「突然ですが真紅!」
真紅がソファーで紅茶を飲んでいると、唐突にこんな声が聞こえた。
振り返ると、なにやら翠星石が憤慨している様子だった。
振り返ると、なにやら翠星石が憤慨している様子だった。
「何?もうすぐくんくんがはじまるから手短にね」
「なら一言で言ってやるですぅ、もっと私を敬うですぅ!」
「なら一言で言ってやるですぅ、もっと私を敬うですぅ!」
真紅の表情が、少しだけ変わった。
言葉は発しなかったのだが、その表情が、
『はぁ?』とか、『何を言ってるの貴女は』などと語っていた。
言葉は発しなかったのだが、その表情が、
『はぁ?』とか、『何を言ってるの貴女は』などと語っていた。
「つまり……いいですか真紅。
多分、今は真紅の頭の中でのヒエラルキーはこうなってるはずですぅ」
多分、今は真紅の頭の中でのヒエラルキーはこうなってるはずですぅ」
そう言って、翠星石は一枚の紙を差し出す。
覗き込んでみると、そこにはこう書いてあった。
覗き込んでみると、そこにはこう書いてあった。
『真紅>翠星石>のり>雛苺>JUM』
「……まあ、確かにこんなところね」
「そうですぅ、だがしかぁし!」
「そうですぅ、だがしかぁし!」
そう叫んで、翠星石はびしっと真紅に指先を向けた。
「薔薇乙女としての順番は、真紅より翠星石の方が先!
すなわち、翠星石のほうがお姉さんなんですぅ!」
「……だから敬えと?」
「そういうことですぅ」
すなわち、翠星石のほうがお姉さんなんですぅ!」
「……だから敬えと?」
「そういうことですぅ」
ふふん、とふんぞり返る翠星石を前に、真紅は呆れたような困ったような表情を浮かべる。
そうしてしばらくすると、ふと思いついたように紅茶を置いて立ち上がる。
何をするのかと疑問に思っている様子の翠星石に向き直り、その頭に手を伸ばす。
そうしてしばらくすると、ふと思いついたように紅茶を置いて立ち上がる。
何をするのかと疑問に思っている様子の翠星石に向き直り、その頭に手を伸ばす。
なでなで。
穏やかな笑みと共に、翠星石の頭を撫でる。
翠星石は、真紅の唐突な行動に驚き、その真意を測りかねていたが、
頭をなでられるその心地のよさに、次第にどうでもよくなってきていた。
翠星石は、真紅の唐突な行動に驚き、その真意を測りかねていたが、
頭をなでられるその心地のよさに、次第にどうでもよくなってきていた。
「えへへぇ……」
翠星石は、照れたような、そして心地よさそうな笑顔を浮かべる。
そのまま真紅は翠星石の長い髪を乱さないよう、優しく撫でる。
しばらく、ほのかに甘い空気を漂わせながらただ時は過ぎる。
そのまま真紅は翠星石の長い髪を乱さないよう、優しく撫でる。
しばらく、ほのかに甘い空気を漂わせながらただ時は過ぎる。
そのうち、真紅にとって馴染み深い曲が流れる。
「おっと、くんくんが始まってしまうのだわ」
そう言って真紅は急いでソファーに戻る。
ふっ、と現実に引き戻された翠星石は、寂しそうにその姿を見ていた。
それを感じてか、真紅はソファーに座ると、すぐに翠星石の方を振り返った。
ふっ、と現実に引き戻された翠星石は、寂しそうにその姿を見ていた。
それを感じてか、真紅はソファーに座ると、すぐに翠星石の方を振り返った。
「おいで、翠星石」
そう呼びかけられた翠星石の表情が、ぱぁっと明るくなる。
そうして、ふらふらとソファーに歩み寄り、真紅の隣に座った。
そうして、ふらふらとソファーに歩み寄り、真紅の隣に座った。
「って違うですぅ!」
そこでようやく翠星石は我に返った。
「うるさいのだわ、何が違うのよ」
「何もかも!もっとこう、姉として敬うですぅ!」
「何もかも!もっとこう、姉として敬うですぅ!」
しばらく、真紅は先ほどと同じように翠星石を見つめていた。
くんくんのオープニングは終わり、番組はCMに入っていた。
そして、一つ目のCMが終わるか終わらないかのうちに、真紅は次の行動へ入っていた。
くんくんのオープニングは終わり、番組はCMに入っていた。
そして、一つ目のCMが終わるか終わらないかのうちに、真紅は次の行動へ入っていた。
「お姉ちゃん、えらいえらい」
そうして、真紅は再び翠星石の頭をなでた。
再び、穏やかで優しい笑顔で。
再び、穏やかで優しい笑顔で。
「えへへぇ……もっと呼ぶですぅ」
「お姉ちゃん」
「お姉ちゃん」
それを受ける翠星石の表情は、緩みきっていた。
そうしているうちに、くんくん探偵の本編が始まった。
そうしているうちに、くんくん探偵の本編が始まった。
『それでは、次回のくんくん探偵をお楽しみに!』
「って、やっぱり違うですぅ!」
「いまさら!?」
「いまさら!?」
くんくんの人形劇の放映は終わり、再びテレビの映像はCMに入ったのだが、
真紅は名推理の余韻に浸る間もなく、現実に引き戻された。
真紅は名推理の余韻に浸る間もなく、現実に引き戻された。
「こっ、こんなことで翠星石が喜ぶと思ったですかぁ!?」
「いや、物凄く嬉しそうだったじゃない。
しかも結局、くんくんの流れる三十分間ずっと撫でられてたのだわ」
「いや、物凄く嬉しそうだったじゃない。
しかも結局、くんくんの流れる三十分間ずっと撫でられてたのだわ」
ぐっ、と翠星石は言葉に詰まり、少しの間沈黙が流れる。
「……だ、第一、頭を撫でるのは姉の仕事ですぅ!よって真紅の頭を撫でさせるですぅ!」
「それはかまわないのだけれど、どうすればいい?」
「えーっと……」
「それはかまわないのだけれど、どうすればいい?」
「えーっと……」
思案する様子を見せつつ、翠星石は真紅を見つめていた。
そこからひとつの結論に結びついたらしく、翠星石はぽんと手を打った。
そこからひとつの結論に結びついたらしく、翠星石はぽんと手を打った。
「とりあえず、翠星石に抱きつくですぅ」
「……あぁ」
「……あぁ」
真紅はそう呟くと、翠星石のお腹の辺りに手を伸ばし、顔を胸にうずめる形で翠星石に抱きついた。
「こんな感じかしら?」
「う、うん、まあ、そんな感じですぅ」
「う、うん、まあ、そんな感じですぅ」
何のためらいもなく抱きついた真紅に困惑しているのか、
それとも真紅の顔がかなり近くにあることに胸が高鳴っているのか、
翠星石はすこし混乱した様子を見せていた。
それとも真紅の顔がかなり近くにあることに胸が高鳴っているのか、
翠星石はすこし混乱した様子を見せていた。
「じゃあ、えーと、……よしよし」
翠星石は、ほとんど目の前にある真紅の頭に、右の手でそっとふれる。
こんな形で触ったことがなかったので、なかなか新鮮な感覚だった。
そのまま左手を抱き寄せるように添えて、右手で撫で始める。
こんな形で触ったことがなかったので、なかなか新鮮な感覚だった。
そのまま左手を抱き寄せるように添えて、右手で撫で始める。
真紅は少し、くすぐったそうなそぶりを見せるが、目を瞑り、そのまま体を翠星石にゆだねた。
「結構悪くないのだわ。これは貴女も篭絡されるわけだわ」
「う、煩いですぅ……」
「ほら、手が止まってる。お姉ちゃんでしょ貴女は」
「…………」
「う、煩いですぅ……」
「ほら、手が止まってる。お姉ちゃんでしょ貴女は」
「…………」
そう言われて、黙って翠星石は真紅の頭を撫でる。
真紅は、翠星石の腕の中で心地よさそうに目を瞑っていた。
真紅は、翠星石の腕の中で心地よさそうに目を瞑っていた。
密着している、無機質のはずの互いの体が、温かく感じられる。
そのうち翠星石も、目を瞑りながら真紅の感触を感じ取ろうとしていた。
そのうち翠星石も、目を瞑りながら真紅の感触を感じ取ろうとしていた。
「……なにやってんだこいつら」
ジュンは、抱き合いながら眠る二人を見て呆れた表情を浮かべていた。
「ったく、寝てると大人しいんだけどなこいつら……当たり前だけど」
ほうっておいて自室へ戻ろうとしたところ、
雛苺が真紅たちのほうへ気がついてとてとてと走ってきた。
雛苺が真紅たちのほうへ気がついてとてとてと走ってきた。
「二人とも仲良しさんなのー、ヒナもー!」
「こらこら、寝た子を起こすな。折角静かなんだから」
「ぶー」
「こらこら、寝た子を起こすな。折角静かなんだから」
「ぶー」
不満そうに膨れる雛苺を、ジュンはひょいっと持ち上げた。
「それより今日も柏葉が来るって言ってたから、大人しく待ってろ」
「トゥモエが!?わかったの、大人しく待つのー!」
「トゥモエが!?わかったの、大人しく待つのー!」
うきうきとした様子を表情に思いっきり表しながら、雛苺はいそいそとリビングを出て行った。
それを見届けた後、ジュンはため息をひとつ、ついた。
それを見届けた後、ジュンはため息をひとつ、ついた。
「……女同士ってあんな仲いいもんなのかな、それとも――」
誰にも聞かれることのなかった呟きと共に、ジュンも部屋を出て行った。
以上です。
某所で真紅に頭を撫でられる翠星石を見てついカッとなって書いた。
書いた後、百合じゃないとある漫画に似てるなーって気はしたけど、まあいいか。
ちょっと翠があほの子気味だけどそれもまあいいか。
某所で真紅に頭を撫でられる翠星石を見てついカッとなって書いた。
書いた後、百合じゃないとある漫画に似てるなーって気はしたけど、まあいいか。
ちょっと翠があほの子気味だけどそれもまあいいか。