ガルナハンの首都、バードクーベ。
その石畳の上を二体の鋼鉄の巨人が疾走する。
『シン、次の角を右だ。その先35mに滑空砲と弾薬三パック』
「判った!」
シンの駆るダスト、そしてその背後には
『こぉらぁ!いい加減無駄な抵抗は止めて大人しく武装放棄しなさい!』
レイラの駆るFBが迫る。
『別に取って食いやしないわよ!私達は戦いを止める為に来たんだから!』
レイラの説得?には耳も貸さずに、滑り込む様に道端のテントに飛び込む。
そのまま隠しておいた滑空砲を構え、振り向きざまにFBにロック、そのまま引金を絞る。
ドン!
胸部装甲にマトモに直撃を受けてFBがよろける。が、
『痛いじゃないのよこのトーヘンボク!女の子の胸触るなんてどー言う神経してるのよ!』
流石に倒れる事は無く、再び追撃してくる。
『そう言われてもMSなのだから性別は関係無い筈だが』
レイがズレた発言をしてくる。
「そう言う問題じゃないだろ!」
律儀にレイに答えながらシンは再びダストを疾走させる。
『ふむ?痛覚が無いのに痛いと言うのがおかしいという事か?』
「だ・か・ら!」
再び振り向きざまに発砲。コレはビームシールドに防がれた。
「レイ!お前、わざとやってるだろ!」
『何をだ?それよりシン、2つ先の十字路を右だ』
「ああもう!」
もういっそ全て投げ出したいような倦怠感に襲われつつ、シンはひた走る。
その石畳の上を二体の鋼鉄の巨人が疾走する。
『シン、次の角を右だ。その先35mに滑空砲と弾薬三パック』
「判った!」
シンの駆るダスト、そしてその背後には
『こぉらぁ!いい加減無駄な抵抗は止めて大人しく武装放棄しなさい!』
レイラの駆るFBが迫る。
『別に取って食いやしないわよ!私達は戦いを止める為に来たんだから!』
レイラの説得?には耳も貸さずに、滑り込む様に道端のテントに飛び込む。
そのまま隠しておいた滑空砲を構え、振り向きざまにFBにロック、そのまま引金を絞る。
ドン!
胸部装甲にマトモに直撃を受けてFBがよろける。が、
『痛いじゃないのよこのトーヘンボク!女の子の胸触るなんてどー言う神経してるのよ!』
流石に倒れる事は無く、再び追撃してくる。
『そう言われてもMSなのだから性別は関係無い筈だが』
レイがズレた発言をしてくる。
「そう言う問題じゃないだろ!」
律儀にレイに答えながらシンは再びダストを疾走させる。
『ふむ?痛覚が無いのに痛いと言うのがおかしいという事か?』
「だ・か・ら!」
再び振り向きざまに発砲。コレはビームシールドに防がれた。
「レイ!お前、わざとやってるだろ!」
『何をだ?それよりシン、2つ先の十字路を右だ』
「ああもう!」
もういっそ全て投げ出したいような倦怠感に襲われつつ、シンはひた走る。
「レイラ・・・大丈夫かなぁ?」
「何をやってるんだアイツは!」
上空から2機のFBがその『追いかけっこ』を見ていた。
シラヒとウノの2人である。本来なら、3機で包囲して捕獲しなくてはならないのだが、レイラの
「三人で追い込んで無駄に暴れ出したら周辺に被害が出るでしょ?なら、私が捕まえて見せるわ」
と言う意見に押しきられる形でこうゆう状態になってしまった。
実際、ウノは格闘戦より射撃に長け、シラヒはどちらもそれなりに(とはいえPGレベルだ)どちらもこなすが、やや大雑把なきらいがあるので、2人が参加すれば周辺に被害を出しかねないのも事実ではある。
そもそも、9機のFBで一斉に砲撃すれば(多少ならず都市に被害は出るが)簡単に片が付く問題であるが、情況がそれを許してくれなかった。
「何をやってるんだアイツは!」
上空から2機のFBがその『追いかけっこ』を見ていた。
シラヒとウノの2人である。本来なら、3機で包囲して捕獲しなくてはならないのだが、レイラの
「三人で追い込んで無駄に暴れ出したら周辺に被害が出るでしょ?なら、私が捕まえて見せるわ」
と言う意見に押しきられる形でこうゆう状態になってしまった。
実際、ウノは格闘戦より射撃に長け、シラヒはどちらもそれなりに(とはいえPGレベルだ)どちらもこなすが、やや大雑把なきらいがあるので、2人が参加すれば周辺に被害を出しかねないのも事実ではある。
そもそも、9機のFBで一斉に砲撃すれば(多少ならず都市に被害は出るが)簡単に片が付く問題であるが、情況がそれを許してくれなかった。
PGがバードクーベに到着した段階で、相当数の市民が今だ避難が完了していなかったという事実は、キラを少なからず驚かせた。
そして、その驚きは当惑へと変わっていった。
「まさか、市民が自発的に残ったとでも?」
情況だけ見ればそう取れなくもない。
テロリストに拘束されている様子もなく、むしろキラ達の姿を見て右往左往している有様だ。
もはや「テロリスト」と「善良な市民」の識別などつけようもない。
キラ達PGには知らされていないが、コレはテロリストが罪の無い市民を盾に防御戦をしているのではなく、レジスタンスと市民によるガルナハン政府に対するれっきとした「政治的行動」なのだ。
「僕達は騙された訳か・・・」
「隊長、御指示を」
「各自、このまま上空からレジ・・・不法占拠者への呼びかけを続行しながら情況を確認。発砲は極力控えてください、まだ市民が多数残っています」
「了解!」
そしてキラはガルナハン政府へ通信を繋いだ。
「こちらはPG隊隊長、キラ・ヤマトです。至急、責任者の方を・・・」
そして、その驚きは当惑へと変わっていった。
「まさか、市民が自発的に残ったとでも?」
情況だけ見ればそう取れなくもない。
テロリストに拘束されている様子もなく、むしろキラ達の姿を見て右往左往している有様だ。
もはや「テロリスト」と「善良な市民」の識別などつけようもない。
キラ達PGには知らされていないが、コレはテロリストが罪の無い市民を盾に防御戦をしているのではなく、レジスタンスと市民によるガルナハン政府に対するれっきとした「政治的行動」なのだ。
「僕達は騙された訳か・・・」
「隊長、御指示を」
「各自、このまま上空からレジ・・・不法占拠者への呼びかけを続行しながら情況を確認。発砲は極力控えてください、まだ市民が多数残っています」
「了解!」
そしてキラはガルナハン政府へ通信を繋いだ。
「こちらはPG隊隊長、キラ・ヤマトです。至急、責任者の方を・・・」
直後、レイラによりダストの存在が確認される。
「隊長!稼動しているMSを目視!」
未だに責任者が捕まえられないキラへ、レイラからの通信。
「情況は?」
「MSが一体・・・発砲されました!損害は・・・ありません?極めて軽微」
「PS装甲へ実弾兵器?・・・罠かな?」
実弾兵器のみと思わせて、隙を見せたところへビーム兵器。単純だが有効的な罠ではある。
常識的にもパラエーナの火線で即座に倒すべきだが、いかんせんEF、FB共に火力が強すぎた。
闇雲に撃てばバードクーペは灰になりかねない。今だ市民が残るこの情況では迂闊に攻撃は出来なかった。
やむなく、シラヒ、レイラ、ウノの3人に『格闘戦で捕獲せよ』と言うムチャな指示をキラは出したのだった。
「隊長!稼動しているMSを目視!」
未だに責任者が捕まえられないキラへ、レイラからの通信。
「情況は?」
「MSが一体・・・発砲されました!損害は・・・ありません?極めて軽微」
「PS装甲へ実弾兵器?・・・罠かな?」
実弾兵器のみと思わせて、隙を見せたところへビーム兵器。単純だが有効的な罠ではある。
常識的にもパラエーナの火線で即座に倒すべきだが、いかんせんEF、FB共に火力が強すぎた。
闇雲に撃てばバードクーペは灰になりかねない。今だ市民が残るこの情況では迂闊に攻撃は出来なかった。
やむなく、シラヒ、レイラ、ウノの3人に『格闘戦で捕獲せよ』と言うムチャな指示をキラは出したのだった。
「・・・ですから、当方といたしましても・・・」
「ライヒ長官はなんて言うでしょうね?」
しどろもどろで言い訳を綴る政府高官達にキラは冷笑を送る。
あれから延々と通信し続けて、ようやく責任者を捕まえたのだが、まったく要領を得なかった。
「要するに、市民の大半がまだ避難していない、と」
「ええ、まあ・・・」
「テロリストに占拠されたというお話でしたが、正直、僕にはそんな情況には見えません」
「そこが奴らの強かな所でして・・・」
「僕達に嘘の報告をしてまで出動を求めるほど強力なテロリスト、ってことですか?」
「いえ、我々の手で対処できない訳では有りません。しかし・・・」
「しかし?」
言い澱む高官達にキラが畳み掛ける。
「わ、我々が対処した場合、市民に全く被害が出ないかといえば正直・・・」
まさか、馬鹿正直に
『我々の手では手におえない情況なのでPGに丸投げしました』
『自治権獲得の政治運動をテロとして処理する為にPGに泥を被ってもらう積もりでした』
などと本音を漏らせば何を言われるか判ったものでは無い。
なにしろ「あの」ライヒだ。いきなり自治政府解体、直轄領に、等と言い出しかねない。
「弱ったな・・・ともあれ、他の隊員に火器の使用の制限を徹底させないと」
ゴウン!
直後、バードクーベに閃光が走った。
「ライヒ長官はなんて言うでしょうね?」
しどろもどろで言い訳を綴る政府高官達にキラは冷笑を送る。
あれから延々と通信し続けて、ようやく責任者を捕まえたのだが、まったく要領を得なかった。
「要するに、市民の大半がまだ避難していない、と」
「ええ、まあ・・・」
「テロリストに占拠されたというお話でしたが、正直、僕にはそんな情況には見えません」
「そこが奴らの強かな所でして・・・」
「僕達に嘘の報告をしてまで出動を求めるほど強力なテロリスト、ってことですか?」
「いえ、我々の手で対処できない訳では有りません。しかし・・・」
「しかし?」
言い澱む高官達にキラが畳み掛ける。
「わ、我々が対処した場合、市民に全く被害が出ないかといえば正直・・・」
まさか、馬鹿正直に
『我々の手では手におえない情況なのでPGに丸投げしました』
『自治権獲得の政治運動をテロとして処理する為にPGに泥を被ってもらう積もりでした』
などと本音を漏らせば何を言われるか判ったものでは無い。
なにしろ「あの」ライヒだ。いきなり自治政府解体、直轄領に、等と言い出しかねない。
「弱ったな・・・ともあれ、他の隊員に火器の使用の制限を徹底させないと」
ゴウン!
直後、バードクーベに閃光が走った。
時間は少し戻る。
シンとレイラの(当人達は大真面目だが)間の抜けた鬼ごっこについにシラヒが痺れを切らした。
バラエーナの照準を、ダストの脚部に合わせる。
「え?シラヒ君、駄目だよ!」
「ウノ。お前はこんなふざけた状態をなんとも思わないのか?」
「確かにコレは副長にどやされそうだけど、無闇に発砲するなとも命令されたよ」
「つまり、無闇じゃなきゃ良いって事さ」
ウノの制止の声を無視してシラヒがトリガーを絞る。
「脚が無くちゃ走れないだろ!」
そして、ダスト目掛けてプラズマ球が走った!
シンとレイラの(当人達は大真面目だが)間の抜けた鬼ごっこについにシラヒが痺れを切らした。
バラエーナの照準を、ダストの脚部に合わせる。
「え?シラヒ君、駄目だよ!」
「ウノ。お前はこんなふざけた状態をなんとも思わないのか?」
「確かにコレは副長にどやされそうだけど、無闇に発砲するなとも命令されたよ」
「つまり、無闇じゃなきゃ良いって事さ」
ウノの制止の声を無視してシラヒがトリガーを絞る。
「脚が無くちゃ走れないだろ!」
そして、ダスト目掛けてプラズマ球が走った!
『いい加減にしなさーい!御近所に迷惑でしょ!MSの足音ってとっても響くのよ!』
「そんな問題かよ!」
『いや、シン。大質量の物体が衝突した場合の騒音はそう馬鹿に・・・』
「だから話がズレてるっての!」
『大体、女の子から逃げるってどー言うことよ!私が魅力無いみたいじゃないの!』
「だからどーしてコッチのパイロットが男だって決めつけてるんだよ!」
『シン、お前は男だろう?』
「そう言うことを言ってるんじゃ無い!」
とんでもなく間の抜けた問答を繰り返していた最中、突如レイの声に鋭いものが入る。
『シン、上だ!』
「くうっ!?」
殆ど本能的に機体を捻り、地面を転がる。
そのダストの機体を掠めるようにプラズマ球が石畳に突き刺さり、そして、そのまま地面を抉りながら家々を吹き飛ばした。
「そんな問題かよ!」
『いや、シン。大質量の物体が衝突した場合の騒音はそう馬鹿に・・・』
「だから話がズレてるっての!」
『大体、女の子から逃げるってどー言うことよ!私が魅力無いみたいじゃないの!』
「だからどーしてコッチのパイロットが男だって決めつけてるんだよ!」
『シン、お前は男だろう?』
「そう言うことを言ってるんじゃ無い!」
とんでもなく間の抜けた問答を繰り返していた最中、突如レイの声に鋭いものが入る。
『シン、上だ!』
「くうっ!?」
殆ど本能的に機体を捻り、地面を転がる。
そのダストの機体を掠めるようにプラズマ球が石畳に突き刺さり、そして、そのまま地面を抉りながら家々を吹き飛ばした。
ゴウン!
吹き飛ばされる家々がシンの視界に入る。そして、それは、シンにとって最も忌まわしい記憶を連鎖的に引き摺り出した。
「・・・貴様ら・・・自分達が何をしようとしてるのか、わかってるのか?」
『シン、落ちつけ!』
「何がPGだ何が「平和の使者」だ何が「恒久平和」だ!」
『シン!』
レイの制止の声も振りきり、ダストが疾る。
『ちょっと!急に何を・・・』
そのままレイラのFBへ対艦刀を振り下ろす。
ゾン!
『きゃあっ!』
右腕を叩き落され後退するレイラ機へ、更に対艦刀を振り上げる。
「レイラ!」
咄嗟にシラヒ機が間に割って入る。
「テロリスト風情が!」
シラヒ機が二刀のビームサーペルでダストの対艦刀を受けとめ、力任せに叩き折る。
が、ダストの突進力は些かも翳らない。そのまま体制の崩れたシラヒ機を押し倒す。
「ガハァッ!」
「こいつ!こいつ!こいつ!」
ダストのアーマーシュナイダーが唯一PS装甲ではないシラヒ機のカメラアイに突き立てられた。
そのままメキメキとシラヒ機の頭部を破壊していく。
「なんなんだ!なんなんだよ貴様は!?」
シラヒは恐慌を来しながらもサーベルでダストへ斬り付けようとするが、
ダストの膝に両肩を抑えられて可動域が確保できず、もがくばかりだった。
「・・・貴様ら・・・自分達が何をしようとしてるのか、わかってるのか?」
『シン、落ちつけ!』
「何がPGだ何が「平和の使者」だ何が「恒久平和」だ!」
『シン!』
レイの制止の声も振りきり、ダストが疾る。
『ちょっと!急に何を・・・』
そのままレイラのFBへ対艦刀を振り下ろす。
ゾン!
『きゃあっ!』
右腕を叩き落され後退するレイラ機へ、更に対艦刀を振り上げる。
「レイラ!」
咄嗟にシラヒ機が間に割って入る。
「テロリスト風情が!」
シラヒ機が二刀のビームサーペルでダストの対艦刀を受けとめ、力任せに叩き折る。
が、ダストの突進力は些かも翳らない。そのまま体制の崩れたシラヒ機を押し倒す。
「ガハァッ!」
「こいつ!こいつ!こいつ!」
ダストのアーマーシュナイダーが唯一PS装甲ではないシラヒ機のカメラアイに突き立てられた。
そのままメキメキとシラヒ機の頭部を破壊していく。
「なんなんだ!なんなんだよ貴様は!?」
シラヒは恐慌を来しながらもサーベルでダストへ斬り付けようとするが、
ダストの膝に両肩を抑えられて可動域が確保できず、もがくばかりだった。
ゴッ!
横合いから蹴り飛ばされるダスト。ウノ機の仕業だ。
「2人とも平気?」
妙に気の抜けた声で二機に問う。
「遅いわよ馬鹿!」
「大丈夫に見えるのか!」
「2人ともひどいよ・・・」
ソコへ体勢を立て直したダストが飛び掛る!
「うぉ!」
「ヤだぁ!」
「あぶないなぁ」
流石にPGだけあって3名ともこれには即座に対応し、難無くシンの突進をかわした。
が、次の瞬間。シンは我が眼を疑った。
「2人とも下がってて」
空中へ逃れたFBがフルバーストモードを取っている。
「ウノ、お前、正気か?」
「隊長の命令聞いて無かったの!?」
「え?だってあの人と接近戦したら勝てそうに無いよ?」
ウノ機がダスト目掛けて大量のレールガンとプラズマ砲を叩き込む!
「2人とも平気?」
妙に気の抜けた声で二機に問う。
「遅いわよ馬鹿!」
「大丈夫に見えるのか!」
「2人ともひどいよ・・・」
ソコへ体勢を立て直したダストが飛び掛る!
「うぉ!」
「ヤだぁ!」
「あぶないなぁ」
流石にPGだけあって3名ともこれには即座に対応し、難無くシンの突進をかわした。
が、次の瞬間。シンは我が眼を疑った。
「2人とも下がってて」
空中へ逃れたFBがフルバーストモードを取っている。
「ウノ、お前、正気か?」
「隊長の命令聞いて無かったの!?」
「え?だってあの人と接近戦したら勝てそうに無いよ?」
ウノ機がダスト目掛けて大量のレールガンとプラズマ砲を叩き込む!
「気でも違ったのかあの野郎!」
ダストに限界ギリギリの機動をさせ、雨霰と振ってくる砲撃を回避しながらシンは毒づく。
『シン、お前相手に接近戦は自殺行為だと判断したんだろう』
「辺りに人が間だ残っているかもしれないんだぞ!?」
ダストが致命的な一撃を避けるたび、流れ弾で街が破壊されているのだ。
『なりふり構っていられなくなったんだろう。お前は強敵と見なされたんだ』
「くッ!」
『だから俺はアレほどマトモに連中の相手をするなと言ったんだがな』
「・・・!」
ギリ、と奥歯を噛み締めるシン。返す言葉が無い。
ダストに限界ギリギリの機動をさせ、雨霰と振ってくる砲撃を回避しながらシンは毒づく。
『シン、お前相手に接近戦は自殺行為だと判断したんだろう』
「辺りに人が間だ残っているかもしれないんだぞ!?」
ダストが致命的な一撃を避けるたび、流れ弾で街が破壊されているのだ。
『なりふり構っていられなくなったんだろう。お前は強敵と見なされたんだ』
「くッ!」
『だから俺はアレほどマトモに連中の相手をするなと言ったんだがな』
「・・・!」
ギリ、と奥歯を噛み締めるシン。返す言葉が無い。
「流石にあっさり直撃させてくれないね」
どこか現実感の無いウノへ、叱責の声が走る。
「ウノ=ホト!貴様何をやっておるか!シラヒ=ホス=ホデリ!レイラ=ウィン!貴様らもだ!」
見れば、ウノ機の更に上空に副隊長のFBと、そして
「・・・発砲は避けてって言った積もりだったんだけど?」
キラの駆るEFが居た。流石にキラも腹を立てているようだった。
「周辺の熱反応と動態反応はチェックしました。大丈夫ですよ」
能天気そうに答えるウノに一瞬絶句するキラ。が何かを感じ取ったのか。
「・・・君は・・・?・・・まさかね」
そのままダストへ視線を向ける。
どこか現実感の無いウノへ、叱責の声が走る。
「ウノ=ホト!貴様何をやっておるか!シラヒ=ホス=ホデリ!レイラ=ウィン!貴様らもだ!」
見れば、ウノ機の更に上空に副隊長のFBと、そして
「・・・発砲は避けてって言った積もりだったんだけど?」
キラの駆るEFが居た。流石にキラも腹を立てているようだった。
「周辺の熱反応と動態反応はチェックしました。大丈夫ですよ」
能天気そうに答えるウノに一瞬絶句するキラ。が何かを感じ取ったのか。
「・・・君は・・・?・・・まさかね」
そのままダストへ視線を向ける。
「揃いも揃って・・・連中、弱い者虐めって言葉、知ってるのかね?」
『半分以上自業自得だがな。俺とお前の』
5機のうち半壊が2機とはいえ、FBが4機とEF。もはや勝敗云々以前の問題である。だが。
「・・・時間的にはもう良いよな?」
『ああ、上出来だ』
「それじゃあ・・・ケツまくって逃げますか!」
クルリと背を向けて走り出す。しかし。
『・・・流石にそうそう上手くは行かないな』
既に残りの5機のFBが接近、MS10機による包囲網を完成させつつ有った。
「強引に突っ切るぞ!」
『まあ、何時ものパターンか』
「各員に通達。火器は一切の使用を禁止します!理由の如何に関わらず使用した場合はそれなりの処分を覚悟してください!」
キラの命令により、全機が格闘戦に移行する。
対艦刀や斬機刀を持ち込んだ猛者が一斉にダスト目掛け必殺の斬激を送り込む。
ギャリイン!
対艦刀をスレスレで見きり、ソレでも避けきれずに装甲に傷をつけながらも身を翻し。
斬機刀をアーマーシュイダーで刃毀れしながらも受け流し。
第2陣のビームサーベルの林を、装甲を焦がしながらも擦り抜け。
そしてその先には。
「キラ・ヤマト・・・」
EFの姿があった。
『重ねて言います。武装を放棄して投降を・・・』
『くどい!』
外部マイク越しでキラに答えるシン。
『力ずくでも通させてもらう!』
『なら、僕は』
二刀を抜き放つEF!
『僕のなすべき事をするだけです!』
『半分以上自業自得だがな。俺とお前の』
5機のうち半壊が2機とはいえ、FBが4機とEF。もはや勝敗云々以前の問題である。だが。
「・・・時間的にはもう良いよな?」
『ああ、上出来だ』
「それじゃあ・・・ケツまくって逃げますか!」
クルリと背を向けて走り出す。しかし。
『・・・流石にそうそう上手くは行かないな』
既に残りの5機のFBが接近、MS10機による包囲網を完成させつつ有った。
「強引に突っ切るぞ!」
『まあ、何時ものパターンか』
「各員に通達。火器は一切の使用を禁止します!理由の如何に関わらず使用した場合はそれなりの処分を覚悟してください!」
キラの命令により、全機が格闘戦に移行する。
対艦刀や斬機刀を持ち込んだ猛者が一斉にダスト目掛け必殺の斬激を送り込む。
ギャリイン!
対艦刀をスレスレで見きり、ソレでも避けきれずに装甲に傷をつけながらも身を翻し。
斬機刀をアーマーシュイダーで刃毀れしながらも受け流し。
第2陣のビームサーベルの林を、装甲を焦がしながらも擦り抜け。
そしてその先には。
「キラ・ヤマト・・・」
EFの姿があった。
『重ねて言います。武装を放棄して投降を・・・』
『くどい!』
外部マイク越しでキラに答えるシン。
『力ずくでも通させてもらう!』
『なら、僕は』
二刀を抜き放つEF!
『僕のなすべき事をするだけです!』