41-984「僕の体は、まだ暖かいだろうか…」

佐々木「それでは最後のお願いです。僕の事……忘れてください」
佐々木「…キョ…ン…?」
佐々木の持っていたリュックが、雪の上に落ちる。
佐々木「……」

俺は、佐々木の小さな体を抱きしめていた。
悲しい思い出を背負って…。
自分の運命を真正面から見据えて…。
そして、最も辛い選択を選んだ少女…。

佐々木「…キョン…」
佐々木「僕の体は、まだ暖かいだろうか…」
キョン「当たり前だ」
佐々木「…よかった」

ふっと、体から温もりが消える。
まるで、最初から何も存在していなかったかのように…。
その場所には、誰の姿もなかった…。
リュックも…。
人形も…。
そして、最後に残った温もりさえも、冷たい風に流されていく…。
でも…。
これだけは言える。
最後の佐々木は、間違いなく笑顔だった。

キョン「そうだよな…佐々木」


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最終更新:2009年10月09日 20:10
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