アットウィキロゴ
ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

ローゼンメイデン百合スレまとめ@ウィキ

白桃伝説 第五話『蒼林檎は翠色』

最終更新:

rozen-yuri

- view
だれでも歓迎! 編集


第五話『蒼林檎は翠色』


ボロボロの翠星石と、雛苺、雪華綺晶を交互に見る

ここは雛苺の部屋…?
雛苺…今までどこ行ってたんだい?
そこの白いドレス子は誰?
なぜ翠星石がそんな格好で?
何をしてたの?何があったの?

聞きたい事が多すぎて、逆に何も言えなかった
気付いた時には走っていた
それを敵と見做し、ベッドから飛び退く雪華綺晶
数秒遅れて雛苺も距離を取る
だが、蒼星石にとっては、二人が敵か味方以前に翠星石の安否の方が気がかりだった

「翠星石!」
「そ…蒼せ…石…」

かなり弱っている
体に巻き付く蔓は…雛苺のモノだ
それも、ただの拘束ではない事は明白だった

「何を…されたの…?」

鋏で蔓を切断しながら問いかける
開かれた脚…露わになって濡れている下腹部…答えは聞かずとも大体わかっていた

「…れた…ですぅ…」
「…え?」
「犯された…ですぅ…」
「…誰に?」

それもこの蔓を見ればわかる
だけど翠星石の口から聞かなければ確信できない

「チビチビ苺の…コンチクショーに…!」
「…雛苺…」

蒼星石の知っている雛苺は、絶対にそんな事をしない
しかし、翠星石にウソをついている様子はない
だからそれを聞いても、落ち着いて受け入れた
逆に雛苺は少し驚いた顔をする
この瞬間から再び翠星石が敵にまわった事に…

「雛苺…と、あの子は…誰?」
「第七ドールの雪華綺晶…ですぅ…最初はあいつがチビ苺を操ってると…勘違いしてたですぅ…」
「第七ドール…初めて見るよ…。なら…二人とも敵なんだね?」

雛苺と雪華綺晶を睨む
手に持つ鋏は、怒りで震えていた

「翠星石がお世話になったようだね」
「…」
「後は僕が…この庭師の鋏でお相手しよう」

鋏を構える蒼星石
臨戦体勢に入る雛苺と雪華綺晶

「待つ…ですぅ…翠星石も戦うです…」
「翠星石…君は休んでいて」
「やられっぱなしは嫌ですぅ!」

フラフラしながらも如雨露を手に取る翠星石
如雨露攻めのために持ってきて、ベッド上に置きっぱなしだったことを雛苺は後悔した

「言っても聞かなそうだね…だけど無理はしないで」
「わかったです…雛苺の方は任せたです」

雛苺側にとっては想定外
だが蒼星石を倒す実力がないと最終目標の真紅にも勝てそうにない
そう考えれば、この状況は邪魔者なしのタイマンができる絶好の機会だった

「望むところなの…」

誰に言うでもなく、自然とそんな言葉が漏れた

「場所を…変えましょう」

雛苺の殺気を感知して、雪華綺晶が翠星石に持ちかける
素直に従い、二人は姿を消した 

「…心配なの?」

翠星石が消えた後も、その場所を見続ける蒼星石に静かに問いかける

「うん…雪華綺晶って子もどんな子かわからないしね…」
「相変わらずの姉思いなの」
「ありがとう。褒め言葉じゃなさそうだけどね…」

ベッドから降りて雛苺と同じ目線に立つ

「君は変わったね。すごく…」
「そうなの?それは褒め言葉なの?」
「さぁ…?自分で考えてごらん。もっとも…」

床を蹴り、一気に間合いを詰める蒼星石

「答えがわかる頃まで、意識があったらいいけどね」
(速ッ!)

間一髪で避ける
蒼星石のスピードが速いのか、鋏を振るうスピードが速いのか
いや、両方か
雛苺は蔓を繰り出すが、それもあっさり切断される 

(やっぱりズルいの!)

こちらの武器は草木
その草木を切るための鋏
相性は最悪
さらに、雛苺が中距離の捕獲用の能力である事に対し、蒼星石は近距離の物理的な攻撃用
近づかれたら不利
加えてその捕獲すら無効化されるのだからたまったものではない

「…どこにいった…?逃げてばかりじゃ僕に勝てないよ?」
(今は…我慢…我慢なの…そうすればきっと…!)

隠れる事
雛苺が選んだ最善の策だった 

一方、翠星石の激しい攻めに、雪華綺晶は防戦一方の戦いを繰り広げていた

「お前一人なら余裕ですぅ!」
「強気…でも、あなたでは私に勝てない…」
「勝ってから言えです!」

防戦一方とはいえ、攻撃をくらってないのも事実
序盤から全力で戦っていた翠星石は少し焦っていた
力を節約する余裕がないから時間をかければ敗北は確実

「翠薔薇のお姉さまの泣き顔…美しかった…」
「!?」
「もう一度…見たいです」
「…もぉ~許さんです!」

雪華綺晶の挑発
おそらく全力で戦ってすらいない
なのに攻めきれないという苛立ちは翠星石から冷静さを奪っていた

「桃薔薇のお姉さまの攻めは…気持ちよかったでしょう?」
「うるせぇーです!あんな奴に犯されたのは人生の汚点です!」
「人生の…フフ…」
「何がおかしいですか!!」

飛びかかり如雨露を振り下ろす翠星石
雪華綺晶は避けもせず片手で如雨露を受け止め、翠星石を組み倒した 

「あぅっ!!」

馬乗りになられ、如雨露を奪われる

「これさえなければ…何にもできない…」
「か、返せ…ですぅ!」
「敵に武器を返すバカがいらっしゃるとお思いで?」

雪華綺晶は如雨露を振り上げた

「翠薔薇のお姉さまに殴られた時…痛かったぁ…」
「や…やめ…」
「泣いて謝るならやめてあげない事もないですが」
「そんな…」
「残念です…おやすみなさい翠薔薇のお姉さま…」
「待っ…待つで…あ…」

バキィ
と鈍い音が響く
翠星石の意識はそこで途切れた

「出しゃばらなければよかったものを…後は蒼薔薇のお姉さまですね」

翠星石の体を茨で縛り、引きずって行く雪華綺晶
誰もいなくなった戦場からスィドリームが飛び立った 

パンパンパン
響く銃声

「くっ…また…!」

雛苺を見失った蒼星石はオモチャの兵士に追われていた

(雛苺のフィールドとはわかってたけど…数が多いしキリがない…)

オモチャの兵士にオモチャの銃、弾もオモチャで威力も小さい
だが切っても切っても沸き出してくる
兵士のみならず、クマや大きな怪獣のぬいぐるみまで襲いかかってきた
もちろんその全てが蒼星石の敵ではない
しかし、さすがに無視はできない

「いい加減やめたら…?時間のムダだよ」

正直やめて欲しい
余計に力を使いたくない
それでもまだまだ増える人形達
雛苺にやめる気はないと悟った

(雛苺も人形達を動かすのにだいぶ力を使ってるハズ…)

そう言い聞かせ、一体、また一体と切り刻んで行く
思わぬ長期戦
翠星石の事が気掛かりで、今すぐにでも駆け付けたい衝動にかられる
しかし、背中は見せられない

(雛苺は────!?)

不意に目の端でピンクの動く物体を捉えた
雛苺だと確信する前に、それを追いかける
あちらは気付いていないのか
姿を見られているというのに物影に隠れたようだった

「見つけたよ!」
「ひゃっ…!」

案の定、雛苺がいた
咄嗟に逃げだそうとする雛苺の髪の毛を掴み、無理やり引き倒す

「いだっ!!」

ゴンッ
頭の打つ音
痛みで悶えてる隙に馬乗りになり、首を鋏で挟む
ようやく捕まえた

「人形達を止めて。さもないと首を落とすよ」

直後、糸が切れたように崩れ落ちる人形達
それを見た後も、蒼星石の目は冷たい殺気をおびていた

「…いくつか質問に答えてもらうよ…」

戦っていた理由は翠星石の件
実質はわからない事だらけ
鋏が少し閉じ、刃を首にピタリと当てる

「雪華綺晶とは…どういう関係…?君が失踪した事と何か関係があるの?」

雛苺は答えない

「オディールって子…いたよね?あの子も君が失踪した日から眠ったままなんだ…何か知らない?」

雛苺は答えない

「君が翠星石を拉致した目的は?雪華綺晶と組んでる目的は?」

雛苺は答えない

「…雛苺…」

鋏に力がこもる
雛苺は軽い呻き声を漏らした

「君はゲームから降りてもらうよ…雛苺」
「…それでも…」
「!」

鋏に力を込めた瞬間、ようやく重い口が開く

「アリスゲームは終わらない」

そう言うと、今まで見せた事がないような不敵な笑みを見せた
絶命の危機にありながら、こんな顔ができるのか
それもあの雛苺が───

「武器を捨ててください」

背後から聞こえる声…それでようやく我に返る

「聞こえませんか?武器を捨ててください…翠薔薇のお姉さまの命が惜しくば…」

その声で、振り返る
雪華綺晶の手には茨…その先にある翠星石の体
ローザミスティカは奪われていないようだが意識を失っているようで、
服には引きずられて来た事を思わせる汚れがあった

「翠せっ…!!」

完全に注意が雪華綺晶に向かった事を察知し、雛苺が蒼星石を突き飛ばす

「ぐっ!」

雪華綺晶がその体を茨で束縛する
起き上がった雛苺が鋏を突きつけ、僅かな抵抗も許さない
二人の息はピッタリだった

「うぅ…くぅ…!」

完全に動きを封じた事を確認し、雛苺はため息を漏らした

「怖かったの~!きらきー遅いの~!」
「申し訳ありません…桃薔薇のお姉さま…」

二人は抱き合い、軽いキスをする
捕らわれた双子、奪われた武器
あの時、無理にでも翠星石を止めていれば…
何を思っても後の祭りで、蒼星石はこの先に起こるであろう絶望的な未来に涙を流した
 
 
  第六話へ
 

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー