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漢詩大会の漢詩全文/楚辞 - (2011/10/10 (月) 22:09:36) のソース

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*作品目録
**漁父辞
→[[高校の古文教科書の解説>http://ja.wikibooks.org/wiki/高等学校古文/散文・説話/漁父辞]]
上記の解説が非常に秀逸なので、リンクのみ。教科書の解説だけあって、わかりやすい。

**「離騒」
→[[原文>http://zh.wikisource.org/wiki/%E6%A5%9A%E8%BE%AD/%E9%9B%A2%E9%A8%B7%E7%B6%93]]
長ぇよ!!>原文 とりあえずリンクのみ。

**九歌>「國殤」
***原文
[[引用元>http://www.geocities.jp/sangoku_bungaku/others/kokusyo_kutsugen.html]]/[[参考2:台湾の国語教師の解説サイト>http://www.hsuhung.idv.tw/old/course/chinese/dynasty/Pre_Chin/Qu_Yuan/Qu_Yuan_poem01d.html]]

操呉戈兮被犀甲,車錯轂兮短兵接。
旌蔽日兮敵若雲,矢交墜兮士爭先。
凌余陣兮躐余行,左驂殪兮右刃傷。
霾兩輪兮繋四馬,援玉枹兮撃鳴鼓。
天時墜兮威霊怒,厳殺盡兮棄原野。

出不入兮往不反,平原忽兮路超遠。
帶長劍兮挾秦弓,首身離兮心不懲。
誠既勇兮又以武,終剛強兮不可凌。
身既死兮神以霊,子魂魄兮為鬼雄。

***訳 
呉戈を操り、犀皮の鎧を着こみ。戦車は車軸をぶつけあい、歩兵に迫る。
軍旗は日を遮り、敵は雲霞の如し。矢が飛び交い、兵達は先陣を争う。
余陣を凌ぎ、諸々を踏み潰し。戦車の左の副え馬は倒れ、右の馬は斬り傷を負う。
両輪より沸き起こる土煙は、四馬を繋ぎ留め。鼓槌(ばち)をとり、鼓を打ち鳴らす。 
天の時は堕ち、荒き御霊は怒る。完膚なきまでに殺し尽くされ、骸は原野に棄てられる。

家を出でれば入らず、戦地に往けば返らず。平原をたちまち離れ、路を遠くなお遠く。
常に長剣を帯び、秦弓を持ち。首が体を離れるとも、心は折れず。
まことの勇士にして、また武人であり。いのちの終わりまで剛く強く、彼を凌ぐことは許されず。
身は死すも、神は霊威をもって。その魂魄、鬼雄と為りぬ。

> 戦場と英雄の描写。有名な作品なので、詩句の一つ一つに諸説あり。
【国殤】国事、戦争で死ぬ
【鬼雄】死者たちの軍勢を率いる王。鬼は死者。雄は戦国七雄というように、国の有力者。

【神以霊】当時の神や霊、魂魄の定義に関わるため、案外難しい。
日本語だと「神となり」「くしぶ(霊妙の状態となる)」とする。
台湾の解説だと単語を細かく区切らず、句全体として「精神の永続性を意味」とする。英雄死して神となり、霊威顕赫たり。
↓の参考論文だと、身と神の対比、身→死、神→霊、魂魄→鬼雄が対応しており、「神以って霊なり」とする。
[[参考論文>http://hdl.handle.net/10466/11494]]
>最終的に言っている事は、どれも同じなんだけどね。

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*解説
[[維基文庫 楚辞の項>>http://zh.wikisource.org/wiki/%E6%A5%9A%E8%BE%AD]]
[[明治期の解説本:楚辞考>http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/895228/2]] 日本式漢文なので解読がんばれw

 屈原が詠んだと言い伝わる古代の辞。後世の創作という説もある。 
 屈原は、中国戦国時代の楚の政治家、詩人。 端午の節句の元ネタ。 

 維基文庫は、後漢王逸の「楚辞章句」から引用している。