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今次大戦に於ける英国軍及びインド軍戦略の解説と協商各国の失策、失敗(換言すればこれら作戦の成功したる理由)に対する一考察(書籍)
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shigushigu
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著者
英国ロードハイアドミラル、ジャック
『私の最大の幸せは国王と祖国に奉仕する事である私はその栄光を追う、それが悪ならば私は大罪人である。(ネルソンの言より)』
『私の最大の幸せは国王と祖国に奉仕する事である私はその栄光を追う、それが悪ならば私は大罪人である。(ネルソンの言より)』
納言
海軍士官の後学の為に今次大戦に於いて私が立案しインド軍と共同で実行せる計画を説明すると共に協商各国の失敗に対する考察を附して後の海軍将校らの参考資料となるを願う。
本文
第一段計画
一、オスマン帝国の早期降伏
一、オスマン帝国の早期降伏
二、黒海へ進出し要すればロシア黒海艦隊これを破り黒海の制海権を奪取する事により次の目的を達する
(1)現在のインド軍、ロシア軍戦線の後方への上陸を可能とし敵交通線(補給線、連絡線をも内包す)を『側方より脅かす』事。
(1)現在のインド軍、ロシア軍戦線の後方への上陸を可能とし敵交通線(補給線、連絡線をも内包す)を『側方より脅かす』事。
(2)二重帝国侵攻作戦の実施をも可能とし二重帝国攻略によりダニューブ河流域を占領し旧独逸の大戦域の管制権争奪戦に勝利し該地域に於ける内線作戦を可能とする。
(補足…一の目的を達する為にインド軍による陸路での大攻勢及び上陸部隊によるダーダネルス海峡の砲台破壊の後艦隊にて首都イスタンブールを砲撃しあり。)
(協商国の失策…
一、オスマンとロシアを始めとした各国の連絡及び連携が緊密ならざる事。
(補足…一の目的を達する為にインド軍による陸路での大攻勢及び上陸部隊によるダーダネルス海峡の砲台破壊の後艦隊にて首都イスタンブールを砲撃しあり。)
(協商国の失策…
一、オスマンとロシアを始めとした各国の連絡及び連携が緊密ならざる事。
二、協商各国をして英国の艦隊を恐れる余り本当に必要なる時機に於いても尚艦隊の運用消極的に過ぎること。
三、イタリア、フランスは同作戦行動中の英国に対してその交通線を側方より脅かし得るの位置にありながらその利を了解せざる事。
四、機雷に頼る余りに掃海せられたる後の対応極めて稚拙なること。
五、二重帝国が戦力の逐次投入なる愚を犯したること。)
(要点
一、黒海を制するはロシア軍及び二重帝国軍に対して内線の利を有す。
(要点
一、黒海を制するはロシア軍及び二重帝国軍に対して内線の利を有す。
二、当時に於いて二重帝国が領有せしダニューブ河流域を制するは独逸の大戦域に於いて中央位置を占め内線の利を有す、この地は二千年来同国の兵要地なり。)
第二段計画
一、陸路によるイタリア侵攻
一、陸路によるイタリア侵攻
二、ティレニア海へ艦隊を進出させローマ砲撃要すれば敵艦隊撃滅
三、一、二によりイタリアの早期降伏を図り最低でも軍事通行権及びジェノバを得る事によりスペインから独逸戦域へ最短で兵力及び物資を輸送する交通路を確保する。
四、この交通路を『側方より脅かす』べくトゥーロンよりフランス艦隊が出てくればこれを叩き出て来なくてもトゥーロン攻略作戦を実施し完全に安全なる交通線を確保する事を得。
(協商国の失策…
概ね第一段計画に同じ、イタリアの早期降伏は勝ち目が無いと判断し少しでも戦力を残す為と推察される。)
(要点
これに依て英国は独逸大戦域へ兵力及び物資を輸送する至便の交通線を得。)
(協商国の失策…
概ね第一段計画に同じ、イタリアの早期降伏は勝ち目が無いと判断し少しでも戦力を残す為と推察される。)
(要点
これに依て英国は独逸大戦域へ兵力及び物資を輸送する至便の交通線を得。)
第三段計画
(旧ドイツ領攻略作戦)
この計画の目的とするところは次の如し
(旧ドイツ領攻略作戦)
この計画の目的とするところは次の如し
一、フランスとロシアに対して中央位置を占める該地域の占領により仏露の陸上交通線(連絡線、補給線も内包する)を断つこと。
二、中央位置の占領により仏露に対して内線作戦を可能とする。
三、旧ドイツ領キール港を得る事に依り仏露の海上『交通線』を側方より脅かすと共に同港は北海とバルト海に中央位置を占めるが故に両海に対し内線の利を有する。(北海及びバルト海を管制す)
四、ライン河の独逸側にしてアルザス州の両端を為すフィリップスブルグ及びブライザッハを占領し同河の管制を確実にす。
五、オランダとの陸上交通線確保せられ独逸側フランス戦線に同国戦力の投入及び北海から同国を経由して英国より物資及び兵力を輸送する事を得。
(各員に訓示)
此計画はこれまでの計画に比して最も困難なるも、これが成功に依り我が英国の勝利は揺るぎなきものとなるでろう、
『英国は各員、己が義務を尽くさん事を期待す。』
此計画はこれまでの計画に比して最も困難なるも、これが成功に依り我が英国の勝利は揺るぎなきものとなるでろう、
『英国は各員、己が義務を尽くさん事を期待す。』
(同計画の途中にて講和成立せり。)
『結論』
それぞれ個別に戦い戦力分散せる協商に対し英印軍はその戦力常に『集中』して各作戦に当れり、これ戦闘の原則に適するものにて集中の原則の正しき事を証明するにはこの一例を以て足れりとす。又英印軍は敵軍に対し中央位置を占めるが如く行動し内線の利を活用せり『戦争は位置の事務なり』とは吾人の記憶すべき言なるべし、今次大戦の結果英国は世界の各海峡を支配しマージナルシー(縁海)にも多数の拠点を得たるを以てワールドシー(世界の海)を支配するに至りそれは即ち海運を支配すると同義なり。そして英国は今やその気になれば容易に世界各国の海運を封鎖し得るが為に覇権国となれり。
それぞれ個別に戦い戦力分散せる協商に対し英印軍はその戦力常に『集中』して各作戦に当れり、これ戦闘の原則に適するものにて集中の原則の正しき事を証明するにはこの一例を以て足れりとす。又英印軍は敵軍に対し中央位置を占めるが如く行動し内線の利を活用せり『戦争は位置の事務なり』とは吾人の記憶すべき言なるべし、今次大戦の結果英国は世界の各海峡を支配しマージナルシー(縁海)にも多数の拠点を得たるを以てワールドシー(世界の海)を支配するに至りそれは即ち海運を支配すると同義なり。そして英国は今やその気になれば容易に世界各国の海運を封鎖し得るが為に覇権国となれり。