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我がAA軍は永遠に不滅です (後編)

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我がAA軍は永遠に不滅です (後編) ◆LcLEW3UbhI



    / ニYニヽ
    / (●)(●)ヽ
   /   ⌒`´⌒\     (高良みゆきブレイン起動中) 
 /    ,-)   (-、\   
 |      l  __  l |  
 \     ` ⌒´   /  
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i   
   |  \/゙(__)\,|  i |      
   >   ヽ. ハ  |   ||   


     / ニYニヽ
    / (●)(●)ヽ
   /   ⌒`´⌒\   全力で頭突いても、舌で攻撃しても通用しなかった以上、
 /    ,-)   (-、\   今でっていうに物理的にあの鎧を破る手段はないっていう
 |      l  __  l |    
 \     ` ⌒´   /  
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i   
   |  \/゙(__)\,|  i |      
   >   ヽ. ハ  |   ||   


     / ニYニヽ
    / (●)(●)ヽ
   /   ⌒`´⌒\   かと言って、火炎で焼くことも冷気で凍らせることも出来なかったっていう。
 /    ,-)   (-、\   あの鎧の丈夫さは異常っていう
 |      l  __  l |    
 \     ` ⌒´   /  
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i   
   |  \/゙(__)\,|  i |      
   >   ヽ. ハ  |   ||   


     / ニYニヽ
    / (●)(●)ヽ
   /   ⌒`´⌒\     じゃあどうすればいいか考えるっていう 
 /    ,-)   (-、\   
 |      l  __  l |    
 \     ` ⌒´   /  
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.     
:   |  '; \_____ ノ.| ヽ i   
   |  \/゙(__)\,|  i |      
   >   ヽ. ハ  |   ||   


       |
    \  __  /
    _ (m) _
       |ミ|
    /  .`´  \
     /ニYニヽ
    / (0)(0)ヽ
   / ⌒`´⌒ \ 
  | ,-)    (-、.|
  | l  ヽ__ ノ l |
   \  ` ⌒´   /


       /ニYニヽ
   (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)
  (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))  生きたまま胃の中に放り込んでやればいいっていうwww
 /∠_| ,-)___(-,|_ゝ \
( ___、  |-┬-|    ,__ )でっていうの最大の武器はこの胃だっていうwww
    |    `ー'´   /´
    |         /


でっていうが火炎や冷気を撒き散らしながら下降する。
オプーナーはそれを地上で移動しながら見届けると、でっていうが降り立つであろう地点に向かって移動を開始する。

と、冷気や火炎に混じって一本? の舌がオプーナーに向かって飛んでくるのが見えた。
オプーナーは軽く横に跳んでそれを回避すると、攻撃対象を見失った舌を、再びがっちりと掴んだ。
そしてそれを先ほどと同じように、思い切り引く。でっていうが再び氷の槍と化したとしても、今の、ガイバーユニットの防御力を把握したオプーナーにはいくらでも対策はある。
そう思った矢先に、オプーナーの体がでっていうの舌に包まれた。
一瞬、状況が読めず、オプーナーの動きが止まる。そしてでっていうにはその一瞬で十分過ぎた。

でっていうの舌が弾丸のような速度で引き戻される。オプーナーは抵抗しようと身を震わすが、あまりにも遅すぎる。
オプーナーの体が吸い込まれるようにして、そのままでっていうの口の中へと引きずり込まれた。

「き、貴様……」


           /ニYニヽ  
     (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)      誰もでっていうの舌が
     (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))    直進しかしないとは言ってないっていう
    /∠_| ,-)    (-,|_ゝ \    勘違いしないでっていうwwwww
    ( __  l  ヽ__ノ   ,__ )
        \   |r-_,,..、;  /
          |  | | .二二二二二二二二二 ̄ ̄>
         |  | |`|   |          ̄>./
         |  `ー'    |        / /
                        /  <___/|
                        |______/




「くっ。オプーナーに、栄光あれ……」

オプーナーが断末魔の声を上げる。

でっていうは余裕の表情でその文句を聞き流すと、口に入ったオプーナーを一噛みし、やはり噛み切れないことを確認する。仕方なく、そのままの状態で飲み込んだ。


   / ̄|     /ニYニヽ
  |  |    /( ゚ )( ゚ )ヽ
  |  |  /::::⌒`´⌒::::\
,―    \ | ,-)___(-,| そこそこ旨かったっていうwww
| ___)   |、   |-┬-|  /   朝食にしてはカロリー高いけど問題ないっていうwww
| ___)   |    `ー'´ /
| ___)   |       /
ヽ__)_/


        ./ \Yノヽ    
       / (0)(―)ヽ    
     /  ⌒`´⌒ \   一食終わったところで早速次の食事を探しにいくっていうwww
     | , -)    (-、.|   
     l   ヽ__ ノ  l |
     \         /


     /ニYニヽ
    / (・)(・)ヽ       ん?
   / ⌒`´⌒ \
  | ,-)    (-、.|
  | l         l |
   \  ` ⌒´   /


     /ニYニヽ
    / (0)(0)ヽ
   /  ̄`´ ̄ \     腹が痛いっていう
  | ,-)    (-、.|
  | l ____ l |
   \   `ー'´  /


   /ノYヽヽ
   /(0)(0):::ヽ
 ./ ⌒`´⌒ ::\   
 | )ノ(、_, )ヽ, (::::| 無性に腹が痛いっていう。これはやばいっていう
 |.l ,;‐=‐ヽ  l :::|
 \ `ニニ´ ::::/
 /`ー---―´\


……。
でっていうは知らないことだが、ゆたかがエナジーボンボン、そしてガイバーユニットと融合した原因は、『エニグマカレー』と呼ばれる魔の料理によるものである。
その力は食したものの人格を変え、融合させ、魔に落とす。
その毒性は計り知れず、無論、消えることはない。
そんなものを諸に被ったゆたかを食したということはつまり、『エニグマカレー』の毒性を諸に引き継いだ最悪の食物の食したということに他ならない。
それでもすぐに人格が変わったり、いきなり消滅したりしないのは、でっていうの鋼鉄すらぶっちぎる異常に丈夫な胃袋あってのものだ。
とはいえ、いかなでっていうの胃袋といえど、いつまでもエニグマカレーの毒性を抑えておけるわけではない。徐々にその毒性はでっていうの体を蝕んでいく。


  /ノYヽヽ
   /(0)(0):::ヽ
 ./ ⌒`´⌒ ::\   
 | )ノ(、_, )ヽ, (::::|  このままじゃやばいっていう。朝食からワゴンは重すぎたっていう
 |.l ,;‐=‐ヽ  l :::|
 \ `ニニ´ ::::/
 /`ー---―´\


   /ノYヽヽ
   /(0)(0):::ヽ
 ./ ⌒`´⌒ ::\   
 | )ノ(、_, )ヽ, (::::|   仕方ないから一旦吐き出して、別のもので胃を慣らしてから改めて食ってやるっていう
 |.l ,;‐=‐ヽ  l :::|
 \ `ニニ´ ::::/
 /`ー---―´\


         /ニYニヽ  ぺっていうwwwwwwwwwwwww
   (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)
   (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))
  /∠_| ,-)    (-,|_ゝ \
  ( __  l  ヽ__ノ   ,__ )
       \   |r-_,,..、;;:::´
        |  |:::::  ヽ::::::
        |  |:::::   ヘ::::::::
           `::::::     ::::‘;:::::
          ::::ヽ::::     :::::ヘ::::::
          ::::|::::/     :::::\:::::::
           ::::―|::::     :::|::::ヘ:::
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            ::::::|∠:      :_/:::
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              ::::::\::::      :::::::|
          ::::::`:::,::::::::::|        \:',:::::":,`::::::::::::
          ::|:::::-::[-::: ̄:/:::  ::\:::―|:,:::/\-:::冖:::::::ヘ::
   人从 人从 ::::\、´<::-::   ::-::、:::、_:/::::::\::、::´:,::-:::从人从从     


     /ニYニヽ
    / (・)(・)ヽ       あれ、でないっていう
   / ⌒`´⌒ \
  | ,-)    (-、.|
  | l         l |
   \  ` ⌒´   /


         /ニYニヽ  もう一回ぺっていうwwwwwwwwwwwww
   (ヽ   /( ゚ )( ゚ )ヽ   /)
   (((i ) /::::⌒`´⌒::::\  ( i)))
  /∠_| ,-)    (-,|_ゝ \
  ( __  l  ヽ__ノ   ,__ )
       \   |r-_,,..、;;:::´
        |  |:::::  ヽ::::::
        |  |:::::   ヘ::::::::
           `::::::     ::::‘;:::::
          ::::ヽ::::     :::::ヘ::::::
          ::::|::::/     :::::\:::::::
           ::::―|::::     :::|::::ヘ:::
           :::::::::/::    :::::\:::::
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              ::::::\::::      :::::::|
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          ::|:::::-::[-::: ̄:/:::  ::\:::―|:,:::/\-:::冖:::::::ヘ::
   人从 人从 ::::\、´<::-::   ::-::、:::、_:/::::::\::、::´:,::-:::从人从从     


     /ニYニヽ
    / (・)(・)ヽ       やっぱりでないっていう
   / ⌒`´⌒ \
  | ,-)    (-、.|
  | l         l |
   \  ` ⌒´   /


     /ニYニヽ
    / (・)(・)ヽ       ん?
   / ⌒`´⌒ \
  | ,-)    (-、.|
  | l         l |
   \  ` ⌒´   /


                   /         ,     ',  、      \
                  /      /   /     ',   ',  ヽ ヽ  ヽ
                    /  /   i.l   /  l   .|  .l  l   ',  ',.  ',
                ノ  / /  l.l   {  ィ   |  l   }   l  l   ',
              ー=-イ / /   i ',  .∧ l !   !  ハ  ハ  ,'  !  l ヽ、_
                { i l l   l ト、 l l | ',  ハ / .l / l /  /  j ,ゝ´
                   l l l l  ハ | ヽ! ヾ ヽ./ |:/  |' _j/l  /  /./
                 } .ハ ,l ヽ |ヘlニ;--,.._ ' ` 、',.-;‐;二__  l /  /./
                ノ'" l.ヘ. ト、! '弋赱!~ ,     ' 'T心!_ イ   j l′
                      |rヘ lヽ    ´     `     l  / ノ
                   ヽヘ l        i           l  /'´    フッ。でっていうの体内とはいえ、
                    `l | ',、j      |         j /ついにゆーちゃんと一緒になれたぜ
                     jハ. ヘ      ヽ!       /! /ヽ
                      !ヘ ハ、   ,__,...、   /|/` ‐ヽ
                       i!ヘl\ ゝ-‐ニ‐-' ,. イ从'
                      , ィ' ヽ \    /  ノ ヽ、
                     / /   `ヽ ヽ- '´  r'   ', ヽ
                   /   l    /iーヘ   rニ' ヘ   l   ゙ヽ
                 , -イ   l   /`ヽOヘ  / /-''ヘ.   l   ヽ‐、
              _.. - ´ /    {  ,.ヘ、_>'^''< _..-ヘ.  l    ',  ` ‐、
          _.. - ´     /   , -i!/ ヽ    ',    /    ヽ |\    ヽ    ` ‐ 、
      , -''''´        /  /  l   `   ゝ- /   _ -' `!   \   \     `ヽ




              _, -‐--....、
           /..:::::::::::::::::::::::::::.ヽ
              / .:.::::::::::::::::::::::::::::::::::::.ヽ
          /..:.:.:.:.::::/:::;i:::::,|:::::l:::::;::::::.ヽ
          l::::::l::::::/l::/ |::/{::/|::;/l::}:;::;::i
          l/i::l:::N`|メ、_|ム|/.,j/レ|::|::ト!
          f^i:::l ''ZTー   ィ'Zト.|::|::レ'^ヽ、
     ,...-',,⌒ゞミ、l::|.      l   l::!Y::::::::::::::.ヽ、        それを俺が
    /::/..::::::::::::..ヽl_      〉   /v':::::::::::ノ::_;;:::::j,ト、
   /:::::::::::::::::::..`ー-、:l、  f===r  ,ヘ:::::;::::::/ ̄ ゙''ヘュ_ノ    簡単に離すわけがないだろ!?
   /:::::::::::::::::::::::::::::::;;_ヾ;:、L_,,リ /:>:l/:::/
  ./:::i|:::::::::::::::::::::::::::::::..`''ヾ、ー_-イ, 〉<.|/ _ノ⌒ ー - ,,,__  _
  }:::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::..゙ヾ!、!;::|:|,r‐'゙           //   ヽ
 「::::ヾ|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;ヽf     ヽ        l /    l
../::::::::::l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::,,-''',ニ,-'"      \___        /
/:::::::::::..ヽ;::i:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ./ l          \X=-、,,__/
:::::::::::::::::..ヽl;:::::::::::::::::::::::::::::::| |  ノ     ` 、      ヽ ,ヘ./
:::::::::::::::::::::..ヽ、:::::::::::::::::::::::::::| l i´       ` 、    ノ ヾ|
:::::::::::::::::::::::::::..`ヽ;::::::::::::::::::::| | |    、     `'rイ  ,ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::.::..\∩:::::::::| l\      `=、..__,ノ   ̄
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::i\∩:/  | ヽ、_    ノ
::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|  \:!`ー、  ,,=''::::`、'‐-'゙
:::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::::l  l ヽ_;;ァ'~ヽ;::::::::::.ヽ
::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::|  | i    ヽ;::::::::::..\

「……ふざけんなっていう!! 死んだ奴は黙って死んでろっていう!!」

でっていうの腹の中、オプーナーの体はほんの少しだけ残っていたキョンの骨に引っかかり、決して進まなかった。
でっていうは何とかしようと必死になって転げまわったり、急降下したりしたが、キョンの骨は依然としてオプーナーの体が動くことを妨げる。


1                 /ニYニヽ
                 / (0)(0)ヽ
                / ⌒`´⌒ \   ふざけんなっていう
               | ,-)    (-、.|
               | l  ヽ__ ノ l |
                \  ` ⌒´   /


                  /ニYニヽ
                 / (0)(0)ヽ
                / ⌒`´⌒ \   でっていうはまだ全然食い足りないんだって言う
               | ,-)    (-、.|
               ~~~~~~~~~~~


                  /ニYニヽ
                 / (0)(0)ヽ
                / ⌒`´⌒ \   このまま終わるなんて、そんな理不尽は許されないっていう
                ~~~~~~~~~


                  /ニYニヽ    明らかにでっていうは勝ってたっていう
                 / (0)(0)ヽ
                ~~~~~~~~~


                  /ニYニヽ    勝者が消えるなんて、そんなの理不尽だってい……。
                 ~~~~~
言葉が全て吐かれる事はなく、でっていうの体は静かに溶けて、消えた。後に残ったのは胃液で消化され、随分と薄くなったガイバーユニットと、上部の球体部分の溶けたエナジーボンボンを付けた、オプーナー……いや、小早川ゆたか、ただ一人。

「私は、生きてる?」

小早川ゆたかは何処か信じがたげに自分の体を、見回した。
手があり、足がある。
指があり、爪がある。

「どう、して?」

自分はもう、決して表に出ることは叶わないと思っていた。自分を乗っ取ったオプーナーの奇行を体の内側から見つめ、そして泣き続けることしか出来ないと思っていた。

けれど、今……。

「私は、こうして……」

生きている。自分の体を操れている。何故だろう? 何故かしら?
運命は常に不幸に働くと思っていた。だからそれに巻き込まれた自分は、もう決して外にでることは出来ないと思っていた。
他にどうしようもなく、泣き続けることしか出来ないと思っていた。

「運、命?」

運命が自分を救ったのだろうか? これまで延々と苛める事しかしてこなかった運命が?
そんな馬鹿なことはない。運命が味方するなんてことはありえない。これまで一方的にゆたかを苛めて来た運命がいきなり味方するなんて、そんな都合のいい話があるわけがない。

「これはきっと、運命じゃない」

これは運命ではない。きっと本来あるべき運命では、あの溶けた緑色の恐竜は、ゆたかを吐き出すことに成功し、オプーナーはいつまでも奇行を続けたのだろう。

なんだろうか? 運命を捻じ曲げ、今こうしてゆたかを解放したのは何の力だろうか?

「キョン……さん」

一人の変態を思い出す。その男は間違いなく変態だった。最悪にして最狂の変態だった。明らかに死ねばいい変態の代表格だった。まともな人を守るために真っ先に殺さなければならない変態だった。

けれど……。

小早川ゆたかは考える。きっと、自分を今、運命から解放したのはその変態なのだろうと。キョンという変態の執念があの骨に宿り、でっていうが彼女を吐き出すのを止めたのだろうと。

「変態は、死ぬべき……」
そして変態となる可能性のあるオタクも総じて死ぬべきだと、そう思っていた。

どうして変態は死ななければならないのか?
それを考えたこともあったと思う。けれど、答えは明確に出ないまま、あのオプーナーに取り込まれてしまった。

「変態はまともな人にとって危険……私と同じような目に会う人がまたでないとも限らない……。それを防ぐために、皆殺し……」

冷静にゆたかは、問いにそう結論付け、だが同時に首を振った。今のが間違った考えとは思わない。けれど、少し極端すぎるかもしれない。

「キョンさんは最悪の変態で……けれど、死んでも私を救ってくれた……死んでもなお、私のことを想い続けていてくれた……」

変態に想い続けられるなど、明らかに迷惑でしかないし、はじめに聞いたあのキョンの目的を思い出すと、想い続けているのは『小早川ゆたか』ではなく、『妹属性』というものなのだろうが、それでもキョンの執念が彼女を解放したことに変わりはない。

「キョンさんは変態だった……生きているうちは。けれど、死んだから浄化された?」

そう考えるのは早計だろう。何より、キョンの執念が骨に宿っていたというのもゆたかの勝手な解釈なのだ。

「冷静に、冷静になって考えてみよう……。キョンさんは……あくまで、初めから最後まで目的を変えなかった……死んでも」

キョンの目的……妹祭りとか言ったか。
それが最初から最後まで一貫してキョンの目的だった。そしてそのためには一切手段を選ばずに行動した。それが死後も続いた。ただそれだけのこと。
そう考えるのが一番しっくりと来た。しっくりと来て……分からなくなった。

変態は明らかな危険人物。けれど、その変態でも人を守ることがある……?
じゃあ、変態は本当に死ぬべき……?

変態であるキョンはゆたかに変態的行動を仕掛けようとした。死ぬべき。
変態であるキョンはオプーナーに取り込まれたゆたかを助けた。死ぬべきでない。
死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない。死ぬべき。死ぬべきでない……。

小早川ゆたかは考える。考える。考える。
これまでは動揺したり混乱したりでまともに物を考えることが出来なかった。だから、今全ての神経を使い、とにかく冷静になって考える。
本当に悪いのはなんだろうか? 本当に死ぬべきものはなんだろうか?

私は悪くない。翼のコスプレをした人を殺したが、仕方のないことだった。
ルなんとかさんは悪くない。大切なサイトなるもののために、仕方のないことだった。
キョンさんは悪くない。目的のために突っ走っただけだ。仕方のないことだった。
黒井先生は悪くない。私が襲われていたから変態になった。仕方のないことだった。
翼のコスプレをした人は悪くない。出会ってしまったのは偶然だった。仕方のないことだった。
刺激物を掛けてきた人達は悪くない。襲われたのだから、抵抗するのは当然。仕方のないことだった。
オプーナーは悪くない。意識を乗ったられたのは偶然の結果だ。仕方のないことだった。

全て、仕方のないことだった。どうしようもないことだった。
じゃあ、何が悪い? 一体、何が悪い? 何が死ぬべきだ?
……。
…………。
………………。
……………………運命だ。
それは、唐突な閃きだった。だが、その答えは全ての疑問に答える、無敵の解答だった。

悪いのは、運命だ。
私をこんな目に合わせたのは運命が悪い。
ルなんとかさんが私に襲い掛かってきたのは運命が悪い。
キョンさんが変態なのも運命が悪い。
黒井先生が変態になったのも運命が悪い。
翼のコスプレの人と出会ってしまったのも運命が悪い。
刺激物を掛けてきた人達に私が攻撃したのも運命が悪い。

気分が晴れ渡っていく。全ての問いかけに対し、その解答は無敵の性能を誇った。

(そうだ、全て運命だから仕方なかったんだ。悪いのは全部、運命だったんだ)

そう、結論を下すと、小早川ゆたかはゆるりと顔を上げ、辺りを見回した。
周囲の環境は酷いことになっていた。一部が凍り付いているかと思えば、別の一部は焼け野原と化している。
こんな風に環境が破壊されてしまったのも運命が悪い。全てにおいて、悪いのは運命だ。

運命、運命、運命。
悪いのは運命だった。死ぬべきは運命だった。殺さなければならないのは運命だった。滅ぼすべきは運命だった。犯人は運命だった。

「倒さなくちゃ……」

運命というものがどんな形をしているのかは分からない。このままそれに挑むのは、風車に挑むドン・キホーテのようなものだ。
だが、それでも戦わなければならない。本当に悪いものが運命ならば、それと戦わなければならない。
と、そこまで考えたところで、喉が詰まるような感覚に襲われる。喘息。何年も、慣れ親しんだ感覚だ。

「こほっ

       ./ \Yノヽ
      / (0)(―)ヽ キリッ
     /  ⌒`´⌒ \
     | , -)    (-、.|   .________
     l   ヽ__ ノ l |   | でっていう植民地 |
    /ヽ、-ー、__,--‐´\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   / >   ヽ▼●▼<\  |ー、.
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こほっ」

幸いというべきか、咳はすぐに止まった。これまでと比べ、随分と症状が軽くなっているような気がする。咳き込んでいる最中に妙なものが見えたような気がしたが、気のせいだろう。そうに違いない。

「じゃあまずは……」

言いつつ考える。運命を倒すためには、殺すためには、滅ぼすためにはどうすればいいか。

「まずは、運命に関わる人を皆殺しにしよう……」

言葉とともに小早川ゆたかは歩き出す。その顔にはなぜか、明らかに彼女の意図したものでない笑みが浮かんでいた。

【E-7/1日目-朝】

【でっていう@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです 死亡】


          _,l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l,,_
        ,.r'´,.    -┐   ':..,゙ヽ
       ,r' ,::;:'    ,ノ ヽ、    ゙:::.ヽ
      ,.' _.,:;:'___ _立_  ___;;ミ゙、          ̄ノ ̄| ̄
     .l厄巳厄巳厄 i王i ,.巳厄巳厄巳l           ,勹 .├‐''
     l´ , "´  ̄ ̄ ̄ `'''′  ̄ ̄ ̄`.:`{         ´_フ  ヽ、_,
     | l ;;:.,.   ::、.       ...   '゙|
    ,.-''、.,! ,.::'    ヽ、:.゙、 ;;.:' ''  ヽ | ,.、       __l__
   ./  、/ `ヾ ( ゚ )       ( ゚ )  '´〕. ヽ.        |
  / {´i Y::::..   `   ´.: "i! ::. 、` ´ ゙:::.、} r、 l        i,____
  | ヾ_,,入;:::.. `'' " ´.::; .::i! ::..  ```  :. }ツl l
  \  ノ ヾ ;:::.   .:r'' :: ll! :ヽ;:..:.   .: j,ノ ,!       ┬‐┌,┴┐
    ヽ',,;l  ゙i ;::.. _ `ヽ、;;,,,,'.ィ'' _,, .::,;r'1,,,/           l__ ノl士
  ッジ::::::|  ゙ ,r'´:::;;;;;;;::>  弋´;;;;;::::ヽ'" |:::::゙'イィ      ノ凵 l土
 弍:::::::::::l  /:::;r'´ ,,..-ー…ー-、 ヾ;:::'、  |:::::::::::ヒ
  シ:::::::::::l   i':::,!  ´  |-┬-|  ゙  l::::l:. |::::::::::ス       __ヽ__‐┬┐
  彡;:;:::::l  l:::l     '| |  |;;;:,   l:::l  |::::;;ャ`        ニ メ ,ノ
  ,r', 广'`ヽl:::l ::::. .::  `ー'´ ゙::.   l::l ノ^i`、         l ̄l ハヽヽ
 ,イ(:::j    i::;ヘ  :;:.       .::   l::l'"  l:ヽヽ         ̄   ̄



【小早川ゆたか@らき☆すた(原作)】
[状態]:冷静ではなく超冷静、妹萌力覚醒、身体能力劇的向上
[装備]:なし
[持物]:デイパック、支給品一式、不明支給品0-2
[方針/行動]
基本方針:運命を抹殺する
0:運命に関わる者、その全てを殺す
※運命が何なのかは自分でも分かっていません
※記憶の混乱は止まりました。
※エナジーボンボンと0号ガイバーユニットは、カレーに溶けてゆたかの体内に吸収され、更にでっていうの一部も吸収されました。
※ガイバーユニット、エナジーボンボンはでっていうの胃液によって半分程度溶けました。
※魔と化したカレーの影響により彼女の精神変化が稀に起こるようですが、エナジーボンボンが半分程度溶けているため、オプーナーの影響は薄まりました。
※思考の節々にでっていうやオプーナーの影響が見られます


093:我がAA軍は永遠に不滅です 投下順 094:ピエロのままで
時系列順
小早川ゆたか 099:涙の誓い(前編)
でっていう



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