涙の誓い(前編) ◆DiyZPZG5M6
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi,
(世の罪を除き給う神の子羊)
(世の罪を除き給う神の子羊)
miserere nobis.
(我らを憐れみ給え)
(我らを憐れみ給え)
Agnus dei, qui tollis peccata mundi,
(世の罪を除き給う神の子羊)
(世の罪を除き給う神の子羊)
dona nobis pacem
(我らに平安を与え給え)
(我らに平安を与え給え)
―――このせかいに迷える子羊を救うかみさまなんていない。
―――あるのは運命という名の理不尽なものだけ。
いつものように朝起きて、おじさんが作ってくれた朝ごはんを食べていたら、
こなたお姉ちゃんが眠そうな顔で目をこすりながら起きてくる。
そんな毎日の朝ごはんの光景。
こなたお姉ちゃんが眠そうな顔で目をこすりながら起きてくる。
そんな毎日の朝ごはんの光景。
学校へ行ってみなみちゃん達と楽しくお喋りして過ごす穏やかな一日。
家に帰ると今日はこなたお姉ちゃんのが晩ごはんを作る日。とってもおいしいお料理。
私もお姉ちゃんみたいにうまく作れるといいなあ。
家に帰ると今日はこなたお姉ちゃんのが晩ごはんを作る日。とってもおいしいお料理。
私もお姉ちゃんみたいにうまく作れるといいなあ。
これ以上何も望むものなんて何もない。
家族と友達と過ごすおだやかな毎日が続いてくれればそれでよかった。
でもいじわるなかみさまは私からそんなささやかな幸せすら奪い取ってしまった。
何が運命だというの?
そんなたった二文字の言葉で万人が納得なんかできるはずがない。
家族と友達と過ごすおだやかな毎日が続いてくれればそれでよかった。
でもいじわるなかみさまは私からそんなささやかな幸せすら奪い取ってしまった。
何が運命だというの?
そんなたった二文字の言葉で万人が納得なんかできるはずがない。
だから倒す。
だから殺す。
だから滅ぼす。
だから殺す。
だから滅ぼす。
運命という名の理不尽な神の存在を許しておくわけにはいかない。
私と同じように運命によって狂わされた人達を助けないと。
私と同じように運命によって狂わされた人達を助けないと。
そのための力は思っていたよりもずっと近くにあった。
運命に翻弄されつつも手放すことはなかった鞄。
その中に二本の剣が入っていた。
一本は赤黒く捩れた片刃の剣。
もう一本は柄がものすごく長い大きな剣。
どちらも見た目よりもずっと軽く、手に吸い付くように私に馴染んだ。
運命に翻弄されつつも手放すことはなかった鞄。
その中に二本の剣が入っていた。
一本は赤黒く捩れた片刃の剣。
もう一本は柄がものすごく長い大きな剣。
どちらも見た目よりもずっと軽く、手に吸い付くように私に馴染んだ。
自然とそれの使い方が頭の中に浮かび上がってくる。
これさえあれば運命を断ち切れることができる。
これさえあれば運命を断ち切れることができる。
ふと顔を見上げた先に何人の集団がいた。
私のとてもよく知っている人がいた。
こなたお姉ちゃんと柊先輩だ。
私のとてもよく知っている人がいた。
こなたお姉ちゃんと柊先輩だ。
「あ、れ……涙が……」
ぽろぽろと涙が溢れ止まらない。
やっと会えた人、私の日常が目の前にまだ残っていたことが信じられなくて、
それでも嬉しくて涙が止まらない。
変な恐竜に食べられ死ぬ運命だった私は家族と再会できた。
また一つ運命を壊すことができた証だった。
やっと会えた人、私の日常が目の前にまだ残っていたことが信じられなくて、
それでも嬉しくて涙が止まらない。
変な恐竜に食べられ死ぬ運命だった私は家族と再会できた。
また一つ運命を壊すことができた証だった。
だけど二人の周りに幸せを許さないモノがいる。
男の人なのにメイドさんの服とチャイナドレスを着ている変態がいた。
運命は簡単に人を狂わし他人に感染する。
黒井先生も私を助けるために変態になってしまった。
よく見ると柊先輩もメイド服を着ている。
きっとあの二人に無理矢理着せられたんだ。
許せない。
許せない。
許すものか。
男の人なのにメイドさんの服とチャイナドレスを着ている変態がいた。
運命は簡単に人を狂わし他人に感染する。
黒井先生も私を助けるために変態になってしまった。
よく見ると柊先輩もメイド服を着ている。
きっとあの二人に無理矢理着せられたんだ。
許せない。
許せない。
許すものか。
運命に狂わされたのは私一人で十分なのに、
みんなを巻き込むなんて許せない。
みんなを巻き込むなんて許せない。
「お姉ちゃん! その人達から離れてぇぇぇぇッ!」
私は赤黒い剣を構え、大地を蹴った。
☆
「じゃあそろそろ行こうか、いつまでもホテルで引きこもってるわけにはいかねえからな」
ホテルを出る準備を整えた圭一とかがみとなのは。
行くあてはない、だけどこの島で行われているジェノサイドゲームを止めるために三人は志を共にする。
ホテルを出る準備を整えた圭一とかがみとなのは。
行くあてはない、だけどこの島で行われているジェノサイドゲームを止めるために三人は志を共にする。
「ごめん……俺のわがままを聞いてもらって、でもこれだけは俺のけじめだから……ちゃんとヒナギクさんを弔ってあげたいんだ」
結果的に自分が逃げ出したことで桂ヒナギクは死んでしまった。
彼女を殺害したのはおそらく阿部高和だろう。
圭一が知っている阿部高和は決して女を殺すような人間ではなかった。
それどころか殺し合いに積極的に乗っていること自体が信じられなかった。
「阿部さん……俺の知らない世界のあんたがどんな人生を辿ったのかわからない……でもそんなの関係ねぇッ! 俺はあんたを止めるッ!」
拳を握り締め決意を新たにする圭一。
その彼をかがみは怪訝な表情で見つめていた。
結果的に自分が逃げ出したことで桂ヒナギクは死んでしまった。
彼女を殺害したのはおそらく阿部高和だろう。
圭一が知っている阿部高和は決して女を殺すような人間ではなかった。
それどころか殺し合いに積極的に乗っていること自体が信じられなかった。
「阿部さん……俺の知らない世界のあんたがどんな人生を辿ったのかわからない……でもそんなの関係ねぇッ! 俺はあんたを止めるッ!」
拳を握り締め決意を新たにする圭一。
その彼をかがみは怪訝な表情で見つめていた。
「あのさ、その阿部さんって人あんたは慕っていたようだけど……あの、その、彼って……」
口ごもるかがみ、若干顔が赤い。
「ホ……ホモなんでしょ……?」
恥ずかしさで声が小さくなるかがみ。なのはも若干引きつった笑みを浮かべている。
「違うッ! 違うぞ柊! 阿部さんをホモと呼ぶんじゃない! そんなホモという偏見と侮辱に塗れた呼び方をするのは許せんッ! ゲイと呼べ!」
「どっちも同じ―――」
「わかってないわかってないわかってないぞ柊! いいかゲイというのは―――(以下略」
口ごもるかがみ、若干顔が赤い。
「ホ……ホモなんでしょ……?」
恥ずかしさで声が小さくなるかがみ。なのはも若干引きつった笑みを浮かべている。
「違うッ! 違うぞ柊! 阿部さんをホモと呼ぶんじゃない! そんなホモという偏見と侮辱に塗れた呼び方をするのは許せんッ! ゲイと呼べ!」
「どっちも同じ―――」
「わかってないわかってないわかってないぞ柊! いいかゲイというのは―――(以下略」
以後三十分近くにわたってゲイの意味とその歴史をふんだんに語られることになるかがみだった。
「―――わかっただろ? 彼を呼ぶ時はゲイと呼ぶんだ」
「……はい。(こなたと違う意味で疲れる……)」
「まあまあ圭一君、かがみもわかってくれたみたいだしこの辺で……」
「おっとすまねえなのはさん、俺としたことがつい熱く語ってしまったぜ……俺たちはこんな所で油売ってる場合じゃねえ」
「……はい。(こなたと違う意味で疲れる……)」
「まあまあ圭一君、かがみもわかってくれたみたいだしこの辺で……」
「おっとすまねえなのはさん、俺としたことがつい熱く語ってしまったぜ……俺たちはこんな所で油売ってる場合じゃねえ」
まだまだ語り足りないと言ったところだが圭一は素直になのはに言う通りにする。
一方、かがみは延々と圭一の演説を聞かされて疲労困憊という状態だった。
一方、かがみは延々と圭一の演説を聞かされて疲労困憊という状態だった。
「(ありがとなのは、うまいぐあいに話の腰を折ってくれて)」
「(あはは……でも圭一君の話術ってすごいね、私も結構真剣に聞いてたよ)」
「(まあ……確かに。政治家とか宗教家になったらすごい事になるかも)」
「(あはは……でも圭一君の話術ってすごいね、私も結構真剣に聞いてたよ)」
「(まあ……確かに。政治家とか宗教家になったらすごい事になるかも)」
「二人とも、そろそろいくぜ!」
「そうだね、行こう」
「あのさ……二人とも気合入るのはいいんだけど、このカッコどうにかならない?」
「そうだね、行こう」
「あのさ……二人とも気合入るのはいいんだけど、このカッコどうにかならない?」
かがみとなのはは自らが纏うその衣装を確認する。
彼女達は可愛らしいフリルがついたエプロンドレス―――いわゆるメイド服なのだ。
あまつさえ男である圭一さえもメイド服を着ている始末。
道行く他の参加者に出会ったら怪しまれること間違いなしである。
彼女達は可愛らしいフリルがついたエプロンドレス―――いわゆるメイド服なのだ。
あまつさえ男である圭一さえもメイド服を着ている始末。
道行く他の参加者に出会ったら怪しまれること間違いなしである。
「柊! メイド服をバカにするなッ! メイドさんだぞメイドさん! それは人類にとって至高の存在! メイドさんとは―――(以下略」
「しまっ……」
「そろそろ学習しようね、かがみ」
「しまっ……」
「そろそろ学習しようね、かがみ」
再び圭一の熱い演説を聞かされてしまうかがみとなのはであった。
(私もなのはのようなスルースキルを身に付けよう……)
☆
「す、すまねえ……二人とも、また時間をロスしちまった……」
今度はただ平謝りする圭一。
「あんたの演説がうまいのは認めるけどもう少しTPOを弁えてくれない?」
「わかってはいるんだわかっては……でも萌えの伝道師としてはどうしても譲れられねぇ!」
「こなたと語り合わせたら一日中オタク話で盛り上がれそうね……」
「ああ! この前泉と一晩中チャットでスクール水着について熱く語りあったぜ!」
「うわぁ……」
今度はただ平謝りする圭一。
「あんたの演説がうまいのは認めるけどもう少しTPOを弁えてくれない?」
「わかってはいるんだわかっては……でも萌えの伝道師としてはどうしても譲れられねぇ!」
「こなたと語り合わせたら一日中オタク話で盛り上がれそうね……」
「ああ! この前泉と一晩中チャットでスクール水着について熱く語りあったぜ!」
「うわぁ……」
二人の会話が容易に想像できて顔が引きつるかがみ。
やはり類は友を呼ぶ奴なのだろうか……
やはり類は友を呼ぶ奴なのだろうか……
気を取り直してようやくホテルを発つ三人。
メイド服姿の男女が街中を練り歩く姿は一見異様だと言えよう。
かがみはこの格好で歩くことに抵抗を感じていたが下手に文句を言うと
またもや圭一がメイドの素晴らしさについて熱く語りかねない。
だから恥ずかしさを我慢して歩いていた。
メイド服姿の男女が街中を練り歩く姿は一見異様だと言えよう。
かがみはこの格好で歩くことに抵抗を感じていたが下手に文句を言うと
またもや圭一がメイドの素晴らしさについて熱く語りかねない。
だから恥ずかしさを我慢して歩いていた。
ふとかがみはなのはを顔を見やる。
こんな格好でも全く動じていないようだったがその表情に若干の翳りが見て取れた。
こんな格好でも全く動じていないようだったがその表情に若干の翳りが見て取れた。
「……どうしたのなのは?」
「ん……別に何もないけど……」
「はぁっ……あんたって嘘が吐けない性格ね。そんな顔で『何でもない』はないわよ」
「そう、だね……」
「柊の言うとおりだ。俺たちは『仲間』なんだから、悩み事があるなら俺達に相談しようぜ!」
あっけらかんとした表情の圭一。
知り合いであるヒナギクを亡くしたばかりなのにこの立ち振る舞い。
かがみも圭一も決して空元気などではなく心の底から仲間を勇気付かせようとする行動。
それがなのはの心をちくりと痛ませる。
「ん……別に何もないけど……」
「はぁっ……あんたって嘘が吐けない性格ね。そんな顔で『何でもない』はないわよ」
「そう、だね……」
「柊の言うとおりだ。俺たちは『仲間』なんだから、悩み事があるなら俺達に相談しようぜ!」
あっけらかんとした表情の圭一。
知り合いであるヒナギクを亡くしたばかりなのにこの立ち振る舞い。
かがみも圭一も決して空元気などではなく心の底から仲間を勇気付かせようとする行動。
それがなのはの心をちくりと痛ませる。
「私だけ……なの……」
「? 何がなのはさんだけなんだ?」
「…………」
首を傾げる圭一に対しなのはは押し黙ったままだった。
「? 何がなのはさんだけなんだ?」
「…………」
首を傾げる圭一に対しなのはは押し黙ったままだった。
「ねえなのは、もしかして自分だけ傷ついていないことに負い目を持ってるんじゃないでしょうね?」
「かがみ……」
「えっ? どういう意味なんだ?」
「私はみゆきを亡くした。圭一君はヒナギクさんを亡くした。でも自分の知り合いはまだ生きてる。それが負い目になってるんでしょ」
「…………」
図星を指されうつむくなのは。
かがみはやれやれと言った表情で優しく語りかけた。
「バカね……そんな事で引け目を感じることないじゃない……むしろ喜ぶべきよ、ね?」
「ごめん……」
「かがみ……」
「えっ? どういう意味なんだ?」
「私はみゆきを亡くした。圭一君はヒナギクさんを亡くした。でも自分の知り合いはまだ生きてる。それが負い目になってるんでしょ」
「…………」
図星を指されうつむくなのは。
かがみはやれやれと言った表情で優しく語りかけた。
「バカね……そんな事で引け目を感じることないじゃない……むしろ喜ぶべきよ、ね?」
「ごめん……」
なのはと行動を共にするようになってかがみは彼女について気がついたことがあった。
年のわりに落ち着きがあり達観とした雰囲気持っているが、その内面は意外とナイーブなのだ。
感情が表情に出やすいかがみや圭一と違って、感情や悩みを内に秘めがちな性格のようだった。
年のわりに落ち着きがあり達観とした雰囲気持っているが、その内面は意外とナイーブなのだ。
感情が表情に出やすいかがみや圭一と違って、感情や悩みを内に秘めがちな性格のようだった。
「二人共……ちょっと待って」
ふいに横を歩くなのはが足を止めた。
何だろう?という表情でかがみと圭一も足を止める。
「どうしたの?」
「誰か……近くにいる」
鋭い眼差しで周囲の状況を探るなのは。
その姿は少女のそれではなく、歴戦の魔術師としての姿だった。
「デバイスがあれば詳しくエリアサーチをかけて探れるんだけど……」
「もしかしてあの銀髪の男じゃあ……」
「ううん、気配の感覚から違うと思う」
「どの辺りか分かる?」
「あそこの角の向こう、まだこちらには気づいていないみたいだけど……」
「とりあえず俺達も一旦隠れようぜ!」
ふいに横を歩くなのはが足を止めた。
何だろう?という表情でかがみと圭一も足を止める。
「どうしたの?」
「誰か……近くにいる」
鋭い眼差しで周囲の状況を探るなのは。
その姿は少女のそれではなく、歴戦の魔術師としての姿だった。
「デバイスがあれば詳しくエリアサーチをかけて探れるんだけど……」
「もしかしてあの銀髪の男じゃあ……」
「ううん、気配の感覚から違うと思う」
「どの辺りか分かる?」
「あそこの角の向こう、まだこちらには気づいていないみたいだけど……」
「とりあえず俺達も一旦隠れようぜ!」
圭一に促され物陰に隠れる三人。
この場所なら向こうからは死角でこちらの姿は見えない。
三人は固唾を飲んで現れた人間の姿を確認した。
この場所なら向こうからは死角でこちらの姿は見えない。
三人は固唾を飲んで現れた人間の姿を確認した。
「(あれは―――!?)」
かがみの顔色が一変した。
通りの角から出てきたのは二人組みの人間。
一人は人民服をチャイナドレス風に改造した妙な出で立ちの人間。
そしてもう一人―――
かがみの顔色が一変した。
通りの角から出てきたのは二人組みの人間。
一人は人民服をチャイナドレス風に改造した妙な出で立ちの人間。
そしてもう一人―――
青色のセーラー服を着た少女……かがみが見慣れた稜桜学園の制服。
腰よりも長く伸ばした髪。
そして高校生と言うにはあまりにも小柄なその体躯。
知らないはずがない。
見紛うはずがない。
親友の姿が―――泉こなたの姿がそこにあった。
腰よりも長く伸ばした髪。
そして高校生と言うにはあまりにも小柄なその体躯。
知らないはずがない。
見紛うはずがない。
親友の姿が―――泉こなたの姿がそこにあった。
「―――こなたっ!」
「かがみっ?!」
「かがみっ?!」
なのはの静止を振り切って物陰から飛び出すかがみだった。
☆
『おいおい何を勘違いしてるんDA、私はまだ死んじゃいないZE☆』
……前言撤回。彼女は死んではいなかった。
かと言って生きてるとも言えない状態でもある。
確かに彼女の肉体は情報改変の過負荷により崩壊した。
しかし肉体を失ってもなおその魂というべき物は血を媒介にして輸血用血液パックに宿っていた。
かと言って生きてるとも言えない状態でもある。
確かに彼女の肉体は情報改変の過負荷により崩壊した。
しかし肉体を失ってもなおその魂というべき物は血を媒介にして輸血用血液パックに宿っていた。
「なんつーかほんとチートな人だな……」
『あはは、でももうこうやって喋ることしかできないけどねっ』
こなたの手のひらの上でどこからともなく声を発するそれは何とも不思議な光景であった。
『あはは、でももうこうやって喋ることしかできないけどねっ』
こなたの手のひらの上でどこからともなく声を発するそれは何とも不思議な光景であった。
「ねえ爆弾さん」
『ん? どうしたのかな』
「彼女は……言葉はどうなったの?」
『……死んだよ。どんな死に方したかは結構グロいんで省略するけど』
「そっか……」
一度は言葉によって瀕死の重傷を負ったにも関わらずこなたは彼女の死に複雑な物を感じていた。
「いや、あの人も可哀想な人だったなあって……好きな人のためにあそこまで狂えるものなのかな……」
『それだけ彼女の愛は本物ってことだね。愛、愛ってなんだ~、ためらわないことさ~。ま、こなたちゃんも好きな人が出来たらその感覚も分かるかもね』
「私に彼氏? どうだろね」
どこか素っ気ない返事をするこなた。
『あれれ? こなたちゃんだって彼氏欲しいでしょ?』
「まあ……私だって女の子だし、恋愛の一つや二つしたいよ。でも私オタクだし、こんなロリ体型だからねぇ~」
「そうか? 男の俺から言わせてもらうと、体型さえ眼をつぶれば結構良い線行ってると思うぜ?」
「あれあれー? 6/さんそれって私にフラグ立ててるつもりなのかなー?」
「ばーか、そんなんじゃねえよ(つーか俺の本命はみなみだし……)」
『ん? どうしたのかな』
「彼女は……言葉はどうなったの?」
『……死んだよ。どんな死に方したかは結構グロいんで省略するけど』
「そっか……」
一度は言葉によって瀕死の重傷を負ったにも関わらずこなたは彼女の死に複雑な物を感じていた。
「いや、あの人も可哀想な人だったなあって……好きな人のためにあそこまで狂えるものなのかな……」
『それだけ彼女の愛は本物ってことだね。愛、愛ってなんだ~、ためらわないことさ~。ま、こなたちゃんも好きな人が出来たらその感覚も分かるかもね』
「私に彼氏? どうだろね」
どこか素っ気ない返事をするこなた。
『あれれ? こなたちゃんだって彼氏欲しいでしょ?』
「まあ……私だって女の子だし、恋愛の一つや二つしたいよ。でも私オタクだし、こんなロリ体型だからねぇ~」
「そうか? 男の俺から言わせてもらうと、体型さえ眼をつぶれば結構良い線行ってると思うぜ?」
「あれあれー? 6/さんそれって私にフラグ立ててるつもりなのかなー?」
「ばーか、そんなんじゃねえよ(つーか俺の本命はみなみだし……)」
『はい、フラグ立ちました~☆ からかう女と恥ずかしがりながら否定する男。ラブコメの王道だねっ』
「違うっての……」
「違うっての……」
ほのぼのとした空気の三人。
その時―――
その時―――
「―――こなたっ!」
道路の向こう側から声がした。
こなたも6/も爆弾もよく知る声。
藤色のツインテールを揺らしながら駆ける少女の姿。
柊かがみその人において他なかった。
こなたも6/も爆弾もよく知る声。
藤色のツインテールを揺らしながら駆ける少女の姿。
柊かがみその人において他なかった。
『メイド服かがみんktkr!!!』
「げっ……かがみ」
『あれぇ? 6/さんはかがみんと何かあったのかな?』
「べ、別に……(言えない、別世界のかがみに掘られたなんて絶対に言えない……!)」
「げっ……かがみ」
『あれぇ? 6/さんはかがみんと何かあったのかな?』
「べ、別に……(言えない、別世界のかがみに掘られたなんて絶対に言えない……!)」
「か、がみ……?」
まさかこんなにも早く再会できるとは思うはずもなく、
呆然と立ち尽くすこなた。
「こなた……こなたぁ……」
「あっ……」
息が切れるのもお構いなしに走ってきたかがみはそのままこなたに抱きついた。
こなたの小さな身体を決して離さないよう抱き締めるかがみ。
「ばかぁ……心配したわよ……みゆきが……みゆきが……ううっ」
「うん……みゆきさんのことは知ってる……」
まさかこんなにも早く再会できるとは思うはずもなく、
呆然と立ち尽くすこなた。
「こなた……こなたぁ……」
「あっ……」
息が切れるのもお構いなしに走ってきたかがみはそのままこなたに抱きついた。
こなたの小さな身体を決して離さないよう抱き締めるかがみ。
「ばかぁ……心配したわよ……みゆきが……みゆきが……ううっ」
「うん……みゆきさんのことは知ってる……」
こなたの胸の中ですすり泣くかがみ。
こなたの視線の先に写るかがみのうなじ。
こなたの視線の先に写るかがみのうなじ。
その瞬間、厭な記憶がフラッシュバックする。
爆弾の記憶を垣間見た時の記憶。
絡み合う二人の少女の姿。
お互いの身体を貪り合う少女達。
爆弾の記憶を垣間見た時の記憶。
絡み合う二人の少女の姿。
お互いの身体を貪り合う少女達。
かがみの白くて柔らかい首筋に牙を突き立てたい。
赤くて甘いかがみの生き血を啜りたい。
壊れるほど強く、強く、強く。
赤くて甘いかがみの生き血を啜りたい。
壊れるほど強く、強く、強く。
その首に、
牙を。
牙を。
「―――ッ!!!」
「きゃっ!?」
「きゃっ!?」
思わずかがみを突き飛ばすこなた。
かがみは思わず尻餅をついてしまう。
とっさの出来事で何が起こったか分からずきょとんとした表情でこなたを見上げる。
かがみは思わず尻餅をついてしまう。
とっさの出来事で何が起こったか分からずきょとんとした表情でこなたを見上げる。
「ご、ごめん! かがみ」
「私も……ごめん、いきなり抱きついて……」
こなたはかがみの手を取って立ち上がらせる。
かがみは服の汚れをぽんぽんと払うと改めてこなたとその同行者に視線と移した。
「えっと……誰?」
6/の姿を見てあからさまに怪訝な表情をするかがみ。
年の頃は二十歳ぐらいだろうか、美形とは言えないもののそれなりに整った顔立ちの青年。
然るべき服を身に着けていればまあまあおしゃれな好青年に見えるだろう。
しかし、現在この男が身に着けてる服はどうみても女物のチャイナドレスである。
「一応、初めましてかな。俺の名前は6/―――勿論本名じゃあないペンネームみたいな物だ。それと、格好の事は気にするな。これしか服がなかったんだ」
「ああ、そう……私は柊かがみよ。こなたがお世話になったみたいね」
まだ警戒を解いていないかがみ。
下手な誤解は勘弁してくれとため息をつく6/。
「私も……ごめん、いきなり抱きついて……」
こなたはかがみの手を取って立ち上がらせる。
かがみは服の汚れをぽんぽんと払うと改めてこなたとその同行者に視線と移した。
「えっと……誰?」
6/の姿を見てあからさまに怪訝な表情をするかがみ。
年の頃は二十歳ぐらいだろうか、美形とは言えないもののそれなりに整った顔立ちの青年。
然るべき服を身に着けていればまあまあおしゃれな好青年に見えるだろう。
しかし、現在この男が身に着けてる服はどうみても女物のチャイナドレスである。
「一応、初めましてかな。俺の名前は6/―――勿論本名じゃあないペンネームみたいな物だ。それと、格好の事は気にするな。これしか服がなかったんだ」
「ああ、そう……私は柊かがみよ。こなたがお世話になったみたいね」
まだ警戒を解いていないかがみ。
下手な誤解は勘弁してくれとため息をつく6/。
『やっほー☆ かがみ~ん。私は地球破壊爆弾だよーっ』
「えっ何に? こなたの声?」
「えっと紹介するよ。この人が地球破壊爆弾さん。この人の名前もペンネームみたいなものだから」
こなたはスカートのポケットから輸血用血液パックを取り出して紹介した。
「??? 血液パックが喋って?」
こなたの声で喋る物体に当然ながら混乱するかがみ。
「えっ何に? こなたの声?」
「えっと紹介するよ。この人が地球破壊爆弾さん。この人の名前もペンネームみたいなものだから」
こなたはスカートのポケットから輸血用血液パックを取り出して紹介した。
「??? 血液パックが喋って?」
こなたの声で喋る物体に当然ながら混乱するかがみ。
「おーい柊ぃ~~~」
「駄目だよかがみ、いきなり飛び出したら……」
かがみの下へ駆け寄る二人の男女。
なぜか二人ともメイド服である。
爆弾も6/も良く知る人物。
あまりにも有名な二人がそこにいた。
「駄目だよかがみ、いきなり飛び出したら……」
かがみの下へ駆け寄る二人の男女。
なぜか二人ともメイド服である。
爆弾も6/も良く知る人物。
あまりにも有名な二人がそこにいた。
『おやおや口先の魔術師に管理局の白いあ……じゃなかったエース・オブ・エース。これはまた頼りになる二人だねぇ……』
☆
「上位世界……か、並行世界という概念は把握できていたけどそこまでは思いつかなかったよ」
そう呟くなのは。
風変わりな人物である6/と地球破壊爆弾の話を聞いたなのははただ驚くだけだった。
当然だろう、自分もかがみも圭一も彼らの世界の創作物の世界の住人であるなんて信じられるわけがない。
だけど彼らは全く初対面の自分の素性を全て知っている。
そしてこなたも自分の存在を知っているとなると信じない訳にはいかなかった。
そう呟くなのは。
風変わりな人物である6/と地球破壊爆弾の話を聞いたなのははただ驚くだけだった。
当然だろう、自分もかがみも圭一も彼らの世界の創作物の世界の住人であるなんて信じられるわけがない。
だけど彼らは全く初対面の自分の素性を全て知っている。
そしてこなたも自分の存在を知っているとなると信じない訳にはいかなかった。
『私達のことは天蓋領域と呼びたまへ~』
「ハルヒネタktkr。驚愕マダー?」
「うおお……訳わかんねえ……俺の世界じゃ柊と泉はクラスメイトで、本当の柊と泉はアニメや漫画で俺やなのはさんを知っていて、
柊達もまた6/さんや爆弾さんの世界ではアニメや漫画の登場人物……なんか気持ち悪いぜ……」
「確かにぞっとしないわね……箱を空けたら中に箱があって、その箱を空けたらまた中に箱があるのを永遠に繰り返しているというか……」
途方もないスケールの大きさに頭を抱えるかがみと圭一。
「ハルヒネタktkr。驚愕マダー?」
「うおお……訳わかんねえ……俺の世界じゃ柊と泉はクラスメイトで、本当の柊と泉はアニメや漫画で俺やなのはさんを知っていて、
柊達もまた6/さんや爆弾さんの世界ではアニメや漫画の登場人物……なんか気持ち悪いぜ……」
「確かにぞっとしないわね……箱を空けたら中に箱があって、その箱を空けたらまた中に箱があるのを永遠に繰り返しているというか……」
途方もないスケールの大きさに頭を抱えるかがみと圭一。
「そして俺や爆弾さんもまたより上位世界の誰かが描いた物語の登場人物かも知れないってこった」
『神の手の平で弄ばれてる感覚ってこんな物なのかね~』
「俺達そんな奴らに喧嘩売るんだよな……」
『ん~? 怖気づいたのかな圭一君』
「けっ前原圭一を舐めてもらったら困るな! 相手がどんな奴であっても俺は絶対あきらめねぇッ!」
『そう、それでこそ前原圭一だよ』
『神の手の平で弄ばれてる感覚ってこんな物なのかね~』
「俺達そんな奴らに喧嘩売るんだよな……」
『ん~? 怖気づいたのかな圭一君』
「けっ前原圭一を舐めてもらったら困るな! 相手がどんな奴であっても俺は絶対あきらめねぇッ!」
『そう、それでこそ前原圭一だよ』
「ちょっといいかな……みんな」
静かになのはが話しかける。
「おう、なのはさん」
「みんなの話を聞いてるとある共通点があることに気がついたの」
「何かしら?」
「私、圭一君、6/さん、爆弾さんの共通点を考えてみて」
『……なるほど、私もその可能性は考えていたけど確証がなかったんだよね』
「これだけ共通点があればその可能性が極めて高いだろうな……」
「え? え? 俺さっぱりわからないんだけど……」
静かになのはが話しかける。
「おう、なのはさん」
「みんなの話を聞いてるとある共通点があることに気がついたの」
「何かしら?」
「私、圭一君、6/さん、爆弾さんの共通点を考えてみて」
『……なるほど、私もその可能性は考えていたけど確証がなかったんだよね』
「これだけ共通点があればその可能性が極めて高いだろうな……」
「え? え? 俺さっぱりわからないんだけど……」
「かがみとこなたを除く全員がこの島に連れて来られる前に何らかの殺し合いに巻き込まれている。
そして必ずみんなその世界でかがみやこなたの知り合い。爆弾さんの世界で言うところの『らき☆すた』の登場人物と出会ってることなの」
「あ―――」
納得する圭一。
『正確には私の場合、私自身がこなたちゃんの姿だったんだよね~』
「6/さん、ちょっといいかしら?」
「どうしたかがみ?」
「6/さんってこの姿になる前の爆弾さんといたのよね。彼女ってそんなにこなたと似てたの?」
「似てるってもんじゃなかったぞ、鏡合わせのように全く同じ顔の人間が二人いたからな」
「ふぅん……」
「?」
かがみはそれ以上何も言わなかった。
そして必ずみんなその世界でかがみやこなたの知り合い。爆弾さんの世界で言うところの『らき☆すた』の登場人物と出会ってることなの」
「あ―――」
納得する圭一。
『正確には私の場合、私自身がこなたちゃんの姿だったんだよね~』
「6/さん、ちょっといいかしら?」
「どうしたかがみ?」
「6/さんってこの姿になる前の爆弾さんといたのよね。彼女ってそんなにこなたと似てたの?」
「似てるってもんじゃなかったぞ、鏡合わせのように全く同じ顔の人間が二人いたからな」
「ふぅん……」
「?」
かがみはそれ以上何も言わなかった。
「(ねぇ……6/さん)」
「ん?」
こなたは小声で6/に囁いた。
できるだけかがみに気取られぬように。
「(どうした?)」
「(うーん……日焼け止めクリームの効果が薄まってきたみたい。肌が少しヒリヒリする)」
「(マジか……ん? 俺が塗るのか!?)」
「(だって……爆弾さんじゃあ塗れないし)」
『(フラグ点灯中! フラグ点灯中~)』
「(だぁっあんたは黙ってろ! クソッしょうがねえ……)」
『(では邪魔者の私はかがみんと遊んでくるとしようか~)』
「ん?」
こなたは小声で6/に囁いた。
できるだけかがみに気取られぬように。
「(どうした?)」
「(うーん……日焼け止めクリームの効果が薄まってきたみたい。肌が少しヒリヒリする)」
「(マジか……ん? 俺が塗るのか!?)」
「(だって……爆弾さんじゃあ塗れないし)」
『(フラグ点灯中! フラグ点灯中~)』
「(だぁっあんたは黙ってろ! クソッしょうがねえ……)」
『(では邪魔者の私はかがみんと遊んでくるとしようか~)』
「わりぃ、ちょっと野暮用が出来たわ少し待っててくれないか。ああ、かがみ爆弾さんを預かっといてくれ。ちょっとこなたと話があるんだ」
そう言って爆弾をかがみに手渡す6/。
「ちょっと!」
「すまん、すぐ戻ってくるから!」
6/とこなたは逃げるように近くの建物の中に消えていった。
そう言って爆弾をかがみに手渡す6/。
「ちょっと!」
「すまん、すぐ戻ってくるから!」
6/とこなたは逃げるように近くの建物の中に消えていった。
『ゆっくりしていってね!』
「もう……何よ……」
『こなたちゃんが心配かなー? かがみん』
「そりゃあちょっとは心配よ、彼を信用できない訳じゃないけど……」
『ま、大丈夫だって私が保証するよー』
「もう……何よ……」
『こなたちゃんが心配かなー? かがみん』
「そりゃあちょっとは心配よ、彼を信用できない訳じゃないけど……」
『ま、大丈夫だって私が保証するよー』
☆
私と6/さんはかがみ達と離れ、近くの雑居ビルの中へ入った。
ビル内の部屋は薄暗くカビの臭いが鼻に突く。
ビル内の部屋は薄暗くカビの臭いが鼻に突く。
「しかし……難儀な身体だな……」
「仕方ないよ、これは私が望んだことだから」
「でもよ……いつまでかがみに黙っておくつもりだ?」
「仕方ないよ、これは私が望んだことだから」
「でもよ……いつまでかがみに黙っておくつもりだ?」
かがみ達と合流した時に私達が経験したことはある程度話している。
でも私が吸血鬼になった事だけはまだ話してはいなかった。
でも私が吸血鬼になった事だけはまだ話してはいなかった。
あの時静かに死を待つだけだった私。
だけど私は元の日常に帰るために過酷な生を望んだ。
決して老いることのない不死の身体。
漫画やアニメのようなことがリアルで私の身に起きている。
だけど太陽の光だけは簡単にこの身体を焼いてしまう。
だから日焼け止めクリームを塗って少しでも日光を防ごうとしていた。
だけど私は元の日常に帰るために過酷な生を望んだ。
決して老いることのない不死の身体。
漫画やアニメのようなことがリアルで私の身に起きている。
だけど太陽の光だけは簡単にこの身体を焼いてしまう。
だから日焼け止めクリームを塗って少しでも日光を防ごうとしていた。
だけど、やはり汗をかけば少しずつクリームは流れていくもの。
定期的に塗らないと効果がないのが面倒なんだよね……
定期的に塗らないと効果がないのが面倒なんだよね……
本当はクリームを塗らなくても日の光の下を歩く方法があると爆弾さんは言っていた。
今は私と同じ姿でなく、輸血用の血液パックに宿る爆弾さん。
その血を、爆弾さんそのものである血を飲み干せば私は真に独立した吸血鬼になれると。
でもそれは……爆弾さんが私に取り込まれて消えてしまうこと。
きっと彼女の全てが私の中に溶け消えてしまうんだろう。
そうしてまで私は太陽の下で歩きたいとは思わなかった。
今は私と同じ姿でなく、輸血用の血液パックに宿る爆弾さん。
その血を、爆弾さんそのものである血を飲み干せば私は真に独立した吸血鬼になれると。
でもそれは……爆弾さんが私に取り込まれて消えてしまうこと。
きっと彼女の全てが私の中に溶け消えてしまうんだろう。
そうしてまで私は太陽の下で歩きたいとは思わなかった。
「……いずれ私から話すよ、でも……」
「怖い、か。まあ当然だな。自分が人でなくなったことを友達に告げる勇気は中々持てねえしな……」
私は黙ってクリームを彼に手渡した。
「怖い、か。まあ当然だな。自分が人でなくなったことを友達に告げる勇気は中々持てねえしな……」
私は黙ってクリームを彼に手渡した。
「……なあ、当然塗るとなったら服脱ぐんだよな?」
「もちろん、服脱がないと塗れないよ」
「いや、そうだけど俺も一応男だし、あの、その……」
「私だって嫌だよ。これでも一応女なんだから……」
「もちろん、服脱がないと塗れないよ」
「いや、そうだけど俺も一応男だし、あの、その……」
「私だって嫌だよ。これでも一応女なんだから……」
さすがに私でも男の人に肌を晒すのは恥ずかしい。
けど今の爆弾さんではクリームを塗ることなんて出来ないし、
かがみにも頼むことなんてできない。
結局6/さんにしか頼めないことだった。
けど今の爆弾さんではクリームを塗ることなんて出来ないし、
かがみにも頼むことなんてできない。
結局6/さんにしか頼めないことだった。
「…………」
「…………」
私と6/の間をきまずい空気が流れる。
少し心臓の鼓動が早くなっている。
ううっ……やだな……この感覚、この状況で男と女を意識しだすのは正直まずい。
これじゃあまるでエロゲーの1シチュエーションじゃん……
「…………」
私と6/の間をきまずい空気が流れる。
少し心臓の鼓動が早くなっている。
ううっ……やだな……この感覚、この状況で男と女を意識しだすのは正直まずい。
これじゃあまるでエロゲーの1シチュエーションじゃん……
「さっ、早くして。あんまり遅いとかがみが心配して来ちゃうから」
私は意識が変な方向に行かないよう彼に背を向けて平静を保ちながら制服の上着を脱ぐ。
背中さえ塗り終わればあとは自分で塗れるんだから、少しの間の我慢。
私は意識が変な方向に行かないよう彼に背を向けて平静を保ちながら制服の上着を脱ぐ。
背中さえ塗り終わればあとは自分で塗れるんだから、少しの間の我慢。
「ひゃ……ぁんっ」
冷たいクリームが背中に触れたせいでおもわず変な声が出てしまう。
「ちょっ変な声だすんじゃねーよ!」
「だってクリーム冷たいもん」
「いいか、俺を男と忘れるんじゃねーぞ! 仮にもお前は女だ。変な仕草をすると
『っぐわ!……俺の理性が保っていられるうちに早く逃げ、ろ……!』状態になってしまうんだからな」
「わかってるよ……」
冷たいクリームが背中に触れたせいでおもわず変な声が出てしまう。
「ちょっ変な声だすんじゃねーよ!」
「だってクリーム冷たいもん」
「いいか、俺を男と忘れるんじゃねーぞ! 仮にもお前は女だ。変な仕草をすると
『っぐわ!……俺の理性が保っていられるうちに早く逃げ、ろ……!』状態になってしまうんだからな」
「わかってるよ……」
何だかんだ言ってクリーム塗りは無事に終えることができた。
特に変なことも起きなかったから一安心。
特に変なことも起きなかったから一安心。
「後は自分で出来るから、クリーム貸して」
「おう、ほらよっ―――ってあっ」
「おう、ほらよっ―――ってあっ」
突然足元のバランスを崩し倒れこむ6/さん。
もちろん倒れこむ方向は上半身裸の私。
「うそ゛っ!?」
しまった……この展開の存在をすっかり忘れていた……
そのまま彼は私を押し倒すように倒れこんだ。
もちろん倒れこむ方向は上半身裸の私。
「うそ゛っ!?」
しまった……この展開の存在をすっかり忘れていた……
そのまま彼は私を押し倒すように倒れこんだ。
「いってぇ……」
「こんな展開ベタすぎてかえってレアだよ……」
そう言って私は今の体勢を確認する。
当然のことながら6/さんは私を押し倒して馬乗りになるような形になっている。
こんな所見られたら最悪だ……
「――ッ!?」
胸に妙な感触が走って思わず声を上げそうになるのを堪える。
くすぐったいようなそうでないような感覚。
そう、6/さんの両手が私の胸をしっかりと掴んでいた。
「こんな展開ベタすぎてかえってレアだよ……」
そう言って私は今の体勢を確認する。
当然のことながら6/さんは私を押し倒して馬乗りになるような形になっている。
こんな所見られたら最悪だ……
「――ッ!?」
胸に妙な感触が走って思わず声を上げそうになるのを堪える。
くすぐったいようなそうでないような感覚。
そう、6/さんの両手が私の胸をしっかりと掴んでいた。
「早くどいてよ……それとできるだけ手は動かさないようにして」
「ああ……げぇ!?」
彼もまた自分の手がとんでもないところに置かれていることに気がついた。
「あばばばばばばばば」
テンパってる6/さんの手が不意に動く。
胸に手が当たってるぐらいなら別にいいんだよ。
でもアレが手の平に当たって擦れるとマズイんだって!
「ああ……げぇ!?」
彼もまた自分の手がとんでもないところに置かれていることに気がついた。
「あばばばばばばばば」
テンパってる6/さんの手が不意に動く。
胸に手が当たってるぐらいなら別にいいんだよ。
でもアレが手の平に当たって擦れるとマズイんだって!
「んっ……動かさないでって言ったで、しょっ……」
やば……このエロゲじみたシチュエーションのせいで感じ始めてる……
「おまっそんな幼児体型のくせに一丁前に感じてんじゃねーよッ!」
「しょうがない……じゃんっ……生理現象なんだ、よ……! コーラを飲んだらゲップが出るくらい当然のこと……っ、んんっ……」
やば……このエロゲじみたシチュエーションのせいで感じ始めてる……
「おまっそんな幼児体型のくせに一丁前に感じてんじゃねーよッ!」
「しょうがない……じゃんっ……生理現象なんだ、よ……! コーラを飲んだらゲップが出るくらい当然のこと……っ、んんっ……」
考えが甘かった。
こんな閉鎖された環境で、いつ死ぬともわからない状況。
そんな中で二人きりの男女。
生き物としての子孫を残そうとする本能を甘く見すぎていた。
そんなのエロゲーの中だけだと思っていたのに……
このままじゃ本当に私の理性が吹っ飛んじゃうよ……
こんな閉鎖された環境で、いつ死ぬともわからない状況。
そんな中で二人きりの男女。
生き物としての子孫を残そうとする本能を甘く見すぎていた。
そんなのエロゲーの中だけだと思っていたのに……
このままじゃ本当に私の理性が吹っ飛んじゃうよ……
1.6/を強引に押しのける
2.6/に身を委ねる
2.6/に身を委ねる
あはは、何この選択肢。
エロゲー的には2だけど、リアルではとんでもない。
状況と本能に流されてするなんて冗談じゃない……!
エロゲー的には2だけど、リアルではとんでもない。
状況と本能に流されてするなんて冗談じゃない……!
.1.6/を強引に押しのける
ニア2.6/に身を委ねる
ニア2.6/に身を委ねる
あ―――――やば―――――
その瞬間、全身の力が抜け、私は彼の顔を潤んだ眼差しで見つめていた。
自分でもびっくりするぐらい艶かしい視線を彼に送っていた。
たぶんエロゲ的に「いいよ……」な表情に違いない。
自分でもびっくりするぐらい艶かしい視線を彼に送っていた。
たぶんエロゲ的に「いいよ……」な表情に違いない。
ああ……6/さんの顔が近づいてくる……
私の唇を塞ごうと。
私の理性を完全に奪おうと。
本当に、堕ちる。
私の唇を塞ごうと。
私の理性を完全に奪おうと。
本当に、堕ちる。
あはっ、このまま彼に身を任せて獣のように快楽を貪るのも悪くないかな――――――――――
「ちょっとぉ~いくらなんでも遅いわよ!」
『ちょっと待って……もう少しだけだから』
「ダメよ! いつまでも二人だけにさせてはおけないもの」
「かがみの言うとおりだよ、いつ危険なことが起こるかもしれないし」
「ったく何やってんだよ……!」
『ちょっと待って……もう少しだけだから』
「ダメよ! いつまでも二人だけにさせてはおけないもの」
「かがみの言うとおりだよ、いつ危険なことが起こるかもしれないし」
「ったく何やってんだよ……!」
よく聞き覚えのある声と足音が外から響いてくる。
「ん……ここかしら……」
ぎいっと音がしてドアが開く。
「こなた何して―――」
その瞬間世界が凍りついた。
固まったまま動かない三人。
そりゃ当然、私は上半身裸の状態。
6/さんは私を押し倒して、おまけに私の胸を鷲掴みにしてるんだから―――
ぎいっと音がしてドアが開く。
「こなた何して―――」
その瞬間世界が凍りついた。
固まったまま動かない三人。
そりゃ当然、私は上半身裸の状態。
6/さんは私を押し倒して、おまけに私の胸を鷲掴みにしてるんだから―――
そして世界は動き出す。
「ア、ア、ア、アンタって人はァァァァァァーーーーーーーーーーー!!!!」
「少し、頭冷やそうか……」
「少し、頭冷やそうか……」
「ちょっこれは誤解っ……なのはさんディバインシューターはやめっ……うわ……うわらばっ!!」
雑居ビルの一室に6/さんの断末魔の叫びが響き渡った。
【6/氏@カオスロワ 死亡】
「って俺死んでねーよッ!!!」
☆
「あのねぇ……紛らわしいことしないでよ」
「すみません……」
平謝りする6/。
端から見ればこなたを押し倒しているとしか思えない光景だからかがみ達が勘違いするのも当然のこと。
それでもこなたの説明で何とか誤解を解くことが出来た彼だった。
その代償としてかがみに殴られ、なのはにディバインシューターを撃たれる破目になったのは言うまでもない。
「すみません……」
平謝りする6/。
端から見ればこなたを押し倒しているとしか思えない光景だからかがみ達が勘違いするのも当然のこと。
それでもこなたの説明で何とか誤解を解くことが出来た彼だった。
その代償としてかがみに殴られ、なのはにディバインシューターを撃たれる破目になったのは言うまでもない。
「むふふっかがみんたら何を想像してたのかな~」
「だ、だってあんなもの見せられたらどうしても変な想像しちゃうに決まってるじゃない!」
顔を赤らめるかがみを見てにやにやと笑うこなた。
「おーおー赤くなっちゃって、かがみんは可愛いのうー」
「ば、馬鹿、からかわないでよっ」
「あははっ(……まあ、かがみんが来てくれて正直助かったんだよね。あの時私もマジになりかかっていたし)」
「だ、だってあんなもの見せられたらどうしても変な想像しちゃうに決まってるじゃない!」
顔を赤らめるかがみを見てにやにやと笑うこなた。
「おーおー赤くなっちゃって、かがみんは可愛いのうー」
「ば、馬鹿、からかわないでよっ」
「あははっ(……まあ、かがみんが来てくれて正直助かったんだよね。あの時私もマジになりかかっていたし)」
もう少しで若さゆえの過ちを犯しそうになるところだったこなたと6/。
助かったと同時に少し寂しげな感覚を持ったこなただった。
助かったと同時に少し寂しげな感覚を持ったこなただった。
『(案外本気だったんじゃないの~。私は見たよぉ』
「(み、見たって何かな)」
『(押し倒されてる時のこなたちゃんの顔、『私のこと……好きにしていいよ……』な表情だったもんねー)』
「(うぐぅっ!)」
『(もう少し私達が来るのが遅かったらそのまま致してたんじゃないかな? かな?)』
「(な、何のことかなー)」
『(ま、一時の感情に身を任さないでよかった。ということだよ)』
「(み、見たって何かな)」
『(押し倒されてる時のこなたちゃんの顔、『私のこと……好きにしていいよ……』な表情だったもんねー)』
「(うぐぅっ!)」
『(もう少し私達が来るのが遅かったらそのまま致してたんじゃないかな? かな?)』
「(な、何のことかなー)」
『(ま、一時の感情に身を任さないでよかった。ということだよ)』
「ところで……どうして日焼け止めクリームを塗る必要があったの?」
かがみの素朴な疑問を口にした。
口ごもるこなた達。
「別に私やなのはに頼めばいいじゃない」
「………」
しばらくの間押し黙ったままのこなただったが、
意を決したような表情で答えた。
「かがみん、ちょっと見てて」
そう言うと窓ガラスのそばに近寄ったこなたはおもむろにその拳をガラスに叩きつける。
ガシャンと大きな音が鳴ってガラスの破片が床に散らばった。
「ちょ……こなた」
「見ててかがみ……」
こなたは床に散らばった鋭い破片を拾い上げる。
触れただけでも切れそうな鋭利なかけら。
それを手首に当てると一気にそれを引いた。
「ッ……!」
「こなたッ!?」
手首から赤い血が溢れるように流れ出し、床にぼとぼとと赤い染みを作ってゆく。
だけどそれも束の間。
みるみるうちに流れる血が止まり、傷口が塞がってゆく。
「えっ……傷が塞がって……?」
かがみの素朴な疑問を口にした。
口ごもるこなた達。
「別に私やなのはに頼めばいいじゃない」
「………」
しばらくの間押し黙ったままのこなただったが、
意を決したような表情で答えた。
「かがみん、ちょっと見てて」
そう言うと窓ガラスのそばに近寄ったこなたはおもむろにその拳をガラスに叩きつける。
ガシャンと大きな音が鳴ってガラスの破片が床に散らばった。
「ちょ……こなた」
「見ててかがみ……」
こなたは床に散らばった鋭い破片を拾い上げる。
触れただけでも切れそうな鋭利なかけら。
それを手首に当てると一気にそれを引いた。
「ッ……!」
「こなたッ!?」
手首から赤い血が溢れるように流れ出し、床にぼとぼとと赤い染みを作ってゆく。
だけどそれも束の間。
みるみるうちに流れる血が止まり、傷口が塞がってゆく。
「えっ……傷が塞がって……?」
「これが今の私……決して年取ることがない不老不死の化物、吸血鬼……なんだよ」
「嘘……」
「嘘じゃないんだかがみ、俺はこなたが吸血鬼になった場面を見ている」
信じられないといった表情のかがみ達に6/はこなたに起きた出来事を説明した。
「嘘……」
「嘘じゃないんだかがみ、俺はこなたが吸血鬼になった場面を見ている」
信じられないといった表情のかがみ達に6/はこなたに起きた出来事を説明した。
「そん、な――」
「どうしてもお前達と帰りたかったんだよ、そう……人であることも捨ててお前達と一緒にいたかったんだ。だからこいつを化物なんて言わないでくれ……」
「…………でよ」
「えっ?」
「どうしてもお前達と帰りたかったんだよ、そう……人であることも捨ててお前達と一緒にいたかったんだ。だからこいつを化物なんて言わないでくれ……」
「…………でよ」
「えっ?」
「私を見損ないでよ! どんな姿になってもこなたはこなたなんでしょッ! たかが吸血鬼なだけでこなたを嫌いになるわけないじゃない……!」
「そうだぜ! 泉は泉なんだろ? それでいいじゃないか」
「どんな姿になったとしても……心が人である限りあなたは人であることに変わりはないよ」
「そうだぜ! 泉は泉なんだろ? それでいいじゃないか」
「どんな姿になったとしても……心が人である限りあなたは人であることに変わりはないよ」
「みんな……ありがと……ちょっと目にゴミが入っちゃった……」
滲む涙をごしごしと拭くこなた。
本当にかがみが友達で良かった、良き友人を持ったことに感謝するのであった。
滲む涙をごしごしと拭くこなた。
本当にかがみが友達で良かった、良き友人を持ったことに感謝するのであった。
「……こなた」
「どうしたのかがみ?」
かがみは落ちているガラス片で指を浅く切っていた。
傷口からぷつぷつと赤い血が滲み出していた。
「ちょっ……かがみん!?」
「あんたさっき血流したでしょ? いくら傷がすぐ治るといっても体力は消費するんだから私の血をあげる。こんなんじゃ全然足りないと思うけど……」
「で、でも……」
「あーあ、指切っちゃった。ばい菌入ったらやだな~。そだ、こなたが舐めて治して」
「どうしたのかがみ?」
かがみは落ちているガラス片で指を浅く切っていた。
傷口からぷつぷつと赤い血が滲み出していた。
「ちょっ……かがみん!?」
「あんたさっき血流したでしょ? いくら傷がすぐ治るといっても体力は消費するんだから私の血をあげる。こんなんじゃ全然足りないと思うけど……」
「で、でも……」
「あーあ、指切っちゃった。ばい菌入ったらやだな~。そだ、こなたが舐めて治して」
『ウホッ、これはいいこな×かが……シチュ的にかが×こな―――おぶっ』
「こんな時ぐらい黙ってろ!」
『もうっつれないなあ……』
「こんな時ぐらい黙ってろ!」
『もうっつれないなあ……』
かがみはこなたの鼻先に血が滲む指を差し出した。
「……わかったよ」
こなたはそっと唇をかがみの指先に近づける。
そしてそっと舌を突き出して血を舐め取った。
「ん……っ」
暖かくこそばゆいこなたの舌の感触。
こなたは顔を赤らめ、とろんとした眼差しで血を舐め取っていく。
「……わかったよ」
こなたはそっと唇をかがみの指先に近づける。
そしてそっと舌を突き出して血を舐め取った。
「ん……っ」
暖かくこそばゆいこなたの舌の感触。
こなたは顔を赤らめ、とろんとした眼差しで血を舐め取っていく。
ちゅぱ……ちゅぱ……
「ふぁ……んっ、かがみの血、凄くおいしいよ……」
「ちょっと……ん、がっつきすぎよこなた……」
「だって……とても甘くていい香り、輸血用の血なんかとは比べ物にならないよ……はぁっ……ん」
「ちょっと……ん、がっつきすぎよこなた……」
「だって……とても甘くていい香り、輸血用の血なんかとは比べ物にならないよ……はぁっ……ん」
歯を立てないようまるで母親の乳を飲む赤子のようにかがみの血を吸うこなた。
一心不乱にその血を啜るひどく官能的かつ背徳的な姿に。
なのはも圭一も顔を赤らめている。
一心不乱にその血を啜るひどく官能的かつ背徳的な姿に。
なのはも圭一も顔を赤らめている。
「(なあなあ6/さん)」
「(どうした圭一)」
「(血を吸ってる泉っていつもこんなのなのか……? すっごくエロい光景なんだけど)」
「(たぶんな。言っても生身の人間の血は初めてだからな。まあ吸血鬼になった時、爆弾さんに吸われてる時なんてもっと凄かったぞ)」
「(どんな感じだったんだ?)」
「(レズ物ロリAVといった表現がぴったりだったな)」
「(うぉぉぉ……)」
「(どうした圭一)」
「(血を吸ってる泉っていつもこんなのなのか……? すっごくエロい光景なんだけど)」
「(たぶんな。言っても生身の人間の血は初めてだからな。まあ吸血鬼になった時、爆弾さんに吸われてる時なんてもっと凄かったぞ)」
「(どんな感じだったんだ?)」
「(レズ物ロリAVといった表現がぴったりだったな)」
「(うぉぉぉ……)」
「(はいはい二人とも、変な会話しないの)」
「(そうは言うがななのは、この光景を見せられて興奮しない男はいないぞ……つーかお前も興味津々だろ……)」
「(えっあっ……べ、別にそんなことないって…///)」
「(そうは言うがななのは、この光景を見せられて興奮しない男はいないぞ……つーかお前も興味津々だろ……)」
「(えっあっ……べ、別にそんなことないって…///)」
こなたとかがみの様子が気が気でない三人。
二人はそんな外野の声なんて全く気にも留めなかったのだった。
二人はそんな外野の声なんて全く気にも留めなかったのだった。
098:飢え「無我夢中」の無礼講 | 投下順 | 099:涙の誓い(後編) |
105:赤い空の窓に消えていくあの子を呼ぶ | 時系列順 | |
093:我がAA軍は永遠に不滅です (後編) | 小早川ゆたか | |
085:大都会交響楽(後編) | 泉こなた | |
6/氏 | ||
096:悲しみは絶望じゃなくて明日のマニフェスト | 柊かがみ | |
高町なのは | ||
前原圭一(やる夫) |