼の死に顔は不思議と苦痛にまみれた物ではない。
むしろ自信に溢れ、勝ち誇った表情だった。
彼に限らずやる夫も残った顔の半分は何かをやり遂げた安らかな物だった。
彼の死に顔は不思議と苦痛にまみれた物ではない。
むしろ自信に溢れ、勝ち誇った表情だった。
彼に限らずやる夫も残った顔の半分は何かをやり遂げた安らかな物だった。
(二人は誰に殺されたんだ……? つかさと魅音は何処へ行った……? それに―――)
やる夫ともう一人の自分、そしてジョセフの言葉から察するに。
つかさと魅音と自分はやる夫とハルヒと合流している。
そこで何があったのだろうか?
そして気になるジョセフのHALと呼んでいた事。
自分のことをHALと呼ばせるハルヒはニコロワの神(笑)しかいないはず。
マーダーである自分でさえも引くぐらい神(笑)はドが付くほど鬼畜で外道だと認識している。
やる夫ともう一人の自分、そしてジョセフの言葉から察するに。
つかさと魅音と自分はやる夫とハルヒと合流している。
そこで何があったのだろうか?
そして気になるジョセフのHALと呼んでいた事。
自分のことをHALと呼ばせるハルヒはニコロワの神(笑)しかいないはず。
マーダーである自分でさえも引くぐらい神(笑)はドが付くほど鬼畜で外道だと認識している。
そんな神(笑)がジョセフ達と行動なんて出来たのだろうか?
単純にジョセフがHALというニックネームで呼んでいただけなのだろうか?
疑問は多く残る。
単純にジョセフがHALというニックネームで呼んでいただけなのだろうか?
疑問は多く残る。
(ま、ハルヒが神(笑)だろうとそうでなかろうと俺には関係ねえ……俺は俺の目的を果たすだけだ)
6/はジョセフの荷物を自分のデイバッグに詰め替える。
ジョセフは幸いにも銃を持っていた。銃剣で接近戦をする必要もないだろう。
後は妙な骨が入っていたが持っていてもしょうがないので捨てておくことにした。
ジョセフは幸いにも銃を持っていた。銃剣で接近戦をする必要もないだろう。
後は妙な骨が入っていたが持っていてもしょうがないので捨てておくことにした。
彼は静かにこの場を後にする。
ここで何が起こったのか、
祭の当事者がいない今、それを知ることはもはや出来なかった。
ここで何が起こったのか、
祭の当事者がいない今、それを知ることはもはや出来なかった。
【ジョセフ・ジョースター@漫画ロワ 死亡】
【F-4/道路/1日目-午前】
【6/氏(神)@オールロワ】
[状態]:疲労(小)、精神疲労(中)
[装備]:バヨネットx2@漫画ロワ、マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@漫画ロワ
トンプソンM1短機関銃(0/50+予備弾倉50発x2)、ヌンチャク@漫画ロワ
RPG-7@現実(予備弾頭×1)、萌えもんパッチ@ニコロワ
[持物]:
[方針/行動]
基本方針:何がなんでも元の世界に帰る。
1:どこかでまともな服を調達する。
2:ハルヒの出展元が気になる。
3:かがみを殺すことについては……
4:6/(かがみ)の死に複雑な心境。
[状態]:疲労(小)、精神疲労(中)
[装備]:バヨネットx2@漫画ロワ、マジシャンズレッド(魔術師の赤)のDISC@漫画ロワ
トンプソンM1短機関銃(0/50+予備弾倉50発x2)、ヌンチャク@漫画ロワ
RPG-7@現実(予備弾頭×1)、萌えもんパッチ@ニコロワ
[持物]:
[方針/行動]
基本方針:何がなんでも元の世界に帰る。
1:どこかでまともな服を調達する。
2:ハルヒの出展元が気になる。
3:かがみを殺すことについては……
4:6/(かがみ)の死に複雑な心境。
[備考]
※涼宮ハルヒの出展元を分かっていません。
※6/(かがみ)が、かがみの外見をしていることを認識しました。(経緯は知りません)
※漫画ロワ以外にも、かがみが参加しているロワがあるかもしれないと考えています。
※涼宮ハルヒの出展元を分かっていません。
※6/(かがみ)が、かがみの外見をしていることを認識しました。(経緯は知りません)
※漫画ロワ以外にも、かがみが参加しているロワがあるかもしれないと考えています。
| 090:大都会交響楽(裏) | 投下順 | 092:紅 kure-nai |
| 090:大都会交響楽(裏) | 時系列順 | 098:飢え「無我夢中」の無礼講 |
| 078:もうどうにでもな~れ(後篇) | ジョセフ・ジョースター | |
| 081:君は僕に似ている(後編) | 6/氏(神) | 106:赤い空の窓に消えていくあの子を呼ぶ |