212 平穏の時 大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、アーク、勇者トロナ、天城九曜、アーク、ロボロン、魔人ウロボロス、レイ=ラグナウッド
崩壊した高校に残った部活などで使われるプレハブ小屋を拠点に対主催は集まっていた。
プレハブの外部は主に戦闘力があり怪我の浅いものが担当した。
大海姉妹は故障したロボロンの修復に尽力を注いでいた。
首輪解除を条件に対主催の仲間になったウロボロスとレイは高校の外側を巡回して守りについていた。
対主催では最強の防御力を誇るアークもプレハブの守りについていたが、隙あらば九曜やトロナのスカートをめくるなどのセクハラを働き、二人に追い掛け回されている。
割かし和気あいあいとしていたが、そこへ放送が流れる。
三月とかためちゃん……とうとう江洲衛府島の生徒が犠牲になったことを同じ江洲衛府島の生徒たちは嘆き、特に学園長であるアークは大いに嘆くのだった……
(※絶対ホモ許さないマンは本名で呼ばれなかったので誰も気づいていない)
213 サヨナラなき別れ 九条由奈ダン・デュールマンアイリスフィア・フォン・プリズムアーク、霊幻・H・真由、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎
いくつかのプレハブ小屋内部。
そこは保険医であるミーティアのおかげで負傷者を介抱できる病室になっていた。
由奈は主にダンに介抱されている。ダン自体も負傷していたがそれに構わず、由奈に比べれば浅いと言い、更に家族だと思って好きなだけ甘えていいんだぞと言った。
暗殺者として育てられ、父親を知らぬ由奈からすればダンの優しさについては父親ってこんな温かいものなのかな?と思わせた。
その横でアイリスフィアと真由は大喧嘩していた。
アイリスフィアは東京に建てていた別荘もとい魔術工房を真由がスカイツリーを崩壊させたことによる巻き添えで壊されており、それによる怒りを真由にぶつけていた。
真由の言い分としては賠償金は既に払ったから良いでしょ?!と言うが、工房にはお金で買えないような素材や魔術書もあったのでそっちが土下座して謝るまで許さないという。つまるところお金よりも誠意ある謝罪の方が欲しいのだ。
火花散らす二人の喧嘩を前にアイリスフィアの看病に回っていた雅はオロオロしていた。
もう足もないのに先生は元気なこった……と仲良く喧嘩しているアイリスフィアを見て苦笑いするのはヒグマーマンと共に看病されてる沙織と桜に夕露であった。
特に桜は沙織だけでなく先ほど青空教室の悲劇の話から夕露とアイリスフィアにも同情の視線を向けていた。
自分と同じくらい、もしくはそれ以上に悲惨な目に会っている者が世の中にはいるのだと知り、慣れないなりに人に尽くそうとしていた。
ついでに人に感謝されるのにも慣れていないので仲間にありがとうと言われた度に反応に困って赤面する桜であった。
こちらも外の者と同じく放送を聞き、同級生や生徒の死は嘆いていた。
214 花の蜜と涙 ミーティア、真崎洸
別のプレハブ小屋。
そこではエロ保険医ミーティアと魔人「F」の姿を持つ洸との情事が行われていた。
素っ裸のミーティアを見て思わず赤面していた洸君……その反応に気づいていたがために弄りがいがありそうということで彼女の性欲開放の犠牲者に選ばれてしまったのだ。
ミーティアとしては性欲の捌け口ではなく、先に命を助けてもらったことへの彼女なりのお礼でもあるのだが。
ソリッドな場所にリキッドなものを奥深くに何度も繰り返して流し込んでいたが、ゴムもピルもないのに大丈夫かと洸は問うがミーティアは大丈夫だと言う。
周囲には秘密にしていたが彼女は過去にスパイ活動をしており、敵に捕まって熾烈すぎる陵辱を受けるついでに性欲処理の道具にできるように受精できないように肉体を改造され、奇跡でも起きない限り妊娠できない体になった。
妊娠リスクがない故にいくら他人を性的な意味で食べても大丈夫なのだが、代償に女のもう一つの喜びでもある子供を産むことができない。
だからミーティアは生徒を自分の恋人や子供だと思って大切にするのだと言う。
その逸話を聞くと洸のミーティアの見る目が変わった。彼女は痴女でもあるが生徒思いの優しい先生でもあったのだから。
そんな二人に放送が流れる。
生徒の死にミーティアは普段の明るさを忘れて子供が殺された親のように泣いた。
洸はそんな彼女の悲しみをこの体で癒せるならと思い、彼女の悲しみが晴れるまで抱かせることにした……
215 規格外の男 クライヴ、ヒュナス、Deus狩野光流ジョン・ウェイン・ゲイシーサキュバス
ゲームセンターを襲撃してきたDeus一行。
クライヴと彼の介抱によって怪我が若干癒えたヒュナスが対抗する。
敵は大半が異能者故にヒュナスの「異能者より高い身体能力を持てる」力があれば恐れることはないとクライヴは思っていた。
実際、ヒュナス一人によって狩野ら信者たちは蹴散らされた。

しかしDeusだけは違った。
武器がごく普通のイングラムM10だけにも関わらず、クライヴはおろかヒュナスでさえ蹴散らされる。
向こうの攻撃は当たるのにこちらの攻撃は外れるか跳ね返させる、そして彼の考えたことを実現するなど明らかに異能を使っているにも関わらず、ヒュナスの能力が発動しない。
Deusはいったいどんな異能を、手品を使っているんだ!?
答えが見つけられない二人はまるで本当に神を相手にしているかのような錯覚を覚えながら、ついに敗れ去ってしまう。
トドメを刺される寸前に必死にDeusの足にしがみついて志を共にするクライヴだけでもヒュナスは逃がそうとする。

ヒュナス「逃げるんだクライヴ! 逃げてこいつの異能の秘密を暴くんだ・・・・・・!」
Deus「異能を使えば使うほど世界が壊れるのが早くなるだってぇ?
そんな不完全な世界なんて滅びゃいいんだ。
さてと、パパパッと殺って、オワリッ!」
パパパパパパパパ(銃声)

クライヴ「ヒュナス?!」

撃ち込まれた複数の銃弾によってヒュナスは死亡し、Deusに憤りを覚えるもDeusに加えて復活した三人の異能を持つ信者に抗う術はなく、クライヴは逃げるしかなかった。

クライヴ「すまないヒュナス、我が同志よ…」

最初はビジネスライクな同盟だったが、いつしかヒュナスに仲間意識を抱いていたクライヴは彼を殺したDeusへの復讐と誓うのだった。


※どうでもいいがマシンガンの銃声がアレっぽかったので当時の支援レスにこんなのがきた。

マリシャス「え、パパ!?」
帰れーっ!
216 愛を取り戻「した」 ヒューマンスレイヤー、痴漢さん
痴漢さんが長時間かけてヒュスレを愛でた結果、人間への憎しみと偏見で歪んだ心を溶かし……

ヒュスレ「ああ、お姉さま!私にはお姉さまが」
痴漢ちゃん「かわいいやつだなお前」

めでたく開発されちゃったのだった。
何はともあれヒュスレは痴漢さんのセフレにして対主催の仲間になったのである。
217 トラブル★メイカー 勇者スーサイド、追田真実リエル・リュシエール
追田とリエルの下へやってきたスーサイドさんはさっそくやらかした。

スーサイド「あっ、リエルと見せかけたミエルちゃんだ、やっほー」
リエル「うわああああああああああああああああ!!」

なぜかリエル(ミエル)のことを知っていたスーサイドの余計な一言により発狂したリエルが暴走。
そして能力暴走によりスーサイドの股間の玉の片方が消えてしまう。
リエルの暴走は追田が彼女に当身をして気絶させたことにより辛うじて収まったが、これによってキレた追田によってスーサイドは隠れ家に出禁となってしまう。
スーサイドさんは失われしゴールデンボールを復活させるべく会場を奔走することに。
218 Fake 雪小路いろり偽ブラスターギガン
ついさっきアマンダを殺害し、自分から存在意義である本物のブラスターギガンを奪った張本人であるいろりと偽ブラスターギガンは対面する。
ヒーローなら敵であっても人の命は奪えないはず……拘束こそしても命は取らないだろうと思ったいろりは嫌われ者になった自分を助けてしまうことで後に心を折らせるためにも偽ブラスターギガンに保護を求めた。
だが彼女は失敗した――なにせ、彼はヒーローではなくヒーローを演じている怪人だったのだから。

「私はブラスターギガン、ブラスターギガンは人を手にかけたりしない。…私は人を殺せる、だって俺は偽者だから」

それまでヒーロー同然の言動を繰り返してた偽ブラスターギガンが怪人の口調に戻り、その直後にいろりの首をへし折った。
219 ジキルの叫び、ハイドの嘲笑 魔人モリアーティ、八雲柊、ヘンリー・ジェシカ(エド)、鈴木幸四郎
放送が終わった直後、薬の効果の時間切れでエドは主人格のジェシカに戻ってしまう。
モリアーティらの恐るべき計画を知った彼女はこの危機を対主催に伝えるために逃げ出そうとするが、それは叶わずに三人に捕まってしまう。
そして柊の指示で鈴木が彼女の持っていた人格をエドと切り替える薬を能力で強化し、彼女に投薬する。
するとどうだろうか、人格がエドに変わるだけでなく、薬が強くなった影響で主人格であるハズのジェシカが人格が消失してしまったのだ。
それ以来エドが善の人格であるジェシカに戻ることは二度となかった。
エドは彼女の肉体を完全に掌握できたことを教授たちに感謝しつつ、改めて彼らの仲間になった。
220 死神キューピット 回縞ロックスディスメラ・スイート、久世香織
放送で短い間でも仲間だったセータームーンとかためちゃんの死を知り、衝撃を受けるディスメラ。
ロックスはパニックからは立ち直ったが相変わらず心の病は治っておらず、放送の意味を全く理解していなかった。
そんななかで二人は突然現れた十字架上の建造物に迷い込んでしまう。
そこで有無を言わさず襲いかかってくる魔人セラフィム。
ロボディに乗るディスメラが戦うが、異能である敵の攻撃はバリアで弾けても、こちらの砲撃は一切通用せず、弾とエネルギーが切れた時はディスメラとロックスの終わりを意味していた。
更にセラフィムが物陰に隠れていたロックスを発見するが、そこで以外な行動に出る。

セラフィム『慈悲だ、消す前に再開ぐらいはさせてやる』

香織「ロックス……?」
ロックス「……えっ?」

なんとセラフィムの姿がロックスの級友である香織に戻ったのだ。
セラフィムの正体が香織だと知り困惑するロックスだったが――?
221 スエボシの恍惚 スエボシ、須原毅、魔神マキシム、 ミルドレッド・イズベルス
その頃、放送を終えて高みの見物の主催陣。

須原「素晴らしい! これぞ私が長年求めていたものだ!
こんな素晴らしい儀式を教えてくださったスエボシ様には頭が上がらない」
ミルドレッド「Qの成長にも最適、あなたの話に乗ってよかったわ」
マキシム「俺は輝きが見れれば何でも良いがな」
スエボシ「ふん、子らよ。わらわを誉めても何も出ぬぞよ」

『主催の奴ら今に見てろよ!』
『くたばれ主催!』
『絶対に許さないんだから!』
↑放送を聞いた対主催の反応(一部)

スエボシ「はぅん! 子らに責められてわらわ感じちゃうぅぅん!」ビクンビクン
他三人「「うわぁ・・・・・・」」

思惑は違えど三人は儀式(=殺し合い)を教えた古の巫女の存在に感謝しつつも、彼女のどMっぷりにはドン引きを禁じ得なかった……
222 今が動くとき 勅使峰碧
仲間であったアマンダの死、そしてヴヴや三月の死に衝撃を受ける勅使峰。
ブレインはまだ生きているようだが、おそらく負傷して動けなくなっているだろう。
仲間がいない以上、もはや隠れ家にこもっていられないと思い、彼女は隠れ家を後にした。
223 斥候勇者ザコット 勇者ザコット、亜良塚つなみ神流崎めぶき
つなみとめぶきの介抱によって概ね回復したザコットは二人のためにも割かし近い場所にできた十字架上の建造物へ斥候に出かけることにした。
できればスマホの持ち主のディスメラのような危険そうな人物には会いたくないなあ、と思っていた彼だが、皮肉にも目的地には既にディスメラがいるのだった。
224 お父さんには魔王が見えないの?王冠と龍をもった魔王が! ディザスタ・ノルウェイ
自分以外の魔王を屠ったディザスタは次の獲物をセラフィムに定めて移動を開始する。
多大な魔力を持つセラフィムを屠れば更に自分は魔王として強くなれると信じたからである。
225 月が沈む日 岬朔郎
岬朔郎はかつて自分を保護してくれたセータームーンの死に悲しんだ。
彼女の形見となった魔力のぬいぐるみをそっと抱きしめ、知り合いの死を静かに悼んだ。
226 衝突合体!?ビルダイバー!! 桜井カリン時軸未色、水本拓哉、司空敢為
増え続ける死者に歯止めが聞かず、とうとう級友まで死人が出てしまったことに憤る水本と慰める未色。
カリンにおいては十字架上の建造物を立てたセラフィムが気に入らなかった。
カリンの見立てでは十字架上の建造物の正体は世界中に散らばる魔力を集めてセラフィムに注ぐための収集装置。
時間を与えれば与えるほど、セラフィムに力を与えて他の魔人でも手がつけられなくなる。
おそらく本体は首輪で制限されているために引き出せる力には上限があるが、首輪を外さずとも上限以上の力を発揮するための措置なのだろう。
すぐにでもセラフィムを討伐に行きたいが、自分が魔人サレオス化してもセラフィムに正面から勝つのは難しく、現状の一行の戦力ではどうしようもなかった。
そこへ彼女たちの目の前で一機の多脚ロボディがビルに突っ込んだ。
コクピットを調べると未色の知り合いである司空が目を回していた。
彼はロボディの操縦を侮っていたために操縦がまともにできず、建物に突っ込んだのである。
三人はすぐさま気絶している司空の救助に移った。
227 澱・折・檻・牢 千太郎
戦闘禁止ハウスで千太郎はガタガタと震えていた。
外では殺し合いが滞りなく行われ、高校は崩壊し龍が暴れでかい十字架まで立っているので彼は家の外に出ることはできなかった。
だが今もまた外では人が傷つき助けを求めている……しかし、軽食店のしがない地下働きの河童に過ぎない自分に何ができるというのか。
戦闘禁止ハウスの甘い誘惑に乗ったばかり、この屋敷は千太郎にとっての心の檻と化し、いつしか恐怖が見えない鉄格子となって檻から出られないようにしていた。
228 真理と筋肉の無力 ブレイン
仲間を実質的に見捨てる形になってしまったブレイン。
何が大魔導師だ何が真理の探求者だ……そんな肩書きと二つ名を持っても仲間一人救えないではないかと自嘲し嘆いていた。
傷を負い、心身ともに疲れていた彼に必要なのは安息の時間だった。
229 マイメン ヤッタルマンファックマン
悪の手先に屈辱の敗北を喫したヤッタルマン。
そんな彼は同じく悪の魔王に敗れた戦友のファックマンを発見した。
ファックマンはバイアグラを摂取したことで防御力が上がり、さらにセータームーンの魔力で編まれたセーターを身に包んでいたことで奇跡的に一命を取り留めていたのだ。
ヤッタルマンは満身創痍のファックマンからバイアグラを託され、彼を安全地帯まで運ぶことにした。
230 御神薙立華真道阿須賀
増え続ける放送での死者に苛立つ真道。
彼の後ろを歩く立華は「真由さんは図々しいぐらい逞しいから大丈夫」と自分に言い聞かせるが心配事は尽きなかった。
231 命の、選択を 回縞ロックス、久世香織、ディスメラ・スイート、勇者ザコット
突然の再会に戸惑う二人。
香織はとうとう自分に宿る魔人セラフィムのことをロックスに知られてしまうが、自分の意思ではないとはいえ先程までロックスに襲いかかってしまったことに強い罪悪感を覚える。
しかしロックスは「セラフィムなんて関係ねえ!香織は香織だろ?」と、あくまで香織を信じていた。
香織もまた高い演算能力から、ロックスが紛争で弟を失ったことに加えて殺し合いで深い心の傷を負ったのだと、目を合わせただけでわかってしまった。

そんな二人が困惑している中。セラフィムから香織に戻った今が好機だと考えたディスメラが香織を砲撃し、香織は直撃こそ避けられたが負傷してしまう。
ロックスはディスメラになぜ香織を撃ったのかと怒鳴ったが、返ってきたのはそいつを生かしておけば私たちや他の参加者に被害が及ぶ。だから殺せるときに殺すしかないという冷酷な言葉であった。
ディスメラは容赦なく香織にトドメを刺そうとするが、ロックスが香織を殺させまいと彼女を庇うことで撃てなくなってしまう。

香織は自分は死ぬのだと思って最後にロックスに思い切って告白する。
ロックスが自分の命を救ってくれた時から、自分に足りない血を分けてくれたあの日から、ロックスにずっと恋焦がれていたことを――
突然の告白を受けて思わず顔を赤らめるロックス。
そんな二人の仲を引き裂くように(ロックスを守るために)ディスメラはロボディのマニュピレーターで強引に二人を摘み、引き離そうとする。

――その時、奇跡が起きたのか。

セラフィムの人格が今の香織にならば審判者の務めを果たせるとでも思ったのか。
セラフィムは力の大半を香織に譲渡した。そして。

「大丈夫だよロックス……私があなたを守ってあげる、私があなたを癒やしてあげる」
「だから―――ロックスを傷つける人はみんな消えてしまえばいい」

‘魔人’熾天使(セラフィム)香織―――誕生
彼女の覚醒は今なら簡単に殺せると油断していたディスメラ機に打撃を与える。
しかし概ねの能力が異能であるセラフィムでは異能殺しの特性を持つロボディと相性が良くない。
弾薬・エネルギー切れを狙うのも手だが、それだとこちらも消耗して他の魔人などの危険な存在に後で太刀打ちできなくなる。
そこで香織は先ほど見つけた浄化杜最新型ロボディ・闇鴉をロックスの目の前に召喚する。
そして香織は彼に選ばせた。私を信じるならロボディに乗ってディスメラを倒して欲しいと。信じられないならそのロボディで私を倒せと。
二者択一の選択……迷った挙句にロックスが選んだのはディスメラではなく香織であった。

ロックスと香織を相手にディスメラは果敢に立ち向かうが戦力差が絶望的。
香織はまだしもロックスのロボディによる攻撃を防ぐ手立てがなく、特に格闘戦が苦手なディスメラでは雅ほどではないが格闘戦が得意なロックスとは相性が悪すぎた。
そしてロックス機の一撃によってディスメラ機はとうとう大破する。
しかしかつての仲間であり弟とも良好な仲であった彼女相手に非情に徹しきることができずにコクピットだけは外してしまう。
ディスメラは機体からイジェクト(脱出)するが僅かに遅れて機体の爆炎に飲まれかける……が、そこへ斥候に出ていたザコットが居合わせ、炎に飲まれかける寸前で逃走系呪文をかけて脱出した。

今度は殺さなかったとはいえ、夕露に続いて他の仲間にも攻撃してしまったロックスは呆然としていた。
そんなロックスを彼女は優しく背中から抱きしめる。
「大丈夫。あなたは何も悪くない。悪いのはこんな悲しい世界の方。――だから私たちで世界を変えよう」と囁きながら……
232 悪魔の毒々映画監督 サクマジョージ・ラングセン
工場にてサクマは失った下半身を修復しつつ、無人ロボディ軍団のプログラム作成と殺ししたかためちゃんから剥ぎ取った首輪の解析に映る。
首輪の解析にはもっとサンプルが欲しいということでサクマはジョージに工場から出て参加者を何人か血祭りにあげてくるように頼み込む。
ついでに映画の宣伝もしてくると言ってジョージはブッチャーを連れて遠征に出かけた。
233 アバタールチューナー ミユ、A4
堕天使であるミユは以前出会ったアアアアの正体を思い出す。
あれは確か自分が堕天以前に仕えていた神が作り出した生体兵器であり、増えすぎて世界に害を及ぼすようになった異能者もしくは人類を粛清するために生み出した生体兵器。
正式名称、DA(DivineAvatar)-05『A4』すなわちヒュナスの兄弟だった事を思い出す。
そして今考えてみれば同じく神の使いであるヒュナスとアアアアが参加しているということは、神は主催のスエボシに協力しているということであり、神の手先すら扱える主催の底しれなさに今更ながら恐れを抱くミユ。
一方その頃、アアアアはマリシャスとpaperの人肉を使った鍋料理に舌鼓を打っていた。
その姿は一見すると天使と同格の存在であるようにはとても見えないだろう。
234 盗塁王タヤマ 魔人ウロボロス、レイ=ラグナウッド、田山秀雄
高校の外周を見張っていたウロボロスとレイもセラフィムが建てた建造物を遠くから発見した。
カリン同様、あれがセラフィムのエネルギーを貯めるための基地だと断定した二人は高校の対主催たちの怪我が治り次第、攻め込むことを考える。
――二人が巨大十字架に気を取られている内に田山は卓越した盗塁術で一気に高校跡地に高速で向かっていた。
魔人や魔族という自分でも手こずりそうな奴らに気づかれる前に疲弊した対主催集団を一気に叩きつぶすために。
235 ノブナガンダム 織田信長、織田信長(女)
二人の信長は2機のロボディ、狙撃機ミダースを発見する。
対異能者へのカウンターとしてさっそく乗り込む二人。
ロボディなど今まで乗ったことがなかったので流石に荒削りな操縦だったが、そこは武将信長。
独学でありながら短い時間でコツを掴み、素人にしてはそれなりに戦える程度にはロボディの操縦ができるようになった。
236 引き継がれた遺志 勅使峰碧、偽ブラスターギガン
勅使峰は亡くなった仲間であるアマンダと再開した。
彼女はブラスターギガンに埋葬されている途中であり、彼女の死についてブラスターギガンから事情を聞き、泣かずとも悲しい顔をする勅使峰。
アマンダの埋葬後、勅使峰はブラスターギガンからアマンダの集めた首輪と首輪解除の考察を書いたメモ、いろりの首から取った首輪を渡され、比較的戦火のない安全地帯と思わしき場所までエスコートされることになった。
237 黙示録の天使を暴け! 追田真実、リエル・リュシエール
リエルを助手に追田は主催のことを調べつつも、会場北西部に現れた十字架型建造物にも注意する。
それは魔人の中でも最も危険な存在であるセラフィムによって建てられたものだと理解した。
人類粛清を目論むセラフィムは必ず後に害になることを察した追田は彼女について調査することにする。
238 血染めのランチタイム アーク、勇者トロナ、霊幻・H・真由、田山秀雄、大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、アーク、ロボロン、九条由奈、ダン・デュールマン、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、真崎洸
いつものスケベっぷりを忘れて崩壊した学園を見つめるアーク。
彼はテロとの紛争で失われた江洲衛府島高校の日常を思い出していた。
生徒たちと楽しい生活は、一万年以上生きてきた彼にとって、本当に楽しいことであった。
この殺し合いを生き抜けば、いつの日かは紛争も終わってあの学園生活が戻ってくるかもしれない。
そのためにも生徒や教師を一人でも多く生還させたいと思った……死んでしまえばその生徒は学園生活の続きを迎えることは二度となくなるからだ。

学園長が黄昏ていた、その頃。トロナと真由は食事を取っていた。

トロナ「あの、真由さん、その缶詰は……」
真由「事務所の隣にある定食屋で大人気の焼肉定食……その匂いを溜め込んだ缶詰よ」
「これを嗅ぎながら食パンの耳食べるのが意外に美味しいのよ。あ、トロナも食べる?」
トロナ「」(ドン引き)

真由の奇行に思わず絶句し物悲しさを覚えたトロナ。
しかしそれは慎ましくも幸せな安息の時であった。

――その安息の時は、真由の胸元に野球ボールサイズの風穴を開けられたことで終わりを告げた。
血を吹いて倒れる真由に、驚愕するトロナ。
真由に致命傷を与えたのはレイたちの警戒網をくぐり抜けて奇襲を仕掛けてきた田山である。
田山は更に夕露たちのいるプレハブ小屋を投球で破壊し、崩壊させる。
横暴を働く田山に対して、これ以上の犠牲者を出させるものかと、アークが突撃する。
アークの防御力は田山も手こずったが、魂のフルスイングに水の振動によく似た波長を上乗せすることで擬似的な水属性攻撃を再現し、アークを木っ端微塵に粉砕する。
無念のまま散り散りになる学園長に、学園の対主催は戦慄した。
239 残酷な魔王のテーゼ 回縞ロックス、久世香織、ディザスタ・ノルウェイ
香織は今後の為に、現実逃避を繰り返していたロックスにここが殺し合いの場であることや江洲衛府島の紛争、紛争による弟の死の現実であることを教える。
悲嘆に暮れ、発狂しかけるロックスだったが、香織はここでセラフィムの力なら死んでしまったものを蘇らせられる可能性を提示する。
具体的には他の魔人などの高い魔力を倒して魔力を吸収することでセラフィムである香織の力も増大し、その強い魔力とスフィアの力さえあれば死んでしまったラップスや羅天、学園の生徒の復活もできるのだという。
今はスエボシによってはめられた首輪の制限機能によってできないが、首輪を外してスエボシやマキシムを倒して魔力を吸収した暁には世界の大半を作り替えて人々が幸せに生きる世界を作り出すことも可能らしい。

ロックス「制限さえなければラップスをよみがえらせることは出来るのか」
香織「セラフィムの力がどこまであるかわからないけどロックスのためなら頑張ってみる」

ロックスの質問に香織は屈託なく答え、これによりロックスも正気に戻ったと同時に吹っ切れてしまう。
浄化杜のような悪党ならまだしも、善人や学園のみんなとも敵対すれば戦わざるおわなくなるが、最終的に生き返るなら一時的に死んでもらうのもやむなしかと思ったのである。
それでもまだ戦いに迷いを持っていたロックスだったが、そんな中で魔王ディザスタが香織の魔力を喰らうために現れる。
魔王の体には一時でもロックスの仲間だったセータームーンの顔が張り付いており、ロックスはそれに憤慨する。
嘲笑いながら軍勢を召喚する魔王に対して香織はセラフィムに変身し、ロックスも闇鴉に乗って戦闘状態に移るのだった。
240 王の出陣 魔人メネス、アリスター・フィル・リリーホワイト
モリアーティのグループと別れ、セラフィムが『審判』を始めたことを悟ったメネス王がエジプトの脅威になると思い、ついにセラフィム討伐を決断。
今までのアリスターとのゆったりした談話による温和さが一気になくなって、二人の冷酷さが出る。

アリスター「ご出陣ですか、ご健闘を。王陛下」
メネス「うむ、茶の味は悪くないものであったぞ異国の王よ。して、そなたはこれから如何とする」
アリスター「そうですね、私も民草の新鮮な断末魔が聴きたくなりました。しばし戯れに興じましょうか」

メネス王と別れたアリスターはセラフィムの協力者
241 She in the dark ディスメラ・スイート、勇者ザコット、亜良塚つなみ、神流崎めぶき
ディスメラを保護した勇者ザコットと『フィリア~フィリア』のつなみ&めぶき。
助けられたディスメラは体の傷は大したことなかったが、それ以上にロックスに裏切られたことによる心の傷が深かった。
恋人である回縞ラップスの遺言で「俺が死んだら兄貴を支えてください」という約束を守れなかったと、今まではクールを装っていたがその面影もなく顔を泣きはらし、隠れ家で体育座りのまま動かなくなるディスメラ。
その最中でザコットとつなみ&めぶきの三人は彼女のスマホにあった死体画像について聞く。
画像には浄化杜の惨死体の数々……相手は世界を脅かすテロとはいえ、それを撮るのはとても正気の沙汰とは思えない。
その場しのぎの嘘や誤魔かしはザコットはともかく、同人活動をしているが故に観察眼に優れたつなみとめぶきに通用しない。
もしディスメラが危険人物だったら彼女を隠れ家から放逐するつもりであるが、果たしてディスメラの答えは――?
242 やったー!犯ったー!ヤッタルマン! ヤッタルマン、ファックマン、雪風はるか
満身創痍の二人のヒーローにDeus教信者のはるかが襲いかかる。
既にボロボロの二人は苦戦していたが、イチかバチかファックマンがヤッタルマンに支給品のバイアグラを与えて強化する。

「ふおおおあああああ!み な ぎ っ て き た!」

アリスターにしかけられたコックリングを破壊するほどいきり勃つスカイツリーの前にはるかは逆転される。
はるかは危うくヤッタルマンにスカイツリーで串刺しにされるところであったが、はるかが洗脳されているだけだと気づいたファックマンに止められ、その隙に辛うじて窮地を脱した。
243 不揃いの反抗者たち 田山秀雄、勇者トロナ、霊幻・H・真由、大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、ロボロン、九条由奈、ダン・デュールマン、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、真崎洸
虫の息になった真由をトロナに任せ、強大な力を持つ田山を前に九曜が挑む。
プレハブが崩壊した今、田山に立ち向かえる戦力は自分だけだと判断してのことだった。
しかしそれでも田山の実力はこちらを多く上回っており、九曜は奥の手である妖狐への完全な先祖返りを行おうとする。
だがそれは一度使えば二度と人間に戻れなくなる諸刃の剣であり、思考も獣と化すことでこれまでの人間としての――楽しかった江洲衛府島高校での思い出も忘れてしまうリスクを思い出し、心身ともに人間を捨ててしまう怯えから使用を渋ってしまう。
さらに九曜が物怖じした瞬間を狙って田山は容赦のない投球を彼女の胸に投げつけようとするが、一発の銃弾が球の軌道を変えて九曜への直撃を防いだ。
それはプレハブ小屋で潰されたと思われていたダンの放った銃弾であった。
ダンだけでなく他の対主催も、プレハブ小屋から現れた一機のロボディ――雅がアイリスフィアを媒体にして生み出した機体・イカロスに支えられたことによって潰されることなく、ミーティアも魔人『F』こと洸によって脱出しており、全員無事であった。
奇襲が半ば失敗に終わったことを理解した田山だったが、だったらプロ野球選手の本気を見せてやると、この場にいる対主催を皆殺しにできるだけのオーラを開放する。
そのオーラに多くの者が冷や汗を覚えたが、夕露だけは冷静だった。
先程まで腑抜けていた彼女だが、クライヴに罵倒されたことによって軍人として義勇兵部隊ブレーメンズとしての誇りを思い出したのだ。
ラップス、羅天は救うことができなかった。
だが今度こそより多くの命を、軍人として守るのだと。
敵戦力は一騎当千のプロ野球選手、迎え討つは出自も戦闘力も戦い方も不揃いすぎる寄せ集め連中……十分だ、と夕露は微笑み、各員に死にたくなければ私に従えと命令する。

田山へのブレーメンズ(寄せ集め連中)の反撃が今、始まる……
244 ブラックオプス 田山秀雄、夕露美維兎、勇者トロナ、霊幻・H・真由、大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、ロボロン、九条由奈、ダン・デュールマン、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、真崎洸
田山と寄せ集め対主催集団との戦いが始まった。
対主催側は頭数こそ多いが、一人の一人の戦力は田山の足元に及ばないものばかりだ。
事実、真正面から戦っても怪力を誇るヒグマーマン、優れた暗殺術と狙撃術を誇る由奈とダンによる連携、魔人「F」である洸の温度差攻撃、巨大ロボによる雅の攻撃、それら最強戦力による攻撃すらバット一本で軽くいなしていた。
夕露の指揮も数と力任せによる一斉攻撃が関の山でろくな作戦などない。
更に田山に臆しているのか、ロボディに乗る雅以外は接近戦を仕掛けてこず、遠巻きから銃撃や魔法・投石などで攻撃してくるだけで連携もクソもない。
これなら楽勝で勝てると田山は余裕の笑みを見せた。

彼は気づいていなかった。
既に自分が夕露の術中にはまっていたことに。

突如、田山の視界がぼやけて体が痺れ出し、ようやく異常に気づく。
実は夕露たち戦闘要員が戦っている影で、舞菜・ミリア・ミーティア・沙織・桜などの非戦闘要員は舞菜とミーティアが即席で調合した魔法の痺れ薬による無色無臭の毒ガスを田山が気づかない内にバラ撒いていたのである。
ヒグマーマンたちはガスを撒いていた舞菜たちの動きを田山に悟らせないための囮であり、雅以外が接近戦を挑まなかった理由は自分たちが怯えていると田山に思い込ませることと、装甲に守られている雅以外はガスを吸ってしまう危険があったからである。
いかな超人じみた野球選手でも人間である以上は毒を食らってしまう。
これはまずいと、田山は対主催の皆殺しは諦めて退却しようとするが、そこへ対主催の総攻撃が!
腐っても野球選手である田山は躱していくが、それも夕露には計算のうちであり、田山の逃げた先には彼女がいた。
そして田山すら怖気を覚えた笑顔と同時に夕露は口から歯の妖精の能力である八重歯ドリルミサイルを発射して田山の利き腕を大きく抉り、苦痛に歪ませた表情に更に一発ぶん殴った。
そのままトドメを刺したいところであったが、田山の死にたくないという執念によるものか、後一歩足りずに盗塁術で逃げられてしまう。

田山にこそ逃げられてしまったが、アークと自分を除いて生き残った仲間たちの勝利に真由はトロナの腕の中で微笑んだ。
死にゆく真由はトロナに「私の代わりにあのカッコつけ野郎ぶん殴っといて」と言い、彼女らなら自分の代わりにモリアーティを倒せると思い、自分の持ってた手袋を授けて逝ったのだった……
245 異教徒殲滅スベシ Deus、狩野光流、ジョン・ウェイン・ゲイシー、サキュバス
十字架上の建造物を見て自分以外の神気取りの者がいることを感じたDeusと信者たちは、建てたものを討伐するために北東部に進路を取った。
246 取引 追田真実、リエル・リュシエール、クライヴ
セラフィムの弱点を探す追田とリエルだったが、そこへクライヴが現れる。
自分の裏社会での情報網で知る限り、クライヴは浄化杜の幹部であり、異能者であるリエルにとっては天敵であることから警戒する追田だったが、クライヴもまたあらゆる真実を突き止める探偵・追田の噂は耳にしていたので、クライヴはこの場で襲わないことを引き換えに「Deusの能力の真実」の調査を依頼した。
247 微笑み忘れた顔など見たくはないさ ヒューマンスレイヤー、痴漢さん
痴漢されがてら、ヒュスレは痴漢さんに自分が人間への復讐鬼になった経緯を語る。
自分以外を皆殺しにされた村の住民や、凌辱や拷問の数々を思い出すと腸が煮えくり返るという。
だが痴漢さんが自分を殺さなかったどころかダークエルフだのなんだの関係なく、自分を助けるために優しく抱いてくれたことで良き人間もいることを思い知らされたのだと言う。
話を聞いた痴漢さんも殺し合いから終わったらヒュスレのいる世界へ行き、人間と魔王軍の差別や悲しい戦いを痴漢技で終わらせることを宣言する。
そのために痴漢さんはヒュスレに自分の痴漢技の伝授を始めた。
248 窮屈な箱庭の現実を変えるために 回縞ロックス、久世香織、ディザスタ・ノルウェイ
魔王ディザスタとロックス&香織の戦いは後者の方が優勢だった。
ロックスが最新鋭ロボディに乗り、搭載されたバリアで異能が効かず、仮に力技でバリアが破られても高い装甲と機動力・操縦センスで参加者を翻弄する盾役となり、香織はあらゆる攻撃手段を持ちあらゆる敵に通用する攻撃を持つ矛役を担うことで攻守万能の戦術を見せたのである。
ディザスタは破格の実力者だったが、傀儡はいても仲間なし・力任せの作戦無しでは二人を破ることができない。
しかし、ロックスとは仲間であったセータームーンや彼女と同じ経緯でディザスタに取り込まれたとされる参加者の顔がチラついて攻めきれなかった……まだ助けられるのではと思っていたために。
だが、まだ意識を完全には乗っ取られてなかったためにディザスタに吸収されていたセータームーンの口が開き、ロックスに告げた。
「私のようなディザスタに取り込まれた人はもう助からない。私たちを救うためにも殺して」と……彼女の願いを聞き届けたロックスは怒りの咆哮を上げて攻勢に移る。
香織との連携で破滅龍を撃墜し、ヴヴも『正面からの戦い以外では決して傷つかない』特性もロボディの対異能バリアによって無効化して撃破し、同じように魔王の軍勢を一気に殲滅していく。
最後に戦力的な意味で丸裸になったディザスタにむけて二人は砲撃を行って蒸発させた……その際、眩い光の中でセータームーンの「ありがとう」という言葉が聞こえた。

勝利したロックスだったがその気持ちは晴れなかった。
最後まで仲間を助けられなったことが彼の中で悔いになり運命を呪った。
そして彼は決意した……香織と共に善い奴が死んでいく悲しい世界を壊して作り直し、ラップスも羅天もセータームーンもみんな生き返すのだと。
そのためにロックスは戦いへの迷いを捨てて、香織を手を取ったのだった。
249 魂無き者の祈り ロボロン、勇者トロナ、夕露美維兎、大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、真崎洸、御神薙立華、真道阿須賀
舞菜たちの修理のかいもありグッドモーニングとロボロンが陽気に再起動する。
それに雅と夕露たちは喜んでいたが、それはどこか寂しいものだった……
そしてロボロンは機能停止中に学園長も真由も既に亡き者になっていたことを知る。
唯一生き残った仲間のトロナが真由の手袋と学園長の破片を握りしめ大泣きしている姿を見て、いつものちゃらけた口調を潜めて彼女に寄り添い、アークと真由の亡骸に向けて静かに十字を切った。

ロボロン「・・・・・・アーメン」
トロナ「何をしているの?」
ロボロン「サー、キリスト教を主とするアメリカでは死者を悼む際に胸元で十字を切り、祈りの言葉を送るのデス。
死者が安らかに眠れるようにとのことデス」
トロナ「安らかに眠れるように、か…そうだね、いつまでも泣いてたら真由さんも学園長も眠れないね。
教えてくれてありがとうロボロン…私もお祈りしてみるね、アーメン」

お祈りを覚えたトロナ。以後ちょっとだけ「困っている人の声」が聞きやすくなったそうだが、トロナはこれはアークと真由の魂が手伝ってくれているのだと解釈した。
この直後に立華と真道が学園にたどり着くが、亡骸と化した真由の死に大泣きする立華だったが真道とトロナのフォローにより持ち直し、真由の意思を引き継いでモリアーティと田山を倒すことを決める。
250 リアルヒーロー 田山秀雄、スーパーレッド
高校の対主催集団にしてやられてボロボロの田山。
そんな彼を仕留めようとするスーパーレッドとかいう畜生系ヒーロー対主催。
意気揚々と名のり口上の後にヒーロームーヴ……していたら、どこぞのロットンの如く不意打ちで頭を野球ボールで撃ち抜かれてあっさり死亡した。
頭の無くなったクソヒーローの死体を無視し、田山は今後を考える。
夕露によって片腕が使い物にならなくなってしまったので、今後は真正面からの戦いから暗殺でジワジワと参加者を削る路線に切り替える。
しかし優勝しても選手の生命線である腕が治らなかった場合はプロとしては二度と復帰できなくなり、そうなったらどうすれば良いんだと田山の将来に暗い影を落とした
251 腸を見せ合うということ ディスメラ・スイート、勇者ザコット、亜良塚つなみ、神流崎めぶき
とうとうラップス以外の人間にネクロフィリア嗜好がバレてしまい焦るディスメラ。
もはやこれまでと思い、義勇兵に入ったのは罪に囚われずにテロリストを殺して好きなだけ死体を見られるからということを告白する。
だが故郷の島の住人や仲間を守りたい意思に偽りはないと告白したが、恋人の死体すらオカズにする最低の変態など誰も理解されるハズがないと思い、ディスメラは助けてもらった礼だけ言って隠れ家から出ていこうとする。
しかしつなみとめぶきは止めた。

めぶき「別に悪党じゃなきゃ良くね?」
つなみ「変態は個性だよ、今度その手の同人誌作ってあげる」
ザコット「僕も職業柄死体はそれなりに見るしなぁ……」

三人はディスメラのスマホから死体画像だけでなく、恋人であるラップスの生前の画像も発見し、彼女は単なる変態ではなく乙女の一途さがあることも知った。
変態を見抜く目を持つつなみとしては他人に理解されない性癖を隠しているが故の苦しみをディスメラが抱いていることにも薄々気づき、追い出すために真相を聞いたのではなく助けるために聞いたのだと言う。
変態好きだからこそ苦しんでいる変態を助けたいとつなみは思い、例えネクロフィリアでも悪人でさえなければ喜んで救いの友になると彼女は言った。
ディスメラは亡き恋人に次ぐ理解者を得られたことによって苛まれていた孤独感から解放され、喜びからポロポロと涙をこぼした。
252 二次元の裏切り デニス・ブルックス
妹を欲望の限り辱めて殺したデニスは拠点のとらのあなに戻っていた。
二次嫁なら処女の血を吸い放題じゃね?と思って能力で二次元の世界へ入ったデニスだったが、残念ながら二次元のキャラはインクや液晶の味しかしなかった。
逆ギレした彼は性欲と破壊欲だけは満たせるように二次嫁たちに対してあらん限りの凌辱と殺戮を始めた……
253 天使狩り ミユ、アリスター・フィル・リリーホワイト、サクマ
主催の存在に怖気づくミユの前にアリスターがセラフィムの下へ向かう寄り道ついでに拷問するべく襲いかかる。
ミユは尿意を操って撃退しようと試みるもアリスターの嗜虐心を高ぶらせるだけで効果なしであり、捕らえられて死ぬ寸前まで拷問を受ける。
しかしそこへサクマの操る無人ロボディ軍団が現れ、拷問の効かないロボディには歯が立たずにアリスターは追い払われる。
ミユは助かったと思い、無人ロボディ軍団にサクマのいる工場まで運ばれる。
254 交わる時、分かつとき 魔人ウロボロス、レイ=ラグナウッド、真崎洸、ロボロン、勇者トロナ、夕露美維兎、大海ミリア、大海舞菜、楽雅、天城九曜、九条由奈、ダン・デュールマン、アイリスフィア・フォン・プリズムアーク、楽雅、ヒグマーマン、羽田桜、郷里沙織、夕露美維兎、ミーティア、御神薙立華、真道阿須賀
仲間を弔った学園組の下に見張りに出ていたウロボロスとレイが戻るが、おまえたちがしっかり見張っていれば田山は学園に侵入せず、真由もアークも死なずに済んだと一部の対主催に責められてしまう(特にレイに猜疑心を持つ舞菜に)。
そんなギスギスした空気の中でウロボロスと「F」にとってライバルでもある魔人メネスが現れて、セラフィムが人類を粛清しようとしいる旨を伝える。
だったらセラフィムをすぐに倒さねばと、対主催たちも動こうとしたが、消耗を抑えるために洸の姿に戻っていたFにセラフィムの正体は香織であると伝えられて対主催は衝撃を受ける。
誰からも慕われていたクラスメイトである香織が危険な魔人だったのだからショックを受けるのは無理からぬ話だった。。
そして香織がセラフィムという事はロワ開始以前からFは看破していたが洸に伝えてなかったんだ……自身の復活の障害にはならないと見越していたために。
その事を知って怒った洸は正体がバレてしまうのも覚悟の上で魔人の姿に変身し、ウロボロスに僕と一緒にあの魔人を止めるのを手伝ってくださいと頭を下げる事だった……
こんな奴に頭下げるんじゃねえええ!と怒るFと、中身が「F」ではないことは観察眼で見抜いていたが変わった人格が好青年だったのは予想外だったことに唖然としていたメネス、そしてウロボロスは「私は一向に構わんッッッ!」と快諾する。
こうして魔人三人はセラフィムを止めるために北西へ向かうことに。
しかし洸自身も自分が魔人であることをクラスメイトや教師に知られてしまい、もう皆と一緒にはいられないと寂しい思いをしながら袂を分かつのだった。
そして香織が魔人であると知ってしまった学園組の決断は――

この時、レイは誰彼に気づかれる前に姿を消していた。

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最終更新:2017年07月14日 08:10