<まるで泥棒でも入ったかのような散らかりようだね>
暑さも和らぎ、過ごしやすくなってきた秋のある日。
絵本創作同好会の部室は、普段からそんなに整理整頓されてる訳ではない。時として作業に支障をきたすくらい散らかっているときもある。でも、本棚から本が一冊残らず全部出ていることなんて、ない。
「これ、まさに泥棒じゃない?」
棚という棚はすべて空っぽで、がらんとした箱と化している。何なんだろう、反乱?
<こんなときに何言ってるの。早く部長に連絡しなさい>
ああ連絡。連絡。気が動転しているのか、携帯の操作がおぼつかない。と言いつつ部屋を冷静に観察してみたりする。
気付けば開け放したドアから、女の子が覗いていた。いやちょっと、こんな散らかってるところ恥ずかしいんだけど。いつもはここまでじゃないんだよ、もっとましだよ、そんな弁明をしたくなる。
<だからそういう問題じゃないでしょう>
たぶん年下のその子は、なかなか驚いた顔をしていた。当然だけど。あ、私がやったと勘違いしてるのかな、もしそうならそれこそ弁明しないと。
<違うでしょ。どうしたのよあんたしっかりしなさい>
「誰かが押し入ったみたいで」とだけ言ってみる。
「金目のものとか、大丈夫ですか」
「ああ、どうだろう」入っていいのかな。足の踏み場も無いけれど。
「誰かが荒らしたような感じはしないですけどね」
「そう?」
「雰囲気なんで、全然あてにならないですけど。何か探すとき、本まで調べないかなって。棚空っぽにするのって大変じゃないですかね」
「ああ」
「きっちり並んでいるのって、ある意味不自然なのかも知れないですね。重力にしたがって下に落ちるものは、下にあったほうが自然なのかも」
「なんとなく分かるー」
<分かるー、じゃないでしょ。あんたと似てる思考回路なんてそうないよ>
部長が来た。
暑さも和らぎ、過ごしやすくなってきた秋のある日。
絵本創作同好会の部室は、普段からそんなに整理整頓されてる訳ではない。時として作業に支障をきたすくらい散らかっているときもある。でも、本棚から本が一冊残らず全部出ていることなんて、ない。
「これ、まさに泥棒じゃない?」
棚という棚はすべて空っぽで、がらんとした箱と化している。何なんだろう、反乱?
<こんなときに何言ってるの。早く部長に連絡しなさい>
ああ連絡。連絡。気が動転しているのか、携帯の操作がおぼつかない。と言いつつ部屋を冷静に観察してみたりする。
気付けば開け放したドアから、女の子が覗いていた。いやちょっと、こんな散らかってるところ恥ずかしいんだけど。いつもはここまでじゃないんだよ、もっとましだよ、そんな弁明をしたくなる。
<だからそういう問題じゃないでしょう>
たぶん年下のその子は、なかなか驚いた顔をしていた。当然だけど。あ、私がやったと勘違いしてるのかな、もしそうならそれこそ弁明しないと。
<違うでしょ。どうしたのよあんたしっかりしなさい>
「誰かが押し入ったみたいで」とだけ言ってみる。
「金目のものとか、大丈夫ですか」
「ああ、どうだろう」入っていいのかな。足の踏み場も無いけれど。
「誰かが荒らしたような感じはしないですけどね」
「そう?」
「雰囲気なんで、全然あてにならないですけど。何か探すとき、本まで調べないかなって。棚空っぽにするのって大変じゃないですかね」
「ああ」
「きっちり並んでいるのって、ある意味不自然なのかも知れないですね。重力にしたがって下に落ちるものは、下にあったほうが自然なのかも」
「なんとなく分かるー」
<分かるー、じゃないでしょ。あんたと似てる思考回路なんてそうないよ>
部長が来た。