ある日の放課後、谷口に呼び出された。おかげで団活に遅れるな。
「国木田と3人で話ってなんだよ。教室ではできないのか?」
「涼宮や長門の前じゃできないと思ってな」
は?お前の私生活は全校生徒に公開されているようなもの。奴等に秘密にすることが何かあったっけ?
「お前、日曜日に、またあの女とデートしていたな」
は?デート?生まれてこのかたデートなんて結構なことやっとらんぞ。
俺はナンパだけが趣味の友人の顔をマジマジと見た。
「佐々木さんだよね」
「そう、お前の中学時代からの彼女の佐々木って女」
「佐々木は彼女じゃないし、勉強みてもらった礼でデートじゃない。それに妹も一緒だ」
このオールバックは馬鹿で困る。
谷口はアレな人を見る目で俺を見てきた。
「そんな真っ赤な嘘が通用すると思っているとは、お前よほどの馬鹿だな。あの状態をデートじゃないと見る奴は地球上に一人もいないぞ。
一応言っておくが、二股、いや三股は良くないぞ。いつか女に刺される。これは友人としての忠告だ。
でもお前の恋愛だから、お前の責任で二股でも三股でも勝手にしたら良い。正直そんなハーレム願望は男として当然だからな」
刺される?朝倉、朝倉が怖いよーガクガクブルブル
「もしかしてキョンは朝倉さんに刺されそうになったことあるの?」
「何を根拠に?」ガクガクブルブル
「お前と佐々木の関係が何であれ、あれだけ親しいんだ、親友の俺達に彼女の友達を紹介するくらいの配慮あってしかるべきだろ。
確かそういう約束したよな」
「そんな約束したっけ?」オボエガナイゾ
「そんなことを言うなら佐々木とのことを涼宮と長門を含めて学校全体に言うぞ。それから長門押し倒したこともな。朝倉が転校する前の日のことだったな」
かー、忘れてた。朝倉襲撃の後の長門押し倒し事件だな。
「それって朝倉さんが転校する前の日だよね」
「さあ、どうする?」
あの時の長門をほっておくべきだったのか?それより、長門に谷口の記憶改竄を願うべきだったのか?
谷口に見られたことを深く後悔した俺だった。
ヤバそうなので、結局谷口の頼みを聞くことにした。
そして、週末
俺と谷口と国木田、佐々木と俺達の元クラスメートの女子2人の計6人は喫茶店にいた。
1時間弱の会合の後、男女2人ずつに別れて解散。親睦を深め合うことになった。
谷口はデートみたいなものだが、俺と佐々木は図書館で勉強会だ。折角の週末なのに。やれやれだぜ。SOS団のイカれた催し(まともな時もあるが)に比べればマシか。
そして、日曜の夜佐々木から電話がかかってきた。
「土曜、日曜の会合で、残念ながら先方は谷口くんを気に入らなかったみたいだよ。
でも、安心してくれ。僕の友達でフリーな女の子はまだ沢山いる。そのことについて話し合いたいから明日の月曜日に駅で待ち合わせよう」
「谷口のためにそこまでする必要無いと思うが。彼女が欲しかったら自分でナンパするだろ」
「僕の友達も君の男友達で良い人があれば紹介してくれと言っているからね。谷口くんを気に入るかどうかは知らないけど」
「わかった」
明日は部活休みだな。
(大した山もなく終わる)
最終更新:2008年03月16日 20:58