よくあれだけ色々出来たもんだと、
過去の自分に国民栄誉賞を
与えてやりたいくらい忙しかった夏休みも、
今年はループもすることなく、
終わりをむかえ、なんとか、
秋という季節がやってきた。
夏休み中布教活動しに来ていた、
ツインテールも、蝉と共にいなくなったのか、
姿を現さず、こうして、ゆっくりダラタラしている。
ダルデレ最高!と叫びたいほど、
だらけていたのだが、
チャイムという、爆音とともに、
俺の平和な時間は、崩れ去った。
またかよと思いつつ、
ドアをあけて、
勧誘はお断りです。
といい、素早くドアを・・・
「そうはいかないのです!」
ギギと、無理やりドアを開けたのは、
ツインテールこと、朝比奈さん誘拐犯だった。
「なんで、着信拒否してるんですか!
今大変なことが起きてるんですよ!」
知るか。どうせ、また森さんが殴り込んできたから
止めてくれとかだろ?
「それは3日前の話でしょ!
今回は佐々木さんが大変なのです!」
・・・あいつに何をした?
何かしたなら、その尻尾二つとも
引っこ抜いてやる!
「痛い!痛い!もうぬけそうなのです!
機関の健康診断ロボ、
『ポンジー&スオー』が暴走して、
佐々木さんの血を採りすぎたのです!」
なんだと!
早く輸血してやれよ!
「佐々木さんの血液型は特殊で、
ストックがないのです!
機関の調べでは、
キョンさんの血液型と、同じらしいのですが。」
なんでそれを・・・
「今は話してる場合じゃないです!
さぁ乗った乗った!」
橘に、何故か九曜の運転する
ベンツのEクラスに押し込まれ、
なんとか、佐々木の待つ病院についた。
「さぁはやく!はやく!
ズブッと行くのです!」
橘に急かされつつ、俺は採血を受けた
なんとか、間に合ったらしく、
九曜と共に、橘に制裁を加えているうちに、
佐々木が目を醒ました
「・・・あれ僕は・・・キョンなぜきみが?」
佐々木、大変だったんだぞ
このツインのせいで。
「・・・ひゅみまへんれした」
かいつまんで、何があったか、
佐々木に説明してやった
「僕は採血されすぎたのか・・・
ところで、誰が輸血してくれたんだい?
僕は所謂稀血なはずだけど・・・」
もちろん、俺の血だ。
「え?いまなんて・・・」
だから、俺の血を、って佐々木さん?
「ぼ、僕にキョンの血が
僕にキョンの血が僕にキョンが・・・ふみゅぅ」
ヤバイぞ佐々木!鼻血がドバドハだぞ!!
待ってろ!もう一回輸血してもらおう!
「―――むしろ―――逆効果―――」
「今回は、ひどい目にあったよ」
全くな。まぁ無事でよかったよ。
「そうだね。
これでキョンといつでも一緒だしね」
・・・そうだな
「・・・くっくっ赤いよキョン」
お前もだ佐々木。
夕日が差し込み、
病室と二人を血のように赤く染め上げてた