70-397『未来日記』ネタ 始まりのプロット

セピアがかった世界。民家の一室。どこにでもある高校生の部屋――――
人の気配は何もしない。家の中は、誰一人として居なかった。
――――否。街の形あれど、街に生命体と呼べる者はひとつとして存在していない。
スーパーに展示されている魚も肉も野菜も、いつまでも腐敗せずにその場にある。時間という概念すら存在しているかすら怪しい。

一人の少女が、高校生の部屋に入る。
部屋の学習机の上に置かれた、紫と青色のハードカバーの本。そして二対の携帯電話。
彼女は携帯電話の電源を入れた。

『diary』

8:00

長門が俺の部屋に来た。

青い携帯電話の画面に浮かんだメッセージ。

『diary』

8:00

長門さんが、キョンの部屋に来た。

紫の携帯電話の画面に浮かんだメッセージ。

彼女は画面を見ずに、二冊の本を開いた。青いハードカバーの本に記された記述を確認しているようだ。

佐々木に会えた。

紫色のハードカバーの本に記された記述。

キョンに会えた。

記述を確認し終えた彼女は、二冊の本を閉じ、小脇に抱え…虚空に呟いた。

「また、文芸部室で……。」

ビシリ、と音がし、空間にヒビが入ってゆく。卵の殻を破るように、空間が崩壊した……。

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最終更新:2013年04月29日 13:22
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