歴史

436 :初代1 ◆zhFdGsjV7M:2005/10/05(水) 00:51:00 ID:4Cd8d1DN
未来技術村取引事情その2

狩りを終えて、村に戻ってきたクックルーと数人の男達。
ここ、2日ばかり、村の外にいた彼らの収穫は
牡鹿1頭と雌鹿1頭、雄牛1頭でした
2日張り込んだかいあって、まぁまぁの収穫です。
では、彼ら的な、獲物の価値を紹介しよう。

まず、雄鹿
雌の鹿より、一回り、大きいので、肉の量も多いです。
これ1頭で50食ぐらい採れます(現在の分量から考えるとかなり少ないです)
しかしモモ肉などは、直接これを食べるより、燻製にして麦等と交換したほうが
より、多くの食料と交換できるかもしれません。
さらに、雄鹿には角があるのです。
鹿の角そのままでも、それなりに価値があるのですが、鏃等の加工品にすると
より、価値がつきます。そして、それらは、場合によっては、次の狩りのための
道具にもなります。

雌鹿の場合では、角が無く、小ぶりなので、かなり価値が下がります。
でも、肉や皮には、十分な価値があります。
初期のころは、あまり利用しなかった、骨や歯の部分も
針やボタン等の材料として、それを作れる人に渡し、一部を完成品の形でもらったりします。

雄牛の角も、鹿のように取引されます。当然、肉、骨、皮等も
鹿同様です。胃袋を一時期、ナナッシが持っていった時期もありましたが
内臓は、狩猟したメンバーと家族が食べてしまうのが通例のようです。

では、雄鹿のモモ肉を燻製(モモの形そのままで、10日ほどいぶしたもの)を持って
物物交換に行ってみる事にしましょう。
(続く)


437 :初代1 ◆zhFdGsjV7M:2005/10/05(水) 01:19:29 ID:4Cd8d1DN
(続き)

モモ肉をバナナの葉っぱに包んで、まずやってきたのは、ナナッシの家です。
物を煮たり、焼いたり、水を保存するために、彼が作っている土器が
村で最も優れていることに、疑いはありません。
最近は、水が漏れない土器を作ったという話しも聞きました。
ナナッシの家には既に先客がいたようです。

「この陶器って奴、オレにくれ、あいつの倍の麦だすよ」
「先に来たのは、私ですわよ、それに、これは酒作りに欠かせないのです」

二人の母親が、今回作った、陶器について、もめているようです。
陶器は、まだ、生産量がとても少なく、最近改良したカマの関係もあり
(火を入れてから、焼き上がりまでに、4日以上かかり、大量の燃料を消費するようになった)
とても、高価な上に、取り合いで、値段は高騰気味なのです。
普通の土器はこの、モモ肉を渡せば、好きなものを3~4個もらえるはずです。

2人の母親達の言い争いは、終わりそうに無かったので、クックルーは別なところに行くことにしました。

(さらに続く)


439 :初代1 ◆zhFdGsjV7M:2005/10/05(水) 01:47:39 ID:4Cd8d1DN
(>437と>438の間に入れてください)
次にやってきたのは、モラーラーの家です。
あいもかわらず、麻の焦げた匂いがします。
モラーラの家の屋根や壁は、今まで、腐ったことがありません。
たいていの家は、藁や、葦が古くなってくると、虫がたかったり、腐ったりするのですが、
モラーラの家だけは、建てたときのままです。
閑話休題

モラーラは、気が抜けたように、ボケらー、っとしています。
最近の取引では、雌鹿1頭と油1壺などという、暴利をふっかけていたモラーラーでしたが
ウズメが、菜種油を作ってから、価値が下がり、この様子になってしまいました。
何でも、ウズメのすることを手伝えば、好きなだけ油がもらえるなんて噂が村中に流れたのが
原因のようで、だれも、モラーラーから油を交換しなくなったからです。
(もちろん、好きなだけなんて言うのは、デマです)
モラーラーを正気に戻そうと、数発殴ったのですが、ブツブツ独り言を言うだけです。
仕方がないので、次の場所に行くことにしました。



438 :初代1 ◆zhFdGsjV7M:2005/10/05(水) 01:39:04 ID:4Cd8d1DN
最後に、やってきたのは、レイのスーパーマーケットです。
モモ肉と夜の楽しみを交換しても良いのですが
そんなことをすると、母親にしかられます。
クックルーの母親はそれほど、怖くは無いのですが。
この燻製を作るのに協力してくれた、「サス」と「ガー」の兄弟の母親は
敵に絶対に回したくないのです。
決意を固めて、交渉に臨みます。

熾烈な交渉の結果、モモ肉は
粟10食分と、黒砂糖少々(2つかみ)、塩少々(2つかみ)と交換することができました。
あまり、良い交換ではありませんでしたが、負けてはいないつもりです。
クックルー的には、塩をもう1つかみぐらい、欲しかった気もします。

今度は、もっと沢山獲物を採って、夜に来ようとおもう、クックルーでした。
(おしまい)

歴史
最終更新:2005年10月05日 17:54