そして、世界変革の刻 -A.D.1999 The Day of Apocalypse 00:00- ◆wqJoVoH16Y
森の中で、一人の少年であろう人間が倒れていた。
であろう、というのは、その人間の頭が纏っていた外套に覆われて、顔を判別できなかったからである。
その体つきから恐らく少年であろう人間は、ピクリとも動かなかった。
馬から振り落とされたような格好で、力尽きているようだった。
ひょっとすれば、この外套をめくれば、そこには頭蓋など綺麗さっぱりないのかもしれない。
「う……」
だが、その予測を裏切るように、人間はゆっくりと目を覚まし立ち上がる。
その金の髪を垂らしながら、人間――――ジョウイは首筋と穴が開いたはずの腹に手を添える。
そこには、忌々しき首輪の形はなく、腹の傷はどうにかふさがっているらしい。
「うまく、いったか……」
ジョウイは、右手に刻まれた異形の紋章を見つめながらひとりごちる。
その魔剣は、偽りの憎悪が込められた魔剣。ならば、ゴゴと同じように首輪を破壊できると予測していたのだ。
そして、ギリギリのタイミングで首輪を切断し、ジョウイはこの森にいた。
ジョウイはふいと、北の空を見上げる。戦の熱がここまで伝わってくる。
恐らく、誰も彼もが死線に身を晒しているのだろう。そこに自分がいないことに、ジョウイは小さな罪悪感を覚えた。
ずくり、と右手が痺れるような感覚を覚えたが、直ぐに碧の光がそれを和らげる。
「そうか……輝く盾が、書き込みを防いでいるのか…」
ゴゴに眼を向けようとした瞬間に訪れた苦痛は、並大抵のものではなかった。
恐らく、魔剣はジョウイを認めつつも、同時に憎悪であるが故にジョウイを汚染しようとしている。
輝く盾の護りが翳れば、ジョウイの心は容赦なく途絶えるだろう。許すものの印はとてもではないが使えない。
あそこで撤退する判断は正しかったはずだ。この魔剣の力は未知数のじゃじゃ馬だ。
本命はこの後なのだから、無理をする必要などなかったのだ。
「だから……泣くなよ……頼むからさ……」
なのに、ジョウイの眼からは涙が止まらなかった。
二度と会うことのなかったはずの面影が、ジョウイの胸を締め付ける。
「さあ、行こう……僕の始まりに……きっと、ここで始まって、終わるんだ……」
だが、ジョウイには最早、感傷に耽る時間すらなかった。
ヘクトルを辱めてまで作った時間を無駄には出来ないし、自身の残り時間も少ない。
涙をぬぐって、ジョウイは森を抜けた。広がるは何者かに抉られた荒野。
だが、眼を凝らせば、そこにぽっかりと穴が開いていることが分かる。
アララトス遺跡ダンジョン地下71階。魔王が語ったというの力―――死喰いに至る力の集合点。
最初に目指し、そして最後に目指す場所。
きっと、そこが、僕のルルノイエなのだから。
【E6山・アララトス遺跡ダンジョン前 二日目 午前】
【ジョウイ=アトレイド@幻想水滸伝Ⅱ】
[状態]:クラス『伐剣王』 ダメージ(中)、疲労(中)、全身に打撲 首輪解除済み 腹部に傷跡
[装備]:キラーピアス@DQ4 絶望の棍(絶望の鎌の刃がなくなったもの) 天命牙双(左)
[道具]:賢者の石@DQ4 不明支給品×1@ちょこの所持していたもの 基本支給品
[思考]
基本:優勝してオディオを継承し、オディオと核識の力で理想の楽園を創り、オディオを終わらせる。
1:急ぎ遺跡へ行く
2:遺跡最深部にある死喰いの力を手に入れ、その力で残る全参加者を倒す
[参戦時期]:獣の紋章戦後、始まりの場所で
2主人公を待っているとき
[備考]:
ルッカ、リルカと参加している同作品メンバーの情報を得ました。WA2側のことは詳しく聞きました。
セッツァー達に尋問されたことを話しました。
※紋章無しの魔法等自分の常識外のことに警戒しています。
※紋章部位 頭:蒼き門の紋章 右:不滅なる始まりの紋章
*
ロザリーが見たのは、死喰いに喰われたルクレチア@LALでした。
ルクレチア以外の場所(魔王山等)が死喰いの中にあるかは不明。
【不滅なる始まりの紋章@RPGロワオリジナル】
ゴゴが模倣した無色の憎悪を取りこんだ紅の暴君キルスレスが、輝く盾の紋章と黒き刃の紋章を核として新生した紋章魔剣。
本来継承の儀を終えなければ融合しない2つの紋章をキルスレスに封印し、
継承された核識の力で紋章を強制的に“繋ぎ合せた”ことで、不完全ながらも始まりの紋章となった。
始まりの紋章そのものに形作られた無色の剣は全ての争いを裁く力を持つ。ただし、暴君のそれとして。
詳細な能力は未だ不明。抜剣覚醒時以外は右手に紋章として存在する。
ジョウイが変貌した魔剣に適格してしまったため、紅の暴君に戻す方法や剣として奪う方法があるのかは不明。
ただし、太陽と共に精神が崩壊し、果て行くのは明らかでしかない。
確認されている能力(全て抜剣覚醒時)
0.返し刃のダブルアタック:通常攻撃を2回連続で放つ。大本はキラーピアスの効果のため、移動フェイズを消費しない。
1.盾の鼓動は紅く輝く :紋章と繋がった先から魔力が供給され、毎ターンHP/MP回復。
2.亡霊召喚 :かつてジョウイに未来を賭けた者達を模した亡霊ユニットを召喚する。出現時間は使用する魔力に依存。
3.喚起の蒼門 :核識の力と結合した蒼き門の紋章。現時点では召喚獣の同時連続召喚が可能となった様子。
基本的に黒き刃、輝く盾の紋章術は今まで通り使用可能。
ただし、剣からの書き込みによる人格崩壊を、輝く盾の紋章の対呪効果でガードしているため、
輝く盾の紋章使用におけるLVコストが常に+1される。よって輝く盾の紋章Lv4紋章術:ゆるす者の印は使用不可。
【蒼き門の紋章(封印球)@幻想水滸伝Ⅱ】
27の真の紋章の1つ、門の紋章の眷属(下位紋章)。門を開き、異界の住人を召喚する。
額にしか装備できない紋章のため、今までジョウイの手元に死蔵されていた。
紋章術は以下の4つ。
開かれし門 :Lv1紋章術。九尾の狐を召喚し、狐火で攻撃させる。単体攻撃。
王都への道 :Lv2紋章術。鎧とジャベリンで武装したケンタウロスを召喚し、突撃させる。敵全体にダメージ(小)
蒼い都 :Lv3紋章術。船首に髑髏をあしらった幽霊船を召喚して側面の12門から艦砲射撃させる。敵全体にダメージ(中)。
空虚の世界 :Lv4紋章術。巨大な悪魔の上半身を地中から召喚し、その口から極大レーザーを発射させる。敵全体にダメージ(大)、味方全体にダメージ(小)。
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最終更新:2012年09月30日 18:09