68-927『甘いのは』

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新年。めでたい席に酒はつきものなのだが……… 橘「ほらぁ、キョンさん!ささ、ぐいっと!」 藤原「ふくくっ。僕の酒が受けられないわけはないよな?現地人。」 九曜「――――――いぬいの―――――杯―――――――」 …………まぁ、こうして佐々木達の会合に顔を出していて、お屠蘇で酔っ払った馬鹿共に絡まれているわけだが。 「お前らな。確かに縁起物だがな………お屠蘇はアルコール飲料だ。」 真っ赤な顔をした藤原と橘を引き離し、周防に乾杯の意味を教えてやる。 「くつくつ。正月らしい光景だね。」 佐々木は椅子に座り、甘酒を飲んでいる。………割に上気した頬が気になるんだが。 「甘酒は、美容によく、そして栄養が豊富だ。君が心配するアルコール飲料ではないよ。」 佐々木は、また甘酒を注ぎ、飲み干す。ああ。確かに甘酒はアルコール飲料ではない。しかしだな、佐々木。お前が飲んでいるのは……… 「濁酒だ、それは!」 どこに売ってたんだ?!濁酒なんてそうそうないだろう! 「くつくつ。そうだったのか。道理で身体が熱いと。」 だ、ダメだ、こいつら…………。絶望的な気分になり、下を向く。そこには、綺麗な足の指が。 「……………佐々木さん。つかぬことをお伺いします。」 「なんだい?親友。」 佐々木は足を組む。 「お前…………ストッキングは?」 「違うよ。あれはニーソックスだ。熱いから脱いだ。それがどうしたのかい?」 いやな、短いスカートで、足なんて組んだら………その、ぱ、パン…………いや、妄言だ!忘れろ! 「ん?現地人………。どうした?佐々木の足を見つめて………。」 「黙ってるですぅ!デバガメに徹するのです!」 こいつらは…………! 「くつくつ。足には自信があるんだがね。君の目の保養になったなら何よりだよ。」 佐々木自ら止めを刺してきやがった。佐々木は、また足を組み直す。……………あ。 「――――視線――――」 黙ってろ、周防。 「くつくつ。」 真っ赤な顔をした佐々木が、俺にもたれかかる。さ、佐々木…………? 「キョン……………」 上気した頬に………そ、その、胸元が………ぶ、ぶ、ブラがだな!ゆっくりと桜色の口唇が開く。 「……………気持ち悪い……………」 え? 「っきゃー!佐々木さぁーんッ!」 「うおっ!げ、現地人ッ!」 …………まぁ、後は言わなくともわかるな?佐々木は平謝りに謝り、禁酒を誓った。……いや、いいものを見れたから、俺はいいんだがな。 まぁ、今年も良い年になるといいな………。 END

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