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昔々、ある所に「サルタロー」という名前の立派なピポサルがおりました。 おばあサルが拾った特大バナナから生まれた彼は、ある日、おじいサルとおばあサルにバナナを3本渡され、 都を荒らす鬼を退治してついでに鬼のお宝を持って来いと家を追い出されました。 とりあえず鬼を退治することにしたサルタローですが、何処に行けば鬼に会えるのかさっぱりわかりません。 鬼の居所を探して歩くうち、すっかり日が暮れてしまい、 道にも迷った彼はおばあサルのくれた3本のバナナもとっくに食べてしまい、お腹が減ったまま木の下で野宿しました。 次の朝、通りがかりの少年に起こされたサルタローは彼に鬼のいる場所を聞いてみようと思いましたが、さっぱり言葉が通じません。 サルタローが困っていると、少年は何故かきび団子を一つ差し出してきました。 お腹が減っていたサルタローは喜んでそのきび団子に食いつきました。 団子を食べ終わったサルタローは道もわからないし、ひとまずこの少年についていくことにしました。 少年は道中でサルタローと同じように困っていた犬と雉にも団子を食べさせてあげ、彼らを道案内してあげています。 サルタローはなんて良い少年なんだと感心しました。 数日すると、少年とサルタロー一行は船に乗ってある島へ着きました。島には鬼がたくさんいます。 ここで初めて鬼を退治しに来たと気づいたサルタローは少年や犬、雉と力を合わせ鬼と戦いました。 鬼を退治した一行はたくさんのお宝を奪って島を後にしたのです。 都に着いた一行はお宝の取り分を巡ってケンカになりました。 サルタローも暴れますが結局は少年が勝ち、一人でお宝を持ち去りました。 家に帰ってもおじいサルとおばあサルに叱られると悲観した彼は、自らサーカスに身を売り余生を過ごしましたと。 |
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昔々、ある所におじいサルとおばあサルがおりました。 彼らはとても仲睦まじく暮らしていましたが、子供がいないことをたいへん寂しく思っていたそうです。 そんなある日、おじいサルは山へバナナを採りに、おばあサルは川へパンツを洗いに出かけました。 おばあサルが川で洗い物をしていると、なんと川上から大きなバナナが流れてくるではありませんか。 でも、お腹一杯だったおばあサルはバナナを無視して洗い物を続けました。 2日後、近くの海岸にすっかり塩漬けになった一匹のサルがプカプカ浮いていたそうな。 |
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昔々ある所に嘘ばかりつくピポサルがいました。 あまりにも彼の嘘が酷いので、街のサルは彼を信じなくなりました。 ある時、いつも通り彼が嘘をついていると、街の外からヒカルが来るのが見えました。 彼は必死にヒカルが来たことをみんなにアピールします。 彼は何度も叫びましたが、街のサルは誰も彼のことを信じません。 仕方がないので彼は自分だけ街から逃げました。 街のサルたちはヒカルに捕まって当然全滅してしまいました。 嘘つきのピポサルは今でも他の街でのうのうと暮らしているそうです。 |
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モンデレラは目の大きなとっても可愛らしいピポサル。 優しく可愛い彼女は街でも人気者。街角に貼られた彼女のポスターには高額のお値段が付くし、 お店のサルも彼女を見ると恥ずかしがって店を閉めるほどです。 そんなモンデレラのことはもちろん国中の噂でした。 ある日、いつものように銀行でお金を頂いていたモンデレラは、友達からお城でパーティーがあると聞かされます。 一度でいいからお城へ行ってみたいと思っていた彼女は早速魔女の家へ行き、魔法の馬車を出してくれるようお願いすると、 コブだらけの魔女は喜んで彼女の願いを聞き、馬車を出しました。 馬車に乗ったモンデレラは静かにお城へと入りましたが、周りが彼女を放ってはくれません。 みんな、両手一杯の金銀財宝で美しく着飾った彼女と踊ろうと追いかけてきます。 困ったモンデレラは急いで馬車に乗りましたが、その時にピポヘルを落としてしまいました。 次の日、お城の王子様が、用意したピポヘルにぴったりのサルをお城へ招待するという御布令を出しました。 照れ屋のモンデレラはピポヘルをかぶる気はありませんでしたが、お城のサルたちが家までやってきて是非にと勧めます。 彼女は両手を引かれて広場へと向かいました。 広場では街のサルたちが順番に一つのピポヘルをかぶっていました。 しばらくして、いよいよモンデレラの順番が回ってきました。 彼女は周りのサルたちの熱い視線を感じて断ろうとしましたが、 親切な兵隊さんが彼女の腕を掴みピポヘルをかぶせてくれました。 なんと、ぴったりではありませんか。 照れていた彼女も嬉しそうです。兵隊たちに守られ、涙を流しながら名残惜しそうにお城へ歩いていきます。 街のサルたちもとても喜んでいます。 その後、お城へ行ったモンデレラは一生をお城で過ごし、街のみんなも幸せに暮らしましたとさ。 |
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性根の腐ったおねえサル達に苛められ、貧しいながらも必死に暮らしてきた美しいピポサル、モンデレラ。 ある夜、お城でパーティが開かれ、国中のおねえサルが招待されました。 しかし、みすぼらしいモンデレラには誰も誘ってくれるサルがいませんでした。 パーティの夜、残されたモンデレラはパーティを夢見つつ1匹寂しくキーキー歌います。 …すると、どこからか魔法使いが現れ、バナナの馬車を出したりモンデレラの服をドレスに変えてくれたりしてくれました。 ドレスに身を包んだモンデレラは喜び勇んでお城に向かいます。 バナナの馬車はとても良い匂い。シートもドアも壁もバナナ、バナナ。 モンデレラはいてもたってもいられず夢中でシートに食らいつきました。 数時間後、お城に着いたとき馬車から現れたのは横綱級に太ったモンデレラでした。 けれど、彼女の表情は幸せに溢れていたそうです。 |
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昔々ある所にサル島という若いピポサルが住んでいました。 彼は自分では魚を食べないのですが、なんとなく毎日漁の真似事をしては気ままに暮らしていました。 ある日、サル島が海辺を歩いていると、子供たちが亀をいじめているではありませんか。 サル島は無視しようと思いましたが、子供が持っているバナナが欲しくてたまりません。 そこで彼が手持ちのアミを投げると見事子供たちは雁字搦めとなり、彼は無事にバナナをゲッチュしました。 サル島が満足気にバナナを食べていると、突然亀が話しかけてきます。 サル島は喋る亀を気味悪く思いながらも、バナナを食べて暇になったので亀のお礼とやらに付き合うことにしました。 亀はサル島を背中に乗せて海の底にあるお城へと向かいました。 海の底のお城では乙姫様や多くの魚たちが彼を出迎えます。 乙姫様や魚たちは、亀を救ってくれたサル島に歌や踊り、刺身や天ぷらなど、体を張った感謝の気持ちを表してくれます。 しかし、魚を食べない彼は料理には手をつけず、バナナを希望しますが、海の底にそんなものはありません。 サル島は呆れて帰ることにしました。 海辺に着いたサル島は、乙姫様が「絶対に開けないで」といったお土産を前に考え込みましたが、 開けられないのでは何の役にも立ちません。 仕方がないので、サル島はその箱を海へ放り投げ、家へ帰る事にしました。 それから数年間、箱が投げ捨てられた海では魚が捕れることはなかったそうです。 |
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むかーしむかし、あるところに一人のハカセが住んでいました。 ハカセは山で研究をしながら暮らしていましたが、失敗ばかりでとても貧乏な生活をしていました。 ある日、ハカセが日課の散歩に出ると、一匹のピポサルがサル罠にかかって泣いているではないですか。 ピポサルを可哀想に思ったハカセがサル罠を壊して助けてあげると、ピポサルは何度も頭を下げながら山の中へと帰って行きました。 その日の夜、ハカセがもう寝ようかと思っていると、お客が訪ねてきました。 ドアを開けると、そこにはピポヘルをかぶった一人の子供がいたのです。 ピポヘルをかぶった子供は道に迷ったので宿を探していると言います。 優しいハカセはその子を家に泊めてあげることにしました。 明くる朝、子供は「泊めてくれたお礼をしたい。その代わり決して部屋は覗かないでくれ」とハカセに申し出たのです。 しばらくして、ハカセの口座に知らないところからどんどんお金が入ってきて、ハカセの暮らしは楽になっていきました。 しかし気になるのは子供のことです。 昼夜を問わず部屋から漏れる明かりが気になったハカセは、ついに約束を破って部屋を覗いてしまいました。 部屋の中には、一匹のピポサルがパソコンに向かっていました。 どうやら、流行のデイトレーディングとやらをしているようです。ハカセは静かにドアを閉めました。 しかし、次の日になると子供が起きてきません。ハカセが部屋に入るとそこには一枚の手紙がありました。 「正体を見られたので、もうこの家にはいられません」 手紙の最後には「この株券を売ってお金にしてください」と記してありました。 しかし、その株は貯金使い込み&大博打の株で、しかも見事に大暴落していました。 で、ハカセは元の生活以上に貧乏になってしまいましたとさ。 |
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むか~しむかし、あるお寺にウッキューという名前のピポサルがおりました。 ウッキューは山で悪さをしているところを和尚さんに騙されて捕まったのですが、 とても頭が良くとんちの名人として将軍様にも一目置かれた存在でした。 実際、本人的には全くやる気がなく適当にやっているだけなのですが、周りが勝手にとんち名人にしてしまっているのです。 ある日、いつものように将軍様のお使いが来て、お城へ来るよう命令しました。 出不精のウッキューでしたが、将軍様の命令なのでやむなくお城へ向かいました。 すると、お城の橋には「この橋渡るべからず」と書いてあるではありませんか。 将軍様の呼び出しはウッキューへの知恵比べだったのです。 しかしやる気のないウッキューはそんな事に気付くはずもなく、とっとと泳いで川を渡りました。 お城に着くと、将軍様が一枚の屏風の前で待っていました。 聞くと、この屏風に描かれた虎が夜な夜な絵を抜け出し城内を暴れ回るので、なんとか退治せよということです。 ウッキューは、この将軍、どうにかなってしまったのかと思いました。 将軍様はウッキューのとんちぶりを期待していましたが、当然本人はハナっからやる気ゼロです。 パンツからライターを出すと屏風に火を付け燃やしてしまいました。 その日でお城の中は火事になり、混乱に乗じて蔵にあった財宝も頂いたウッキューは山に戻って幸せに暮らしましたとさ。 |
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むかーし、ある所にピポヘルが大変よく似合う可愛いピポサルがいました。 みんなからは「ピポずきんちゃん」と呼ばれていました。 ピポずきんちゃんは森に行ってショッキングな色のキノコやバナナを採ってくるのが大好きでした。 ある日、ピポずきんちゃんは頼み事があるという人に会いました。 彼と会うなりピポずきんちゃんは壁を背にして握手もせず、薄さ一ミリの鋭い目で「用件を聞こう」とだけ言いました。 怖いおじさん達でも恐れるプロの顔になったのです。 ピポずきんちゃんへの頼み事とは、森に住むおばあちゃんの所へバナナを届けて欲しいとのことでした。 ピポずきんちゃんはお駄賃を銀行に入れてもらったのを確認すると早速支度を始めました。 お財布にカゴに地図。プロに失敗は許されないのです。 ピポずきんちゃんが森を歩いていると大きなオオカミさんに出会いました。 「こんにちは。何処へ行くのかね?」 「おばあちゃんの家よ」 「気をつけていくんだよ。ヒヒヒ…」 「ありがとう。バイなら」 森は一瞬だけ静まりかえりました。今日も平和な一日になりそうです。 やっと、おばあちゃん家に着きました。 家に入ると、おばあちゃんはベッドに寝ていました。 でもよ~く見ると、おばあちゃんの耳はすごく大きいようです。 「なんで耳がこんなに大きいの?」 「Zzz…ぐーぐー」 全く聞こえていないようです。 さらによ~く見てみると、とっても大きい口をしています。 「どうして口もこんなに大きいの?」 「Zzz…ムニャムニャ、ぐーぐー…」 「ねぇっ!!!」 「うわっ!ビックリした~」 おばあちゃんを優し~く起こすと早速バナナを渡そうとしました。 しかし、そのおばあちゃんは森であったオオカミさんだったのです! 「あれ?おばあちゃんは?」 「先月に引っ越したよ」 「嘘をおっしゃい!アンタが食べちゃったんでしょ!」 ピポずきんちゃんは豊富な想像力でオオカミさんが悪さしたと思いました。 いや、そう思うことにしたのです。 ボキボキボキ…ピポずきんちゃんは指を鳴らすことで怒っていることを表現して見せました。 そしてオオカミさんを懲らしめると、バナナを強引に渡して森の中へと去って行きました。 その背中は寂しげだったそうな。 |
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むかーしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが仲良く暮らしていました。 おじいさんはお正月の餅を買うために街へピポヘルを売りに行きました。 そのピポヘルはお爺さんが発明したのですが、壊れていることが多くあまり売れませんでした。 お爺さんは家へ帰ることにしました。 「あー、あまり売れなかったなぁ」雪道を歩きながらお爺さんはその大きな鼻をかかえました。 ふと気がつくと、道の横にお地蔵様が6体並んでいました。 頭の上にたくさん雪が積もっていてみんな寒そうです。 「そのツルツル頭じゃ寒いじゃろう」 お爺さんは雪を払ってあげると売れ残ったピポヘルをお地蔵様に被せてあげました。 しかしピポヘルは全部で5個しかなく、1個だけ足りません。 お爺さんは自分のピポヘルを取って残りの1体に被せてあげました。 お爺さんは家に帰ってきました。 お地蔵様の事をお婆さんに話すとちょっとだけ目が鋭くなりました。 その目に何かを感じたお爺さんは「今日の着物、中々じゃないか」などと 普段では言ったことのない台詞を言ってみたりしましたがお婆さんはずっと無言でした。 お婆さんはムッとしたままでしたがそっとしておいて寝ることにしました。 一緒に暮らしていくとはそういうものなのです。 …しばらくすると、外から物音が聞こえてきました。 何か大きな物が落ちた音でした。二人は外を覗いてみました。 するとそこには、都で流行のもんぺやはんてんがたくさん置いてありました。 ちょっとセクシーな模様でしたがお婆さんのサイズにピッタリです。お爺さんの顔が赤くなりました。 「やだよー、お爺さんたらっ!」「ば、馬鹿野郎」 ちょっとホッとした感じになりました。 そしてよーく見ると、向こうの方に小さくピポヘルのランプが見えました。 きっとお地蔵様が、ピポヘルのお礼に持ってきてくれたのでしょう。 お地蔵様のおかげで二人はまた仲良くなることができました。 その夜は遅くまで家に灯りがついていたそうです。 |
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昔々ある所に、発明をしながら暮らす貧しいハカセがおりました。 ある日、ハカセがいつものように森へ材料を採りに出かけると、森の中に綺麗な泉があるではありませんか。 お腹が空いていたハカセは、そこでお弁当を食べることにしました。 お弁当を食べ終えたハカセがデザートのバナナを食べようとした時、 つい手を滑らせて泉にバナナを落としてしまいました。 泳げないハカセが半泣きで泉の側にしゃがんでいると、なんと泉の中から女神様が現れたではないですか。 女神様はハカセに落としたバナナは金のバナナ、銀のバナナどちらかと聞いてきます。 正直な博士がどちらも違うと答えると、女神様はハカセに金と銀のバナナをくれました。 貧しいハカセは大喜びです。 その一部始終を、木の陰から見ていたピポサルがいました。 1本のバナナが2本になることを知ったピポサルは、ハカセが帰った後、泉にバナナを放り投げました。 すると、またもや女神様が現れ、金と銀、どちらのバナナを落としたか聞いてきます。 彼はサル真似でハカセと同じように首を横に振りました。 女神様がにっこり金と銀のバナナを差し出すと、ピポサルは喜んで2本のバナナを食べようとします。 が、当然金や銀は食べられません。自分のバナナが女神様に取られたと勘違いした彼は、 ピポヘルを真っ赤にして怒り、女神様に2本のバナナを投げつけました。 女神様は悲しそうな顔をした後、代わりにバナナを2本あげました。 するとピポサルは大喜びで帰っていきます。 女神様はその後ろ姿を見送りながら、金銀のバナナを売ればもっと食べられるのに… 幸せって人によって違うものなのだな、と納得しましたとさ。 |
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バナナから生まれたサル姫は、都でも噂のチョー美人。 連日全国のあちこちから色々なピポサルたちが押しかけ、サル姫との面会は常に5時間待ちの状態でした。 サル姫は相思相愛のサルがいるため、全てのサルの求愛を断っていましたが、どうしても3匹だけ諦めません。 仕方なくサル姫は3匹に無理難題を押し付け、諦めてもらうことにしました。 1匹には燃えることのないバナナを、1匹には決して壊れることのないバナナを、 1匹には食べてもなくなることのないバナナを要求しました。 3匹は無理を知った上で、各自バナナを求めて旅に出ます。 そして3年後、3匹のサルはサル姫の前に無事戻ってきました。 燃えることのないバナナと、壊れることのないバナナと、なくなることのないバナナを持って。 サル姫の額に汗が流れます。 まずは燃えないバナナを確かめます。燃えません。 焦ったサル姫は燃えないバナナを食べてしまいました。そしてバナナがなくなったサルを追い払います。 次に決して壊れないバナナを確かめますが、壊れません。 意を決したサル姫はバナナを丸呑みします。 最後に食べてもなくなることのないバナナを調べますが、いくら食べてもなくなりません。 それでもサル姫は食べ続けます。 それから数年が経ちますが、サル姫は未だ確認の為バナナを食べ続け、見事に太った彼女は違う意味で都の噂になりました。 彼女の家は今でも5時間待ちの状態です。 |
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ここは人里遠く離れたピポサルの森。 ピポサル達はもうすぐ訪れる冬を乗り切るために、夏のうちからちびちびとバナナなどの食料を貯めてきました。 リーダーのスペクターはいつもピポサルばかりを働かせ、自分は遊んで暮らしていたそうです。 冬ももう間近に迫ったある日、ついにピポサル達は冬の間の食料を貯めることができました。 そこにスペクターがやって来て、みんなへのご褒美に歌を歌い始めます。 下手な歌ですが、食料集めから解放されたこともあってみんなノリノリで参加。 喜びの中、パーティーは続きます。 そのパーティーは三日三晩続きました。 パーティーが終わり、初雪がポツリと降り始めたとき、ピポサル達の目の前にあったのは、 バナナが一本。それだけでした。 冬はまだ始まったばかり。ピポサル達は、この冬をどうやって過ごしていくのでしょうか… |
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とある森に、ハカセの研究所から逃げ出してきた3匹の兄弟ピポサルがおりました。 1番上のサルはめんどくさがりや、2番目のサルはデタラメ、ただ一匹、末っ子のサルだけはいくらか真面目で、 いつも2匹の兄たちの分までバナナを集めてくる賢いサルでした。 ある日、末っ子のサルがバナナを集めていると、やたら慌てているサルを見かけました。 末っ子サルがそのサルに理由を聞くと、どうやらゲットアミを持ったヒカルが付近に現れたというではないですか。 末っ子サルは大急ぎで兄弟の所へ帰り、危険を知らせました。 兄弟サル達は慌てて、それぞれ家を作ってヒカルから身を守ることにしました。 1番上のサルはそこらの藁でサクッと家を作り、2番目のサルは拾ってきた木で家を組み立て、 末っ子サルは固いレンガを集めて丈夫な家を作り始めます。 そして数日後、いよいよヒカルが現れました。 藁でできた家はヒカルの体当たりで壊れ、1番上のサルは2番目のサルの家に逃げ込みます。 しかし木の家もメカボーで壊され、二匹は慌てて末っ子サルのレンガの家に逃げました。 末っ子サルはまだ家を建てている途中でした。3匹は仲良くゲットアミで転送されたそうです。 |
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むかーしむかし、ある村の外れに貧しいピポサル達が住んでいました。 ピポサルたちは日に一本のバナナしか食べられないような苦しい生活をしていました。 ある日、ついに食べるものがなくなったピポサルたちは、なけなしのパンツを村で売り、バナナを買うことにしました。 みんなの代表でパンツを売りに行くことになったジャックは、荷車を引いて村へと向かいます。 すると、道の途中で一人のハカセに出会いました。 ハカセはジャックの物悲しげな表情に心打たれて、荷車いっぱいのパンツと バイオテクノロジーで作ったバナナの種を取り替えてあげました。 みんなのところへ帰ったジャックは嬉しそうにバナナの種をみんなに見せますが、 みんなはバナナではなく種を持ち帰ってきたジャックを貶します。 彼は落ち込みながら一匹寂しく小屋の裏に種を蒔きました。 次の日、ジャックが起きると、小屋の裏でみんなが騒いでいるようです。 なんと小屋の裏では昨日蒔いた種が大きく育って、雲にまで届こうとしているではないですか。 みんなもう大喜びです。早速ジャックがみんなに見送られつつバナナの木を登っていくと、 1トンはあろうかという大きなバナナが山ほどぶら下がっています。 ジャックは夢中になって木を揺らしました。 木の下ではみんながお腹を空かせてこの大きなバナナを待っています、 バナナを全て落としたジャックは木を降りました。地面は一帯に大きなバナナだらけ。 ところがみんなが見当たりません。ジャックは一匹、どこかへ出かけてしまったみんなを嬉しそうに待っていました。 一生。 |
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むかし、ある所に、貧しい少年ヒカルが、山で迷子になっていた小さなピポサル・ピポッチと二人で仲良く暮らしていました。 ある日、ヒカルが裏の畑に出かけると、ピポッチが穴を掘れとアピールします。 彼がそこを掘ると、たくさんのバナナが出てきたではないですか。 貧しい二人は、美味しいバナナに大喜びしました。 それを陰で見ていた隣のピポサル、猿真似でヒカルの畑を勝手に掘り返します。すると腐ったバナナばかりが出てきました。 起こったピポサルはピポッチに八つ当たり。ポカリと殴るとピポッチは泣き出してしまいます。 すると、涙が落ちた地面から、どんどんバナナの木が出てくるではないですか。二人はまたも大喜び。 それを目の当たりにしたピポサル、泣けばバナナの木ができると思い込み、固い石に頭をぶつけ泣いてみます。 しかし、自分の頭にたんこぶができるばかりでバナナの木など生えません。 怒ったピポサルは夜のうちにヒカルの木に生えたバナナを全部食べてしまいました。 朝起きると、バナナが全部なくなっていた二人はがっかり。 仕方なく残っていたバナナの皮を畑に撒くと、なんと畑にたくさんの花が咲いたではないですか。 たまたまそこを通りかかったハカセは喜び、二人にたくさんのご褒美をあげます。 ピポサルはそれを真似してバナナの皮を撒きますが、ハカセは皮に滑ってすってんころりん。 ピポサルは怒ったハカセにゲットアミでゲッチュされ、どこかへ転送されてしまいましたとさ。 |
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むかーしむかし、ある所に、身長が3センチほどしかない小さな小さなピポッチがおりました。 一寸ピポッチと呼ばれていた彼は、針を片手にピポヘルの船でいろんな国をうろうろ、 見つけた悪を片っ端から無言で打ちのめす、えらく漢気のあるピポッチでした。 たまには悪じゃないものまで打ちのめしていたようですが、それでも彼の評判はすごぶる高いものでした。 ある日、彼がいつものように船でうろうろしていると、お姫様が大きなピポサルに襲われているではありませんか。 一寸ピポッチは無言で船を岸に着けます。 ナリは小さくとも、やはり彼は有名人。お姫様はピポヘルの船から降りた一寸ピポッチを見つけると、助けを求めてきます。 大きなピポサルは生意気なサルめとばかりに彼を踏み潰しにかかりますが、 そこは流石一寸ピポッチ、降ろされた足をひらりとかわすとその足を駆け上ります。 ピポサルのパンツに飛び込んだ彼は、前を後ろを自慢の針でブスリブスリ。 大きなピポサルはたまらずパンツを脱ぎ捨て、逃げ出しました。 助かったお姫様がピポサルの脱いだパンツを探ると、一寸ピポッチと一緒に打出のピポヘルという宝物が出てきました。 お姫様が打出のピポヘルを振ると、一寸ピポッチはどんどん大きくなっていきます。 お姫様はその姿を見て、彼の強さに納得しました。 一寸ピポッチは、ピポッチ型のロボットだったのです。 彼は頭にお姫様を乗せると、新たなる悪を打ちのめすため再び旅立っていきましたとさ。 |
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むかーしむかし、ある所に毎度ビンボーなハカセが住んでいました。 ハカセは何とか発明で一山当ててお金持ちになりたいと考えていましたがなかなかいい機会がありませんでした。 ある日、ハカセが街へ買い物に出ると、一枚のポスターの前に人だかりができているではありませんか。 ハカセがそのポスターを読むと「この世に二つとないパンツを持ってきた者に、それに見合った宝をやる」と書いてあります。 どうやら、ピポサル国の王様・スペクターが珍しいパンツを探しているようです。 これはチャンスと思ったハカセ、急いで家に帰りました。 デザインセンスのないハカセは見た目に拘らず「この世に二つとない」パンツを作ろうと、 サルにしか見えない不思議なパンツを作ることにしました。 発明にはたくさんのお金がかかりましたが、ハカセは何とか工面して、見事サルにしか見えない、この世に二つとないパンツを完成させました。 スペクターがパンツを決める日、お城に集まった人達の持っているパンツは どれもデザインや機能性に優れた、それはかっこいいパンツばかりです。 ハカセは不安になりましたが、スペクターはハカセのパンツを見るなりこのパンツは素晴らしい!これだ!と即座にハカセのパンツを選びました。 素敵なパンツをゲットしてご機嫌のスペクターは、このパンツに見合う素晴らしいお宝をやろうと、 箱にいっぱいの金貨の山をハカセの前に差し出しました。 ただし、サルにしか見えない金貨の山を。 ビンボーなハカセはやっぱりその後もビンボーだったそうです。 |
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ある暑い夏の日のことです。 とある村に三匹のピポサルが住んでいました。ピポサル達は牛乳を売って暮らしていましたが、 牛が牛乳を出さなくなったので、仕方なく売りに出すことにしました。 ジャックというピポサルが牛を引いて市場へと向かったのですが、その途中でハカセと出会いました。 ジャックはハカセの話に唆されて、新発明だという豆と牛を交換してしまいました。 豆を持ち帰ったジャックはお腹を空かせた仲間と喧嘩になってしまいました。 殴られている時、ジャックの手から豆が飛び出し、庭へ落ちました。 次の日、ジャックが庭に出ると、大きなバナナの木が伸びていました。 たった一匹でバナナの木を登って行ったジャックはやがて雲の上まで辿り着きました。 そこには大きなバナナがたくさん実っており、ジャックは大喜びでバナナに食らいつきました。 お腹が空いていたジャックは夏の暑さや時間が経つのさえ忘れ、夢中でバナナを食べ続けました。 バナナを全て食べ尽してしまったジャックは、残念そうに降りていきました。 地上に降りたジャックは自分の家に戻りました。「帰ってきたよ」 返事がありません。ジャックが部屋に入ると、二人はテーブルに向かったまま死んでいました。 日めくりカレンダーを見るとそこに「12月」と書いてありました。 |
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スペクターを無事に遊園地へと帰し、いつもの生活に戻ったと思ったカケル。ところが――! 公園で子供が見ていた絵本にびっくり!なんとシンデレラがサルだったのだ。 それだけではない!自由の女神もバナナを持ったサルになっているではないか! 過去にまだサルがいた!? 「大変だ!」と研究所に戻るカケル。「はーかーせー!」 ――振り向いたハカセはサルだった。 その時、聞き覚えのある声がした。振り向くとモニターに白いサルの姿が! 「カケル、よくもオレのおじいちゃん、スペクターの邪魔をしたな」 「スペクターじいちゃんの偉大なる夢を俺が叶えてやるんだ。 世界をサルの楽園にしてやる。そう、人類サル化計画! 手始めのハカセの過去にサルを送り込んでサルにしてやった。 お前もサルにするのは簡単だが、サルにするなんてもったいない。 カケルが過去に逃したサルの子孫がスペクターの孫にピポヘルを被せた。それが自分だというのだ。 「過去に行って、そのサル達を捕まえてやる!」 「どうやって?ハカセはもういない。タイムマシンもガチャメカもない。お前に何ができるんだ?」 「オレはどんどん過去にサルを送ってる。どんどんサルばかりになっていく。 しかし、お前はサルにはしない。最後の一人になって苦しめばいい。 ――俺は未来に戻る。この時代にいるお前に何ができる?ジ・エンドだよ…」 ――白いサルは光とともに消えた。 「くそっ、そうはさせるか!どうすれば奴を捕まえられる?…何か現代でもできるはずだ。 そうだ!タイムマシンはないけれど、未来は今から続いているんだ!」 「奴にピポヘルを被せたサルの先祖を捕まえたら未来も変わるはず。 世界中にいるピポサルを捕まえれば、その中にきっといる! あの自由のサル女神像のように、サル化した場所にサル達はいるはずだ! 未来は僕が変えてやる!まとめてゲッチュだー!」 世界中のサルをゲッチュするカケル。 ある日、白いお爺さんサルを捕まえようとしたその時、再び奴は現れた。 「よくここまで来られたものだな。どうやってそのアミを手に入れたのか知らないが、それももう終わりさ。 この手でお前もサルにしてやる!」 「もうやめろー!」 「誰だッ!俺に命令するな!」 白いサルが振り向くとそこには――! 「ス、スペクター爺ちゃん!」 「カケルにガチャメカを作ってやったのは他でもない、 ――このスペクター様だ!」 「サルは人間と仲良く生きるべきだ。 遊園地に帰って私は分かったのだ。私の帰りを心配していた人達がいたことを。 お前にもいるはずだ。本当は分かっているんだろう?」 ――白いサルは未来へと帰って行った。 彼の帰る場所はそこにあるのだから。 彼を待つ人達はそこにいるのだから。 |