第十一話『灰色と紫色』
「あ…ぁ………ぁ……」
肩が痛い
腕がない
もう二度と戻らない
そして何より…
桃薔薇のお姉さまを…抱きしめれない
「ぅぅ…ぅぅ……」
悔しさのあまり歯軋りをする
雛苺がこの姿を見ればどう思うだろうか
しかし、それはここから生きて帰れたらの話──
水銀燈がいた時点で引き返すべきだったのかもしれない
蒼星石がムリヤリ犯されていると思い、助けてタッグマッチを仕掛けたのに、当の本人は薬で敵に堕ちていたなんて雪華綺晶は思いもしなかった
今更、後悔してもどうにもならない…
「これ何かわかるぅ?」
「ひっ!」
そんな事はお構いなしに、手に持つバイブを雪華綺晶の顔に当てながら楽しそうに微笑む水銀燈
「そんなに怖がらなくても…これからあなたに入るモノよぉ」
「な…何…?」
「ふふ…」
カチッとスイッチをいれると、それは振動した
小刻みな震えが雪華綺晶の頬を揺らす
「いやっ!」
あまりの気持ち悪さに顔を背けるが、髪の毛を掴まれ前を向かされた
その口にバイブが近づいてくる
「濡らさないと痛いみたいよぉ?あ~んしなさいあ~ん」
「…」
「…口を開けなさい」
「…」
「…仕方ないわねぇ」
「う゛ぅ!?」
鳩尾に強烈な一撃
無抵抗な体に、無情の暴力
僅かに口が開いたその隙間に、バイブがねじ込まれた
「ん゛んぅぅぅぅぅぅ!!」
「あらぁ…やっぱり人間サイズの"小"でもキツかったかしらぁ?」
「う゛ううぅぅぅぅ!!」
一気に喉まで到達し、吐き気すらも押し戻される
口内にも広がる振動が、さらに気持ち悪かった
「あぁぁぁぁぅぅぅぅ!」
「ん~いい声ぇ♪」
小瓶のフタを開けバイブへと垂らす水銀燈
それがバイブを伝い口内へ…そして喉へと直接流れ込んだ
量は蒼星石へ使ったのと同じ程度
それでも恐ろしい効力があることは実証済みである
「あがっ…あぐぅぅ!!」
咳き込む事も出来ず、薬の浸透を許す
飲みきった事を確認すると、水銀燈はバイブを抜いた
「う゛ぇぇっ…ぅぇ……」
だらしなく舌を出したまま、苦しそうに呼吸をする雪華綺晶
口からは唾液が溢れ、左目からは涙が溢れていた
「いいカオができるんじゃなぁい」
「はぁ…はぁ…」
「まだ苦しいのぉ?それとも興奮してるのぉ?」
「だ…誰が…」
止まらない息切れ
火照る体
呼吸の乱れは先ほどの苦痛だけが原因ではないと雪華綺晶もわかっていた
「そろそろ効いてくる頃でしょぉ?」
「何…を…」
「薬よぉ。あぁなっちゃう薬ぃ」
親指で真紅と蒼星石の方を指す
蒼星石が真紅の顔に跨っていた
「だめっ…!真紅っ!ダメェ!」
「だ、ダメってあなたが押し付けて来てるのだわ」
「やめちゃダメぇ!」
「無茶苦茶なのだわ!」
「またっ!またイくっ…!あぁぁっ!!」
「うむぅぅぅ!!ちょっ…あぅ…!溺れる…溺れる…!!」
「はぁ…はぁ…ねぇ真紅…まだできるよね?」
「ごめんなさいごめんなさい」
「僕、まだまだ足りないんだ」
「話を聞いてぇぇ!!」
と、恐ろしい展開になっていた
「あなたも…何回イっても足りなくなるような体になりつつあるのよぉ」
「いや…イヤ…」
「ねぇ…雛苺とは何回したのぉ?いつも抱いてるの?抱かれてるの?」
「…」
「まぁ…あんなおチビさんの事なんて忘れちゃうぐらい気持ちよくしてあげるわぁ」
そう言うと、水銀燈は雪華綺晶のズロースへと手を入れた
そこは既に充分過ぎるほどの湿り気を帯びている
「あなた…ドMなんじゃない?」
「そんなんじゃ…な…ぁ」
「これでたぁっぷりイジメてあげるわぁ」
ズロースを少し横にずらしバイブを一気に挿入した
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
仰け反る雪華綺晶
一目で、イったとわかるほど痙攣していた
「もうイったのぉ?でもこれからよぉ」
バイブの手に持つ部分にズロースを被せ固定する
そしてスイッチをMAXにした
振動が大きくなり、先端もうねり出す
「あぁぁぁぁぁ!!中が…!中が苦し…!!痛いっ!!やめてぇぇぇぇ!!」
足でもがいて、必死逃げようとする雪華綺晶
しかし、もがけばもがくほど食い込み逆効果だった
絶頂の余韻などないまま再び絶頂を迎え、体が仰け反る
「あ…かっ…ぁ」
翠星石に如雨露で攻められた時もこれほど苦しくなかった
奥に行くほど狭い膣…その最奥部で上下左右に踊り狂うバイブ
腹で暴れ回るそれは、子宮口にも届いている
「抜いてくださ…抜いて…!!抜いてぇぇぇぇ!!」
三度目の絶頂
既に快感など皆無だった
「ふふ…この辺すっごい震えてるぅ…面白ぉい」
ちょうどバイブの先端がある辺りに手を乗せる水銀燈
振動は腹の上まで伝わっていた
「ねぇ…ここが膣の最奥部なら…さらに奥には何があると思う?」
「いやっ…!ぁぁあぁっ!いやぁ!!」
「子宮までイってみるぅ?」
外からさらに強くバイブを押し込む
無論入るわけがないが、その行為は雪華綺晶をさらに苦しめた
「もういやぁぁぁ!!やめて!!やめてくださいぃぃぃぃ!!」
「快感も通り越しちゃうと苦痛にしかならないでしょぉ?うふふ…」
「きゃあぁぁぁぁぁ!!!!」
何度目かわからない絶頂に跳ねる雪華綺晶
膣から勢いよく潮を噴いた
「まぁべちょべちょぉ…おしっこかと思ったわぁ。私たちに排泄機能はないけどねぇ…」
「くっ…うくっ…」
雪華綺晶の視線があらぬ方へ向いているのを見て水銀燈はバイブを抜いた
「壊しちゃ利用価値がなくなっちゃうからねぇ…でもあなた、なかなかよかったわぁ」
残っている左手を掴み、立たせる…が、雪華綺晶は力なく崩れた
「しっかりなさいよぉ」
「…僕が手伝うよ」
背後から蒼星石の声
どうやら薬の効果が切れたらしく、服も整え、会ったばかりの時の状態で立っていた
「もう平気なのぉ?」
「お陰様で僕は…ね」
奥を見ると全てを吸い尽くされたような顔をして真紅が倒れていた
「事の発端は私だけど…あなたやりすぎ」
「…えへへ」
「まぁいいわぁ。あなたは味方として数えていいのねぇ?」
「うん。僕は翠星石を人質に取られてただけだからね…雪華綺晶を倒した今、水銀燈の仲間になるほうが確実に翠星石を救える…何だか自分勝手だけどいいかな?仲間になっても」
「もちろんよぉ…こうなると残る敵は雛苺だけねぇ。起きなさぁい真紅ぅ」
「あぷっ…もう無理だわ…」
「はいはい寝ぼけない寝ぼけない」
ボロボロの雪華綺晶を連れ歩き出した3人
「申し訳御座いません桃薔薇のお姉さま…申し訳御座いません桃薔薇のお姉さま…申し訳御座いません桃薔薇のお姉さま…申し訳御座いません桃薔薇のお姉さま…」
雪華綺晶は虚ろな目をしながら、誰にも聞こえない声で…ひたすら謝っていた
―†―†―†―†―†―
「翠星石…」
雪華綺晶を見送り、暇を持て余す雛苺は翠星石へと声をかけた
「…」
ゆっくりと頭を上げる翠星石
その動作だけでも相当の疲れが感じられた
「やっぱり蒼星石の事が…心配なの?」
自分が拘束されている事よりも…
そういう意味も含め問い掛ける
「…」
返事はないが、おそらく蒼星石を第一に考えているだろう
姉妹に順位を付けるのはいい事ではないが、この双子はお互いがお互いを一番大事と心のどこかで思っている
だから蒼星石は翠星石のために命令に従った
「安心して…もうすぐ二人は…また会えるの…」
その言葉に、翠星石の中で何かが爆発した
「ふざけるな…です…」
「え?」
「ふざけるなですぅ!!」
目隠しのおかげで目は合わないが、恐らく本気で怒っている
「お前は!!何か間違ってるです!!真紅と決着を付けたいなら自分で行けです!!蒼星石を使うなですぅ!!」
息が切れる程の大声で叫んだ
「チビに愛なんて…一生わからない…ですぅ…」
力なく崩れ、啜り泣く声が聞こえる
蒼星石のために、何度涙を流せば気が済むのか
「愛…」
翠星石が蒼星石のために攻めを受けたのも愛
蒼星石が翠星石のために真紅を倒しに行ったのも愛
そして今…心配しているのも愛
「ヒナもね…今なら…愛が少しわかるの…」
きらきーの事が…
そう言い掛けて、口を噤む
否、翠星石の体の異変に、言葉を失っただけだった
「…!!茨が…あぅっ!」
雪華綺晶の茨が消えて、一瞬自由になる翠星石
咄嗟に苺の蔓を出し、再び拘束する
「…!!」
嫌な予感
雪華綺晶の身に何か──
そう思った瞬間、再びガラスの割れる音
慌てて翠星石のいる部屋から飛び出す雛苺
そして、4名と対峙した
各々の武器を構える真紅と蒼星石
一歩下がって水銀燈
その手には右腕のない雪華綺晶が、口と体を縛られた状態で担がれていた
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