25-271「言えなかった一言」

あの時たった一言…たった一言、言えば…・・・

いつもと変わらない塾の帰り道
キョンにとりあえず小難しい話をしながら僕はひとりパニクっていた
だってあのキョンに今日こそ告白すると決めていたのだから
頭の中では1000回告白したのだが現実はそう甘くない
朝待ち伏せをしていたが言えず、
下駄箱に入れるためのラブレターも書いたが置けず、
休み時間ごとにチャンスはたくさんあったのに言えず、
放課後みんなが気を使って僕らを二人っきりにしてくれたのに言えず、
塾に行くときも(ry
今日はこれが最後のチャンス!この機を逃すものか!
「今日も停留所まで送ってくれてありがとう。バスが来るまでは少し時間があるようだし
ちょっと・・・話でもしないかい?」
「別に良いぞ、夜中にこんなところで女一人にもできないしな」
キョン、一応僕のこと女として見ていてくれたんだね・・・
「キョン、今から僕は君の知ってる僕じゃなくなるかもしれないがそれでもいいかい?」
「ああわかった、わかった。とりあえず言ってみろ」
「あのさ・・・えーと・・・」
そこで私はパニックになっていたと思う。気づいたらいつの間にかキョンを押し倒していたのだから
「え?・・・ど、どうした佐々木いきなり・・・」
あ・・・間違った・・・告白の前に押し倒してしまった・・・
マズイ、キョンの目が白黒している・・・当然だよね、やっぱり
別に何かしようと思っていたわけじゃないよ、キョンに逃げられないようにと
思ってやったことなんだけど・・・順番逆だった・・・
そのとき空気を読んでくれたのか読んでないのか分からないがバスが来てくれた
「ま、また明日!」
そう言って僕は転がり込むようにしてバスに乗りその場から逃げてしまった…
『好き』って言えばもしかしたら『OK』と言ってくれたかもしれないのに・・・僕のヘタレ!
明日は今日のこと誤って今度こそ言おう
 
次の日
キョンとはまともに目も合わせられずほとんど会話もなかった
三日後
いつも通りの会話をしている。でもキョンはこの前の話を出そうとしてもはぐらかすばかり
一週間後
もうキョンの態度に変わりはない。先週のことはなかったことのなっているようだ
そしてそのまま思いを伝えられず季節が過ぎて・・・・・・心のモヤモヤも大きくなって・・・
卒業式
「高校はお互い別々だけれど勉強もやりなよ。向こうで教える人は苦労するはずだ」
「余計なお世話だw」
「それじゃあまた会おう、キョン」
「ん・・・じゃあ、またな」
そして私はそのまま校門を出た。結局最後まで言いたいことは伝えられずに・・・

「・・・・・・というのが中学時代の僕のキョンとの思い出さ」
「佐々木さん、まだ諦めるのは早いです!私たちがサポートします!」
「グスン現地人め…グスッあったらとことん嫌がらせしてやるウウッ」
「―――彼―記憶―――――改ざん―――する?」
「ありがとうみんな、でもいいんだ。僕は今でも好きだけど
そこまでして僕はキョンを欲しいとは思わない
あのときの気持ちは結局伝えられなかったけど今となってはいい思い出だよ」

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最終更新:2007年11月24日 13:45
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