33-93「朝倉×佐々木」

ある日、佐々木さんが私に突然言いました。
「橘さん。長門さんや九曜さんの体は人間と同じなの?特にアソコのつくりが気にならない?」
「さあ?どうでしょうか?」興味はありますけども
佐々木さんの目は好奇心に満ちた子供のようです。何か嫌な予感が……
「だったら、私達で調べましょうね。私は長門さんの家に泊まるから、橘さんは九曜さんの方を調べてね」
「はい、佐々木さんの頼みなら火の中水の中なのです。怖くないのです」ガクガクブルブル

そして……
「九曜さんと一緒にお風呂に入りましたけど、情報操作で肝心な部分が見えませんでした」ハア
「さすが九曜さんだわね」
はっきり言って、ちょっと怖かったのです。
「佐々木さんの方はどうでしたか?」
「変な女の人が乱入して、長門さんのは確認できなかったわ」
「そうでしたか」
「でも、感じの良い人だったわね。今度キョンを連れてと朝倉さんの彼氏にも会うことになったわ」
「それは良かったですね」ハテ?朝倉?どっかで聞いたような

―――佐々木さんは詳細を語る
私は長門さんのアパートを訪問した。
ピンポーン
『はい、喜緑ですけども』
「すいません。長門さんの所と間違えました」
『喜緑君、その人は誰かな?』『間違いらしいですわ会長』
不覚にもインターフォンを押し間違えた。どっかで聞いた声のような気がするが思い出せない。

初めて訪問した長門さんの部屋には、本棚という本棚に本がびっしりと入っていた。
「今日長門さんの家に泊まりたいのだけど良い?これはお土産です」
お土産に海外のハードカバーを持って行った。
「……いい」

こちらが話しかけても、相変わらず長門さんは無口だった。
「……食事」
突然、長門さんが言葉を発した。
「食事って晩ご飯のこと?」
「……そう。カレーで良い?」
「えーと、長門さんに作ってあげようと思って材料を持って来たの。台所借りるわね」
その時、不意の来客があった。
「長門さん元気?おでん持ってきたわ―」
涼宮さんを上回る美人だけど、変な人だ。
「なんだ、キョン君が来たと思ったら違ってたか」
キョンを知っているみたいだ。多分北高生だと思うけど。
「あなたは?」
「キョン君のクラスメートの朝倉涼子よろしくね」
そんなクラスメートがいるということは、キョンにも北高に行った他の友達にも聞いたことがない。
「……あなたの復帰は決定していないはず。自重を」
「細かい事言わないでよ。キョン君が軽い気持ちで長門さんに手を出したらお仕置しようと思っていたけど、あなたが来るとはね。
ライバル長門さんの情報収集ね。人間の諺で虎の穴に入らなければ虎の子供が手に入らないってやつね」
『人間』?の諺?
「えーと、私のことを知っているのですか?」
「知っているわ。キョン君の彼女の佐々木さんだよね。
全く人間のオスは皆浮気性で、そのくせこっちを束縛してくるし…喜緑お姉さんの彼氏もそうだし…」ブツブツ


私達の夕ご飯は朝倉さんのおでんと、私が軽く作った料理。朝倉さんのおでんは凄くおいしかった。
食事の後、私は長門さんと一緒にお風呂に入るつもりだったが、朝倉さんが私を半ば強引にお風呂に誘った。
「女同士だから遠慮しないでね。さあ脱いで脱いで」
朝倉さんは強引に私の服を脱がせる。
「ちょっと朝倉さん」
「遠慮しないで。ところで、その可愛らしい体で何回キョン君をたぶらかしたの?朝倉さんは知りたいなー」
「朝倉さん。勘違いしているみたいだけど私とキョンはそんな関係じゃなくて」
「正直に言わないとお仕置しちゃうぞ」
「駄目。そこは―」
私は本気で朝倉さんを振りほどく。
「残念。女の子とやる趣味は無いか。
そうそう。佐々木さんの知りたいことはわかっているわ。答えはイエス。長門さんと違って私は同族結婚するから、佐々木さんのライバルにはならないわ。安心して」
所々わけのわからない事を言う。何を言っているのだろうか?この人は

―――
「ということがあって、一晩中朝倉さんに振り回されたのよ。でも楽しかった。修学旅行みたいに3人で枕を並べて寝て。長門さんも、少し喋ってくれるようになって良かった」
「佐々木さん。その朝倉さんというのは、思念体急進派のインターフェイスですよ505号室ですよね?」
「そうだったの?ごく普通の体に見えたけど。すると朝倉さんがイエスと言ったのは、人間と結婚できるという意味か。全然人間と見分けできなかったし、中身も人間と同じか」
「多分そうですね。我々が散々調べてもわからなかったのですが」
「そうか、長門さんもライバルだね」
「それにしても、朝倉さんの彼氏は誰なんでしょうかね?ちょっと気になりますね」
(終わり)

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最終更新:2008年05月19日 10:03
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