29-866「見えている」

「佐々木、青の縞々が見えてるんだが…」
「なっ!」ババッ!
「スカートなんだから体育座りはやめておけよ」
「み、見たのかい!?」
「見えてしまったというか。そもそも見てなかったら注意できんだろ?」
「キ、キョン!君って奴は~!」

「キョンのエッチ」
ポカポカ
「痛い、やめろ」
あまり痛くない?もしかして本気で殴ってないのか?まさかね
というかマウントポジションはやばいです。佐々木さん

「いい加減にしろ。佐々木」
俺は佐々木の腕を掴んで引っ張る。
何故か佐々木の体が俺に覆いかぶさる。控えめだけど柔らかい胸が俺の胸板に押し付けられる。
佐々木の髪からは良い匂いがして…クラクラしそう。
「……」
「……」
佐々木さん。そろそろ降りた方が。いえ、ずっとこうしていたいですけど。

「ごめん、キョン。痛かった?」
佐々木は本当にすまなさそうに謝ってくれた。
「いや、全然大丈夫だよ」ハルヒのパンチに比べればこんなもの
「だったら、もう少しきつく殴るべきだったかな?くつくつ」
やめて下さい。それは

「キョン。冗談だよ」
まだ降りないのか。いや、降りてくれない方が嬉しいけど。
「なあ、佐々木。ずっとこうしていたいな」
「さり気なく腕を背中に回してロックして。この責任取って欲しいな。くつくつ」
そう言えば、気づいたら腕を背中に回して佐々木を抱きしめていた。

「責任は取るから、もっと先のことを…佐々木が嫌ならしょうがないけど…」
「それは思案のしどころだね。正直、迷う所だね」
「そんなこと言わずに…」
「わかった。返事をするから目を瞑ってくれ」
「こうか?」
俺の顔に吐息がかかり、唇に柔らかい感触が…


その時突然、ドアが開いた。
「キョンくーん。ちゅるやさんがお菓子持って来たよー」
「少年。やましいことはしてないっかねっ?今日は谷口くんと国木田くんも一緒だよっ」
「キョン、一緒に勉強しようぜ」
「まさか佐々木さんが一緒だとかは、あ、一緒だね」

「「…………」」

「キョンくんー、お姉ちゃんといけないことしているー」
「GOGOGOごゆっくりー」
「キョン、涼宮さんや長門さんにはちゃんと謝った方が良いよ」
「楽しいことしているねっ。皆にめがっさ知らせてあげるよっ」 そして鶴屋放送にて
「藤原さん、本番一分前ですよ」ガクガクブルブル
「ーーーアナウンサーはーーーポンジー」
「落ち着け、大したことじゃない」ガクガクブルブル


「ニュースです。天才少女と呼び声の高い佐々木さん(17歳)が本日彼氏と正式に御婚約いたしました。これが街中の声です」

キョンの家族の声
『うちの馬鹿息子が佐々木ちゃんの婿になったから、もう安心だわ』
『ねー、お母さんー。赤ちゃんっていつできるのー?』
『あなたは黙ってなさい』

キョンの友人の声
『キョンはずっと前から付き合っていたのに、付き合っていないと言い張ってました。そろそろ年貢の納め時だったのですね』
『キョンの奴、うまくやりやがって。うらやましいぞー』
『少年はめがっさエロいからねー』

佐々木の友人の声
『ええ、あの二人?ずっと仲が良かったですよ』
『バカップルの中のバカップルって感じで』
『彼氏さんは誰にでも優しいから、誤解されることがあったのだよねー』
『いや、あれは完全に浮気だ。好意的に解釈しすぎだぞお前』



次の日、キョンが女子3人に殴られたのは言うまでもない。

 

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最終更新:2008年02月25日 09:43
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