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漢詩大会の元ネタ集 - (2014/05/16 (金) 18:18:43) の編集履歴(バックアップ)


 ゲーム内において、秋の漢詩大会で詠まれる漢詩は、実在の漢詩から抜粋したものです。
 その詩の出典と、原文を列挙しました。
 読み下し文は、漢詩大会に該当人物が出ればわかるので、ここでは書く予定はありません。
 全文を読みたい人は、つ【『三国時代の文学スレッド』まとめサイト】【漢詩大会の漢詩全文】【グーグル先生

詩聖フラグ持ち

一般武将

 詩聖フラグを持つ特殊武将は、以下の特徴がある。
  • 漢詩大会で、たいていは自作の詩が表示される。
  • 漢詩大会の評価にボーナスがつく。
 該当するのは、曹操、曹植、王粲、孔融、陳琳(、曹丕)。曹丕は特殊で、自作の詩が表示されるが、詩聖ボーナスはつかない。

 上記の詩聖フラグと、(一般武将の場合は)詠む順番フラグを元に、どの詩が表示されるかが決まる。
 詩聖フラグ持ちの場合、詠む順番と表示される詩は関係ない。

 PS版以降では、PC版に比べ、詩が追加されている?

スレ9-709
実は「三國志VIIマニアックス」という攻略本に全部掲載されている
スレ9-712
引用ここから
◆全武将共通A◆
【膏火は自ら煎熬し】【多財は患害となる】【布衣もて身を終うべし】
竹林の七賢のひとり・阮籍の詠んだ詩。財産が多いのは災いのもとだから、高位高官を求めず庶民のまま一生を終えるのがいい、という意。
(中略)
◆全武将共通B◆ (中略、CDEまで)
曹操
【酒に対してはまさに歌うべし】
(中略)
以上五首は、曹操の『短歌行』からの抜粋。…(後略)
こんな感じ
スレ9-713
漢詩大会に出てきた読み下し文と、解説だけって感じか。ABC、は何か意味があるん?
スレ9-714
特殊武将を除いて1番手はAから、2番手はBから…5番手はEから詠む歌が選ばれる


一般武将用/詩経

漢詩大会の漢詩全文/詩経
 詩経は、中国最古の詩篇。いくつもの詩を集めて、ジャンルごとに分けたもの。当時、卿・大夫・士の必修教養だった。「之什」≒「の章」。

出典:「文王之什(詩経-大雅)」
  • 文王在上、於昭于天。周雖旧邦、其命維新。
われらの上にまします文王よ、ああ、その徳は天にも昭らかなものです。周は旧き国といえど、天命により維新を迎えるものであります。
 大雅は文王之什、(殷の)湯王之什、生民之什の3部からなる。
 文王之什は、周の文王などを読み上げたもの。

出典:「蓼莪《詩経-小雅-谷風(小旻)之什》」
  • 南山烈烈,飄風發發。民莫不穀,我獨何害。
南山は厳しい厳しい。激しい風が吹き吹きつける。民に不仲のものなどいないのに、私はひとりぼっちの身を悲しまなければならないのだ。
 小雅は、詩経の中の作品で、為政の乱れを嘆いたもの。

出典:「蓼蕭《詩経-小雅-南有嘉魚(白華)之什》」
蓼彼蕭斯、零露泥泥。既見君子、孔燕豈弟
蓼(おいしげ)る彼の蕭(よもぎ)から、露がこぼれ地面はどろどろ。既に君子を見れば、露をあびた蕭のように清らかで楽しい気持ちとなるのです。
 最後の「弟」の字を、ゲームでは「楽」としている。

出典:「何草不黄《詩経-小雅-魚藻(都人士)之什》」
  • 匪犀匪虎、率彼曠野。哀我征夫、朝夕不暇。
犀に匪ず、虎に匪ず。獰猛な獣でもないのに、彼は荒野に率いられていった。哀しいかな我が夫は賦役にかりだされ、朝夕の食事の暇さえない。

出典:「無衣《詩經-国風-秦風》」
  • 王于興師、修我戈矛、與子同仇。
王が軍隊を出したら、我は戈矛を手入れして、貴方と同じ敵に向かおう。
 詩經-国風は、各地の民衆を詠んだもの。

出典:「風雨《詩経-国風-鄭風》」
'風雨如晦、鶏鳴不已。既見君子、云胡不喜。'
外には風雨が吹き荒れ、鶏が鳴き続けても、でも私はあなたを見て、喜ばずにはおれない。

出典:「雄雉《詩経-国風-ハイ(北β)風》」
雄雉于飛。泄泄其羽。我之懷矣、自詒伊阻。
雄雉は雌に向かって一直線。其の羽音がしきりに響く。私は悩む、いっそ伊尹の逸話に習おうか。
 淫乱で有名だった衛の宣公に悩まされる国民、ないしは臣下の詩という説あり。
漢詩大会で歌うような詩なんだろうか? 特に司馬一族が歌うと、ぎくりとする。


一般武将用/楚辞

漢詩大会の漢詩全文/楚辞
 屈原が詠んだと言い伝わる古代の辞。後世の創作という説もある。
 屈原は、中国戦国時代の楚の政治家、詩人。 端午の節句の元ネタ。

出典:「漁父辞」高校の古文教科書の解説
 楚辞のなかで、最も有名な一篇。追放された屈原と老いた漁師との会話を詠んだ辞。

  • 屈原既放、游於江潭、行吟澤畔。
屈原はすでに追放され江の淵や岸をさまよい、沢のほとりで吟じながら行く。

  • 挙世皆濁、我独清。衆人皆酔……
世の人は皆、意識を濁らせている。私ひとりが清く覚めている。人々は酒に酔い……

  • 世人皆濁、何不掘其泥、而揚其波。
世の人がみな濁っているならば、どうして一緒に濁って、波を揚げようとしないのか。

  • 滄浪之水清兮、可以濯吾纓。滄浪之水濁兮、可以濯吾足。
滄浪の水が澄んでいるなら私の冠の紐を洗おう。滄浪の水が濁っているなら私の足を洗おう。

出典:「離騒」楚辞詩篇のうちの一章。
  • 乱曰已矣哉!國無人莫我知兮、又何懷乎故都。
乱に曰く、やんぬるかな! 国に私を知る人はいない。またどうして故き楚の都を懐かしむだろう?
 やんぬるかな≒もうこれまでだ

出典:「国傷」○楚辞詩篇のうちの一章。
  • 帯長剣兮挟秦弓、首身離兮心不懲。既勇兮又以武
長剣を帯び、秦弓を挟み、首と身体が離れても心は砕けず。誠に勇であり、また以ってこれを武という。


一般武将用/漢代の有名人

漢詩大会の漢詩全文/漢代の有名人
 漢代にも漢詩はあった。リレー小説ならぬリレー漢詩もあったそうな。

出典:「秋風辞」漢武帝
  • 簫鼓鳴兮發棹歌、歡樂極兮哀情多。少壯幾時兮奈老何
簫鼓が鳴り棹歌がおこり、宴会はクライマックスに入ったが哀しみの情は多い。少年壮年の時はみじかく、老いた身を持て余す。

出典:「別歌」李陵
  • 老母已死、雖欲報恩將安歸。
老いた母は、既に無くなった。君恩、母の恩に報いたいと欲しても、私に帰るべき故郷は存在しないのだ。
 李陵は武将。祖父は「飛将軍」李広。司馬遷が宦官になった原因。
 五千の歩兵で、匈奴の支配者率いる三万の兵を相手に善戦したが、糧食も武器も尽き、やむなく降服した。それを聞いた武帝に、老母はじめ家族を処刑されたため、帰るところもなく匈奴の地で生涯を終えた。
 蘇建の詩と並び、前漢を代表する詩。

出典:「董嬌饒」宋子侯
  • 吾欲竟此曲、此曲愁人腸。帰来酌美酒、挟瑟上高堂
私はこの曲を弾き終えたい。この曲は人のこころを悲しませる。帰り来て美酒を酌み、瑟を脇に挟んで高堂に上ろう。
 後漢の詩人、楽人といわれる。生没年不詳。ゲーム内では2節目「此曲愁人腸」が略されている。

出典:「四愁詩」張衛
  • 我所思兮在太山,欲往從之梁父艱……
我が思う所は太山に在り。往きて之に従わんと欲すれば、梁父頚し……
 後漢における天文学者。世界初の水力渾天儀、水時計、地動儀などを発明した。

出典:「飲馬長城窟行」蔡邕?
  • 枯桑知天風、海水知天寒。入門各自媚
枯桑も空の風を知り、海水も天の寒さを知る。家に帰れば各自が家族をいとおしみ……
 蔡邕の作、という説もある古詩。ちなみに陳琳の同名作とは別の作品。


一般武将用/古詩十九首


出典:「古詩十九首」
漢詩大会の漢詩全文/古詩十九首
 南朝梁の、昭明太子が編纂したほうの「文選」等に掲載されたうち、古詩に区分される十九首。
 作者は「無名氏(名無しさん)」。同じ梁の徐陵が編纂した「玉台新詠」によると、後漢の枚乗という説もある。

(古詩十九首其一)○
  • 行行重行行、與君生別離。相去萬余里……
行き行きて重ねて行き行く。君と生きながら別離す。相去ること万余里……

(古詩十九首其二)
  • 青青河畔草、鬱鬱園中柳。盈盈樓上女
青青たる河畔の草、鬱鬱たる園中の柳、盈盈たる楼上の女……。
 これでもれっきとした漢詩。

(古詩十九首其八)
  • 思君令人老。軒車何来遅。傷彼蕙蘭花……
君を思えば気がかりで老け込み、軒車は来るのがどうしてこんなに遅いのでしょう。慧蘭の花も痛み……
 軒車は大夫の乗る車。

(古詩十九首其十三)
  • 浩浩陰陽移、年命如朝露。人生忽如寄……
陰陽は昼と夜と鮮やかに移り、年命は朝露の如し。人生は寄しては返す波のごとく…

(古詩十九首其十四)
  • 去者日以疎、來者日以親。出郭門直視……
去った者は日に日に忘れられ、来る者は日に日に親しさを増していく。城門を出て直視すれば……
 辞書(大辞林等)にも掲載されている、ことわざ。去者≒死者、来者≒生まれてくる者という解釈もある。

(古詩十九首其十五)○
  • 生年不満百、常懐千歳憂。昼短苦夜長
生きている年は百に満たないのに、常に千年先を心配している。昼が短く夜が長いと苦しむ……

(古詩十九首其十九)
  • 明月何皎皎、照我羅床幃。憂愁不能寐
明月はこうこうと、私の横たわる床幃を照らす。憂愁に寝る事もできず……


一般武将用/漢代「古楽府」

漢詩大会の漢詩全文/漢代「古楽府」
 漢代に「楽府」が集めた漢詩集。
 楽府とは、音楽をつかさどる役所のこと。後に、この役所で集めた楽章歌辞を「古楽府」と呼ぶようになった。詠み人は殆ど「無名氏」。

出典:「蒿里曲」
  • 蒿里誰家地、聚斂魂魄無賢愚。鬼伯一何相催促、……
この荒れ果てた里は、誰の家地ですか。集まった魂、埋められた肉体に賢愚の差は無いのです。鬼伯は彼らに何を催促して……

出典:「枯魚過河泣」
  • 枯魚過河泣、何時悔復及
干魚が河を渡りながら泣く。後悔は先にたたず。
 「枯魚」は魚の干物のこと。古代のドナドナっぽい雰囲気。

出典:「悲歌」
  • 悲歌可以當泣、遠望可以當歸。思念故郷、鬱鬱累累。
泣く代わりに悲しみを歌おう。帰れない代わりに遠くを望もう。故郷を思えば、木が鬱鬱とするように心が沈み、山が累累と連なるように悲しみも連なる。
 悲歌行ともいわれる。

出典:「西門行」○
  • 今日不作楽、当待何時。逮為楽
今日楽しいことをやらにゃ、いつを待つんだい。楽しみを為すに逮(およ)べ。
 やりたい事ヤッチマイナー。漢代から三国時代の流行歌といったところ。

出典:「戦城南」
  • 戦城南、死郭北。野死不葬、烏可食
城南に戦い、郭北に死す。野に死んで葬られず、鳥についばまれる。

出典:「上邪」
  • 冬雷震震、夏雨雪、天地合、即敢与君絶
冬に雷が響き、夏に雪が降り、天地が合わさったならば、はじめて私は君への想いを絶とう。


一般武将用/晋代


出典:「猛虎行」陸機
  • 渇不飲盗泉水、熱不息悪木陰。悪木豈無枝……
渇くとも盗泉の水を飲まず、熱くとも悪木の陰で休まない。ところが悪木にも枝が茂らないわけではない……
 これは有名。孔子はのどが渇いても、盗泉という名を嫌って、その水は飲まなかったことから。