中学の同窓会。
さすがに成人式の後ともあり、大盛り上がりだ。
さて。開始一時間程経過したわけだが。俺はとある大問題を迎えていた。
「佐々木。大丈夫か?」
「むー…………」
俺の彼女………佐々木だな。佐々木は、実は下戸だ。
「ごめーん、キョンくん。まさかひっくり返るなんて思わなくて…………」
「下戸って知らなかったんだし、仕方ねぇよ。…………佐々木も、飲めないって言わなかったんだろ?」
なら、半分は佐々木の責任だ。飲めない酒を飲んだ、佐々木も悪い。
「は、薄情者め…………う、うぐええ………」
脂汗を流しながら、唸る佐々木。………根本的にアルコールが合わない体質のようだ。
「やれやれ。」
名残は惜しいが、恋人の為だ。
「すまん。会費は置いていく。佐々木を送っていくからよ。」
「キョン、お持ち帰りかー?」
………ったく。
「お持ち帰りもなにも、佐々木の彼氏は俺だ。」
野郎から罵声が、女共からは冷やかしが飛ぶ…………。国木田。北高の同窓会は頼んだ。
「ったく。飲めもしないのに、何故飲むんだ、お前は。」
佐々木を抱えるように歩く。………因みに振袖での参加だ。いつもと違う佐々木は、魅力72%増しというところだな、うむ。
「…………嬉しかったんだ。」
「何が?」
「…………僕が、キョンの彼女だって、皆に言えることが………。」
皆に祝福されてテンションが上がって、飲めない酒を飲んでしまったという。佐々木は、そう言うと嬉しそうに笑った。
「…………くつくつ。柄にもない。」
「全くだ。…………ったく。彼女自慢したいのは、俺の方なんだがな。」
「………………ん?」
佐々木は、目を丸くしている。
「歩けるな?帰るぞ。」
「キョン!今、何と…………」
今の俺の顔が赤いのは、酒のせいだ!
END
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最終更新:2013年02月03日 18:02