ニャングオウ「やあユキ、そこに座ってる燃え尽きたみたいな物体はなんだい?」ユキ「ベルさんだったものだよ」

ニャン「あっ、ふーん…ついに堕天した?光を失ったみたいになってるけど」

ユキ「ないとは言い切れないけど今回は違うよおねーさん」

ニャン「そっかあ…ところで前々から地味に気になってたんだけどさ」

ユキ「?」

ニャン「なんで私だけおねーさん呼びなの?ほぼ同い年だよね?まあ別にいいんだけどさ」

ユキ「おにーさ…ロキリくんもおにーさん呼びだよ?」

ニャン「え?同列ってこと?それは流石に私に失礼じゃない?」

ユキ「その言い方は言い方でおにーさんに失礼だと思うけど…」

ニャン「別に気にしてないけどね?ちょっと疑問に思っただけだからね?」

ユキ「まあ確かになんだかんだもう長い付き合いだもんね、ごめんねニャングオウさん」

ニャン「なんか言わせたみたいじゃん…それで、ベルはいったいどうしたんだい?」

ユキ「説明しよー!ベルさんは犬と戯れたい欲求のガマンが限界オーバードライブなのだ!」

ニャン「急にどうした」

ユキ「てへぺろ☆」

ニャン「そういえば犬飼ってたとか言ってたもんね、ホームシックならぬペットシックってやつ?」

ユキ「あっそうだ!ニャングオウさん、犬になってあげてよ」

ニャン「なんで私?そういうユキがやればいいじゃん、エストリンゼが怒るかもしれないけど」

ユキ「ボクがやってもよかったんだけどさ、ボクじゃだめみたいなんだよ」

ニャン「なんで?」

ユキ「さっき『猫耳でもつけようか?猫のほうがかわいいし』って言ったらガチめのトーンで『は?』って言われて…」

ニャン「それはユキが悪いと思うけど。ベルは犬派でしょ?」

ユキ「一瞬だったけどあんな怒ったベルさん初めてみたよ…」ガクブル

ニャン「まあ理由はわかった、やらないけど」

ユキ「えー、今のベルさんを救えるのはニャングオウさんだけだよ?」

ニャン「ほら、ファミリアだっけ?ユキのあれを犬にしてあげればいいじゃん」

ユキ「できないし、仮にできたとしてもやらないけど?猫のほうがかわいいでしょ」ぷんすこ

ニャン「ごめんて」

ユキ「とにかく、今ベルさんが頼れるのはニャングオウさんだけだからなんとかしてあげてよ」

ニャン「はあ…ほらベル、なにがしたいんだい?」

ベル「…ボール」

ニャン「ボール?」

ベル「…ボールとってこーい」

ニャン「…まあそのくらいならいいか、ほら行くよ」

ユキ「がんばれニャングオウさん!」ぐっどらっく


☆外☆

ベル「じゃあ投げますね…てぇい!」びゅー

ニャン「よっと…へー、けっこう良い球投げるじゃん」パシッ

ベル「…違う」

ニャン「へ?ちゃんと取ってあげたじゃん、なんでそんな不満そうなの?」

ベル「初球から取るのは違うんですよ、遠くのボールを取りにいく後ろ姿がいいんです。ちゃんと真面目にやってください」

ニャン「取れそうな位置に投げるベルが悪いんじゃん、そんなこと言うならもっと高く投げなよ」びゅー

ベル「…まあ確かにそうですね」パシッ
ベル「じゃあ次はちゃんとお願いしますよ、そぉい!」びゅー

ニャン「良い肩してるじゃん、キャッチボールとしては最悪だけど」とてとて

ベル「駆け足!ダッシュ!」

ニャン「めんどくさ…」とたとた

ニャン「投げるよー!…届くかな?」びゅー

ベル「…違う」パシッ

ニャン「また?今度は何さ!」

ベル「犬は返球しないんです、ちゃんとこっちまで持ってきてくださいよ。やる気あります?」

ニャン「やる気は最初からないけど…付き合ってあげてるのになんなのさ」

ベル「次こそちゃんとしてくださいね…とりゃ!」びゅー

ニャン「…私はいったい何をやってるんだろうなあ」とたとた


ニャン「はい、これでいい?」手渡し

ベル「よーしよし、いいこですね」なでなで

ニャン「ちょ、ちょっと!撫でていいなんて言ってないんだけど!もういい!知らない!」ぺしっ

ベル「あー!待ってください、せめてあと2、3球ー!」


ナタリー「…今日も仲良しさんダナー」
ナタリー「…それにシテモ、人の店の庭で何シテルんだろーナ…」
最終更新:2021年11月11日 12:34