33-390「料理」

佐々木による家庭教師のおかげで、俺はめでたく関東の二流大学に進学した。
「キョン。君はいつもカップめんか?カップめんばかり食べていると体に悪いよ。もっとちゃんとした物を食べないと」

佐々木は俺と違って一流大学に行ったが、同じアパートの隣の部屋に住んでいる。
「体に良くないというのは、わかってはいるんだが」
「しょうがないな。僕が今日から料理を教えてあげるよ」
「いや、そこまでしてもらったら悪いから」
「気にすることないよ。僕と君の仲じゃないか。くつくつ」
「いや、すまん」

ということで、その日から毎日、つまり朝と晩に佐々木が料理を教えてくれることになった。
おかげで、俺の料理の腕はメキメキ上がってきている。

「というわけで、日頃の感謝の印として佐々木の誕生日プレゼントあげたいのだが、にどんな物が良いかな?古泉」
「結婚指輪でもあげたらどうですか?全く、忙しい時にノロケは勘弁して下さい」
「冗談言わないで一緒に考えてくれよ。真面目な話なんだ」
「極めて真面目に答えているつもりですけどねー」
「……」

「しょうがない、この場合は女に聞くに限るな。ハルヒにでも聞こう」
何故か古泉にマジになって止められた。
長門は宇宙人だから、こういうのからは外れる。ハルヒに聞くのが一番良いと思うけどなー。属性が同じだし。
え?長門も駄目?

しょうがないから、中学時代の元クラスメート(佐々木の元クラスメートでもある)に電話で相談してみた。
真面目に相談に乗ってくれた奴も何人かいたが、皆口々に『結婚指輪が良いのじゃない』と冗談を言うのはどういうつもりなんだろうか?
なお、佐々木に何をあげたかは内緒だ。
(糸冬わり)

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最終更新:2008年06月18日 22:04
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